ThinkPad Yoga 260を使う場合に揃えておきたい周辺機器
ThinkPad Yoga 260を使い始めてから半年過ぎたわけですが,すこぶる快適です.当初は少し毛色の変わったノートをチョイスしたつもりだったけど,今はこのタイプでないと使いにくく感じる程.
(詳しくレビューした際のエントリーはこちら)
ただ全く不満が無いかというとそうでもなく,EthernetポートやD-SUBポートが無いために不便を感じることもあります.しかしこれらポートと引き替えに,薄さや軽さが得られているとは言え,どの会社/会議室にもHDMI対応のプロジェクタがあるわけではありません.また,どこでも無線LANが使えるわけでもありません(セキュリティ上の問題で有線LANしか使えない所もある).
そんなわけで,今回はYoga 260を便利に使うための周辺機器について.『これだけは買っておけ』に近い物に絞って紹介することにします.
液晶フィルム
まずは液晶フィルム.
ノングレア液晶かつ非タッチパネル液晶であれば液晶フィルは不要でしょう.しかしタッチパネルの場合はペタペタと指で触ることが多くて指紋が付きやすく,すぐに汚れてしまいます.また,光沢なグレア液晶は照明の反射や映り込みがキツく,画面が見にくくなることが多いでしょう.
そこで導入したのはこちらの液晶フィルムです.
『新反射防止』とデカデカと書かれており,
- 反射を押さえ,鮮明な画像を再現
- 画面を汚れ,傷,ホコリからしっかり守る
- フィルム表面はツルツルと滑りが良く,滑らかな使い心地
- きれいに貼れて気泡が抜けやすい構造
との説明書きがあります.
『傷防止』を主眼に置いたフィルムではないため,構造も凝っています.
それではフィルムの効果を見てみましょう.
まずはBefore.ある会議室での様子です.液晶に蛍光灯がクッキリと映り込み,目に眩しい状態であることが分かると思います.
フィルムを貼っていきましょう.
昔のように気泡が入らないように超神経質になる必要は無く,ズレないように&傾かないように丁寧に貼っていけば気泡が入りにくく,そして入っても簡単に除去出来ます.時代は進みましたなぁ.
そしてAfter.
ベゼル周りはややザックリとしたカットになっています.しかしそのせいもあって,1mmのズレも許されないような精度は求められないので,大らかに作業できます.また,Yoga260専用設計のため,インカメラ周りも綺麗にカットされています.
本題の映り込みですが,下の写真を見ても分かる通り,ギラギラとした反射が無くなり,ノングレア液晶のようにホワッと拡散して反射しているのが分かると思います.
何か表示していれば更に反射が目立ちにくくなります.文字入力時に蛍光灯の反射で見にくくて作業効率が…なんてことがほぼ無くなります.
また,フィルム表面の滑りがとても良く,指で/デジタイザペンでの操作がとても快適です.ガラスの上を滑るようなカツカツとした硬質な滑りではなく,サラッとスルスル滑る感じです.
そして『防汚』と書くとオーバーかもしれませんが,指でペタペタ触っても指紋が残りません.少なくとも目立ちません.
液晶表面が汚れるのを嫌ってタッチを避けていた方は,このフィルムを貼ってタッチを積極的に使ってみましょう.とても便利に使えるようになります.また,前述の反射防止効果も相まって,使用に際しての快適度が劇的にアップします.
ACアダプタ,変換ケーブル
『ノートPC用の周辺機器として真っ先に買う物は?』と,聞かれた際に『ACアダプタ』と答える人はかなり使い込んでいるユーザーでしょう.
本体に同梱されているACアダプタは大きく重いのが一般的です.出張や通勤の際に,本体と共に持ち歩くのは少々辛いことが多いでしょう.そんなわけで,持ち運び用に小型軽量なタイプを購入したり,予備に1台購入して職場と自宅に1個ずつデポしておくなんて話はよく聞きます.
しかし,Yoga260に同梱されている45WタイプのACアダプタは下の写真のように小型です.大きさ比較用のiPhone6とと比べても,非常にコンパクトであることが分かります.これであれば毎日持ち歩いても,それ程にはならないでしょう.
