旅行先でも写真を綺麗に印刷するためのポータブル フォトプリンタ:KODAK Mini2 Retro P210R
本ブログでは,過去に様々な機種の携帯可能なプリンタを紹介してきました.調べてみると,最初に採り上げたのはPoraroid PgGo.その後LGのPocket Photo等も試しつつ,持ち運べないこともないフォトプリンタとしてCanonのCP800を紹介したり,直近ではエレコム eprieを紹介したりしました.
最初の記事は12年前かぁ…と,思うと隔世の感がありますが,『モバイルプリンタ』に関しては当時も今もあまり変化がない感じです.
おそらく国内で携帯型のフォトプリンタとしてはCanon iNSPiCのシェアが大きく,次くらいに(?)FUJIFILMのスマホdeチェキのシリーズが来る感じかなと思います.前者はZINK技術を使用したプリンタ,後者はチェキ用のフィルムを使用したプリンタです.
で,ZINKの発色性や印刷品質に関しては機種や用紙を変えて本ブログでも何度か採り上げている通りですが,『味がある』系です.要は,スマホ画面で見るシャキーンとした発色とカリカリな解像感そのままで印刷されることを期待したら落胆する系です.好みの問題もあると思うけど.
そしてチェキの方は,発色その他はキレイなのだけど,基本は『写真』なので,人にあげたりアルバムに挟んだり壁に貼り付けたりするには良いけれど,手帳に貼り付けるにはちょっと分厚くてデカくて使いにくい感じ.良くも悪くもチェキな感じです.
そんなわけで『発色が綺麗で解像感もあり,手帳やノートに貼り付けられる』フォトプリンターは,個人的には昇華式プリンタ一択だと考えています.でも,『モバイルフォトプリンタ』市場はそれほど大きくなさそうなので,eprieのようによく出来た製品でも,あまり売れずに後継機種も出ずに終了ということもありえます.すると専用品でもあるインク・用紙一体型のカートリッジの供給が止まるので,ユーザとしては悲しいことに.
と,いうことで,CanonかEPSON,もしくはワールドワイドなメーカーがモバイルフォトプリンタ出さないかなぁと思っていたら,KODAKが出してくれましたという感じです.新型コロナの流行と収束の振れ幅が非常に大きいけど,次第に出張や旅行に出ることも増えるかなと思ったタイミングで昨年購入した次第です.
結論を先に書くと,メチャクチャ満足度高い製品です.買ってよかった.
まず最初に断っておきますと,KODAKのモバイルフォトプリンターのラインナップには複数種類あり(公式),紙のサイズも異なります.私が選択したのは一番小さいタイプのMini2のラインのP210Rです.そしてカラバリも白,黒等複数ありましたが,KODAKらしいいオレンジをチョイス.
そして購入したのは本体単体ではなく,『P210R本体と68シートのセット』.今だとAmazonで1500円offクーポンが使えるので15,900円ですな.私が購入したときより安くて羨ましい.そして追加で『20枚入りシールセット』も.
シールタイプについて説明すると,裏側がシールになっていて剥離紙を剥がして手帳にそのまま貼ることが出来るので便利です.ただ,行楽シーズンや年末年始になるとネットショップでシールセットの在庫が減り,マケプレ扱いになり価格も高くなる傾向があるようです.参考までに書くと,私が購入したときの価格は1,364円でした.今は2倍くらいになってます.
後述する両面テープで貼ることも出来ますので,1枚あたりの単価の安い60枚セットの通常のタイプ(現在2,390円)を購入するのもアリだと思います.酷いときは通常タイプとシールタイプで1枚あたりの単価が4~5倍違うときがありますし,この価格差は無視できません.
セットはKODAKが販売しているので,KODAKの箱で届きます.
早速開封の儀.
10枚入りカートリッジ3つ入りの箱が2つ,シールタイプの10枚入りカートリッジ2つ入りの箱が1つ,そして本体の箱です.
冒頭にも書いた通り,同じKODAKのフォトプリンタ用でも,用紙サイズに複数バリエーションあります.P210Rを使用する場合は2.1inch*3.4inch(5.3cm*8.6cm)のものを選んでください.
私が購入したときは,シールタイプのみ日本向けのパッケージが届きました.
では,本体開封の儀.
『KODAK Mini 2 Reto』が製品名で,"P210R"が型番です.
カラーは前述した通りイエローをチョイス,接続はBluetoothで行います.
いざ,開封.
本体の樹脂製ボディ表面にスリ傷等が付かないように丁寧に梱包されています.
