モニタの横に付箋スタンドを立ててToDoを効率的に管理する方法を考えてみる:カウネット メモスタンド ふせん置き付き
今回は,タスク管理の王道とも言うべき『ToDo』について,『形から入って』色々と考えてみようと思います.
『形から入る』という意味では,過去にテンミニッツに関して書いたり,NOLTYとの組み合わせ技に関して書いたり,KING JIM電子吸着ボード RACKAGEについて書いたりしてきました.
アナログツールを使用すると,目の前に物理的なオブジェクトとして『やるべきこと』が配置されますので,存在感が半端ありません.目を向けると『私を忘れていませんか?』と,物質化したタスクと視線が絡み合う感じです.そしてたまに視線を背けたくなることも…(笑).
この他,ひとつのエントリーとしてはまとめていませんが,オンラインサービスのNozbeについてもたまに触れてきました.フルデジタルでやりたい場合や,細々とした項目が山ほどあってアナログで管理しづらい場合は超絶便利なサービスです.
と,いうことで,スケジュール/タスク管理に関して色々な方法を試行錯誤して来ましたが,今も悟りを開くまでには至っていません.しかし,多種多様な方法論を多方面から突き詰めて考えていくと,『エッセンス』的な物に到達するのではないかなと思うわけです.エッセンスを把握できれば,それをどのように実現するかを考え,自分に合った方法論を持てば良いわけです.少し大袈裟な表現かもしれませんが,その一端に手が届いたような間隔に至ったので,紹介をしたいと考えています.
と,いうことで,まずは形から入ってみます.『カウネット メモスタンド ふせん置き付き』です.
えらく巨大な段ボール箱が届き,何か大きな物を頼んだかなぁと思って開けたらこれでした.写真だけ見て購入すると,こちらで紹介したカンミ堂のスットとは逆の方向に大きなインパクトがあります.
『株式会社カウネット』って知らなかったのだけど,コクヨの100%出資連結子会社だったんですね.バックが居ることで(笑),品質に安心感.
そして品名は『メモスタンド』です.
パーツは2つに分かれており,共に『黒く塗装された鉄板』という感じの無骨さです.
これが『ふせん置き』として使えるパーツなのですが,固定用の円形の磁石が2つ付いているほか,中央に穴が空いています.
こんな感じで本体に貼り付きます.
ちなみに本体の『+』は付箋を貼る際の目印で,75x25mmの付箋を貼る際に便利です.
磁石で貼り付いているので,どの位置にでも貼り付けることが出来ますし,角度も自由自在.
結構な磁力で貼り付くので,携帯置きにしても問題ありません.また,中央に穴が空いているので,携帯を立てて充電ケーブルを穴に通すという使い方も出来そう.あまり意味ないけど.
スタンドそのものは単純な構造で,裏側はこのようにシンプルに折られているだけです.本体に重みがあるのと,角度が絶妙(貼った物が見やすく,そして角度が立ち過ぎていないので重心が不安定でもない)なので,安定しています.
そしてもう一つ用意したのは,『卓上メモ&付箋セット』.
ギフトにも使えそうな化粧箱です.
本体.上面はフカフカ,下面はクッション無し.値段のわりにシッカリした作りで,中に入っている付箋も考えると,意外とコスパ良いかも.
中はこんな感じ.ギッシリと2サイズの付箋が詰まっています.
付箋のサイズは向かって左が75x75mm,右が75x25mmの一般的なものです.
そして90枚サイズが厚さ的に2つ収納出来るので,ノートサイズは180枚,ふせんサイズは3*90*2の540枚収めることが出来ます.
iPhone7と比べるとこのサイズ.かなり大きいです.持ち運び用途は考えずに卓上利用オンリーが吉です.
一点残念なのは,最初からセットされている付箋の粘着力がとても弱く,本などに『挟む』のであれば問題無いのですが,『貼る』には難があります.『ふせんスタンド』にしっかり貼り付けても,少し時間が経つと大抵は剥がれ落ちています.
