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2022年7月 6日 (水)

ただのメタルペンだと思っていたら凄まじい進化と使い易さ:サンスター metacil(メタシル)

何ヶ月か前にマクドで昼飯を食べながらtwitterを眺めていたら,TLにmetacilの話が流れてきたんですよ.そしてヨドで予約出来るとのことだったので,その場でカートに入れました.で,夕方に『あ,そう言えばカートに入れたまま決済まで進めてない』というのを思い出して見てみたら『予約終了』(予約数完売)の文字.空を仰ぎました.

その後ネット上で話題になり始め,Amazonでの扱いが開始されたと思ったら瞬殺で在庫切れになり,そして忘れた頃に一部カラーが僅かに在庫が復活したので『ブルー軸』を予約.1時間もしないうちに在庫が蒸発していたので,キワキワのタイミングでした.

先週まで9泊10日という国内出張(長距離移動有り)というかなりシンドイ目に遭っていたのですが,新潟のロフトに行ったら(*)『御一人様1本』というポップはありましたが普通に店頭に全色並んでいまして,『ネイビー軸』を購入.出張先では出来るだけ荷物を増やしたくないのですが,これは不可避でしょう(笑)

(*)出張先の近くにロフト,東急ハンズ,無印良品,文房具屋,書店があると必ず回ってしまいます.ただ今回の出張では横浜も回ったのですが,みなとみらいの東急ハンズが無くなっていたのは寂しかったな….最後に立ち寄ったのは3年程前の学会のときだったかも.

出張から帰ったらAmazonで予約していた分も届いていまして,合計2本になりました.そして実際に使ってみたら『これ,凄くない?』と,なりましたので,早速レビューしてみます.

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パッケージには『メタルペンシル metacil メタシル』とあります.『メタルペン』とは,ペン先に金属を使用したペンで,リフィル交換が不要で半永久的に使用可能なペン.25年は使い続けられると謳って販売されている製品もあります.

私も何本か持っており,10年程前にもレビューしました.

文房具マニアな方には,16世紀には盛んに使われていたと言われている歴史あるメタルペン/金属尖筆(メタルポイント)を一度は試筆してもらいたいのですが,ギミック・原理的には素晴らしく魅力的な筆記用具です.ペン先が削れる感じも無く,スッと線が引けるのには驚くと思う.とても不思議な感じ.その一方で現代における実用性はかなり乏しく,特に『筆跡が薄く,読みにくい』という点がが日常の筆記用具としての許容範囲が外でした.

ただ,キーホルダーにぶら下げておき,メンテナンスフリーでインクの固着やインク切れの心配の無い筆記用具として持ち歩くというのはアリかな.

そんなわけで,当初は『メタシルも筆跡が薄くて実用的では無いのではないか』と,思っていました.実際に使ってみたら良い意味で裏切られることになりましたが…閑話休題.

メタシルのメタルペンと似て非なる部分は,パッケージにも書かれている『特殊合金芯』の採用です.一般的なメタルペンのペン先が鉛を含んだ金属であることが多い一方で,このメタシルのペン先の材質は『合金と黒鉛』とあります.そしてメタルペンはシルバーである一方で,メタシルは黒です.

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『新間で金属の鉛筆なのに書ける消せる』とあります.メタルペンを知っている人は,『消せる』という部分にも反応するかもしれません.

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裏側の説明書き.特徴として4点挙げられており,

  • 軸から新まで金属製
  • 削らずに書き続けられる
  • 手が汚れにくい
  • 消しゴムで消せる

とあります.更には

  • 筆記可能距離 約16km
  • 濃さ 2H鉛筆相当

ともあります.

これはもう期待せずには居られないでしょう.

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そして注意書きはこんな感じ.『謝って口に入れたり,舐めたりしないように』という点はちょっと引っかかるかな.合金の成分は何だろう…という面で(鉛が含まれてるのかな?).

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本体はクッション材の中に丁寧に収められた上で,箱に収納されています.プチ高級感が良いですな.

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で,今回購入した軸の色は『ブルー軸』と『ネイビー軸』.この他に,『ブラック軸』,『ベージュ軸』,『ホワイト軸』,『レッド軸』がラインナップされています.

予約時にはあまり色味を確認しなかったのですが,実際に見てみると『ブルー』は『スカイブルー』と『エメラルドブルー』の中間的な色味です.色の名前ではなく,商品写真をきちんと確認することを推奨.

一番無難なカラーはブラックだと思うけど,個人的に一番気に入った色はネイビーでした.

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軸は普通の鉛筆を意識した8角形.