日本製ではありがちですが,おおらかなアメリカンな製品では珍しい気が.
本体のセットの中身はこんな感じ.
ユーザーガイドは多言語対応.そして基本的にスマホから利用する製品になっており,iOSまたはAndroid用のアプリから使用します.
日本語説明部分はこんな感じ.
同梱されているmicroUSBケーブル.結構余っちゃうんですよね….
そして本体.
このKODAKらしいオレンジカラーに赤色,昔からカメラやってる人には馴染みのあるものですよね.私は富士フィルムを主に使ってましたが.
昔聞いた話では,富士フィルムのフィルムは肌が綺麗に写るようにチューニングされていて,KODAKのフィルムは金髪が綺麗に写るようにチューニングされていたとか.本当かどうかは知らないけど.
大きさはこんな感じ.プリンタとしては携帯性抜群で,ポケットにも辛うじて入ります.
横には充電用のmicroUSB端子,そして充電状態表示用のLEDとリセットスイッチがあります.
そして反対側は印刷した紙が出てくるスリット.
そしてこちら側に電源スイッチとステータス表示用LED.
残りの側面はこのように蓋になっており,用紙・インクがオールインワンでセットされたカートリッジをセットするようになっています.
元々セットされていたテスト印刷用のカートリッジ.表側.
裏側.
カートリッジを抜くと本体はこんな構造になっています.
カートリッジはこの方向でセットして….
奥まで押し込んで…
蓋をしてセット完了.
充電はmicroUSBで行います.充電中は赤LEDが点灯し,満充電になると緑色点灯になります.
そして電源ボタンを長押しして電源ON.
マニュアルからステータスの状態を拾ってみると,
- 電源接続中:ホワイト点灯
- プリント中:ホワイト点滅
- ファームアップ中:ピンク点滅
- カートリッジ無し/エラー:レッド点滅
- 待機中,冷却中:緑点灯
バッテリが満充電であれば20枚印刷可能であり,充電しながらの印刷も可能です.microUSBでの給電なので,出先で内蔵バッテリ(620mAh
)が干上がったときにはモバイルバッテリの利用も可.便利.
使用方法は至って簡単で,スマホとBluetoothでペアリングし,アプリのストアからKODAKのアプリを入れるだけ.後は印刷したい写真を選んで印刷開始して待てばOK.
『4PASS方式』と書かれていますが,用紙が本体から4回出たり入ったりしながら各色のインク蒸着を繰り返します.
最後の1PASSはコート用.
昇華式プリンタはやっぱ綺麗ですねぇ.据え置き型のプリンタと比べると解像度が低いけど,この価格でこの品質の印刷が出来るのは感動モノです.
4PASSで1枚あたり印刷に1分かかります.ただ『待つ』という感覚はあまりなく,ジーコロ,ジーコロと出たり入ったりしながら完成して行く用紙を見ているだけで楽しめます.見ていて飽きません.
複数枚プリントを行う場合は,下の写真のように選択して印刷指示し,あとは放置しておけばOK.
通常タイプの用紙で縁無し印刷をすると,このような形で印刷されます.
この部分に(チェキの余白でやるように)メモ等を書いても良いのですが,完全に縁無しにしたい場合は…
この部分は切り離せるようになっているので,パキッと折って…
切り離しましょう.
調子に乗って色々と印刷しちゃいました.楽しいなぁ.
ランニングコストは1枚40円くらい.Canon inspic等のZinkペーパーは5.0cm*7.6cmで1枚40円ちょっと.KODAKのP210R用のサイズは5.3cm*8.6cmなので,一回り大きくて少し安い…という感じかな.
昇華式でとにかく良いなぁと思うのは,『空気が透き通っている』感じなこと.少々抽象的な表現になるのだけど,色が濁らず,かつ,明るいところと暗いところでしっかりコントラストの差が出ること.なので生シラスの透き通ったようなキラキラした色合いや,大葉やネギの瑞々しい緑色,そしてたんぽぽの華やかな黄色もしっかりと色が出る.
淡い色の部分のコントラストもしっかり出るので,例えばクッキリとした青い空と淡い雲の白い雲(*)の織りなすグラデーションも鮮やかに印刷されます.良い.すごく良い.
(*)空が青いのはレイリー散乱,遠くが白っぽく霞んで見えるのはミー散乱という物理現象です.
プリンタ本体のサイズと重量ですが,133mm*80mm*26mmで245gであり,小型で軽量.
