AEONのトラベラーズノート風ノート:カスタマイズノートシリーズ
大変ご無沙汰しております.出張続きでヘロヘロな今日この頃ではありますが,日々ネタは仕込んでおります.出先でちょっと空いた時間にセンスの良い文具店や雑貨店を見付けると,ついつい入ってしまうんですよね….そして忙しい日々が続くと,自分へのご褒美作戦が頻繁に発動されたり(笑)
で,今回ご紹介するのは,『意外な所に優れものが』という感じで,AEONの文具コーナーで捕獲したノートです.
以前も同様にRHODIAちっくなメモ帳を捕獲したことがありますが,AEONも中々侮れません.
公式ページを見付けられなかったのですが,『カスタマイズノートシリーズ』という製品群は最近発売になったわけではなく,1年ほど前には既に売られていたようです.そう言えば,棚に陳列されていたものを前にも見かけたような気がしないでもない….
本ブログでも何回かノートカバーのレビューをしていますが,その殆どは観音開きで左右に1冊ずつ,合計2冊用でした.製品によってはノートの代わりにメモパッドをセット出来るようになっていましたが,3冊以上セット出来るものには中々お目にかかれません.
原因は,おそらく冊数が増えると物理的に分厚くなって使いにくくなること(*).そして『普通の使い方』であれば,2冊を使い分ける形で十分ということでしょう.
(*)カバーと共に専用ノートがラインナップされていることもありますが,大抵は一般に売られているノートをセットするようになっています.普通のノートをセットする場合,2-3冊くらいが厚さ的に限界かなと思います.
そんなわけで,
- 分冊することが重要.ノート1冊辺りは頁数が少なくても良く,むしろ項数を減らして交換サイクルを適度に早くしたい
- 何冊も突っ込め,カスタマイズも柔軟に出来る
という用途に合う,トラベラーズノートのようなノートは貴重なわけです.でも,トラベラーズノートは少々値段が高めですよね.そして形状が特殊なため,リフィルも特別.
一応パスポートサイズのトラベラーズノートであれば,パスポートサイズのこのようなノートも流用出来るわけですが,もう少し汎用的なサイズで同じようなことをしたいわけです.そんなときにピッタリなのが,今回紹介するAEONの『カスタマイズノートシリーズ』です.
サイズはA5とA6があり,スケジュールをはじめととする多種のリフィル,そしてカバーのバリエーションも豊富でした.
私はA6サイズを適当に見繕って購入.購入した一式はこんな感じ.
カスタマイズ可能なノートの場合,定番リフィルとして用意されているのがファスナー付きのポケット.クリップのような小物から,切手や紙片までラフに放り込んでおけます.便利.
当然『カスタマイズノートシリーズ』にもラインナップされています.
使用上の注意.そうなんですよね.トナーが貼り付いてしまうことってよくあります.
では,まずは今回購入したリフィルの紹介に行ってみましょう.
横罫ノート
6mm間隔の64ページです.
カバーにセットしてしまうと見えなくなりますが,一連のリフィルの背表紙はリフィルの種類毎に色分けされています.書き終わった後で何か目印を書き,棚に並べておくと整理しやすいし見栄えが良いかも.
厚さはこんな感じ.トラベラーズノートのユーザであれば『普通』に感じると思います.ただ,これでバリバリとノートやメモを取ろうと考えている人にとっては,少々心もとない厚さかも.
カバーに予備をセットしておくか,カバンの中に数冊予備を忍ばせておく感じで対応ですかね.
使用した期間を記入する欄があります.背表紙のデザインも含めて考えると,ノートカバーにセットして使用し,使用後は保管することが想定されているようです.メモのように使い捨て前提ではありません.
大ベストセラーとなった,『情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」』で紹介されていたA6ノート術をを思い出します.サイズも同じですしね.
あと,何気に『日本製』.
中はと言うと,普通のノート用の白い紙に横罫.クリーム色の紙で…とかいうデザイン指向の世界ではなく,実用本位の質実剛健な文房具を指向しています.
罫線のフォーマットは普通な感じ.上に日付欄,そしてタイトルや小分類等が書ける欄が一行,そしてノート欄.
