ハクキンカイロ/Zippoハンディーウォーマーのメンテナンス.中綿を交換等して新品の頃の性能を今一度手に入れる
日中はすっかり春のような陽気の日が続いておりますが,皆様如何お過ごしでしょうか.
年末年始と思っていたのに気が付くと年度末.相変わらず仕事でバタバタの日々で,1週間に1ポストくらいの更新頻度で…と,年始に計画していたのに,既にこの有様(笑).『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(良書)の熟読が必要です….
さて,普段はデスクワークが多いのですが,今年はヘルメットを被って鉄板入りの安全靴を履いて…という仕事も何度かさせて頂きました.このような写真集が好きな人であれば,『うらやましー』的なことを言われるかもです.でも,冷暖房が効かない所が多く,夏も冬もシンドイことが多い.で,冬は寒いからと言って厚着をすると動きにくい.そして動いたら動いたで逆に汗ばむほど暑くなります.そんなわけで,脱着可能な防寒対策が重要で,手軽な手段のカイロは便利.
1年ほど前にハクキンカイロminiのレビューをしましたが,今年の冬は長丁場の作業がある関係で,スタンダードサイズのカイロを持ち込むことにしました.使い捨てカイロを複数持ち込んで…という手もありましたが,まぁそこは拘りで.
しかし,手元のスタンダードサイズのZippoブランドのハンディウォーマーは,調べてみたら12年前に購入したもの.そしてその関係か,最近は中綿が規定量のオイルを吸ってくれず,そして発熱時間も24時間に全然満たない感じ.バーナーは過去に1~2回程交換しているのですが,中綿の交換は一回もしていません.出張が近付き,『えらいこっちゃ』とOEM元の交換用中綿をオーダーしようとしたら,転売屋によるぼったくり価格.かと言って本家の通販だと632円と良心的な価格だけど,間に合わないかもしれない….と,いうことで,代用品に交換することにしました.結果はすこぶる良好で,何故か48時間を超えても火傷する程の熱さを保っていました.
と,いうことで,中綿の交換とバーナーの交換についてちょっと書いてみます.
中綿の交換用に購入したのは,『白十字カットメン』.325円也.
純正の交換用中綿の半額ですし,交換時に綿を全部使い切るわけでは無いので,コスパは限りなく高いです.
この製品を選んだ理由は,1枚あたり7.5cm*14.5cmにカットしてあることと,このサイズがスタンダードサイズのカイロに丁度良いからです.
42枚入っていますが,そのうちの1枚のみ使用します.なので,実質的にかかったコストは7.7円.大量に余った残りは衛生用にでも使用しましょうかね.
では,12年選手のZippoハンディウォーマーにご登場願いましょう.
結構酷使していてもこの状態.凄いですよね.『祖母の遺品として出てきたハクキンカイロを,綿とバーナーを交換して使ってる』なんて話も聞いたことがあります.消耗品部分を交換さえすれば,長期間使い続けることが出来,そして性能も維持されるって素晴らしいですよね.
では,まずバーナーを外します.
開口部から覗く綿は圧縮されたかのようにコチコチで,一部焦げたような色になっています.
最初はピンセットで取り出そうとしたのですが,固すぎて挫折.
ラジオペンチで取り出すことにしました.
グイグイ引っ張り出すと,中の方まで変色していました.そしてボロボロ.
中綿は3パーツに分割されており,真ん中のパーツのみ,ボール紙がホチキス止めされていました.
では,真打ちのカット綿にご登場願いましょう.
1枚出すとこのサイズです.新品の白さが目に染みます.
これを2つ折りし….
このような形状の3パーツにハサミなどで切ります.
そして両サイドの綿から入れて行きます.
入れた後でラジオペンチなどで脇に押し込んで…というのを左右の綿で行います.
最後に二等辺三角形にした中央部用の綿を押し込んで完成.丁度ピッタリ入りました.
そしてここからがカイロを上手に使うコツです.ラジオペンチかピンセットで開口部の部分に大きめのスペースが出来るよう,少し押し込んでおきます.
このタイプのカイロは,ベンジン(炭化水素)の気化ガスがプラチナと接触することで発熱する化学反応を利用しています.たまに勘違いしている人がいますが,Zippoライターのように,気化ガスに火を着けて燃焼させているわけではありません.そのため,気化し,かつ,滞留するのに十分なスペースを作っておくと,より安定して暖かく使うことが出来ます.
中綿を換えたので,ついでにバーナーも交換しましょう.
Zippoハンディウォーマー/ハクキンカイロで使用可能なバーナー/換火口としては,Zippoブランドの物とハクキンカイロブランドの物があります.Amazon価格は2019年2月現在,662円/825円という感じでややZippoブランドの方が安価.
で,私の経験的/巷の評判では,バーナーとしてはハクキンカイロブランドの物の方が品質が安定しており,質も高いように思います.具体的には,プラチナの使用量がZippoブランドの方が少なく,そしてその量にもムラがあるような印象があります.