ところが人の欲とは際限の無いものです.『もっと軽く,小さい物を』と探していたら,このようなものを見付けてしまいました.
一つ目はコレです.POWERocker WP-90 65W.購入時は7千円台でしたが,現在は高騰していますね….
中には本体,ケーブル,そして各社PCに対応するためのコネクタパーツが入っています.
本体の出力は『USB 3.0』になっています.
USB 3.xでは『USB Power Delivery』という規格があり,対応したケーブル等を接続することにより,出力電圧を5Vではなく12Vや20Vにすることが可能になります.また,供給可能電力も,Profile5では最大20V5Aまで行けるため,100Wもの電力をUSBケーブル1本で供給することが可能になります.
仕様は知っていたけど,Type-C以外で実際に使っている製品は初めて見たかも.
なお,このACアダプタは20V 65Wとのことなので,給電可能な電流は3.25Aまでになります.
そしてコンセント側はこのように折り畳み式.非常にコンパクトになります.
また,倒した状態で少し金具の頭が出ているので,起こしやすいです.よく考えられてます.
起こすとこんな感じ.
ケーブルはUSB 3.0の青色がアクセントになった白いケーブル.かなりしなやかです.
ケーブルのPC側の端はこのようになっています.
Yoga 260は電源コネクタが箱形コネクタになっています.そこでこのアタッチメントを…
このように接続して…
本体に刺すときにはこのような状態にして使います.
iPhone6との大きさ比較.
このACアダプタの特筆すべき点は,65Wもの容量があるのに,とにかく小さくて軽いこと.対応したノートPCを持っているのであれば,『ベストバイ』なACアダプタです.
***
次はLenovo純正の『トラベルACアダプター 4X20H56547』です.容量は65Wあります.
発売直後は大人気で入荷未定が続いていましたが,今は流通量が増えて在庫も潤沢なようです.値段も4千円弱で購入出来るので,『純正としては』安くて良い感じです.
ただ難点は,コンセントのプラグが固定式なこと.『起倒式と比較して壊れる要素が減るので信頼性が高い』と強弁することも出来ますが,持ち運ぶ際に嵩張るのが難点.
ホテルで使ったら図らずも下の写真のようにサイズピッタリ感.ACアダプタからの出力は本体に添って横方向に出すので(上に突き出さないので),ケーブルの取り回しも良好です.
なお,使用中のACタップはコレ.宿で限られたコンセント数を手軽に拡張&携帯も便利なので重宝しています.後継機種はコレだと思うけど,追加購入するとしたらサージ対応&プラグが収納出来るコレも良いなぁ.
以上の3機種を並べてみるとこんな感じ.
POWERocker が頭一つ抜けて小型に感じます.しかし,欲を言わなければ同梱されている45Wのタイプも十分な感じです.重量・容積の許容範囲とコストを天秤にかけて選択しましょう.
USB接続のVGA/HDMI/USBアダプタ
次はポートの拡張について.
冒頭に書いた通り,Yoga 260にはEthernetとD-SUBポートが本体に付いておらず,不便に感じることがあります.そこでオススメなのは,DELLのDA100.
このコンパクトなボディに必要なポートが一通り入っており,そして本体とはUSB 1本で繋ぐだけです.
Gigabit EthernetポートとUSB 2.0ポート.USBポートも出ているので,本体から出ているUSBポートが1個しか無い場合でも,USB出力無し状態にしなくて済みます.
反対側にはD-SUBとHDMI.
そして裏側にはUSBケーブルが収納されています.
USBケーブルは本体に直結しており,そして収納時は一体化できるので,携帯時の収まりが良い&ケーブルを無くす心配が無いのでとてもグッドです.
ドライバも特殊なものをメディアからインストールする必要はありません.ネットワークに接続した状態でこのアダプタを繋ぐと,自動で認識&ドライバがインストールされます.
このように使います実に快適.D-SUB等に繋がれたモニタは,セカンドモニタとして認識されます.
ただ, このアダプタはUSB 2.0接続なため,アダプタから出ているポートもUSB 2.0です.