特記事項としては,縦線を引けるように目印が印刷されているのと,横罫がよく見ると薄い線ではなく,点線であることくらいかな.
個人的には,方眼や無地のリフィルをメインに据えたい所です.しかし,『ノートと言えば横罫』が普通なようなので,まぁそこは妥協しましょうかね.
一般的なA6サイズのノートであればセット出来るので,いずれ気に入った薄いノートが見付かれば,それに交換しても良いかなと考えています.
4コマノート
こちらも64ページ.『Four segments notebook』という言い回しは新鮮.
こちらは薄いピンクというか紫基調のカラー.
こちらも使用期間を記入する欄があります.
開くと1ページに2*4のコマ.
4コマ(マンガ)と言うと,縦に4コマ並んでいるのを想像しますが,縦線で左右2コマに分割された箱が縦に4つ並んでいる感じ.
見開きで4*4.横にも縦にも4コマ.
この4コマノートのレイアウト,絵を中心にメモしたり絵を描きながらアレコレ検討するような用途の場合,ひじょーに便利です.
例えば画面遷移図や画面インターフェイス設計のような用途に使うと超絶便利です.それと絵コンテ的な感じの用途ですかね.
この他,コマ割りノートのメジャーな用途としてマンダラートがあります.これは3*3の9マスの箱を使って思考を深めて行くという,KJ法やマインドマップに少し似た手法です.上の写真のように見開きで使い,例えば左上の3*3マスを使うという感じで使えば,改めて線を引き直さなくてもそのまま使えそうですね.
正直なところ,各コマの間の余白にもう少し書き込めるスペースがあると便利なのだけど,そうするとコマ内の面積が減ってしまうので,どちらを重視するかのトレードオフですな….
やることノート
手帳の重要な用途の一つに備忘録があります.そして備忘録に記入した内容は,『やること』であることが多いわけです.つまり,備忘録はTo-Doリストとも言えるわけです.
横罫ノートに対し,1行1項目でチェックボックス付きでToDoリストを書いていくのも手ですが,ToDoの書式はテンプレートから外れることはまず無いので,専用リフィルを使うのが便利でしょう.
ToDoがまとめて1冊に書かれていれば,積み上がっている『やるべきこと』が俯瞰でき,そして次にやるべきこと,完了した項目等が一元管理出来るわけです.GTD的考え方と併用すると,より効率が上がるでしょう.
『やることノート』64ページです.
青と緑の間くらいの薄い色合い.
中身はこんな感じ.
縦に15個のTo-Doリストを記入でき,各ページの下にメモ欄があります.
各To-Doにはチェックボックス1つと日付欄が2つあります.日付欄は2つありますので,用途に合わせて記入日と完了日,もしくは締め切り日と完了日のような使い分けをすると良いでしょう.
日付欄の用途が混在して混乱してしまう場合は,色を分けて記入すると良いでしょう.例えば締め切り日は赤とか.とは言え,用途/フォーマットは全部共通が推奨です.少なくとも1ページ内では複数の書式を混在させない方が良いでしょう.
見開きはこんな感じ.ズラズラズラーッとTo-Doリストが並び,そしてチェックボックスに一通りレ点を入れることが出来れば,言葉に出来ないような達成感を感じることが出来るでしょう(うっとり)
打ち合わせ記録ノート
昨今,デスクワークの殆どの人はPCの前に座って仕事しているわけで,『アナログノートを使う機会が殆ど無いよ』という人も多いでしょう.しかし,打ち合わせの際にはノートを取る人が殆どでしょう.
一時期,打ち合わせにノートPCを持ち込んで記録を書きながら…ということをやっていたことがあるのですが,記録を電子的にガッツリ残せるものの,打ち合わせの密度がスカスカになった感じがし,結局アナログノートに戻しました.
PCのキー操作,発話とリスニングと意味理解,そして思考をする部分が脳内でうまく連携しなくなるのかなぁ…いや,アナログノートを使うことによって思考が活性化するのかも…なんてことを漠然と考えてみたり.
その一方で,打ち合わせのパフォーマンスを(あまり?)落とさずにデジタルでノートを取る人も居るので,やり方次第かもですけどね.
