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2021年8月12日 (木)

ノートとかtodoistとかアウトライナーとかの話

先日,新書の『すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術』に関連したエントリーを書いたのだけど,ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』と共に重版になったようですね.良書が多くの人に読まれている&反応も良いようで,実に目出度い.

国民生活時間調査を見ると,40代未満はインターネットに触れている時間と比べて書籍(電子書籍含む)に触れている時間が短い.そして全国大学生活協同組合連合会が行った第56回学生生活実態調査からは,1日の読書時間がゼロという全く本を読まない人の割合が約50%!!と凄まじい割合.大学生の時期って,最も本を読む/読める時期だと思うのですが.2016年に下げ止まっているように見えますが,それでもこの割合は衝撃的.

ただその一方で,60分以上読む人の割合は2018年から上昇し始め,2020年調査では28%になっています.書籍離れ(敢えて「活字離れ」とは書きません)が何十年も続いていたが,ここに来てようやくジワジワと若い世代が本に戻ってきている感じがします.良い傾向ですな.

さて,今回はモノの紹介ではなく,前回書き切れなかったタイトルの件に関して少し書いてみます.

道具の伸び代と自律的な活用の進化

前回,業務上のタスク管理が破綻しているグループにtodoistの使用をさせてみたら,うまく回り始めたという話を書きました.あまり具体的に書くと少々エグい話になるのですが,結果的に,マネージャーとしてはホッと胸をなで下ろすことになりました.良かったです.ホントに….

で,話はこれで終わりではなく,活用や管理の様子を見ていたら興味深いことが発生していたので,当たり障りの無い範囲でご紹介.

元々私はToDo管理をしたことが無い人でも支障無く使えるツールとして,todoistの導入を推進しました.別の言い方をすると,最低限の機能を使うだけであれば取っつきやすく,そしてメニューその他も日本語化されている点を買っていました.開発チームで利用するためにwrikeも使用していたのだけど,慣れてない人には高機能は諸刃の剣なんです.詳しくは後述しますが,todoistの単純な作業は単純に出来,その一方でより凝った事も出来るようになっているが,単純作業には(操作上の)影響を与えないという点が凄く良かった.

「最初のハードルを越えたら使い易くて便利なツール」って,最初のハードルが越えられないと全くツカエナイツールに成り下がってしまうんですよ.最初のハードルが低いというのはとても重要.

で,最初は下の画面のような感じで単純なタスクを箇条書きのように列挙し,そして完了したらチェックを入れて完了させるというフローを作りました.「+タスクを追加」をクリックし,タイトルを書けばOK.そして丸の部分をクリックすれば完了扱いになり,一覧表示から消えます(削除されるわけではなく,完了したタスクとして保存はされている).

これであれば,普通にPCを使える人であれば誰でも使えますよね.

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と,しばらくしたら,「お,こんな方法が!」とか「こんな管理の方が便利」という感じで,グループの中でサブタスクやサブサブタスクが使われ始めました.単純な話で例えると,最初の使い方では,「株式会社ToDo研究所へ見積書発行」,「株式会社ToDo研究所の受注処理」,「株式会社ToDo研究所へ請求書発行」etcのような形で同列/同階層にToDoを並べていく形でした.すると,複数の案件が同時進行で進んでいると見通しが悪くなる.例えば,「株式会社ToDo研究所」だけでなく,「アウトライナー株式会社」,「(有)ノートテイカー」向けのタスク等がそれぞれ入り乱れて並んでいるシチュエーションを想像して下さい.合計20~30のタスクが並んだら,「株式会社ToDo研究所」向けの手続きが全部終わったのかどうかパッと見で分からない.

todoistでは,タスクに子供のタスク,そして更に孫のタスクのような形で階層構造を作ることが出来るんです.そのため,トップのタスクを「株式会社ToDo研究所対応」のようにし,「見積書発行」,「受注処理」etcをサブタスクとして列挙し,更には「受注処理」の更にサブタスクとして,「部材手配」「関係者へ連絡」のような感じで孫タスクを並べることも出来ます.そしてぶら下がっている子供のタスクが一通り完了した段階で親のタスクも完了するという構造に出来ます.

表示上も,サブタスクは開いたり閉じたり出来るので,トップだけ表示するようにしておけば,現在何社の案件が同時進行中かも一覧し易くなるわけです.共有して作業する場合,ルールを決めておかないと各自がマイルールで書き始めてグチャグチャになってしまうとは思いますが.

