劇場版 Fate/stay night[Heaven's Feel]第一章が凄い件.劇場で観ましょう.
忙しい,忙しいと良いながら,今年も何だかんだで映画は観ていて,夏以降には『君の膵臓を食べたい』,『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』,『ダンケルク』とか観ました.
昨年は『君の名は。』とか『聲の形』とかアニメの豊作でしたが,今年は….『打ち上げ花火』は絵と音楽は良かったですね…(苦笑).あと,『ダンケルク』はCGに頼らない撮影によるリアル感が凄かった(褒める部分を探してみるテスト).そしてこの3作の中では,唯一『君の膵臓を』が観て満足できたかな.あと,『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』は劇場で観れば(特に音響面で)幸せになれるのは分かっているけど,ほんのちょっとの事なのだけど,MOVIX京都まで足を伸ばせず.
まぁそんな感じで今年は観に行った範囲では打率が低いかも…と,思いつつ,期待と不安の入り交じった気持ちで観に行ったのが今回紹介する映画です.製作発表からずっと期待して待っていた『劇場版 Fate/stay night[Heaven's Feel]』(公式)です.
本当は私用が入っており,公開日(本日10/14)は観に行けない予定だったのだけど,予定変更で急遽昼からの回を予約.もう朝一の回から予約が入りまくっていて,良い席がベッタリと取られていたのだけど,まぁなんとか観やすい席が取れました.で,意図せず舞台挨拶中継の回が取れたので,それも観られたのは良かったです.
ただ,舞台挨拶が約1時間+本編2時間という長丁場になるため,本編前に舞台挨拶というスタイル慣れていないこともあり,最初の方は『本編,はよ!!』と,少し焦らされた感じでした.しかし,言峰綺礼の声優をされている中田譲治氏の『外道,外道と言われ続けているが…』という話とか,間桐桜の声優の下屋則子女史の作品に対する思い入れ(BS11でやっていた特番でのインタビューも良かったです)を聞いている内に気分が良い感じに落ち着いて来来て逆に良かったです.CMがバンバン流れて気分が削がれた後で本編が始まるのとは雲泥の差.それにしても,一般の映画って映画を観るために料金払って来ているのに,更に長時間CMまで見せられるのってどうなんでしょうね….
閑話休題.前振りが長くなりました.
これは観るべき映画です.特にFateシリーズを観ている人は絶対に.映画館で観ないと後悔します.そして『Fate?何逸それ?』な人は,とりあえずAmazonビデオでコレ(Fate/stay night [Unlimited Blade Works])を.余裕があればコレ(Fate/Zero)も観てから劇場に足を運んで下さい.全然楽しめない程では無いけれど,予備知識が無いと辛い所があります.
本当は予告映像のリンクを貼るべきなんでしょうけど,iTunesでランキング1位になっていた(喜ばしい!!),本作の主題歌でもあるAimerの『花の唄』のPVを貼りましょうかね.このPV,本作のイメージが実に良く表現されています.実に素晴らしい.
Fateシリーズを知っている人であれば今更ながらの話ですが,Fateって元々はPCゲームが原作です.それも10年以上前の.今はリメイクされた一般版も出ていますが,元々はR指定ゲーム.
PCゲームにはfateルート,Unlimited Blade Works(UBW)ルート,そしてHeaven's feelという3つのルートがあります.登場するキャラクターは同じですが,ストーリー展開が異なり,結末も全く異なっています.そして前者2つは映像化されていますが,最後の1つはこれまで『映像化が難しい』とされ,アニメ化されていませんでした.それが今回劇場版として満を持して公開なわけです.期待に胸が膨らむわけですよ.
舞台挨拶中継の先では,比較的年配の(昔からの)ファンが沢山おられたように思いましたが,京都では20代のファンが中心でした.
映像化やコミカライズ,そして幅広いシリーズ展開があったためと言えるかもしれませんが,とても幅広い層から支持されているのを感じました.
それでは,予行演習として予告編を観てみて下さい.
今回も(あまり)ネタバレ無しでということで話を進めますが,
- 士郎と桜(中学生時代~)が中心のプロローグが入っていて,スッとHeaven's feelの世界に入って行ける.この構成はとても良かった
- fate,UBWルート共通のストーリー冒頭の部分はオプニングのスライドショーでサラッと飛ばしていてテンポが良い
- 『これぞ劇場版!テレビ放送用とは違うのだよ!』という超絶クオリティ
- とにかく絵,それも背景が凄まじく綺麗.それも最近のアニメでありがちな,風景だけのカットで『どうだ!』と,ドヤ顔をする感じでは無い.あくまで背景は背景であるとして存在感をアピールせず,それでいてふと気が付くと『凄まじい描き込み』.神は細部に宿ると言うけど,その情報量が全体のグレードを激しくアップしている
- 丁寧に作り込まれたバトルシーンが鳥肌物.テレビ放送版も凄いなと思ったけど,別次元.これを観るだけでも価値がある
- 別のルートでは存在感の小さかった脇役のような人やサーバントが,まるで準主役のように縦横無尽に活躍.そして端折られていた人間性の表現も豊かに.
- 別ルートでは主役級の存在が,『…あれーっ』て感じの展開になるので,他のルートしか知らない人は特に楽しめると思う
- キャスターの私服姿がとても良かった
- ライダーの見た目や動きが何とも….まぁ終盤の活躍を観て拳を握りしめてください
- かなり詰め込んだ感じではあるけど,窮屈には感じない
- 『花の唄』が実に作品にマッチしていてとても良い
- 120分なのでアニメ映画としては比較的長い尺だけど,予告編が完全に終わるまで席を立てない.凄まじい没入感
一言,いや,二言でまとめると,『映画館に行きなさい.そして観なさい』という感じでしょうか.
様々なコンピュータ技術の向上,アニメ製作上のノウハウの蓄積,そして大勢の方々の命を削るような仕事が結晶化して,このような魂を込めた作品が出来たのだなと感じました.ホント,凄いです.ボキャブラリが乏しいということでなくて,『凄い』としか表現出来る言葉が無い感じ.それくらい圧倒されるインパクトがあります.表現方法としてのアニメの新たな境地を見せられた感じ.
あと,『夢のシーン』はかなり控えめ.コミカライズの方は最新刊でR指定にならない範囲で頑張っているけれど,遙かに控えめ.それと本作は3部作のうちの第一部なのだけど,既にコミカライズ作品がスートーリーの進み方で抜かれてしまいました.
このルートはある意味,おぞましかったり鬱展開(って言って良いのかな?)も控えているけれど,その部分をどこまで深く抉ってストーリーの深みや厚みを出してくれるのかにも期待.劇場版なので,地上波に流せないような内容でもしっかりと描き込んで欲しいと思ってます.
第二章公開予定の2018が待ち遠しいなぁ.3部作を見終わるまでは死ねないなぁ…って話を聞きそうな気がするけど,そう言えばエヴァはどうなってんねん.
あと,見終わった後で麻婆豆腐が強烈に食べたくなったのはお約束と言うことで(笑)
劇場に観に行きましょう!!
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