豆本のような可愛らしい小型ノート:ミドリ MDノート<A7>
大変ご無沙汰しております.久しぶりの更新です.前回のポストは9月28日ですか…更新が一ヶ月以上飛んでしまいましたか….
ここ数年出張が多い上に,春と秋は学会で何週間も土日が埋まることが多く,なかなか仕事以外の時間が取れないのが辛いところです.そのため,宿で『あ,こんな新製品が出るんだ!』とか,『お,これは良いな』なんてネットで見付けて通販でクリックすることがあるのですが,出張から帰ったら届いた荷物が山のように積み上がったりしていることも.そして物によっては開ける暇もなく次の出張に…という事も多々あり…(涙).
今回紹介する製品も,新製品情報を見て電気が走り,予約注文して発売日に届いたけれど,ブログに書くのは半年以上経った後.そんなわけで,『今度出たアレってどんな感じ?』という人向けの新製品のレビューという感じではなくなってしまいました.とは言え,文房具好きな人には琴線に触れるであろう部分が多々ある魅力的な製品なので,猛烈にプッシュしてみます.
物はコレ.『ミドリ MDノート(A7)』です.以前,『ミドリ MDノートライト(A7)』を紹介しましたが,そのページ数を増やして糸かがり綴じにしたノートです.新製品情報の製品写真を見た瞬間,『そうそう,コレですよ,コレ.欲しかったのは こんなノート』と電気が走ったのですが,A7サイズのMDノートは…まるで小型の文庫本,もしくは豆本のようなとても可愛らしいノートです.
では早速,中身を見て行きましょう.
現在は普通に街の文房具屋やネット通販でも購入出来ますが,私はミドリオンラインストアで予約注文しました.実物を見ていないけれども間違いは無いと考えてドカッとまとめて注文.
『ミドリ MDノート<A7>無罫』,『ミドリ MDノート<A7>横罫』,『ミドリ MDノート<A7>方眼』,そして下は『MDノートカバー<A7>』.私は方眼スキーですが,端まで方眼でないフォーマットのため,方眼は1冊だけ購入しました.また,MDノートカバーはA7サイズだけAmazonで売られていないようなので,ミドリオンラインストアへのリンク.
袋から出します.罫線のタイプによって帯のデザインが異なり,そして色も微妙に変えてある辺りとても凝っています.
まず無罫を見てみましょう.
見て下さい,この厚さ.まるで文庫本のよう.本好きの人であればこの黄金比,うっとりしますよね.
『MDライトノート』はホチキス留めでしたが,『MDノート』は『糸かがり製本』となっており,パタッと180度開きます.そして表紙がありません.メーカー曰く,『表紙をつけることで起こるノートの開きの悪さやガタツキがなく,抜群の開き具合』という拘りの実現のためです.
容量は176ページ.『MDライトノート』の3.7倍.
帯の裏側の説明はこんな感じ.『IDEA』と見えるのは同梱されているシールです(後述).
次に横罫.
帯の説明書きも罫線によって変えてあります.横罫は見開きで4分割して書ける(1ページを上下で分割)ように,太い罫線で分割されています.
最後に方眼.
方眼の帯の裏.
帯の折り込んだ所にも色々と説明が書かれています.『好きに使って』でも良いのですが,拘りのMDペーパー等について,日本語と英語でしっかり説明されています.あと,しおり紐の紐の扱いに関する注意.
同梱されているシールはこんな感じ.
『IDEA』と『DIARY』はシール片になっています.複数ノートを使い分ける際に,用途を見分けられるように貼っておくと便利でしょう.
そして使い終わったときに貼ると便利な管理用シール.
半透明の『グラシン紙』のカバーが巻かれていますが,そのまま使っても良し,取って使っても良しです.
ノート本体.こう見ると,少し色合いが違うけど『ほぼ日手帳』の『本体』のようですな.
印刷ではなくエンボス加工で『MD PAPER』 MADE IN JAPAN.MDペーパーは,特に万年筆で書きやすい,書き味に対する拘りの紙です.
栞の紐はこのように背の部分に接着されています.上に引っ張ると剥がれて取れるので中尉…いや,注意.予測変換めっ(笑)
ノートは厚紙で挟まれています.ある意味,これが表紙.
そして開くと管理用の書き込みに便利なフォーマットのページ.
そしてミドリの自慢のMDペーパーが続きます.
無罫はややクリーム色かかった白紙.
方眼はこのような上下左右に少し空白を開けた方眼.罫線は薄い青.
私は方眼はページの端まで罫線が印刷されているのが好きなので,ちょっとこのフォーマットは苦手かな.
そしてミドリの方眼はただの枡目ではなく,拡大するとこんな感じで隙間が空いた方眼になっています.また,欄外に目印用の黒丸が印刷されていたりなどもします.
あ,横罫の写真撮り忘れ….
そして最後のページににはこのような印刷.