そのせいか,ハクキンカイロブランドの方が発熱が大きい印象があります.
でも,今回は敢えてZippoブランドの物を使用.こちらの方が一番激しく反応している時間帯でも熱くなり過ぎないような気がしないでもないという印象があるからです.ハクキンカイロの発熱量を甘く見てはいけない.
あまり説明書きをじっくり読んだことは無かったけど,70~90回の使用で寿命とのこと.冬場に毎日使うのであればワンシーズン毎に交換が推奨って感じですな.2シーズンくらいは問題無く使えていましたが.
で,これがこれまで使用していたバーナー.このバーナーは比較的最近(と,言っても年単だけど)換えたと思う.
埃が付いて汚れている/焦げているように見えるかもしれませんが,グレーの部分に関して言うと元々こういう色なんです.ただ,奥の方はかなり焦げてますな.
で,左が新品のバーナー.
裏側を見るとこんな感じ.
色を見て,当たりの個体を引いた予感(確信).
セットして完了.バーナーの交換は簡単にできます.
で,折角なので,カイロのフリースケースも新品に交換することにしました.
カリブーブランドのケースです.1620円也.純正のケースは600円程なので倍以上の価格ですが,それだけの価値はあります.え?アウトドアショップのカリブー(リンク先のサイト,読むべし)をご存じない?(^^;
物はフカフカのフリースケースです.発熱時には肌に触れると低温火傷…どころか,そのまま『ジュ』とか擬音を発しながら火傷する程の高温となるカイロを,これに入れて携帯することによってマイルドな暖かさにしてくれます.
カリブーの刺繍が(いろんな意味で)痛くなくて実に良い感じです.
あ,そう言えば今年の冬もBS11で再放送してますね.この控え目な袋を見て,ニヤリと出来たらそれで良いのです.
裏側はこんな感じ.ループ状の幅広の紐付き.私はポケットに入れる以外に,これに吊り下げ紐/名刺ストラップをひっかけ,首から提げることが多いかな.
細かい字でビッシリ書かれた説明書.
固定は純正同様,面ファスナー式です.
中身はこんな感じ.
Zippo純正のと大きさ比較.かなりくたびれてきているので,あまり比較にならないかもしれませんが.
厚さはかなり違う印象.
と,いうことで….
シュッと入れて….
パチッと止めます.
案の定,今年の冬もハクキンカイロのベンジンが品薄&プレミア価格で暴騰していました.私はオイルの匂いが好きなので,Zippoオイルを使用.コンビニとかでも売ってますからね.
まとめ
と,いうことで,『発熱時の温度が思ったほど上がらない&発熱持続時間も短い』という状態になっていた12年選手のZippoハンディウォーマーですが,白十字のカット綿を使用して中綿を交換,そしてバーナーを新品に交換というメンテナンスを行いました.結果は予想の斜め上を行きまして,生き返ったというよりも別の何かに生まれ変わったような性能でした.
とある場所での作業当日朝,長時間作業に備えてヒタヒタにZippoオイルを入れ,染み込めなかった分を捨ててました.そして点火(火を着けるのではなく,ライターで炙ってプラチナの接触反応を開始).結果はというと,48時間経っても直に触れないほどの高温を維持してくれました.
『流石にこれは長時間発熱しすぎでは?』なんて思い,調子に乗って『どうやら私は永久機関を手に入れてしまったようだ』と,友人達につぶやいたら直後から温度が急降下.50時間は持ちませんでした.これ程持続してしまうとそれはそれでオイル補充のタイミングを見計らうのが大変なので,計量して24時間くらいで切れるようにしないとな…という感じでした.
と,いうことで,『最近手持ちのカイロの温度が低いな』という方や,『前ほど長時間持たなくなって来たなぁ』なんて方は,是非一度,中綿の交換をお試し下さい.また,『使い捨てカイロで十分じゃん』って方は,Zippoハンディウォーマーやハクキンカイロminiを試してみて下さい.きっとその『物』としてのガジェット感に魅せられ,そして実用性に刮目することでしょう.オススメです.
それにしても…12年物のこのカイロ,本気で孫の世代まで実用品として使い続けられそうで怖いです.
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コメント
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ファスナーではなくマジックテープですね
投稿: | 2021年1月11日 (月) 20時04分
分かりにくくてすみません.面で止めるあのパーツ,『マジックテープ』や『ベルクロ』と一般に呼ばれていますが,これらはメーカーの登録商標で,一般名称は『面ファスナー』と言います.
同様に『ジッパー』や『チャック』も元々は登録商標で,一般名称は『線ファスナー』or 『スライドファスナー』と言います.ただ,こちらは一般名称として使用して良いことになっていますね.
豆知識でした.
投稿: tadachi | 2021年1月12日 (火) 11時14分