『打ち合わせ記録ノート』.
このような用途での使い方としては,ノートを分けずにとにかく時系列に詰めて書いていくスタイルと,案件毎にノートを分けるスタイルがあります.
私はどちらかというと前者なのですが,『パラレルワークするけど,それぞれの独立性が高い』という場合は,後者の方が良いでしょう.『前回の打ち合わせの時に…』のような調べ物もサッと出来ますので.
で,このノートもそのような使い方を想定されているようです.もしくは,1回の打ち合わせで1冊使い切る使い方もアリかと.
刷りかけの墨のような薄い黒色です.
各ページの上に打ち合わせの情報を書く欄があり,その下は横罫線のノートになっていてフリーで記述出来るようになっています.
表紙と同じように,件名,日時,場所,出席者を書く欄があります.短めの打ち合わせであれば,1打ち合わせ1ページのノートとして使えそうですね.1冊64ページなので,3ヶ+α(一ヶ月20日換算)で1冊使えます.朝礼向き?
備忘録・記録ノート
『備忘録・記録ノート』となっていますが,『Personal information book』の方が内容を正確に表している気がします.
明るい紫色.
まずは備忘録ページを見てみましょう.
見開きで6ブロックあり,各ブロックには件名,記入日,そしてチェックリスト用の項目が5行書けるようになっています.
ここでページの端に注目すると,基本情報,預貯金・有価証券,保険…のような項目が並んでいます.
この部分,見出しなんです.備忘録ページを開いているとこんな感じ.ページ数が少ないので1ページずつ捲っても大した時間はかかりませんが,この見出しを元に開けば,サッと目的のページにアクセス出来ます.
『残しておきたい生活の情報をこの1冊に!いざというときにも役に立ちます』と書かれています.
そうなんです.重要な情報をこの1冊に記入しておくことにより,被災して全ての情報を失ってしまったときなどには最後の1本の命綱ノートになり得ます.また,エンディングノート的にも使えそうです.
本エントリーを読まれている貴殿,貴女におかれましては,重要な情報をどのように管理しておられますでしょうか.
私の場合,暗号化してクラウドに上げていますが,クライアントとして使える端末かネットがアウトになると何も出来なくなるし,クラウドサーバも100%安全とは言えないわけです.そういう意味では,『紙』という媒体は古典的だけど一番確実かもしれません.
一番身近に起こりえそうなのは,『今すぐ○○に電話で連絡を取りたいのだけど,電話番号が分からん.記録してあった携帯が(水没とかで)ぶっ壊れてしまった…』辺りのトラブルかな.
で,このノートのトップに来るのは『私の基本情報』です.
健康保険証番号や運転免許番号,パスポート番号等を控える欄があります.ふと考えてみると,これら番号をこれまで別に控えておいた覚えがありません.なので,紛失すると番号が分からなくなります.この機会に書いておこうかな….
次に銀行口座等のファイナンス情報.この他,保険,公的・私的年金,学歴/職歴,口座引き落とし,クレジットカード,電子マネー,携帯・PC,前出の備忘録,家族の連絡先のページが続いて…
冠婚葬祭情報.
年齢が上がるに従い,ジワジワと重要度が増します….
そして贈答マナーに関しての情報.これは地味に有り難い.
最後はノートページ.
と,いう感じで,全てを記入しておけば『いざという時』の備えとして,とても安心感が得られそうです.しかし,凄まじいまでの『個人情報の塊ノート』になるので,その扱いは慎重にしないといけませんな.
マイナンバーカードもそうだけど,この手の情報が書かれた物は,保管とか携帯に神経使います.絶対に壊れないデバイスに暗号化して一通りの情報が格納してあり,生体認証でサッと情報を取り出せるようになると良いのだけどなぁ.
カバー
カバーはカジュアルな物から(少し)フォーマルな(感じがする)物まで複数種類ラインナップされています.しかし,チープな感じは強くないものの,何れも高級感は感じられません.この点はトラベラーズノートと大きく違います.
そういう意味では,『カスタマイズノートシリーズ』では主役はカバーではなく,あくまでもリフィルとその組み合わせな感じです.
