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2019年4月 1日 (月)

『荒野のコトブキ飛行隊』に刺激を受け,積みプラになっていたフジミの1/72隼1型を作ってみる

気が付くとすっかり出遅れており,最終回が今週放送予定という状況になってしましましたが…凄いです.『荒野のコトブキ飛行隊』(公式)のメカの精緻な描き込みや動きの凝り方,半端ないです.いくら手描きでないから…CG技術が向上しているから…と,言っても,普通は戦闘機の始動の仕方から離陸までの作業を順を追って描く…なんてことはしないでしょう.せいぜい描いても『エナーシャ回せ!』くらいでしょう.実にイカレてる!(最高の褒め言葉)

まぁそんなわけでと言いますか,ティザーPVを観たときはそこはかとなく不安を感じましたが,PVを観てからは傑作を確信してオンエアを待ち,1話を観てからは翌週が楽しみでたまらないという感じに相成りました.ただ,ほぼ同じ方向を目指している『ガルパン』と比べるとマニア度が高く,ミリヲタ純度がある程度高くないと…ちょっと敷居が高いかもです.

この作品の目玉はというと,様々な日本の陸海軍機が登場すること.そして大空を飛び回り,空中戦を繰り広げます.その辺りはこの動画(オススメ)やこの動画(超オススメ)をご覧頂くと,この作品の凝り度のイカレっぷり(褒め)の片鱗を感じることが出来るのではないかと思います.

そしてこの手の作品の場合,主人公は有名な機体もしくは高性能機に乗っていることが多いのですが,なんと『一式戦闘機(隼)1型』です.『加藤隼戦闘機隊』に出てくる『隼』です.それも性能の低い『1型』.この時点でマニア受け確定ですね(笑).一般受けさせるとしたら『ゼロ戦』の愛称で有名な海軍の『零式艦上戦闘機』(『レイシキ艦上戦闘機』なので,『レイセン』が正しい)に乗せるのでしょうが,敢えて避けてる感じです.

それはそうと,本日新しい元号が『令和』になりましたが,今年の5月2日生まれの人が今から20年くらいして会社に入ってきたときに,『さすが令式(レイシキ)52型.性能が違うな』なんて言ってみたいな...なんて妄想が…閑話休題.

海軍の『零戦』と比べて海軍の『隼』は実績の割に人気が無いようで(まぁ当時陸軍も一旦『イラネ』ってした機体だったけど),プラモデルでも冷遇されています.それも初期型の『隼1型』となると更に人気が…な感じで,金型が古く,その代わり安い製品ばかりのような気が.そんな中,俄にブームが来てしまったので『艦これ』ブームでウォーターラインシリーズに急に火が付いたときと同じように,店頭から手頃なプラモデルが蒸発.今回紹介する『フジミ 1/72 隼1型』は千円くらいで売られていたように思いますが,現在Amazonでは3万4千円で売りに出てます.一時期の仮想通貨以上の爆上げです.

そんなわけで,本エントリーを読んで『隼作ってみようかな』と思われたら,少し沈静化するのを待つか,『モデルグラフィックス 2019年 03 月号』を購入しましょう.値がちょっと張りますが,付録として最新技術を駆使した緻密な『隼1型』のプラモデルが付いてきます.

では,『一機入魂!』.

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実物に対する縮尺として,1/32,1/48,1/72のスケールが航空機のプラモデルとしては一般的です.1/32は正直『デカイ』ので,普通に室内に飾れる範囲でと言うと『1/48』か『1/72』が現実的かなと思います.そして1/72は細かな所が省略されていたりしますが,逆に言うと部品が少なくて作りやすく,そして廉価.コンパクトに作れるので数を作って並べて愛でることがし易いのでオススメです.

ただ,『40年前の金型をで使っていてー』という古いプラモデルもあり,最近のモデルのような緻密な凝縮感はあまり感じられないかもしれません.今のガンプラを見慣れていると,文字通り『オモチャ』に感じられるかも.

と,そんなわけで,前振りが長くなりましたが積みプラを少し崩し,夜に少しずつ『フジミ 1/72 隼1型』の製作を開始しました.下の写真は同時に製作を開始した96式艦戦(こちらはまだ完成していない…)と共に塗装しつつ組み始めた所.航空機を作るのは5年ぶりくらいかも….前回はおそらくこちらで紹介した零戦.改めて先のポストを読んでみると…最近(?)のタミヤのプラモデルの精巧さには戦慄しますな.今回紹介する何十年か前の金型を使用した製品がオモチャのようです.

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(ガンプラ以外の)プラモデルって,塗装して少し手を入れると,見違えるように見栄えが良くなったりもするので侮れません.そんなわけで,今回も単に組むだけではなく,シンドくない程度に塗装してみます.

