まだ私が実家に住んでたとき,見慣れない場所からラベルの貼られていないビデオテープがポロリと出てきたことがありました.
私は『ははぁ~ん』と,期待に胸を膨らませながらデッキにセットして再生したわけですが,再生されのは『零戦燃ゆ』でした.中身が期待したジャンルと異なっていたので(笑)ちょっとガッカリしながら観始めたのですが,気が付くとあまりの面白さに最後まで観ていました.『これでもか!これでもか!』と,降りかかる様々な困難や不幸,そして最後のシーンは実に…いや,ネタバレはマズイですね.
『永遠の0』(先日,三浦春馬氏の件で観直したけど,良い映画でしたね…)のようなCGバリバリの今風の映画では無いですが,とても骨太で唸らされる素晴らしい邦画です.観たことがない人はぜひ.Amazon Prmieだとレンタル400円で観られるし,DVDでも2,300円以下(安くなったなぁ…).WOWOWでは2020年8月30日8:00から放送です.
で,この時期だからの話題ということではないのですが,太平洋戦争での日本の代表的な兵器はと言うと,『戦艦大和』と『零式艦上戦闘機』を挙げる人が多いでしょう.異論は認めません.大和はその後,宇宙戦艦になって波動砲を撃ったりして戦争を知らない世代にも人気.そして零戦は『ゼロ戦』の愛称で多くの人に広く知られています.制式化された皇紀の年数から付いた『ゼロ』という神秘的な数字,数々の無理難題や制約に対して限界まで技術者が知恵を絞ったその設計,開戦初頭に数多の敵を圧倒した無敗伝説,そして熟練搭乗員を次々と失うもののエースが精神力のみで踏ん張る絶望的な展開,最後は特攻機としての悲劇的な最期.日本人の誰もが琴線に触れる要素が散りばめられています.
で,この零戦,そういったバックグラウンドとは別に,形として実に格好良いんですよ.格好良いと言うよりも,美しいといいますか.
外国製の戦闘機には『単なる消耗品の工業製品だから』と,割り切ったような形状のものが多々ある中,零戦は日本刀のように1つ1つに魂を込めたような洗練された美しさを感じるし,細部にまで拘りを感じさせるんです(まぁその反面,生産性が…ですが).
そして兵器は敵を圧倒するために,常に改良を求められます.敵も次々と新兵器を投入してくるため,自ずと性能向上のエンドレスなシーソーゲームになります.零戦もその例外ではなく,1つの型が終始使われたわけではなく,11型から64型まで多くの型が作られました.wikipediaでも解説がこんなに長くなるほどに.そして後継機の『烈風』の開発に失敗したために零戦を使い続けなければならなかったという悲劇的な事情はあるけど,開戦から終戦まで海軍の主力戦闘機であり続けました(終戦間際に登場した傑作機,『紫電改』はあるけど).
で,たまに,ふと,唐突に,この洗練された機体を眺めて愛でたいと思うわけですよ.プラモデルを卓上に置いて.でも,1/32や1/48は論外として,1/72サイズでもそれなりに場所を取るので,机の片隅にというのはちょっと厳しい.でも,スイーツの1/144サイズはその半分サイズ.おまけに価格も2機セットでも1,500円前後,物によってはアンダー千円.これは行くしか…と,いうのが今回の沼の発端.
個人的には,翼の長い21型(パヤオも『風立ちぬ』のインタビューで,21型が好きと言ってたような),そして完成形とも言える52型が好きです.で,まずは試しにと52型丙を購入して作ってみたら…素晴らしいディテールに感心し,気が付いたら11型,21型,32型,22型/甲,52型/甲,52型丙,そして零戦がペースになっている二式水上戦闘機を揃えていました.あと,下の写真の左上は紫電改.この他積みプラに,1/144としては96艦戦やP51B/C,Bf109.etc,etc.絵に描いたように沼にズッポリですな(笑)
とは言え,零戦シリーズが一通り揃い,コンパクトに収まった状態で卓上の一角を飾ってくれましたので,少し紹介.
最近のコメント