簡単に作って飾れる戦車プラモデルのススメ:ズベズダ 1/100 KV-2
忙しいときって,目の前の事以外も色々とやりたくなるじゃないですか.このエントリーもその産物です.
いえね,急にKV-2を作りたくなってしまったんですよ.今度最終章が劇場公開されるガルパンのTV版再放送観たからとかそういうのではなく,街道の怪物の話をふと思い出しまして.
凄いっすよね.ドイツ軍の補給路上の街道にたった1両で陣取り,破竹の勢いで侵攻していたドイツ軍を数日間足止め.輸送トラックを12台撃破,急派されて攻撃を開始した50mm対戦車砲の命中弾を軽々と跳ね返した後に反撃して返り討ち,後に様々な伝説を残す88mm砲も設置中に撃破.工兵が肉薄して行った夜間の爆薬攻撃にも耐えます.
そして困り果てたドイツ軍は,軽戦車(38(t))を囮として走らせて,そちらに目を向けている隙に88mm砲を設置して攻撃する作戦を立てます.作戦はうまく行き,88mmが砲撃開始.しかし大抵の戦車を一撃の下に撃破する88mmが6発の直撃弾を与えたにも関わらず,貫通したのはたった2発.そして有効弾を与えて撃破したかに思われたのに,反撃のために砲塔が回転を開始.結局工兵が肉薄して貫通孔から手榴弾を投げ込み,トドメを刺したという話.
まるで『それってどんなフューリー(こちらでレビュー)?』みたいな話です.
ただ,いざ作ろうと思っても,(現在の)私の場合は
- ハッキリ言って忙しいので,手軽にサクッと組み上げたい.時間が掛かる物だと積みプラ,もしくは未完のまま何年も放置になる危険性(*)
- 組み上げても置く場所が無い.コンパクトな奴で!
- でも,格好悪いのはヤダ!
(*)95式が,かれこれ10年程未完のまま放置されてます…
のような条件を満たす必要がありまして,中々難しい物があります.
大きさの面では,戦車のプラモと言うと1/35が一般的で,最近はタミヤの1/48も良い仕事してるかなという感じかと思います.タミヤでKV-2はと言うと,1/35がコレ,1/48がコレです.
リンク先の商品説明写真やレビューを見てもらうと分かる通り,『流石タミヤ,凄いぜ』レベルなわけです.十分な時間さえあれば,快感に悶えまくる組立時間を堪能し,陶酔感すら覚えるような出来映えの物を得ることが出来るでしょう.時間があれば.元々プラモデルって,贅沢に時間を使うための娯楽なんですよ!(断言).今は時間が無いんですよー.
と,いうことで悶々としていたら,ズベズダから1/100のKV-2が出ていることを発見.画像検索すると結構品質も良い感じ.そしてパーツが少ないので組み上げも簡単.価格はアンダー700円.大きさも1/100なのでとてもコンパクト.卓上の隙間空間にも十分置けるサイズ.上手くすれば嫁さんからの『また新しいの買ったの?』攻撃を掻い潜れる可能性すらあります.
行くしか!ウラー!!
私が購入したときはマーケットプレイス扱いだったので,本体が500円台でも送料が500円以上かかると言う,『何かオカシイ』的なことを思う状態でしたけど,2017年11月26日現在,Amazon扱いで在庫があるようですね.プライムで送料無料が裏山.
物はサクッと届きました.思ったよりも小型の箱.箱絵ですが…昭和の頃の日本のプラモの箱絵に雰囲気が似てますね.
裏面.完成写真.おお,これは期待出来そうだ.以外と緻密なディテール.
中身.
見て下さい.このパーツのあっさり感を.一昔前の食玩のプラモのような感じです.
マニュアルはロシア語,英語,ドイツ語の三カ国語表記.書き忘れていましたが,このプラモデルのメーカー,『ズベズダ(リンク先はwikipedia)』はロシアの会社です.
イラストで説明されているので,日本語マニュアルが無くても平気です.と,言いますか,このくらいの構成であれば,マニュアルすらいらんかも….
さぁ,組み上げましょう.
『え?もう終わっちゃったの?早過ぎ!!』と,いうくらい楽しむ間もなく完成です.素組みなら15分かからない.
ただ,日本製プラモデルに慣れているとビックリですが,『「はめよ」と書かれている穴にパーツがはまらない』とか普通にあるので,ヤスリは必須.
こんな小さなプラモなのに,砲塔後部の機銃まで再現してます.無駄に細かいです.
隣は1/144のヤークトティーガー.流石にきちんと塗装した物と比較するとアレですが,かなり細かいモールドもきちんとしており,思ったよりも見栄えがします.ロシア製プラモを舐めてました.
ただ,前述のように組立にヤスリ必須なのと,このように噛み合わせが悪くてパーツの間に隙間が空きまくりです.
履帯部分に至っては,こんな感じ(写真下側)できっちりハマりません.(この部分は固定用の棒のパーツをへし折って接着しました)
そこでパテ埋めを決断.
普段はこのタイプのパテを使っているのだけど,今回はポリエステルパテを使用.
主剤に硬化剤を混ぜると,1時間程で硬化します.
説明書き.手袋を使用せよ,プラ板の上で混ぜろetc.
ハイ,分かってはいるんですが,今回はちょっと急いでるんで….