エアブラシを買ったら負けだ(沼に墜ちて行く一方だ)と思っているので,塗装は基本筆塗りです.ただ,フリーハンドで直線を出すのは難しいので,少々手間ですが結果重視でマスキングをしつつ塗装しました.

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この部分,変に波打つと台無しなんですよね….波打ち具合が1mmに満たなくても,パッと見でも分かるほど目立ってしまうし.

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あと,今回大活躍だったのは,100本で1680円の面相筆.1本で同じくらいの価格の面相筆と比べると耐久性等にやや難有りな感じがしますが,使い捨てに近い感覚で使えるのは精神衛生上良いです.

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スプレーだと均一に薄く塗装できますが,筆塗りだとタッチが出やすくて慣れないと難しいですよね.私も正直そこまで上手くは無いです.

あと,陸軍機は『ことぶき飛行隊』のような緑のまだら状の迷彩パターンがあるのですが,実際に筆で塗ろう物ならとんでもない手間が.そんなわけで,今回は機体はシルバー1色で行くことにしました.実際,このパッケージの色指示もシルバー一色だったし(言い訳)

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まぁこんな感じかな.

塗料のシルバー系には様々な色がありますが(例えばアルミシルバーとかステンレスシルバーとか),そこは個人好みで.今回は普通のシルバーを使いました.

調べまくった結果の考証に基づき,極限まで現実に近付ける…という楽しみもアリだと思うけど,ホビーは楽しんでナンボですし,そこは ゆる~く まったり と行きましょう.

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昔のプラモデルは結構不親切で,例えばこのキットでは風防のパーツにピンバイスで穴を開け,照準眼鏡を通す必要があります.プラモデルをゴリゴリ作らない普通の人はピンバイスなんて家にありませんよね.私は持ってたけど(笑)

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説明の順番が前後しますが,照準眼鏡を付けるとこんな感じ.

こんな小さなパーツ1つにも拘り,付けるために約千円~数千円の工具を購入するのは沼の入り口とでも言いましょうか.『これを付けるためには工具が欲しい』→『1回きりしか使わないなんて工具が勿体ないから別のプラモも買おう』→『あ,今度はこの工具が必要…』の無限ループ突入です(笑)

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あと,古いプラモでは,パーツがうまくはまらなかったり隙間が出来たりするのも日常茶飯事です.

今回のキットでも隙間が空きまくり.最初は『まぁ適当で良いか…もう塗装しちゃったし…』なんて思っていましたが,気になり始めたので少しだけ修正してみます.使用したのは普通のパテ

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隙間を埋めた後でヤスリで出来るだけ平らにします.

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この翼の合わせ目もかなり隙間が空いていたのでパテ埋めしました.

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ヤスリかけしてこんな感じに.

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で,最後の最後に大失敗.

クリアパーツに接着剤が付着して白濁.クッ…こry.

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『まぁいっか…』の神が一瞬降りて来ましたが,セリエの木工コーナーで仕上げ用スポンジを購入.

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#1200,#1500,#2000の目の細かいヤスリが入っています.

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これで丁寧に磨くと…まぁ目立たない程度には修正できました.更にこの後コンパウンドで磨けばもっと透明度が高くなりそうですが,先を急ぐことにします.

とりあえずパテ埋めしたり磨いたりして塗装が剥がれた所を塗り直します.

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デカールを貼って日の丸も入るとそれっぽくなります.

ただ,製造が古いプラモだとデカールがうまく貼れなかったり浮いてしまったりするので,マークソフターマークセッターがあると便利.そしてこれもまた『まだ液が余っているし,この1回のみしか使わないのは勿体ないよね』ということで次のプラモへの片道切符です.

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で,普段であれば説明書に書かれている通りここで完成なのですが,今回はもう一手間かけることにしました.何気に『ことぶき飛行隊』でアンテナ線が風斬り音を出したりギシギシ言う回があり,それに触発されたと言いますか.

艦船模型も含め,アンテナ線はモデルカステンの鋼線を使う人が多いのですが,素材の関係で曲げや丸まりの癖が付きにくい反面,取り回しがやや面倒.そんなわけで,今回は魚釣り用のハリスを使用.ユニチカの0.3号を使います.太さは0.09mm.色は半透明.

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タミヤのゼリータイプの瞬間接着剤で固定します.ピンと張るように接着するのがキモ.それっぽく見えるようになります.

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アンテナ線の右端近くにダマを作り,碍子とします.

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テグスを黒く塗れば完成.

