ヌラヌラからスルスルへの書き味の進化:JETSTREAM Lite touch/ジェットストリーム ライトタッチ
国産油性ボールペンの雄と言えば三菱鉛筆の『JETSTREAM』ですが,その特徴と言えばは絶妙なヌラヌラとした素晴らしい書き味でしょう.私の周りの文房具に無頓着な人でもJETSTREAMで試筆すると,大抵は『あ,この書き味好き』と言います.書く紙によってはインクの裏抜け問題等が発生しますが,それを考慮しても唯一無二の油性ボールペンと言って良いでしょう.
そしてJETSTREAMは軸のラインナップこそ様々な種類が出ましたが,インクはというとパッケージのエコ仕様への変更はあったものの発売から大きな変更はありませんでした.しかし今年(2023年)の3月に「新開発の”かろやか”なインクが登場『JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)』」というキャッチフレーズでプレスリリースがなされ,その後『JETSTREAM Lite touch ink』(公式ページ)まで出来ました.
しかし発売当初はコチラにリストされている店舗でしか取り扱いはなく,ネット通販大手でも取り扱いが無いためなかなかに入手困難.そんな中,厚木に出張の際に(京都ロフトの方が家から近くても,何故か三条近くに行く用事が無くて…)取り扱いが確認出来た有隣堂厚木店に寄りまして,リフィルの予備も買い込むことが出来ました.有隣堂厚木店,実に良い店ですねぇ.1,2階は書店で3階が文具,4階が画材など.気が付くと時間が溶け,財布が軽くなって行くようでした(笑)
なお現在はネット通販でも入手しやすくなり始めているので(後述),『近くの店に売ってない!!』という方は本エントリーの最後の方のリンク先を見て下さい.
さて,JETSTREAM Lite touchのリフィルですが,多色ボールペン用のリフィルで言うと”SXR-L80-05”のように『L』が付いているのが特徴です.そしてボール径は0.5mmと0.7mmがラインナップされており,単色用リフィルは黒のみ,多色用は黒,赤,青,緑の4色ラインナップです.
私は細かくミッチリ書き込むことが多いので,0.5mmをセレクト.サッと走り書きするような用途の場合は0.7mmが便利でしょう.
で,私の大大大好きで愛して止まないペンの『ピュアモルト ジェットストリーム インサイド4&1』にリフィルだけセットしても良いのですが,折角なので『JETSTREAM 多機能ペン4&1(Lite touch ink搭載)』という新しい軸を一緒に購入してみました.
軸の色のカラバリはメローホワイト,スチールブルー,ミストブルー,グラスグリーン,コーラルピンクという見るからに軽やかな5色カラーラインナップです.このほかに単色の『JETSTREAM シングル(Lite touch ink搭載)』という軸でライトブルー,オフブラック,シェルホワイト,セージ,コーラルというこれまた軽やかな色で発売されています.色分けのために多色が必要なければシングルもアリだと思います.
私はこのカラバリの中で,比較的男性が持っても差し支えなさそうな(笑)『スチールブルー』をチョイス.おお,現在はAmazonのマケプレでも買えるようになってますね.
樹脂製クリップに『uni JETSTREAM』の刻印.
廉価なタイプの多色軸で,樹脂製で一般的な形状です.
パット見では判断出来ませんが,シールを読んではじめてLite touchインクがセットされている軸であることが分かります.
『4&1』なので,0.5mmシャープ付き.
シャープ機構のノックはクリップパーツで行います.
ボールペンへの切り替えはノック部分で行います.色の識別はノックパーツの下側に付いているカラーチップで行うので,筆記中の切り替えはちょっと見えにくいかな.
こちら側は黒,青.
そして緑,赤.0.5mmシャープと4色ボールペンが1本に収まっているので,これ1本あれば大抵事が足りますな.
キャップを外すと消しゴムが出てきます.消字性能的にはアレですが,あるのと無いのは大違い.付いていれば絶大な安心感が得られ,オールインワンペンになります.
リフィルの交換は,ネジ止めされている軸の先側のパーツを外して行います.シャープの芯の補充のときも分解してから行う必要があるので,(構造的に仕方が無いけど)シャープ機能のヘビーユーザーにとっては少々不便かも.
そして肝心の『ライトタッチインク』の書き味ですが,『ぬらぬら』ではなく『スルスル』です.油性ボールペンらしくなく,力を入れなくてもスーッと書けます.これは違和感.ジェットストリームではないみたい(笑)
逆に『これはジェットストリームである』という先入観を無くして使うと,『まぁ書きやすい水性ボールペン…え?これで油性なんですか?ゲルでも無く?』みたいな感じ.BICのようなヌルッとした書き味が好きな人は従来のタイプの方が良いと感じるかもだけど,軽くスルスル書ける普通の筆記用具を欲しがる人にとっては,とても望ましい方向への進化だと思う.そして発色も綺麗だし,書いている最中に掠れたり変なダマが出来たりすることも無い.
そして今回購入した軸,こちらもメチャクチャ重量が軽くてビックリです.それでいて見た目はチープ感がありません.組み合わせとして『ライト』のマリアージュ.
まとめ
と,いうことで『JETSTREAM Lite touch/ジェットストリーム ライトタッチ』の紹介でした.
書き味に関しては筆記抵抗が極限まで少なくなっており,『スルスル』というオノマトペがピッタリ(一瞬,さらs…と書こうとしたけど,これは別のメーカーの製品名だっ(笑)).正直,油性インクのボールペンに思えません.
水性インクにも染料や顔料があり,更にはゲルインク,水性と油性を混ぜたエマルジョンのようなインクもあり,『水性だからこのような欠点があり…』という言い方がしにくいのですが,敢えて他のインクに対しての油性インクのメリットを書くと『安心感』.筆記面が水を弾くような状態でも大抵は書け,そして書いた直後に擦っても滲まず,書いた後の耐水性等も高いのが一般的.そして個人的には水性ゲルインクのリフィルに比べて筆記距離が長い点も評価.
例えば4Cリフィルで様々なリフィルを選べるゼブラのシャーボX用で見てみると,(ボール径によっても多少前後しますが)0.7mmの油性/エマルジョン/水性ゲルのリフィルのそれぞれの筆記距離は480m/300m/70mといった具合(『ボールペンManiax』調べ.素晴らしいサイトだなぁ).油性が長めで水性ゲルが圧倒的に短いことが分かります.
同サイトでSXR-L80-05を見てみると,筆記距離は330m.シングル用のSXR-L-5で700m.純然たる油性インクのリフィルで1km以上筆記出来る物と比べると見劣りするけど,SXR-80-05からライトタッチインクのSXR-L80-05になっても筆記距離は短くならず,同じ模様.インクフローがシャバシャバになって筆記距離が大幅に短くなっていたら辛かったのですが杞憂に終わったようです.
そしてこの製品の現状の一番の問題は入手性ですが,前述の通り軸に関してはAmazonでも普通に買えるようになりました.そしてリフィルに関しても,まとめ買いで購入可能に.価格も妥当な感じかな.あと,いつの間にかヨドでも購入に出来るようになっていました.ただ,リフィルによっては在庫稀少の様子.
と,いうことで,まるで水性ボールペンのようなスルスルとした書き味のジェットストリーム,オススメです.『油性のネトッとした書き味が苦手で…ゲルインクじゃないと…』だった人には『ジェットストリーム ライトタッチインク』是非試してほしいデス.
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