隙間をもう一度確認しておこう…とか思って弄っていたら,ふわっ!! 機銃が!!
この部分もパテで補強することにします.
あと,素組みの時はニッパで切り出したのをそのまま組んだけど,ゲート跡が白化したりしていて結構目立つので,デザインナイフで修正.
普通のカッターでも出来ないことは無いけど,1本持っておくと色々と使えて何かと便利です.
使用例.中央下部に,ゲート跡をやや粗いヤスリで手抜きしつつ何とかしようとして(^^;白化した部分がありますが….
デザインナイフでシュッと切ればこんな感じに綺麗になります.
さて,では砲塔のパーツ間に出来た隙間を埋めていきましょう.
主剤(白)と硬化剤(オレンジ)を塗装皿(プラ板があるらそっちの方が良いです)に適量出し….
主剤の蓋と同じ色になるように配合しつつ混ぜます.
隙間に塗り込んでいきます.ベタベタとやや粗っぽく盛ったのは,鋳造砲塔の雰囲気を出したかったから.角がツルッとした感じではなく,鋭角部分にボコボコと凸凹があるとそれっぽく見えますよね.
なお,このパテは硬化した際に痩せること無く,このままの形状で硬化します.
パテが黄色なんで,塗料を塗らないとね.
と,いうことで,用意したのはカラーモジュレーションセットの『ロシアングリーンVer』と『ダークイエローVer』と『ジャーマングレーVer』と『ウエザリングマスターA』.
え?KV-2だけならロシアングリーンVerだけで十分じゃないかって?まぁそれは…モゴモゴ.
そうそう,『カラーモジュレーション』ってこんな塗り方です.明暗のある色を意図的に塗ることにより,立体感を出す手法です.
そしてこのセットでは,カラーモジュレーションを行うための4色が同梱されて売られているわけです.
開けるとこんな感じ.
説明書も懇切丁寧.でも,同梱されている四色で普通に筆塗りしただけでは,この写真のような綺麗な仕上がりにはならないですよね….
バラで購入して揃えても良いのですが,セットの方が圧倒的に楽です.
早速塗装.極細の筆が手元に無かったので,塗り方が結構荒いけどご容赦を.
特にハッチ部分を見て頂くと分かると思うのですが,手前側から光が当たっているような見え方を意図して4色使用して塗ってみました.え?グラデーションになってないし雑な感じだって?遠目に見るとそれっぽく見えるんですよ(震え声)
光が当たる方向を固定して塗装するので,逆アングルから見ると見え方に違和感が出てきますな.
うん,色を塗るとプラスティッキー感が無くなるので良い感じ.
でも,パテを盛りすぎた関係でコテコテし過ぎてますな….気になり始めるとムズムズする….
デザインナイフで余計な部分を削いでみましょう.誰ですか?塗る前に…最初からやっとけよって言ったのは(笑)
削いだ部分を塗り直し.過剰な凸凹が適度に無くなり,良い感じになりました.アップでよく見るとパテのオレンジ色が少し見えてる感じもしますが,まぁ気にならない程度なのでヨシとします.
600円(少し前の定価改正までは300円台)のプラモには見えないかなと(自画自賛).
ちなみに大きさはこのくらい.ワールドタンクミュージアムよりも大きくて存在感があるけど,1/35や1/48のような威圧感はありません.造形もそれなりに綺麗だし,良い感じです.
改めて,カラーモジュレーションの効果が分かる部分を少しアップで見せましょうかね.
写真中央の砲塔横の2つあるタラップの部分,出っ張りに上から光が当たってクッキリと影が出来ているように見えますよね.
でもこれ,周りをベースカラー,タラップの上をハイライト1,タラップの先端をハイライト2,そしてタラップ下の影になる部分をシャドーで塗ってるんです.この角度で光を当てると何となく分かりますよね.
履帯はまだ塗れていないけど,良い感じに仕上がりました.ハラショー.
こ,今回はこのくらいで許して差し上げましょう.
と,言うわけで,ズベズダ 1/100 KV-2は
- 戦車のプラモを作りたいけど忙しくて作れない人
- 作った物の飾り場所に困る人
- 小さくて精密な物が好きな人
にはとってもオススメです.
ズベズダの1/100のラインナップは結構充実しており,日本では入手しにくかったりするモデルもありますがKV-2以外も中々良い感じです.かく言う私もT34/76とか2号,3号,4号,ヤークトティーガー etcも….あれっ?タミヤの1/48のケッテンクラートとかもいつの間にか積んであるし,この他にも新たにプラモが増えてるぞ.おまけにTAKOMの1/16 九四式軽装甲車が予約済みになってる.あれ?あれあれ??
意図せず変なスイッチを押してしまったかもしれませんなぁ….
あと,手を抜けばとことん抜けるけど,凝り始めると際限なく時間をかけてしまうのもプラモデル.今回も素組みだけなら(ヤスリがけも含めて)15分もかかりませんでしたが,パテ埋めして塗装して…とかやり始めたら,その倍以上の時間が蒸発していました.本当はエアブラシとかも使いたいのだけど,その一線を越えると『タガが外れるってこういう事なんですよね』って主旨のエントリーを書くことになりそうなので(笑),ギリギリの所で踏ん張っています.
最後に一言.KV-2,(・∀・)イイ!!
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