あ,ちょっとコレは失敗していて,使用した塗料のマットブラックが何年も放置していた関係でドロッとしており,小さなダマが沢山出来ています.肉眼ではよく見ないと分からないけど,気になるのでやり直そうかな….それとアンテナ引き込み線はこの辺りとしました.

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と,いうことで完成.塗装はそれなりに面倒だけど,+αとしてアンテナ線を追加するあるだけで,手軽に精密感を増すことが出来ます.オススメ.

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1/72なのでサイズ感はこんな感じ.机の片隅に置いておいてもそれほど邪魔にはなりません.

あと,この隼1型はプロペラが2翅なので,ちょっとバランスが…と,言いますか,格好悪く感じる.2型以降のように3翅あると見た目的に安定感あるんだけどな.

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上から見るとこんな感じ.実はエナメルのグレー等でヨゴシと墨入れしているのだけど,地味すぎて分からないですね(涙)

あと,古いモデルの割にモールドが結構良く,特にフラップの表面の波打ち方が中々良い感じです.

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裏側.説明書の指示通り塗るとこんな感じ.

ちなみにキットの中に増槽パーツが2つ入っていましたが,取り付ける穴が無く,説明書に穴開けの指示も無かったので付けていません.

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実はこちら側のデカールは一部千切れて失敗したのだけど,ギリギリ目立たない程度にリカバリー.

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零戦11型や隼って全幅が広い印象があるのだけど,こう見るとそうでもない感じ.

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苦労して磨いたクリアパーツもギリギリ何とかリカバリー出来ている感じです.

ちなみに機種の機銃周りは後からフリーハンドで少し修正したら,案の定黒く塗装した直線部分が波打ちました.うーむ.

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マクロで煽らないと撮れないけど,この角度はカッチョイイっすな.

地味にアンテナ線が良い味出している感じ.あと,碍子は白く塗ることを検討中.

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と,いうことで完成.『一機入魂!

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まとめ

と,いうことで,思い立って久しぶりに積みプラを少し崩して『隼』を作ってみたわけですが,やっぱりプラモデルって楽しいですな.

データではなくて物理的にそこに存在し,そして手をかければかける程に見栄えが良くなり,完成度高く仕上がってくる.特に小さなスケールモデルだと,(今回のアンテナ線のように)少し手を加えるだけで精密感がモリモリ増すというのも良い感じ.ただ,ある一線を越えるとそこは『沼』であったり,『越えられない壁』であったりするけれど.

艦船模型だと『笹原大の艦船模型ナノ・テクノロジー工廠』という凄まじい本が出ており,超人的・芸術的な精密工作・製作の究極の姿を垣間見ることが出来ます.流石に私にはココまでは無理ですわ(^^;

それと古いプラモデルだと,パーツがうまく噛み合わなかったり,隙間が空いたりする.でも,ヤスリかけとかパテ埋めとか少ししてやるだけで十分勝負出来る出来映えになります.これはこれで楽しい作業ではあります.そう言えば,一昨年前はこんなポストをして,このときも隙間を埋めるのに苦労してましたね….

あと,今回製作する際に感じたのは,それなりにキチンとした工具があった方が楽ということ.特にニッパは良い物を使った方が良い.今回途中までは一応『プラモデル用』として売られている物を使用していましたが,タミヤのコレに替えたら手間も仕上がりもメチャクチャ良くなりました.オススメです.

まぁ何はともあれ,『荒野のコトブキ飛行隊』が切っ掛けでも良いので,是非,航空機のプラモデル製作にもチャレンジしてみて下さい.『プラモデル自体が初めて』という方でも,きっと楽しめると思います.

そうそう,最後に一つマニア向けに余談.

先日書店で見かけて『こんな本があったなんて!!』と,出会えた喜びのあまり血圧が大きく上がった自覚があったのだけど,『イラストで見る日本陸・海軍機大図鑑(3)』凄いです.凄まじくディープです.マニアックです.唯一無二です.勢いで『日本陸海軍機大図鑑』と『イラストで見る日本陸・海軍機大図鑑(2)』も探しまくって入手したのだけど,一般の書籍では採り上げられていないような内容を考証・イラスト入りで緻密に解説しています.例えば,アンテナ線の引き込み部分の構造がどのようになっているかとか,機種や時期による構造や刻印の変遷,増槽の種類や構造,各種整備用の口やネジの形に至るまでミッチリ解説されています.普通の人には興味すら湧かないであろう内容だけど,関心がある人にとっては渇望して止まない情報がここに!!この本は私のエルドラドか!?という感じです.

とは言え,世間一般から見ると極めてニッチな市場向けの書籍だと思われます.重版がバンバンかかることは無いと思われますので,同好の士は書店に急ぎましょう.オススメです.

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