丁度良い長さで使い易く,かつ携帯性も良くなったメタシル:サンスター metacil pocket(メタシルポケット)
例年は大晦日から元旦にかけて絵を描いてアップしたりしていましたが,今年は元旦からお正月気分が吹き飛ぶ感じで何とも….そして今月はいきなり立て続けに学会があったりしていたせいで,年末の忙しさがリセット無しでそのまま続いているような今日この頃です….
さて,出張があると何気に出張先の近場の文房具屋や本屋,気になる映画があるときには映画館を夜にフラフラすることが多いのですが,そういうときに店頭で出会い,ノーマークだった製品にハートを打ち抜かれることもあります.
今回紹介するメタシルポケットもその一つです.
2年前に衝撃的なデビューを果たしたメタシルですが(そのとき書いたエントリーはこちら),その後ノック式が出たり等しましたが似たような製品が他社から出たりしたこともあって少し影が薄くなった感じでした.ただのメタルペンではなく,合金に黒鉛を混ぜることにより色が薄いという欠点を改善して…という画期的な改良を行ってはいるものの,アイデアを真似た廉価な製品が出てきてしまうと,どうしても差別化しにくい実用品では勢いがなくなってしまいます.『モノ』としての魅力という意味ではメタシルの軸の質感は素晴らしいと思ってはいたのですが….
で,多くの人が同意してくれると思うのですが,鉛筆って真っ新の状態では長過ぎる感じがあるじゃないですか.そして使うに従って削られて短くなっていき,ある程度使い込んで短くなった長さで『この長さが丁度良いな』という長さがある.そしてそこを超えて短くなると再び使いにくくなる.
そしてこの『メタシル ポケット』は,持ってみるとその『使い易い長さ』なんですね.手にシックリ来る.そして携帯性も向上.改めて考えるとオリジナルのメタシルは『真っ新の鉛筆の長さ』に近くて長過ぎな感じがして来ます.
そんなわけで,『これがメタシルの完成形では?』と,感じた『メタシル ポケット』のレビュー.
パッケージには『つい持ち出したくなるポケットサイズ』.いやホント,可愛らしいサイズなんっスよ.
そして『メタシル』の特徴はそのままで,逆に言うと筆記性能は継承.
軸も小型化で安物に…ということはなく,アルミ製でオリジナルの質感を継承.
裏面には『メタルペンシルとは』の説明.
『メタシルがはじめてのメタルペンシル』の人が多いと思うけど,書ける原理に関してはやはり説明が必要ですよね.それと『メタルペンシルはメタシルと同じ感じ』と思うと足元を掬われる事になる(特に筆記の濃さ)ので,やはりそこも誤解のないように説明が必要かなぁと思う.
『メタシルポケット』はペンだけではなく,キャップ付き.
本体とキャップ.キャップの色は軸と同じ色です.
私はブラックを購入しましたが,他にカラバリとしてピンク,ブルー,ホワイト,ベージュ,ネイビーがあります.それとピンク,ブルー,ベージュはイマドキのフワッとした柔らかい色合いです.
キャップには『metacil』と刻印があって,革っぽい加工が施されています.
単純な構造で,少しきつめのソフト(プラのようなハードではない)な筒のような感じです.キャップに関しては少しチープな感じがするので,革で自作しようかな….この辺りの製品を使っても良いと思う.
そして本体.
見て下さい.このメタシルから引き継いだ素晴らしいオーラを纏ったデザイン.無駄なモノを廃した機能美に溢れています.まぁある意味『鉛筆』は究極のデザインということなんでしょうね.そしてメタシル特有の金属的な質感,安っぽくも重々しくもないこのシンプルな表面塗装.素晴らしいとしか言いようがありません.繰り返し書きますが,『THE 機能美』.
軸には鉛筆っぽくメーカー名,製品名が控えめに印刷されています.
そしてメタシルのキモとなるペン先.この部分が16kmもの長さの筆記を可能とします.