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と,いうことで,このグループは「知的生産の技術(梅棹忠夫)」(←言わずと知れたバイブル)とか「アウトライナー実践入門(Tak.)」(←アウトライナーのメートル原器)等を既に読んでいるとか,「GTD」方面の知識を体系立てて学んでいるとかいう人達ではなかったのだけど(失礼!),自分達が日々こなしている業務タスクに関連する作業は階層構造を持ち,そしてその構造をtodoistのサブタスク機能を使用して管理すると効率的に業務を進められるということを発見し,そして誰から教えられるでもなく自律的に実践し始めたのは嬉しい誤算でした.ある意味,todoを共有して複数の人が触ることにより,「こうした方が良いんじゃない?」的な化学反応を起こしたのかもしれない.

todoistがアウトラインプロセッサ的に使えるのか考えてみる

todoist,あまり期待していなかったのだけど(失礼!)予想以上に高機能でした.そして前述の通り,そういった機能は必要に応じて使えるユーザインターフェイスになっているため,最小限の機能しか使わない場合に別の機能が邪魔にならないようになっています.強いて言うなら,メールでの通知機能だけが鬱陶しいかな.初期設定だとバンバンメールが届く.

あと余談ですが,タスクに担当者をアサインできるのだけど,複数人アサイン出来ないようになっています.「この人かこの人」のような作業があるのに…と,いう事で社内で話が出たのですがが,このような仕組みになっているのはtodoistに強烈なポリシーがあるからのようで.読んでみてすごく納得しました

で,話戻ってそれならばということで,アウトラインプロセッサ的に使えるのではないかと思って試したのがこちら.一番上のタスクを分類するために,更に「セクション」も利用しています.

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マウスで掴んで,タスクをこんな感じでグリグリとドラッグ&ドロップして移動することも出来ます.

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そして共有しているメンバ間でコメントをやりとりするときに使える「コメント」には,文字通りテキストのメモ/コメント以外にも,図やファイルを貼り込んだりも出来ます.原稿を書くとしたら,何を考えで修正したとか,再考が必要な事をメモ的に残す場所に使っても良いかもですね.

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その他,こちらこちらを読むとまだまだ活用出来そうな多くの機能があることが分かります.そして「タスクをチマチマとコピペするのではなく,一発で全体をテキストに書き出せたらなぁ」なんて思っていたら,「【Python+Todoist】CSVファイルにタスクを出力する」という記事が.色々と奥が深そうです.

ただ,個人的にはtodoistを長編文書作成にも使える万能ナイフとは考えておらず,適材適所かなと.昔にMacで使用していた(ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論 にも出ていた)アウトラインプロセッサのActaは,(私がメインで使っていたDA版は特に)機能が極めて限定的だけどエディタの延長線上で使えました.その一方で,todoistは「タスク」という一塊の独立性が高く,どちらかというと情報カードに階層構造を付けて並べていくような感じです.

気軽に使い始めるという意味では,todoisitはとても良いサービスだと思う.ただ,自分にとってどんなツールがマッチするかは人次第/管理する内容次第なので,「何もかもがこれ1つで」のような過剰な期待は禁物かも.そのようなわけで,「todoist良さそうだな」と,思った方は,自身の目で見て,自分の用途に合うかどうかを見定めてみて下さい.

私のノートというかメモというか日々の業務記録用の受け皿

ついでにノート取りについて私の例を少々.

下の写真は,私が主に仕事で使用しているノート.B5サイズのetranger di costaricaのリングノート(方眼)です.1冊100シートで200ページ.昔は写真のようにオレンジや青等のプラ製表紙の方眼タイプもあったけど,カラー表紙は横罫のみになってしまいました.今は方眼は厚紙表紙のみです.

そして私が方眼原理主義者だからということもあるけど(笑),見直してみると横罫よりも方眼の方が綺麗にノートが取れていることが多いので,若干横罫のストックもあるけど,今は方眼ばかりを使っています.方眼が綺麗に見えるのは,書き込むのが文章だけでなく,図表等も書き込む機会が多いということも影響しているのかもしれませn.

で,このノートを通常は半年に1冊ペースで使っています.なので下の写真は約10年分.一時他のノートを併用した時期もあったけど,メインはこのノートを使い続けています.筆記面積が大きく,そしてダブルリングノートで使い易いというのがワタシ的にはポイントが高いです.それして入手性も比較的良く,そして安い.

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使い終わった際には,表紙に強粘着のシールを貼り,使用期間を記録.

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更に昔は,こんな感じで見出しシールで管理してました.この頃は1冊が1年持ってたみたいですね.

半透明プラ製カラー表紙,綺麗ですね.この表紙の方眼タイプ,復刻してくれないかな….

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基本的には,「タスク管理」と「記録しておくべきと思った事は書く」,「アイデアを練るときのホワイトボード」として使っています.なので,下の写真のようにフォーマットに節操がない.あと,1色ではなく,基本的に3色以上でノート取りをしています.基本色は青かブルーブラック,重要な所は赤,ワンポイントや自分の考えは緑.それと意味を持つアイコンを書いたり(今で言うとバレットジャーナル的なアイコン)もして,見やすくしています.