そこでポストイットの『強粘着』シリーズの出番です.
下の写真のはコストコで購入した物.まるで棍棒になりそうな程のノートタイプのセットをよく衝動買いしていたけど,先日は,ふと目に入った『ふせんタイプ』を購入.そしてタイミング良く今回出動の機会が.
緑と青の2色という点には不満があるけど,値段は安めでした.…でも,出来たら赤もセットに入れておいて欲しいなぁ.黄色も含めて4色セットがベストだけど.
で,ノートタイプも購入.
裏を見ると『強粘着』と印刷されています.
そしてケース内の付箋を入れ替えてセット.
付箋がヒラヒラするのが嫌な場合,強粘着の全面タイプを使うのもアリです.でも,コスパがかなり悪化するので,ガシガシ使って用済みになったらガンガン捨てという使い方には不向きでしょう.
と,いうことで,『形』が揃いました.次は使い方に関して.
ToDoをベースにしたタスク管理の方法を考えてみる
ポラリスミサイルの開発に際し,複雑すぎるプロジェクトを管理するためにPERTが編み出された話は有名です.そしてPERTの登場により,単純なガントチャートは駆逐された(駆逐されたのは『単純なガントチャート』のみですよ!!)わけですが,必要は工夫の揺りかごであり,そして発明の母でもあるわけです.そしてそれまでの手法は,新しい手法の孵卵器になる場合もあるわけです.今回は,古典的ではありますが,ToDoリストを出発点としてみます.
さて,ではまずはタスク管理に求められる『情報の構造』を考えてみましょう.
やるべきことを箇条書きで書き連ね,それをそのままToDoリストとして使える方は幸せです.シンプルなのが一番です.しかし一般に,『やるべきこと』には重要度やデッドライン,完遂のために必要とされるリソース量,それぞれの関連性や順番等の属性が付いていることが多いわけで,全てを同じように扱うわけには行きません.つまり,『単純にやるべきことの項目を並べ,上から順番にこなしていけば良い』というわけには行かないわけです.
しかし,これら多くの属性や要素を抜けなく並べるためには,その属性や要素分だけの次元が必要です.3次元以上の次元数が必要になることも多いでしょう.とても人間が直感的に把握できる次元ではありません(たまに把握できる変態もいるけど(笑)).
そして自分の体は一つなので同時に行えるタスクは一つ.多次元に並列で配置したとしても,結局は1つずつしかタスクはこなせないわけです.『私は複数同時にこなせるよ』と豪語する人も居ますが,実はシングルタスクよりも大きくパフォーマンスを落とすことになるので,シングルタスクを効率的に切り替えた方がトータルでのパフォーマンスは良いのです.
以上のことから,背景情報的には多次元であったり複雑な関係性があったとしても,何らかの形で次元圧縮してタスクは一列に並べられる形にする必要があります.後で順番の入れ替えや割り込み/削除を行うかもしれないけど,タスクリストはQueue構造にするのがベストです.凝った構造にすれば柔軟性や汎用性を持つことが出来るかもしれませんが,効率を損なう可能性がありますし,本末転倒です.
次に一覧性と柔軟性.
厳密に全ての要素を考慮した上で完璧な優先度を算出し,その順番にタスクを並べられるのであれば問題ありません.しかし,優先度はそのときの状況によって変化しますし,場合によっては緊急仕事が先頭に割り込んで来る場合もあります.つまり,並べた後も適時こなすべき順番を見直す必要があり,そして必要に応じて順番を入れ替える必要があるということです.これを実現するために必要なのが,一覧性と(効率を向上させる)柔軟性です.
結論を先に書きますと,私は『複数色の付箋の使用』と『ふせんスタンド』でこの問題を解決しようとしています(今も試行錯誤の途中).