私は無難に黒の合皮のタイプにしました.約700円.
この値段の製品にアレコレ注文を付けるのは無粋というものでしょうね….例えば『もっと高級感を!』とか.
材質は,塩ビ,ポリウレタン,ポリエステル,真鍮.
使い続けることによって年季が入って味が出てくる…という物ではなく,単にボロボロになるカバーです.高価だけど良い物を長く使うという考え方ではなく,安い物を痛んだら次々と買い換えるという流れの製品です.この点もトラベラーズノートと方向性が異なります.
気になったのでシールを剥がしてみると…ん?
カバー.
ぱっと見の印象としては,『悪くない』です.何度も繰り返しますが,高級感まではありません.
開くとこんな感じ.柔らかい合皮の文庫本カバーのような感じです.
普通のカバーは,見開き左右に1冊ずつノートをセットする切れ込みがあるわけですが,このカバーは中央に塩ビの半透明のパーツが付いています.ここにもノートをセット出来るようになっているわけです.
中の半透明のパーツには,こんな感じに表裏各1冊セット出来ます.
ペンホルダーもあります.付いていないのが普通の製品ばかり使用していると,有り難く感じます.
ノートが開かないようにゴムバンドで固定出来るようになっているのですが,カバー本体に鳩目で平ゴムが固定されています.
カバーにノートをセットする際には,このように表紙を滑り込ませます.なお,横方向の切れ込みが無いため,RHODIAのようなメモパッドを挿すことは出来ません.
ファスナー付ポケットもノートのようにセットします.
完成.
磁石タイプのロックと異なり,ゴムバンドでの固定は色々な意味で安心感があります.
4冊+ファスナー付ポケットが入ってます.
今後ノートに紙片を貼ったり等すると膨らんで来ると思いますが,ノート1冊が64ページと薄いため,4冊セットしても普通の手帳よりも少し厚い程度の厚さに収まっています.
ペンホルダの太さは普通サイズ.4色フリクションはギリギリな感じです.芯が無くてフニャッとしていることもあり,ペンの抜き差しをスムーズに行うにはコツが要ります.
トラベラーズノートと並べるとこんな感じ.やはりトラベラーズノートにはオーラがあるなぁ.
トラベラーズノートはキャパ的にも構造的にも余裕があるので,諸々を無理矢理詰め込めます.しかしその分,分厚くなります.日々持ち歩くとしたら,カスタマイズノートシリーズの4冊くらいの方が,スマートかつ実用的かな.
まとめ的なもの
と,いうことで,かなりの分量になってしまいましたが,最後までお読み頂きありがとうございます.読む方も大変だと思いますが,書く方も大変です.
さて,最後に本システムについて簡単にまとめると,
- ノートを4冊セット出来ると使い方の幅が大きく広がる.2冊だと普通のノート的な使い方の延長線上.しかし4冊になると,『システム』として使えるようになる
- 定型フォーマットのノートは定型業務/記録に便利
- デスクワーカーが日常使いするのに便利な製品.質感も必要十分
- 値段が安いので気軽に使い始められ,中のリフィルも気兼ねなくあれこれ試したり使い捨て出来る
- 必要な物を必要なだけセットするという意味では,64ページは丁度良い厚さ&容量
といった感じでしょうか.
普通の横罫のノートをセットした場合,ただのノートになりますが,『やることノート』や『打ち合わせ記録ノート』のような物をセットすると,使い勝手がガラッと変わってきます.そして『備忘録・記録ノート』のような特殊なノートをセットすると,全くの別物になります.
また,今回は紹介しませんでしたが,スケジュール管理用のリフィル等もありますので,ノートではなくてスケジュール帳のように使うことも出来ます.
当初はトラベラーズノート的なカバーだと思っていましたが,用途や利用シーンを考えると,実はジブン手帳の方が近いかもしれません.
もし興味を持たれましたら,イオンの文房具コーナーに立ち寄った際に,一度手に取って見てみて下さい.残念ながらオンライン通販では見付けられませんでした.通販でも扱ってくれないかなぁ.特にリフィルを….
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