直販オンリーで復活したNOLTYデイリーブック
NOLTY(能率手帳)70周年記念限定として出た1日1ページタイプの『デイリーブック』.こちらでレビューしましたが,とても使い易いので,(私にしては珍しく)1年間しっかり使い切りました.そして翌年も使いたい…ということで定番化を熱望していたのですが,そうはなりませんでした.同じく限定製品であったメモティが定番化されたのに…と,思っていたのですが,そんな『デイリーブックが』1年ブランクを空けて復刻です.
一度廃番になった手帳って,普通は復刻することはありません.『休刊』となった雑誌は実質『廃刊』と同じであることと同じです.きっとメーカーが驚く程の復刻リクエストがあったんでしょうね.
ただしフォーマットが日付印刷無しとなり,全く同じというわけではありません.そしてオンライン通販の直販のみの扱い.そのため,一般の店頭では購入出来ませんのでご注意を.
では早速見てみましょうかね.
繰り返しますが,直販のみの扱いです.
カバーの色は黒と亜麻色の2色展開.私は前回同様に黒を選択.
いや~嬉しいですね.『復刻したよ』のツイートやFBを見て即効オーダーしました.あと,帯にも書いてありますが,『日付なしタイプ』である点にご注意を.
帯を取るとこんな感じ.嬉しすぎてバウンス失敗し,直でフラッシュ焚いちゃいましたけど気にしないで下さいw
表紙はPVC.金色の『'N』ロゴが良い感じ.
テキスト化すると,『能率手帳のアイデンティティである「時間目盛り」入りのスケジュール欄の下に、方眼の記入スペースを確保した1日1頁タイプ。NOLTY能率手帳70周年記念限定アイテムとして発売しましたが、ご好評につき定番製品として販売することになりました。厚みの割に重たくないので、手帳としても、日記帳としてもお使い頂けます』.
『ご好評につき定番製品として販売することになりました』の文言が嬉しいですね.今年限りの復刻物ではないようです.
カバーはこんな感じで従来品通り.ちょっとした物を挟み込むことも出来ます.
そして最初のページの下に印刷されているこのロゴは他の製品同様.『SINCE 1949』は重みがあります.
そしてメインの1ページ目の見開きはこんな感じ.
左側は『PLAN LIST』となっています.上部にやや広めの欄が用意されています.他のページのスケジュール欄と同じサイズ.
下にはチェックボックが1行1つで縦に20行並んでいます.
手帳的には『今年達成したい目標』を年初に書き,達成したらチェックを入れていく…という使い方が王道でしょう.ただ,別に目標しか書いてはいけないということはありません.『年間ハビットトラッカーページ』に使ったり,『今年観た映画リスト』にしても良いわけです.好きに使いましょう.
それにしても,最近の手帳は汎用の『LIST』ページ用意されている製品が多いですね.使ってみると便利なので,とても良い方向性だと思う.
そして1日1頁のデイリーページが始まります.
上には日付,曜日,アンダーラインが引かれた一言欄.そして6時から24時までの時間目盛り入りのスケジュール欄.
私の70th限定デイリーブックの使い方としては,ベットサイドに置いておき,1日の終わりに1日の振り返りを書く形で使っていました.そしてスケジュール欄には勤務時間を記録するためにザックリ線を引いたほか,1日を1文で表すと…みたいな事を書いてました.
スケジュール欄はスケジュール管理にしか使ってはいけないということはありません.PLANページ同様,好きに使いましょう.
そしてスケジュール欄の下は方眼.方眼万歳!!
あと書き忘れていましたが,各ページはNOLTYらしいクリーム色の書きやすい用紙で,罫線は緑色です.
最後の1ページまでこのフォーマットが続きます.総ページ数は414ページ.
そして持ち主の情報欄.『落としたときに落とし主に返って来る率が高くなるので書いた方が良い』という話がある一方で,最近は個人情報保護の観点から積極的に『書くな』という話もあります.
個人的には,落とし所が相当ラッキーでない限りは(←と,いう書き方も変だけど),手帳の中身は大概の個人情報満載なので,落とした時点でアウトかなと.スマホと違ってロックできないし,落として他者に読まれること前提で内容を隠語で書くというのも変だし.
なので,お天道様に向かって恥ずかしくないことを書き,この欄も可能であれば必要最低限の事を書くのが良いかなと思う.
『NOLTY 能率手帳 デイリーブック(日付なし)』が正式名称.
カバーにはペンホルダーが付いてます.
個人的には,ココに純正の『補充ノート(方眼)』を挟み込んでおくのが好き.
栞は深緑とエンジ色の2本.
まとめ
と,いうことで,待望の復活した『NOLTY 能率手帳 デイリーブック(公式通販)』でした.
