使い易く,そして素晴らしい音質.Ankerの完全ワイヤレスイヤホン:Zolo Liberty+
(感覚的には)半年近く前に,廉価な完全ワイヤレスイヤホンのレビューをしました.3千円くらいなので,『まぁお試しに』という感じです.そして案の定,音質に関して大いに不満が残り,特に片耳だけ極端に音質が悪い点にはガッカリでした.
ただ,ケーブルに全く拘束されない『完全ワイヤレス』の手軽さと気軽さは体験出来,『これで音質が良ければなぁ』という感じでした.
それにしても,最近のAmazonの中華製品のレビューはかなり酷い状態ですな.日本語の怪しい高評価レビューや他社叩きと思わしき書き込みが非常に多く,正常な判断がしにくい.
で,その後数ヶ月でメジャー所が出揃ってきました.AppleのAirPodsは『耳からうどん』なんて揶揄されながらも相変わらずの鉄板で,SONYのWF-1000X,BoseのSoundSport Free wireless headphones 辺りが音質的に非常に評判が良いようです.でも,楽しむソースによってはディレイの問題が出たり,環境によっては音切れの問題が出るという報告も多く,完全ワイヤレスは構造的に難しい部分もありますな.
俯瞰すると,概ね2万~3万円出せば『音を楽しめる』完全ワイヤレスイヤホンが購入出来,『音が聞けたら良い』なら2千~3千円出せば良いという感じに二極化して来ている感じです.
懐具合が許せば万札二枚で安全に幸せになれるのでしょうが,殆どの人はこの価格帯の中間部分で『マトモな音質の製品を…』ということを求めるでしょう.そしてサクラまみれのレビューを読みつつ,ややリスキーなギャンブルに賭け,ポチって届いた製品を使ってみて(一定の割合の人は)愕然とする…なんてことが全国各地で起こっているのではないかと思っています.Amazonの売上げランキングを見ると,この中間の価格帯の製品がよく売れているみたいですしね.
と,いうことで,ようやく本題ですが,今回この価格帯の本命の登場をご紹介します.それはAnkerのZolo Libertyです.
クラウドファンディングで数億集めたってのが話題になっていましたが,うっかり忘れて締め切りに間に合わなかった私は地団駄踏んでいました.『Ankerならいきなり製品として出荷してよ』と,渇望していたら昨年冬に『Zolo Liberty』と『Zolo Liberty+』の扱いがAmazonで開始.
そして私は機能・音質的に上位機種という扱いの『Zolo Liberty+』を購入.でも,これは値段が違って機能が完全上位互換で…という感じではなく,2つは別の製品と考えた方が良いんではと思う所もあります.詳しくは後述.
ANKERと言えばモバイルバッテリで有名ですが,スマートホームブランドとして『eufy』,『ZOLO』を昨年立ち上げており,このイヤホンは『ZOLO』ブランドになります.
パッケージではブランド名よりもメーカー名の表記が小さくなっています.敢えて名の通っている『ANKER』で知っているユーザに売るのではなく,『ZOLO』をこれから本格的に立ち上げようという意気込みを感じます.そして実際に使ってみたら,この製品にかける本気度を感じました.
『Liberty』と『Liberty+』の違いは,最大使用時間が前者は24時間なのに対して後者は48時間(ケースで充電した場合.一回の充電ではどちらも3.5時間.5分充電で1時間通話できるって充電効率は良いね),対応するBluetoothのversionがそれぞれ4.2に対して5.0.そして『Liberty+』は周辺音の取り込み機能付きで,イヤホンを外さなくても環境音を聞くモードを持っています.
対応するコーデックは,AACとSBCのみ.APT-Xは非対応.iOS系だとSBCで十分な音質だしAACだとさらに良いのだけど,Android系の人にとってはAPT-Xが無いのは辛いかもです.
あと,一番大きいスペックの違いは,大きさ.
『Liberty』は5.5mmグラフェンダイナミックドライバーを採用しているのに対し,『Liberty+』は6.0mmの物を採用しています.音質向上が望める一方,筐体も一回り大きくなっています.『Liberty+』は大きすぎて耳からポロポロ落ちるという話しを散見しますので,耳が小さい方や女性は『Liberty』の方がお薦めかもしれません.
本体には電源関係のスイッチがありません.ケースにピースを刺せば充電開始,取ればすぐにペアリングして再生可能になるという簡単インターフェイスです.
それにしても,『PUSH AND GO』が商標登録されてるなんてビックリ.
無線を扱う人であればよくご存じだと思うのですが,人体って電波の遮蔽物として優秀です.ましてや運動中に汗をかいたら水分で…という感じ.完全ワイヤレスイヤホンは,左右のピース間も無線で繋ぐ必要があるので,アンテナの実装面積に制限があることも含めてより条件がタイト.
そんな中,このイヤホンはPX5の防水仕様で『スポーツ中も音声を楽しめます』と売りにしており,更にはかつ『途切れず続く、高音質』と明言.期待大です.
