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2021年5月28日 (金)

読んで/見て欲しい本2冊:『おりたたみ自転車始めました』と『マンガでわかる日本料理の常識』

ふと窓の外に目をやると,木々の新緑が目に眩しい季節になって参りましたが,皆様如何お過ごしでしょうか.緊急事態宣言下,アウトドアのレジャーどころか普段の生活にすら支障を来す日々(少なくとも気遣いや感染対策など)が続いていますが,ワクチン接種が進んで集団免疫を獲得するまで何としても乗り切りましょう.

巷では『家時間が長すぎて暇つぶしの方法が…』なんて羨ましい話を聞くこともありますが,そんなときは本を読みましょう!!.気分が落ち込みがちなときはオンデマンドで映画を観たり,明るい本を読んだりすると幸せな気分になれます.

昨年の読書に関する調査では,読書を殆どしない率が35%程と相変わらず(私にとっては信じられない程)高いのですが,このほかコロナの影響が出ており,紙媒体の読書量が15%も減っているのだとか.マズイですな.

で,本の虫としてはこの状況は誠に遺憾でございまして,少しでも本を手に取る人を増やすために,手軽に読めて心地よくなる/興味深くてためになる本を2冊紹介.

まずは星井さえこ著の『おりたたみ自転車はじめました』.

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この本は,フルカラーのマンガ(?)絵本(?)の体裁で,著者が おりたたみ自転車にハマる切っ掛け,そして おりたたみ自転車を手に入れてからあちこちに散策/旅行した際の話が描かれています.

『自転車系の本は暑苦しくて…』と,敬遠していた人にこそ是非一度読んで欲しいのだけど,『自転車スキ!沼においで!』とか,『折り畳み自転車道について教えてやるよ!』とか,自転車をネタにしつつ『私の優雅な日々を見て!』のような本ではありません.テイストとしては,日常系のマンガに近いかな.

目次はこんな感じ.

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こんな感じで,デフォルメして描かれた主人公が ゆる~く ご近所を自転車で散策する所から始まります.背景が実に綺麗だし,出てくる人物はふわっとした絵で描かれていて実に味のある.そして読んでいると,自分も一緒に公園とか近所を回っている気分に.多くの人にとっては日常ではないけれど,その気になれば日常にすることが出来る すぐ隣にある非日常という感じ.

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そしてこの本が,私にとってのストライクゾーンド真ん中だった一つの要素は,このようなガイド系とモノ系のページがあること.

モノ系書籍の一つの到達点,高城剛著のLIFE PACKING (興味がある人は,シリーズで揃えよう!!)にも通じるものがあるけど,何らかの用途に特化したモノ,その人のチョイス,組み合わせというのは読んでいて実にワクワクする.

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そしてこの本の『凄いな』と思うのは,色々な分野の沼の住人を楽しませる内容になっている所.例えば文房具沼の住人向けには,『カキモリ』が登場!!(興奮).

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こんなページを見たら,文房具沼の人は引き込まれてしまうこと必至.詳しくは購入して読んで見てください.

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そして旅行好きな人,乗り鉄な人が『おっ』と思う内容.寝台車特急はワクワクするよね.

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当然ながら,一通り読み終わった後で『私もおりたたみ自転車始めたい!』という初心者の人向けの簡単な解説も載っています.実に至れり尽くせり.しかし,『まずは手頃な価格の物を…』とせず,最初からブロンプトン(だいたい20万円~)を選ぶのは凄いなぁ.

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あと,『サイクリストの聖地』こと『瀬戸内しまなみ海道』では,輪行&泊まりでのサイクリングに出かけていますが,ガチ勢むけではなく,ライトな女性向けのアドバイス等も載っています.

こんな素晴らしい完成度の本を読んだら,おりたたみ自転車始めたくなるし,(今は我慢だけど)どっかにガッツリ行きたくなっちゃうよね.

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ちなみにこの本,ワタクシ最初はkindle版で購入しました.電子書籍は嵩張らないのと,何処でも読めるから重宝しているのですが,結局紙版も購入.

絵が綺麗な書籍って紙で見たくなりますよね.

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見開きを堪能するためには,大判のタブレットか欲しいかも.それか紙版.絵がすごく綺麗なのでスマホの小さい画面で読むのは勿体ない.iPad miniでもちょっと不満に感じるレベル.

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ただし電子書籍版のメリットもあって,この手のページをサッと参照できるのは便利.

著者のtwitterをフォローしているのだけど,次回作の構想もあるようなのでワクワクが止まりません.早く出ないかなー.

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次に『マンガでわかる日本料理の常識: 日本の食文化の原点となぜ? がひと目でわかる』.

正直な話,書名だけしか見ていなければ読まなかったと思う.ただ,近所の書店でサブカル本やミニタリー本の並びの棚にたまたま置かれており(笑),魔が差して(?)手に取ってパラパラと読んでみたら,『うっわ,おもしれー』と,なり,購入と相成りました.

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日本料理を学ぼうとする人が,日本料理の生い立ちや周辺知識について幅広く勉強する…という流れで読んでも良いのですが,この本,雑学の宝庫です.それも一つ一つが面白く,そして内容が日本人の生活に密接な関係のあることばかり.全くの新しい知識の獲得だけでなく,何となくモヤッと知っていたことも,『ほぉ,そういうことだったのか』と,今風に言うと『エビデンス』が補強されることも.

例えば昔の日本人って,副食が少なく主食の米を凄まじい量食べていたことを知識として知っている人が多いと思いますが,『1日に米をこれだけ+大豆製品を食べれば,必要なカロリーとタンパク質は賄える』とか,『この広さの田んぼで○人養えるからこの単位が』とか.

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そして日本料理の神髄と言えば出汁だけど,海外の料理の出汁との比較があったり.

昔見た海外の料理番組で,『日本のカツオ出汁はなんやねん.さっと煮るだけやんけ.うちらがフォンドボーを何時間煮込むと思ってんねん』なんて言っていたフランスのシェフが,日本の鰹節工場を見学し,本枯節の製造工程と必要となる期間を知って『こりゃ凄いや.かなわん』って驚愕してたのを思い出した.

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手で食べる/ナイフ・フォーク等で食べる/箸を使う という食法があるけど,箸だけ使うのは日本だけだとか.

あと余談として,インドの右手三本指で食べる習慣(何故右手の3本しか使わないかは…自分で調べてみよう!)が,最近はスマホの普及で(スマホを汚さないように)スプーンで食べるようになって来たという情報まで.

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当然,発酵食品の話も.

とても本の概要が纏めきれない程の充実の内容.実に具だくさんの本です.

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まとめ

これら2冊の本は,読む前に身構える必要も無く,スルスルッと読めます.そして気が付くと時間を忘れて読みふけってしまいます.最後に読み終わった後で満足感.

本を読むという事は,単なる時間つぶしに止まらず,読んでる最中や読み終わった後で気分が良くなる・楽しくなるという効果も.そして知識として得られたもので,生活を豊かにしてくれる場合がある.これ程メリットのある趣味(?)なのに,最近は日本人の半分近くに読書週間が無いとのこと.何とかしたいですね.

あと,文芸本クラスターの住人からしたら,今回紹介した2冊は『読書とは言えないのでは?』とか言われそうですが,それでもいいんですよ.色々な本があり,人によって様々な楽しみ方があるわけですから.ガッツリとヘビーな内容/考えさせられる本を読みたいという方向けには,また別エントリーをアップしようかなと考えています.

と,いうことで,『おりたたみ自転車はじめました』と『マンガでわかる日本料理の常識』の2冊,超オススメです.是非読んでみて.

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