ビックリポイントなのは,罫線の種類によって栞の紐の色を変えている点.凄い拘り.こういう拘り,大好き.
無罫はえんじ,横罫は紺,方眼は黒です.
この”「書く」を愉しむ”の帯,デザインが素晴らしいので付けたまま使いたいなぁと思うのですが,そのままだと何かに引っかかってビリビリに破けることになるでしょう.また,この体裁のノートは栞部分をはじめとしてダメージに弱そうです.
そんな心配を抱く人向けに出ているのが(?)『MDノートカバー<A7>』.
コピーは”『MDノート』に寄り添う透明なカバー”です.言葉の選び方も素晴らしいなぁ.
帯に仕様の説明がありますが,
- MDノートにフィット
- ビニールは0.2mmの薄さだけど丈夫だよ
- 透明なのでMDノートの雰囲気を維持するし,汚れから守るよ
袋から出すとこんな感じ.白い厚紙がセットされているのでこれを外します.
一般の文庫本カバーのような形で両端に表紙を差し込むポケットがあるので,MDノートの表紙を挿入します.
セット完了.帯を付けたままでセットすることも出来ます.この方が見た目が良い感じでしょ?
なお,表紙が透明なため,外から見えるように写真やカード,絵等を入れておくのもアリですね.
参考までに,『MDライトノート』との比較.大きさはA7と同じため,筆記面積は同じです.
厚さが違うだけで無く,製本方法の違いも大きい.
上側のMDライトノートはホチキス留めのため,癖が付いていてパタッとページが開かないし勝手に開き気味になるので筆記時に少々使いにくいかも.一方で消耗品的書き捨てメモとして使う場合,あまりページ数が多いと携帯性が損なわれたり,複数冊の同時利用がしにくくなる感じ.
どっちが優れた製品と一概には言えません.用途に応じて適材適所で使う形かなと.
まとめ
以上,『MDノート<A7>』の紹介でした.
ノートと言うとバリバリとそれなりの分量を書く事を想像し,サイズとしては筆記面積が広いA5~A4サイズの方が良さそうな感じがします.しかしその一方で,要点を簡潔に書き込んで…というような手帳的な使い方をする場合,いつも持ち歩けるようなサイズである方が好ましい.そして書き捨てのメモでない場合は,ある程度まとまったページ数も欲しい.最近は最終的にデジタルに落としてクラウドに…という流れもあるけど,アナログで情報を持ち歩く場合は『ページ数=キャパシティ=情報量』ですしね.あと,こういった手帳的なツールほど,ちょっとした使い勝手の善し悪しが生産性に大きく影響を与えます.細かい話で言うと,罫線のタイプや紙の色,書き心地などの筆記用具との相性など.そういう意味では,MDペーパーかつ無罫・方眼・横罫と死角無しのラインナップです.
…と,堅苦しい話を書き連ねることも出来るのですが,やはり実用性一辺倒ではなく,この手の製品は『この製品を使いたい』と思わせる魅力が一番大切だと思う.仕事上使わざるを得ない道具なら別だけど,いくら数字上のスペックが良くても,『感性』の部分が揺り動かされないとそのツールは使いませんよね.人によっては形であったり手触りであったり書き心地であったりetc.そういう意味では,万人が好む製品というのは難しく,好きな人はメチャクチャ好きだけど,そうでもない人が大多数という製品のカテゴリかなぁという気もする.実用品だけど趣向要素の高い実用品とでも言いますか….
余談だけど最近様々な業種のメーカーの人と話をしていると,このような『感情』『感性』を客観的・定量的に計測したいという話が多かったりします.どのような物理現象やその量に起因して『こう感じる』のかという事を調べたりすることもあるけど,『快・不快』に限定した話も多いです.そして従来は被験者に製品の『快適に使えましたか』のようなユーザビリティ等に関してアンケート形式等でヒアリングするのが一般的だったけど,その結果に信頼性の点で疑念が生じることも多く(報酬をもらって評価する場合,人の心理としてあまりネガティブな回答はしにくいですよね),最近は(恣意的にコントロール出来ない)生体信号を一緒に計測するケースが増えています.具体的には,脳波を測ったり唾液中のアミラーゼを測ったり心拍変動を計測したり.
色々と興味深いことが出来るので心拍変動について少し掘り下げて説明すると,医療系ドラマなどで心電図のグラフを見たことがある人は多いと思うけど,あの一番大きなピコーンっていう波の部分は心室が最も収縮するタイミングを示し,R波と呼びます.そして心拍数が『毎分60拍』という人がいたとして,これは毎拍1秒という等間隔が続いているということではなく,間隔は毎拍変動しています.この変動をR波とR波の間隔の変動で見ることが出来,間隔をRRI(R-R Interval),変動を心拍変動/HRV(Heart Rate Vibration)と呼びます.
