安くなってきた高級コンパクトデジカメを買う:SONY RX100M3
仕事で年に何回か東京ビックサイト等で行われているイベントに行くんですよ.あるときは説明する側,あるときは説明を聞く側だったりするわけですが,聞く側のときにはカメラは必需品.写真を撮っておけば,後から製品の細かなディテールとかを確認出来るし,(メモとかは取るけれど)受けた説明を思い出しやすいですし.
でも,人の多いイベントだと中々大変なんです.
移動の途中に寄った場合,それなりに荷物を持った状態のままで会場を歩き回っることがあります.あまりに荷物が多いときは駅のコインロッカーを利用するけれど,左手にカバン,右手にカメラという感じで回ることが多いです.そんなときは,ミラーレスでも取り回しが結構キツイときがあります.
こんなとき,『スマホでもいいじゃん…iPhoneで写真撮ればいいじゃん…』なんて囁きが,水曜のカンパネラ(*)のこの曲のメロディに乗ってで脳裏に響きます.でも,出来るだけ綺麗に撮りたいじゃないですか.後で撮り直しはきかないんだし.
(*)中々中毒性があります.きちんとしたものを観たい人はこの辺りから.
それとミラーレスを持って行くときは,交換レンズを複数持って行くことが多いんです.旅行の時は便利ズーム一本で…とか思うときもあるけど,コレとかコレの単焦点レンズの写りを見てしまうと他のレンズも捨てがたく,そして何かあったときのためにマクロレンズも持って行きたい,超広角もあると便利だよね…みたいな流れになり,結果として絶望的に荷物が増えてしまうわけです.トホホ.
結局のところ,どんな(交換レンズを含めたシステム一式としての)カメラが必要かというと,
- 画質
- 重さ・容積
- 手軽さ
の三点のどこでバランスを取るかのトレードオフなわけですよね.
でも,APS-Cの画質を見慣れてしまうと,普通のコンデジの画質がオモチャみたいに見えてしまい,選択肢は大きく狭まることになります.そこでここ数年ホットになりつつある,大型イメージセンサ(1inch センサ)を使用した『高級コンデジ』と呼ばれる製品を物色した次第.
候補としては,Canon PowerShot G7 X とSONY RX100M3 ,そしてRX100M2の3機種で最後まで迷いました.スペックはどれも似たような感じな一方で,値段はかなり違います.そしてよく見ると,G7Xは微妙に広角が広いし,RX100M3の方がRX100M2よりも寄れない.
G7Xは引いて撮れて便利かもだけど,広角時にレンズ端が流れるみたいだしなぁ…でもこの価格差はちょっとなぁ….なんて思いつつG7Xにほぼ決めていたのだけど,RX100M3がヨドバシで8万切る価格になっており,ポイントも考えると7万台前半になっていたのでカチッと行った三月の末…あぁ,既に購入から3ヶ月も経ってる….
今ならAmazonで7万5千円くらいになっているので,私が購入したときより値が下がっています.更に書くと,RX100M4が発表になったこともあり,半~1年以内に6万円台くらいには下がるのではないかなぁと思います.
もう1年前に発表された製品になるので,開封の儀は今更感があります.なので,さらっと流しましょうかね.
購入したのはRX100M3 ,リチャージャブルバッテリーパック アクセサリーキット ACC-TRBX ,モニター保護セミハードシートPCK-LM15 ,ソニー アタッチメントグリップAG-R2です.
メモリの方はTranscend 64GB Class10 UHS-I対応 TS64GSDU1Eを購入.動画を撮らなければ32GBでも十分だと思うけど,大きめにしておけば何かと便利かなと思いまして.
リチャージャブルバッテリーパック アクセサリーキット ACC-TRBX.
最近は本体でのUSB充電が一般的になって来ているため,バッテリチャージャー別売りが普通です.旅行時に予備バッテリも充電出来ると便利なので購入.
バッテリパックも同梱されているので,バッテリを買うついでに…といった感覚です.
SB電源アダプタとしても使えるようになっています.出力1.5A.