あまり厳密なルールは設けていませんが,一つだけ気を付けていることは,時系列で詰め気味に書くことです.後から何か付け足す場合は書いた紙を貼ることもあるけど,「後から書き込む用の余白」は予め確保したりはしていません.これは凄まじく昔に,「後から改ざんの疑いをかけられないように,実験ノートは詰めて書くようにしてたんだよ」なんて話を当時の上司に聞き,そのときからの習慣.たしかベル研のルールだったかな.私の場合,改ざんの疑いをかけられてノートを見られることは無いと思うけど,記憶との親和性という意味では,時系列での筆記が役に立ってます.案件ごとにノートを分けたりしても良いと思いますが,冊数が増えて管理上面倒ですしね.

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方眼で便利なのは,やはり図表を書いたときの収まりの良さ,そして見やすさですな.

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あと,実験ノートとして使用するときには,数字を並べるときの頭/末尾や桁揃えもしやすい.

大抵の実験データ計測・処理はPCのソフト内で完結するので,必ずしもアナログノートに書き出す必要はありません.しかし重要な数字を書いて並べてみたり,ラフなグラフを描いたりしていると,神が降りてくることが多い気がする.それと後から見直したときの一覧性や雰囲気の把握が良い/早いので,ノートにも転記することが多いです.

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それとこのエントリーにも少し書きましたが,『済』の6mmスタンプは便利.レ点や二重線で消しても良いのだけど,「やった感」がブーストされます.

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アナログなので,飲み物をこぼしたらシミがそのまま残ります(笑)

これもまた記録.「あー,このとき飲み物吹いたなぁ」みたいな(苦笑)

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あまり凝った事はしないけど,ちょっとした回路設計と手ハンダで試作くらいは自分でします.

電気・電子・情報系の学生さん,アナログ回路の設計技術は一生モノですよ.是非学んでおきましょう.

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一番使用頻度の高いメモの際には,キーワード,1文,思い付いたことetcを3色色分けしながらモヤモヤ書いて…ということが多いので,大抵はクシャクシャになります.でも,後から読み直すと,時系列で何があったかの記憶が鮮明に蘇って脳内再生出来るので,ある意味(ゴチャゴチャになったレイアウト情報も)一つの重要な情報なのでしょうね.

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このような感じでアナログノートにワシャワシャ書き,必要に応じて見直したり「まとめ」として整理して書き直したりしています.

ただ,ノートに書いた後,その細かな内容を長期間忘れずに覚えておくのは難しい.そしてアナログノートは検索性が悪い.そこを補完するために,自宅鯖にwilikiをインストールし,ここに日々の業務のトピックを書くようにしています.そして後から詳細な情報を引っ張り出したいときは,「○○の実験」や「○○と打ち合わせ」をキーワードにして検索し,日付が分かったらアナログノートをくくって…ということをしています.基本的にノートをデジタルにそのまま転記しないのもミソ.それをやったらシンドイしね.ただ,デジタルでログを残す方が良い作業記録や,何度もノートを参照する機会があった内容は,wilikiに一つのトピックとして記録/転記したりもしています.

で,ふと,どのくらい前からwilikiに記録しているのだろう…と,確認してみたところ,17年程前の2004年9月15日からでした.おそらくテキストのwikiが流行った頃くらいかな.今からスタートするなら,もっと便利で高機能なツールが沢山出ていますけどね.それでも私がwilikiを使い続けている理由は,階層構造や内容をテキストで最小限の労力で入力出来るからですかね.

なお,自宅がIPv6でインターネットに繋がっているということもあり,自宅鯖からVPSにVPN張り,外からはポートフォワーディングで自宅鯖が外からも見えるようにしています.便利.ただ,自宅鯖はメンテやバックアップが面倒なのと,セキュリティ的な不安が常にあります.先日はVPSがDoSアタックをかけられてたし,(主に中国から)ポートスキャンなどのちょっかいを出されることが多いので,何らかのクラウドサービスに移行するのが良いのでしょうけどね.

まとめ

話があっちこっち行ってしまったので,まとめようが無い(笑)

何はともあれ,個人の記録で重要なのは,改良・改善の繰り返しによる進化と深化と習慣化かなと.それと他人と方法論も含めて共有・議論することによる多様性からの学びも非常に重要だと思う.主に習慣や環境,知識のベースが異なることにより,他の人は自分と違う「見方」や「やり方」をすることが多いのだけど,そこから自分に欠けている部分を見付けられたとしたら,とても得るものが大きいと思う.

まぁそんなわけで,ゆるいまとめになってしまいましたが,楽しく記録を取り,ノートを使って行きましょう.

あと,大事な事なので改めて書きますと,アウトラインプロセッサに関して興味がある人は,「アウトライナー実践入門」は必読.マスト.それと「カーソル」の最新号がkindleで出たので,早速ポチって読み始めた所.今回の特集はノート.これまでのカーソルの読者は当然のこととして,具体的なノートの取り方テクニックの解説もあるので,ノートの迷える子羊におかれましては,ご一読をオススメします.

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