心拍変動は自律神経等の影響を受けて発生しており,自律神経の活動量や,交感神経と副交感神経の活動のバランス等を見ることが出来ます.そして心拍数はそのときの運動の負荷や個人差が大きいので単純比較出来ないけど,RRIを周波数分析して得られる指標のLF/HF(*)を用いると,ストレスがかかっているかや疲労しているかを数値化したり比較・評価出来ます.エビデンスもしっかりあるので安心感アリ.
(*)LF/HF:こちらの報告を読むと,慢性疲労を訴える患者に対して精神疾患との鑑別にも使えそうな感じが.
多くの方が経験的に同意すると思うのだけど,『疲労感』とか『ストレス感』(?)の自己評価って意外と当てにならならないんですよね.『シンドイ』って言っている人よりも,『大丈夫!』って言っている人の方が実際には危なかったり.
ストレスチェック制度の関係で,職場でアンケート形式のテストをしている人が多いと思うけど,本当に救わなければならない人を救えているかというと少々疑問を感じる部分があります.脈波だと座位以外でのLFHFの信頼性が落ちるという報告もあるので,スマートウォッチ付けさせて手軽に…という感じに出来ないのも一つの壁かなぁ.
…閑話休題.製品評価への応用に対する間工学的な話としてはこの報告が俯瞰的で読みやすいかも.
ワタクシ,今年は(いつも?w)特に小さいノートを色々買って使っています.なんと言いますか,いつでも持ち歩けるコンパクトなツールであり,そして色々とギュギュッと凝縮したようなミニチュア的な感覚が好きなんですよね.流石にA4サイズに描くような図面をコレで…というわけには行きませんが,日頃の大抵のことはこのサイズでもまぁ何とかなったりします.デジタル併用や母艦を別途用意すると更に完璧.
私にとってA7サイズのMDノートで特に琴線に触れた点は,まるで小さな文庫本のような形状・デザインです.文房具愛好家は結構な割合で本好きとも被っていると思うので,似たような感覚を持つ人も多いんじゃないかな.そして私はベットサイドの小さなテーブルの上に万年筆と一緒にいつも置いてあり(『持ち歩いてないやん』というツッコミ禁止w),寝る前に思い付いた好きな事,やりたいこと等をツラツラと書き連ねています.そして出張の時も宿で同じようなルーチン.こんな風に書き連ねたノート,たまに読み返すと楽しいですよ.そして読んだ後で前向きな気持ちになれる.
と,いうことで,『MDノート<A7>無罫』,『MDノート<A7>横罫』,『MDノート<A7>方眼』,『MDノートカバー<A7>』オススメです.ミドリさんには是非この路線の製品を今後も出し続けてほしいな.
« 真面目なシステム手帳の皮を被った推し手帳化も可:PLOTTERのmini5用ファスナーケース | トップページ | ルーズリーフだけではなく,3穴手帳やシステム手帳のM5やMini6用にも使える携帯パンチの決定版:カール事務器 ゲージパンチ・ライト(GP-LA) »
「文房具」カテゴリの記事
- 百均の材料で卓上に置けるコンパクトなリフィルストッカーを作る(3)二階建て大容量をしっかり作る【完】(2025.04.20)
- 百均の材料で卓上に置けるコンパクトなリフィルストッカーを作る(2)セリアの「木板 焼き目付き」 で作る(2025.04.11)
- 百均の材料で卓上に置けるコンパクトなリフィルストッカーを作る(1)MDFボードで作る(2025.04.10)
- ルーズリーフだけではなく,3穴手帳やシステム手帳のM5やMini6用にも使える携帯パンチの決定版:カール事務器 ゲージパンチ・ライト(GP-LA)(2025.02.09)
- 豆本のような可愛らしい小型ノート:ミドリ MDノート<A7>(2024.11.17)
「手帳」カテゴリの記事
- ルーズリーフだけではなく,3穴手帳やシステム手帳のM5やMini6用にも使える携帯パンチの決定版:カール事務器 ゲージパンチ・ライト(GP-LA)(2025.02.09)
- 豆本のような可愛らしい小型ノート:ミドリ MDノート<A7>(2024.11.17)
- 真面目なシステム手帳の皮を被った推し手帳化も可:PLOTTERのmini5用ファスナーケース(2024.09.28)
- 間違って購入し,ファイロファックスのリフィルの豊富さに驚く:FILOFAX mini5 ホリゾンタル イヤープランナー(2024.08.25)
- 紙質が良く,そして手軽に使える携帯性抜群の超小型ノート:ミドリのMDノートライト(A7)(2024.05.16)
« 真面目なシステム手帳の皮を被った推し手帳化も可:PLOTTERのmini5用ファスナーケース | トップページ | ルーズリーフだけではなく,3穴手帳やシステム手帳のM5やMini6用にも使える携帯パンチの決定版:カール事務器 ゲージパンチ・ライト(GP-LA) »
コメント