そしてメーカー名と製品名はこのように白文字で印刷されています.

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気になるペン先はこのように黒いパーツになっています.ザラッとしたカーボンのような表面の質感に写っていますが,触った質感は金属そのもので,筆記した所は光沢を持ちます.

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軸尻部分の微妙な角取りですが,鉛筆をイメージさせます.ただ,手に持つと木のぬくもりは無く,アルミ金属そのものです.重量はズッシリではないけど鉛筆ほど軽くもありません.そして指で弾くと金属音.

それにしても,ネイビー軸は美しいなぁ(うっとり)

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『分解するな』と書いてあったけど分解します(笑).ペン先はこのようにねじ込み式のパーツになっています.また,全体が黒鉛を混ぜた合金製というわけではなく,ネジパーツの上に乗っている中空の三角錐型の形状をしているようです.なので,この先端が平べったくなるまで書けるというわけではないようです.

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筆記用具は書けてナンボ.早速書いてみます.

ええやん,ええやん.書き味はスルスルしていて,紙に触れた部分に素直な筆跡が描かれます.引っかかったり太さが不均一であったりすることもありません.そして(少なくとも使い始めは)それなりに細い線を書き続けられ,また,思ったよりも筆跡は濃いです.凄く良いかも.

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『そんなに綺麗に消えるものなの?』と,半信半疑で消しゴムをかけると,スッと綺麗に消えました.驚き.

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少し使ってみたネイビー軸と,新品のままのブルー軸.ネイビー軸のペン先が,微妙にすり減っているのが分かるでしょうか.

この点も一般的なメタルペンと異なります.メタシルはメーカー公称で16kmの筆記距離があります.一般的な『400字詰め原稿用紙○枚分』という表現にすると,1文字あたり50mmと計算するようですので,320万文字分となり,『400字詰め原稿用紙800枚分』となります.

こう表現すると少ないように思えますが,削らずノックせずインクも付けずにリフィル交換もせず,そのまま書き続けられるペンだと考えると驚異的な内容だと思います.例えば筆記距離1.5倍に増加したBICのオレンジボールペン(クリアオレンジ)の筆記距離が3.5kmとのことですので,約4.7本分ですな.

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そして筆跡の濃さですが,2Hというのは妥当な感じです.多くの人が使用していると思われるHBと比べるとそれなりに薄いのですが,日常使いでノート取りに使用しても支障が無い程度の濃さになっています.メタルペンの一番のウイークポイントが塞がった感じです.

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まとめ

と,いうことで,サンスターの『メタシル』ですが,メタルペンの一種と思っていたら全くの別物と思えるようなペンでした.ペン先は確かに合金ベースになっているようですが,黒鉛が混ぜられており,メタルペンの一番の欠点であった『筆跡の濃さがとてつもなく薄い』をクリア.そして『消せない』欠点もクリアされており,普通の鉛筆の筆跡のように消しゴムで消すことが出来ます.

その一方で『ペン先もペン軸も金属製』ですし,『筆記原理が特殊』ということで,普通の人から見たら『何そのペン?』でしょうし,目の肥えた文具マニアから見たら『え?メタルペンの一種?こんな使い易いの有り得ない』という感じです.

そしてこの他,

  • 水に濡れても滲まないので,水彩画の下絵描きにも使える
  • 非常に長い筆記距離を持ち,残りも目視で確認出来る
  • メンテナンスフリーでメカ的に壊れる部分が無い安心感
  • 剥き出しのまま収納・持ち歩きしても周りを汚さない
  • 軸のデザインも秀逸

等のような特徴・長所もあります.

これはもう,1本はペンケースに入れておきたいペンですよ.どんな状況でも『必ず書けるお守りペン』にもなる.そして何百年にも亘るペンの歴史の中で,もしかしたら後生に語り継がれるかもしれない程の大きなイノベーションかもしれないとすら思った.

その一方で,消耗品であるペン先をメーカーは単独で販売する予定が無いという点はちょっと残念.

サードパーティー製等で更にデザイン性を追求した軸が出る可能性があるし,個人的には携帯性を向上させた短軸も欲しかったりします.あとは鉛筆のペン先形状に拘らず,芯ホルダ用の2mm芯の形状に成形した物も欲しいなぁ.最強のデッサン鉛筆になると思う.また,黒鉛でなく色付きの…夢は広がりますなぁ.

そんなわけで,サンスターの『メタシル』,超オススメです.今はまだ品切れになっていたりプレミアが付いていたりしているけど,欲しい人は定期的にチェックしてみて下さい.

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