蓋はこんな感じに開きます.そして高級感漂うこのパッケージ.
本体.当然ながらケーブルで繋がっていません.
イヤーチップも複数種類・サイズ入っています.
充電ケーブルは黄色.本体を直接充電するのではなく,ケース内に大きめのリチウムイオンバッテリーが搭載されており,これをmicroUSB接続で充電します.その後に本体をケースに収めると本体に充電が始まるという仕組みです.
ケースと本体.どちらもコロンとしています.
『Liberty+』はパッと見,かなりコロンと大きく感じ,そして重量感もそれなりにあります.
内側に左右を表すLまたはRの彫り.そして充電用の接点が見えます.
イヤーチップとラバーを外すとこんな感じ.スクリーンも金属製でしっかりとした作りになっており,音質に対する拘りが感じられます.
ケースはこんな感じ.マットなメタリックなブラックです.
5V 1.5Aとあるので,ケースのバッテリーの充電時間は短くて済みそうです.
給電はこちらの口から.microUSBです.
スリスリしたくなるようなメタリックな質感.そしてカラー.高級感溢れています.
蓋を開けるとこんな感じ.本体を収納する穴が2つあり,本体給電用の接点が見えます.
と,ここでコンプライのTRULY WIRELESS.定番のコンプライから出た,完全ワイヤレスイヤホン用のイヤーチップです.
通常のカナル型のイヤーチップを使った際に,耳が詰まったような感じで違和感を覚える人に特に合います.また,こちらでレビューしたように,イヤホンのイヤーチップを変えるだけで別次元の音になります.
中には3ペア入っています.
このタイプは耳垢フィルタ(?)付き.そして完全ワイヤレスイヤホンはケースに収めて充電するタイプが多いため,サイズの関係で厚みが極めて薄くなっています.
付けるとこんな感じ.不安に感じるほど薄い.
結構微妙なサイズ感です.
では早速本体を充電してみましょう.このようにケースに入れるだけで充電接点が接触し,充電が開始されます(本体の白色LEDが点灯).
ケースの大きさはこんな感じ.
本体の大きさはこんな感じ.
ケース内蔵バッテリの残量は,3つのLEDで構成されるインジケーターで表示されます.
実際に使ってみて&まとめ
一言で言うと,まぁ,凄いです.QCY19を少し加工したときに,『もう普段使いで他のイヤホンは不要かも』と,思った時期もありました.しかし『Zolo Liberty+』の音を聞いてしまうと,新たな世界が開けたと言いますか,試し聞きのつもりで気が付くとそのまま何時間も連続して聞いてしまい,QCY19から完全に乗り換えました.
まだ十分にエイジング出来ていないのですが,驚く程低音が出て,高音も煌びやか.そしてアプリのイコライザ設定で『ポップ』を選ぶと,ややボーカルが引っ込んだような感じがしないでもありませんが,無線式のイヤホンとしては一つの到達点ではないかと思う程の高音質です.それが完全ワイヤレスのイヤホンで実現しているのだから凄いです.
更に,予めペアリングをしてあれば,ケースから取り出した瞬間に電源が入り,接続され,耳に付けたときには使える状態に.実に快適.
ただ欠点に感じる点も何点かあって,
- Zolo Liberty+はやや大きいので,ジョギング時に使うと脱落しそうで怖い(まだ脱落したことは無いけど,精神的に…)
- 本体はコロッと丸く,そしてケースがツルッと丸いので,手から滑り落ちやすい.そこそこ乗客が乗っている電車内で,耳から外した本体をケースに入れようとしたときに落としてしまい,非常に焦ったことがありました.また,ケースはケースで鞄から取り出そうとしたときにツルッと落とした事が何度か…
- Liberty+には環境音を聞くモードもありますが,ハッキリ言ってオマケです.自然な音には聞こえないので,イヤホンを外さず外の音が聞けないこともない程度に考えて下さい
- 完全ワイヤレス用のコンプライのイヤーピースは,思ったほど性能を発揮しない.やはり薄すぎるからかも
辺りを感じました.
あ,最後のはZolo Liberty+のせいではありませんが,本体がケース内に収まるためにはこれくらいのサイズでないと使えません.そのため,使用出来るイヤーピースのサイズが極端に制限されているとも言えます.泣く泣く同梱しているオリジナルのものに付け替えてみたのですが,意外と具合が良くて『コンプライよりもこっちの方が良いかも』という感じに.
と,いうことで,『Zolo Liberty+』オススメです.ただ,耳の小さい人や女性は『Zolo Liberty』の方が良いかもしれません.価格はそれぞれ1万5千円と8千円という感じで,『+』の方が高価です.Bluetooth5.0に大きな魅力を感じるのであれば『Zolo Liberty+』を選択した方が良いと思いますが,『Zolo Liberty』を選んでも後悔しないでしょう.
ホント,驚きの音です.大事なことなので2回言います.オススメです.
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