USB 3.0を使いたい場合はDA200をチョイス出来るのですが,こちらはPCとの接続がType-Cになります.USB3.0->Type-Cへの変換を噛まして繋ぐ手もありますが,携帯時の一体感が損なわれます.どちらかと言うと,DA200はType-Cしか持っていないPCでUSB3.0変換機能付きのオールインアダプタとして使用する感じの製品です.
デジタイザペン
最後にデジタイザペン.折角Yoga 260を使うのであれば,是非とも用意しておきたい周辺機器です.
まずはPen Pro.本体,電池,ペン立てが付いてきます.
Yoga260は2048段階の筆圧を感知出来ますので,専用のきちんとしたデジタイザペンを使った方が良いです.
ThinkPadと言えば赤色のワンポイントですよね.
普通のペン同様にクリップが付いています.普段はポケットに刺しておき,使う際にサッと取り出す感じかな.
ボタンは2つ.
『ThinkPad』のロゴ.
ネジを回して開け…
単四電池を入れて使います.
充電式だとバッテリが空になると文鎮化するけど,電池式ならサッと変えられるので精神衛生上良いですな.
ペン立てはプラ製で3方向に穴が空いています.写真のようにペンを寝かして刺すか,垂直に立てるかのどちらかの方法でペンを保持します.そしてこのペン立て本体はUSBコネクタに刺して固定します.(正直あまりスマートではない)
そしてもう一つ.Yoga 260は専用のデジタイザペン(ThinkPad Pen Pro-2 4X80K32538)を本体内に収納することが出来ます.
こんな感じでスッと出せます.
ペンは細身です.もしガッツリ使うのであれば,前述のPen Proの方をオススメします.適度な太さがある方が使い易いです.
Pen Pro-2は充電式になっており,本体に収納することによって充電されます.
前述の『バッテリ切れによる文鎮化』が気になる所ですが,15秒間で80%の充電が可能であり,5分でフル充電可能です.フル充電時には19時間の使用が可能だそうなので,半分も充電すれば半日は使えます.『あっ,ペンのバッテリが切れた!』となっても,刺して数秒待てば普通に使える感覚ですな.少なくとも,充電待ちででイライラするということはまず無さそうです.
この細さでもボタンは2つ.
先はこんな感じ.でも機能的にはフルスペックで,2048段階の筆圧に対応.
ペンの良い所は,ピンポイントで狙ったところをタップ出来ること.別にマウスでも良いのですが,直感的に操作出来ますよね.特に人に対して操作方法の説明をする際には,視覚的にも分かりやすいのでとても重宝します.
(下の写真はイメージですw)
あとは,やはり絵を描く機能を持つアプリでの利用でしょう.トラックパッドやマウスでは思うような絵図を描けませんが,ペンを使うと実に快適に思った通りの絵図を描くことが出来ます.特に曲線.
下の写真はOneNoteでの利用例.文字と絵をシームレスに同居させることが出来る点が良いですね.筆圧もバッチリ認識し,太さが変わります.
Evernoteでも手書きの絵をノートに入れることが出来るのですが,『インクノート』にする必要があります.
この画面にして…
こんな感じ.当然筆圧も認識.
字と絵も同居できますが,OneNote程は自由度が無い感じ….
デジタイザペンがあればPCの使い方の幅が大きく広がるわけですが,そのための武器をYoga 260は本体に収納して持ち運び出来るわけです.
Windows 10「Anniversary Update」で追加されたWindows Ink機能なんて,まさにYoga 260+デジタイザペン のような環境でこそ真価を発揮することでしょう.
ただこのPen Pro-2,ロックがゆるいため,気が付くと抜けて脱落しそうになっています.
そんなわけで,私はパーマセルテープ(マステのように手で切れ,何回か貼り直しても粘着力は落ちにくく,そして糊がベトベトせずに貼った跡も残らない便利なテープ.超絶重宝してます)で収納後は固定しています.自衛隊みたいやな….
まとめ
と,いうことで,駆け足で紹介してきましたが,個人的なオススメ度としては,
- 液晶フィルム
- USB接続のVGA/HDMI/USBアダプタ
- 携帯型ACアダプタ
- デジタイザペン
といった順番です.
何れも無ければないで何とか出来なくも無いのですが,あると快適度が全然違います.
『何とかならないかなぁ』と,悩みながら使っているのであれば,是非お試しあれ.
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