具体的には,
- 重要度/緊急度が高いタスクは赤
- デッドラインは先だが重要度が高く,それなりに時間がかかるタスクは緑
- それ以外は青
という役割を持たせた3色の付箋でタスクを管理し始めています.
基本ルールとしては,一番上のタスクから順番に進めます.そしてふせん一つ分のタスクが終わったらそれを剥がして捨て,残りをザッと一覧して必要があれば順番を並べ替え,上に詰めます(必要に応じてタスクを追加したり色を変えたりもする).そしてこの『ザッと一覧』のとき,付箋を色分けしていると一覧性が高いため,判断の負荷がとても低減されるのです.
一応補足しておくと,付箋の並びは常に『赤->緑->青』になっているわけではありません.『このペースなら赤のコレは十分間に合うから,青のコレを先にやっておこう』とかいうのもアリなわけです.また,『コレはとても重要で赤だけど,○○待ちなのでまだ着手できない』というのもあったりするわけです.
方法論としてはとても単純ですが,効果を実感しています.
『ToDoリストは使っているけど,あまり仕事をこなせている感が無い』とか,『ToDoリストの管理が大変になってしまって本末転倒になっている感がある』的な悩みを持つ人は特に,本エントリーで提案する『割り切り色分け付箋タスク管理法』をお試し頂けたらなと思います.
え?『割り切り』はどこから来るのかって?
これは以下の2つから来ています.
- 1日に出来るタスクには限界がある
- パッと見で全体像を把握できる情報量には限界がある
ルーチンとして,朝一にその日にやるタスクと順番を(少し時間をかけて)考えるわけですが,まず重要になるのはボリューム.今回紹介したメモスタンドに貼りきれない程の沢山のタスクは,相当頑張らないと完了しないでしょう.アレもコレもと欲張ってはいけません.割り切る必要があります.
またその一方で,あまりに大雑把なタスクを付箋として貼ると意味がありません.1枚の付箋のタスクをこなすのに1週間もかかるようなら,その付箋のタスクは複数のタスクに分割し,付箋も分けるべきです.その方がきちんと管理出来るし,マイルストーンが終わったときに達成感も感じられて継続して進めるためのモチベーションにもなります.
次にメモスタンドに貼られている程度であれば,一瞥すれば大体の進捗が把握でき,今後のペース配分も直感的に想像することができます.しかし,これを超えるようなボリュームになると考える量が増え,判断に時間が取られるようになります.ぱっと見で把握できる分量というのは,前述の『こなす』という面だけではなくて『管理』の面でも重要で,割り切る必要があるわけです.
ただ,『今すぐはやらないけど,どうしても頭の片隅に置いておかないといけない大きな塊のタスク』というのもあるでしょう.その類いのものは,緑付箋で下の方に貼っておくのが良いです.また,タスクに落とし込む以前のモノは別途ノート等で管理しておく方が良いでしょう.GTDをやった最終段階を『ふせんスタンド』でこなすと考えた方が分かりやすいかもしれません.
あと,『これもやっておきたいな』的なタスクは,たとえ貼ってあったとしても,不要だと思ったらベリッと剥がしてゴミ箱に捨てても良いのです.律儀に計画通り全てをやる必要はありません.これもある意味割りきりかな.
と,いうことで,おそらくは車輪の再発明な方法論でした.
ちなみに今日のボードはこんな感じ.付箋の2/3くらいは入れ替わり,明日の私への申し送り事項が貼られた…という感じの状態.
本当は,1日が終わるタイミングでスタンドが空になったらスッキリするかもしれないですね.大きなタスクをどの程度分割し,そしてスタンドに持ってくるかに関しては,今後検討の余地があるかもしれません.
まぁそれは兎も角として,別に凝ったToDoリストをやらない人であっても,『カウネット メモスタンド ふせん置き付き』は便利に使えると思います.モニタの周りにペタペタ貼るよりは付箋を綺麗に使えるので,机周りを綺麗にしたい人にもオススメです.
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