軸は8角形.そしてエンドはこのような若干丸みを帯びた形.スパッと裁断されていて芯が見える実用性重視の廉価な鉛筆ではなく,高級鉛筆に見られる形状ですね.
ダメですよ.鉛筆のようにカジカジしてはw
そして今回驚いたのは,メタシルの発売時には替芯の販売予定はないという話を聞いていたように思うのですが,いつの間にか替芯が売られていたこと.調べてみたら,1年前から売られていたようですね.知らんかった….
『替芯』があるとホント有り難いですね.金属製の軸を使い捨てにしなくて良くなるのと,何かの事故でペン先を破損してしまったとしても替えが利く安心感.
軸に元々セットされているペン先と同じで,濃さ2H相当で筆記可能距離16km.
ねじ込み式です.
替芯のアップ.
オリジナル(上)のメタシルとの長さ比較.オリジナルは160mm,ポケットは120mmです.40mmの差は大きいですな.
替芯は互換.
筆記用具にはクッキリコントラストの高い筆跡が好まれるシーンが多いと思うけど,メタシルは2H相当の濃さ.メタルペンシルとしては驚異的に濃いと言えますが,一般的な筆記用具で考えると『薄い』です.そのため用途が絞られると思う.
私は『軽くメモや・ラフにデザインする用に便利』,『書いた後消しゴムで消せるが,耐候性があって日光に晒しても水に濡らしても消えない』,『何かあったときに確実に書けるペン』としての有効性を評価.
キャップを付けるとこんな感じ.軸も頑丈だし,このまま無造作にカバンに放り込んでおいても(芯を擦りつけてしまって)回りを黒くしたり,ペンが破損することは無いかなと思います.
ラフに扱っても確実に動作する道具って色々な意味で頼りになるので,キャッチコピーにあったような『つい持ち出したくなる』というのは言い得て妙な感じ.
このくらいのサイズ感って凄くシックリ来るなぁ…と思っていたのですが,カランダッシュ 849のボールペンもほぼ同じ長さ.やはり携帯性が良くて使い易いサイズというのはこのくらいなのかも.
まとめ
と,いうことで,昨年末に発売になった『メタシルポケット』を紹介しました.メタシルに何となく感じていた『ちょっと使いにくい/重心がもう少し前ならなぁ/持ち運びにくいなぁ』という部分,『メタシルポケット』が出る事で『あぁ,短くすることで全部解決するのか』と納得出来ました.
40mm程短くなっただけで持ちやすく,重心も前に来て書きや易く,持ち運びも抜群にしやすくなりました.『そう,これですよ.私達が求めていたメタルペンシルは』という感じ.
***
で,どうしてもメタルペンシルはイロモノ的に見られてしまいがちですよね.メンテナンスフリーで構造的に堅牢で,実質的にほぼ永遠に書き続けられる(※メタシルは芯の構造上16kmだけど)という特徴がある一方で,色が薄いのでスタメン・エースの筆記用具にはなりにくい.その上,滅多に使わないのに筆箱の中で大きく嵩張っていると『うーん,滅多に使わないし,常時持って無くて良いかな』なんて感じにもなる.
しかし,性能や質感を維持しつつ,『メタシルポケット』くらいの控えめなサイズになれば話は変わって来るわけです.いつも持ち歩いていてもそれ程邪魔にならないし,いざという時に他のペンが全滅していても(余程のことが無い限りは)コレなら書ける.そしてコンパクトになることにより,モノとしての魅力も凝縮された感じがする(私だけ?).
そのようなわけで,『メタシルポケット』オススメです.実際に手に取って,コンパクトだけどシッカリした質感にうっとりしてみてください.そして16世紀から使われているというメタルペンシルの筆記用具としての歴史の長さを感じてみてください .また,長期保存しても劣化することは(おそらく)無いので,『替芯』も何個かストックしておくと更に安心かな.
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