日付無しというのに物足りなさを感じる人がいるかもしれませんが,これは逆に
- 詰めて書けば白紙ページが残らないため,書かない日/書けなかった日に後ろめたさを感じない
- 何冊かまとめ買いしておき,廃番に備えることが出来る
のようなメリットもあるかと.
後者に関しては結構悩ましい問題で,永続するのであれば日付入りの方が便利.ただ,問題は翌年も継続して販売されるかどうか.ユーザー側から見ると『気に入って使っていた手帳やリフィルを急に廃番にされたら困る』わけで,それは『企業のユーザーに対する道義的な責任をー』とか言いたくなる部分があります.ただその点は能率手帳協会も重々承知のようで,前年に『この製品,来年は廃番になるからね』をアナウンスするし,少しフォーマットを変えただけで鬼のようにクレームが来るから変えられないという話も聞きます.
メーカーとしても多くのユーザの声に応えたいと思っているのでしょうが,慈善事業でやっているわけではないわけで,色々と悩ましいと思う.
その一方で私自身,涙を飲んだことは何度もあり,例えばスマホサイズ手帳も良い手帳だったのに…とか,バーチカルで気に入ってたNOLTY Wide4も廃番になったし,mini5冬の時代に能率協会がmini5のバインダーもダイアリーも撤退(もう1~2年耐えれられたら春が来たのに…その後少し復活)したりとか,例に事欠かない.
『今手帳業界は本当に大変で、前年比5割ってのもあるようです。特にビジネス手帳の減りがすごいそうです。』という話もあり,日付入りは売れ残ったら廃棄するしか無いので,生産数をどうするか,そもそも生産するか廃番にするかというのは担当者にとっては胃が痛くなる問題だと思う.
そして日本全体で見れば十分に採算が取れるくらいの潜在的なユーザー数がいても,店頭販売では在庫切れとか不良在庫とか出るわけで,必要な人に行き渡らない一方で別の所ではダブついて余るとかもあるでしょう.じゃぁそれでも行き渡るくらいの数量を生産して…とすると不良在庫の大量廃棄で利益を削られるでしょうし,ロスを想定した分だけ価格も上がるでしょう.
直販オンリーで復刻したというのは,おそらくそういった事情ではないかなと思う.流通在庫がない分,在庫数を直接コントロール出来るしね.ただそれでも需用の見極めはかなり難しいと思う.紙物は生産単位が多いし,原価率は兎も角,余り物の廃棄も算入した上での原価率というか粗利を考えたら,あまり分は良くないんだろうなと思う.かと言って,割り切って生産数を絞り,売り切って終わりにすると,欲しくても入手出来なかった人が大量に出るとそれはそれで問題になるし,あのクソ忌々しい転売屋達を儲けさせることにもなる.川上で水をせき止め,暴利を貪るあのスタイルの商売,何とか絶滅させられないもんでしょうかね.先日発売になったトラベラーズノートのムーミンコラボも酷いことになってるし…閑話休題.
完全な解決にはならないけど,直販サイトで予約制でもアリかなと思う.予約数の10%増しを生産するとか.
で,手帳を何部生産するかや,そもそも製品として出すかを決定しなくてはいけない担当責任者は,日々上がってくる数字や情報を見ながら,最終的に収支が分かるまで,場合によっては分かってからも胃がキリキリと痛んでいるのだろうなぁと思う.頭が下がります.
USJの成功お陰で,日本でも統計学や数学を元にした経営やマーケッティングが広く認知されたけど,日々,もしくは毎年状況がダイナミックに変わる場合は過去のデータは参考程度にしかならないし,全く新しい製品を投入する場合は特にそう.
とは言え,経営者や事業担当責任者が「売れるかどうかなんて蓋を開けてみないと分からないし」とか,「売れる.根拠は私の勘」ってのは(少なくとも表向きは)ダメなので,一般に色々な数字やモデルを駆使して検討・予想するわけです.トレンドと季節物等の周期変動を見る場合は,ホルト-ウィンターズ法 (Holt-Winters method)が良いかなと思うけど,前述の『前年比50%』とかが発生している手帳業界でもこのモデルが使えるかどうかは微妙かな.
私も業界は違うけど他人事ではなくて,昨今の半導体不足のせいで部品のリードタイムが14ヶ月とか出始めるわ物によっては2割程値段が上がるわで,製品の次ロット生産のタイミングや生産数を決めるのがシンドイですわ.そんな中で急に大口の注文が入ったりして,普段であれば喜ぶのに,次に納品されるまで在庫持つかなぁなんて悩みも出るわけで.事業責任者はシンドイね.
と,いうことで何だか最後に大幅に脱線したけど,待望の『NOLTY 能率手帳 デイリーブック(公式通販)』が復刻です.携帯に便利なサイズでありながら,小さ過ぎない絶妙なサイズ感を是非堪能して下さい.1日1頁ユーザーには超絶オススメです.
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