多くの人が『ちっさ!』と,感じるであろう&普及しているzinkペーパーを使用するプリンタと比べてもサイズは殆ど変わりません.
ただ,印刷品質は雲泥の差.『味』を楽しめる人でないとZinkペーパーはキツイかも.
下の写真で上は昇華式,下はZinkペーパーです.
Zinkペーパーも発色の(原理や技術的な)仕組みは面白いし,とても良い仕事をするシチュエーションもあるのだけど,機構的にありがちなのは縦縞トラブル.これだけはいただけない.クリーニングで復活しても,頻度的には『あ,まただ…』と,感じるくらいの頻度で出ます.
下の写真(左側がZinkペーパー)でも盛大に出ています.
印刷したら,あとは手帳に貼るだけ…ですが,使用する両面テープとして私は『カンミ堂 TAP TAPE』をお勧めします.使いやすくて携帯もし易い.
ほぼ日手帳に貼ると,サイズ的にはこんな感じです.写真が主役であればちょうど良い感じです.もっと小さく&文字をたくさん書きたい場合は,縮小して印刷ですかね.
それにしても…家康像を撮ったのは2019年の学会に行ったときでした.その翌年にコロナ禍が始まり,先日2年ぶりにようやく対面主体の学会に参加できたと思ったら第7波が酷いことに….
あと,カートリッジ形状からeprieと中身が同じではないかと思ったのですが,P210Rの方が一回り小型でした.
その一方で,カートリッジのサイズは違うけど用紙サイズは同じ.
印刷の品質は解像感も含めて似ている感じですが,色味が少し違うかな….
ただ,諸々とても良く似ている製品ですので,生産終了になったeprieを愛用している人にとっての移行先としては,P210Rはベストな選択肢じゃないかなと思います.
そして本体の持ち運び方ですが,私はこんな感じの伸縮性のある素材のポーチに入れて持ち運んでいます.
ここ2年ほど泊まりでの出張や旅行がほぼなく,あっても出歩くのを極端に自粛していたため,あまり出番はありませんでしたが….
今年(2022年)の5月後半から6月末頃まではコロナ禍がかなり落ち着いていたこともあり,霞が関方面に毎週出張していたり,学会のはしごで9泊10日とかやってました.そのため,P210Rもお供に連れて行って出先で大活躍.
宿でジーコロ,ジーコロ印刷して楽しんでました.幸せ….
ただ,みなとみらい周辺施設の多くはメンテ中で閉まっていたので残念.忙しくて&体力削られて山下公園の方までも行けませんでした.次回こそは!!
あと,新潟の海産物は安くて美味しかったです.B級グルメで有名なバスターミナルのカレーも美味しくて連食w
それと今回『おおっ,これは!』という日本酒を知ったのでご紹介.
フェリー乗り場の売店で,佐渡の酒造である北雪の小瓶詰めが売られていたので2種類買ってみました.一升瓶は結構良いお値段する&帰りの荷物の関係で,まずは味を見ようと思って100mlの小瓶を購入.
『NOBU(TK40)』は異世界居酒屋(**)…ではなく,ニューヨークのNOBUで出されている純米大吟醸.そして『YK35は『ワイングラスで美味しい日本酒(料理に合わせるのではなく、単独で美味い酒) 』と,言われて購入した大吟醸.飲んでみて特に感銘を受けたのはYK35の方で,ワイングラスに注いで飲んだら『うぉぉぉ』という感じでした.これはヤバウマでした.日本酒が苦手な妻も,『あ,美味しい.日本酒じゃないみたい』と,申しておりました.
ちょっと勇気の要る価格だけど,何かのお祝いのときにでも720ml瓶を何本か買おうかな.オススメです.酒造のサイトで全国の扱っている店舗リストが公開されているので,興味を持った方は是非飲んでみて.
(**)wowowの実写ドラマ,良かったですね.子供と来年放送予定のSeason3を楽しみにしています.
まとめ
ちょっと最後に脱線してしましたがw,『KODAK Mini2 Retro P210R』,めっちゃオススメです.
使い方は,手帳に貼ったり印刷したものを人げたり様々だと思いますが,『出先でスマホのプリントをしたい,それも綺麗に』という方にとってのベストな選択肢だと思います.特にZinkペーパーのプリンタを使っていて不満を募らせている方は,是非移行先として検討してみてください.
新型コロナに感染して苦しんでいる多くの人達が回復し,そして安心して旅行や出張に行ける日が1日でも早く来ることを祈って.
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