そして複数のタイプのバッテリが充電出来るようになっており…
こんな感じでパタッとアダプタをスライドすることによって切り替えます.
私はNP-BX1しか充電しないので,小さい専用品を希望…激しく希望….
RX100M3はNP-BX1を使用します.
こんな感じにセットして充電.
そして本体.
開封の儀はさらっと流すつもりでしたが…前言撤回.
新品の箱を開けるとき,いつもワクワクしますよね.
EVFの使い方がやや複雑なためか,箱を開けると真っ先にこのマニュアルが目に入るようになっています.
そして中はこんな感じで納められています.そこはかとなく高級感.
セット一式.
ストラップは選べるようになっています.同梱されているリストストラップか,同じく同梱されているストラップアダプタを付けて別売りのショルダーストラップを付ける形になります.
本体でUSB充電出来るので,そのためのアダプタとケーブル.
100~240Vのワールドワイド対応.出力はUSB定格の5V500mA.
コンセント部が折りたためるのでコンパクトだけど,大半の人はこれを使わず,多ポートUSB電源アダプタを使うでしょうね.
本体は適度にコロンとしています.角張っておらず,柔らかい印象.
こちら側に,ファインダーのポップアップスイッチがあります.
こちら側にはHDMI出力とUSBポート.
操作ボタン類のレイアウトはSONYらしい普通な感じ.MOVIEボタンを誤って押さないように周りが盛り上がっています.以前,何かの機種で,ユーザーから誤って押されやすいとブーイングの声が挙がったためかな.
上部にズームレバーと回転式のモードスイッチ,そして電源ボタンとフラッシュのポップアップボタン.
下には三脚用のねじ穴,そしてメディアとバッテリホルダ.
液晶はチルト稼働式です.こんな感じに起こしてローアングル撮影が可能です.
ここまで起こすと自撮りも可能.
下はここまで.高い位置から手を伸ばして撮影するを考えると,このくらいのチルト角でも十分です.
そしてメーカー純正のモニター保護セミハードシートPCK-LM15.
中身.
純正ということもあり,サイズもピッタリ.キッチリ貼れます.
裏側がシールになっている部品です.
正面の向かって左側部分に….
このように貼ります.貼るとグリップ感が良くなります.
標準で付いていても良いと思うのだけど…不要だと思う人が居るのかなぁ.
ファインダーの使い方ですが,このスライドスイッチを操作して…
EVFをポップアップさせます.
そしてこのように引き出します.EVFは明るい場所での撮影時に非常に便利.
あと,RX100M3では『大きなお世話機能』があります.ファインダーが電源連動しておりまして,ファインダーをしまうとと電源OFFになるんです.
電源OFFはスイッチを押さないと出来ないようにしておいて欲しかったなぁ….
次にフラッシュのギミック.このスライドスイッチをスライドさせると…
収納されていたフラッシュがポップアップします.
ファインダーとフラッシュを出した状態を正面から見るとこんな感じ.中々シュールなシルエットです.特にフラッシュの華奢な感じがアレです.
なお,フラッシュは手動で角度を変えたり出来ますので,バウンス撮影も一応可能.
***
では,とりあえず電源投入してみましょう.電源を入れると,電源ボタン中央が緑に点灯,
まずは時刻設定.
最大ズーム時はこんな感じ.それなりに飛び出ます.
本体の大きさ.横はiPhone6です.文字通りのコンパクトデジカメ.コンパクトです.
厚さは普通のコンデジとあまり変わりませんが,レンズ部が少し飛び出ている点の収まりが悪いかな.
左からS90,ミノルタTC-1,RX100M3.
どれも私に写真の楽しみを教えてくれた/教えてくれそうなカメラです.
こう並べてみると,私が好きなコンデジは概ね同じサイズみたい.例え時代が違っても.
*****
次にちょっとした周辺アクセサリを紹介.
下の写真はETSUMI ハンドフリーストラップETM-9771 .
これは三脚用のネジ穴を使って固定可能な,コンデジ用のネックストラップです.
三脚用のねじ穴に…
金具をこのように固定します.
金具はカッチリ固定されますが,このようにスムーズに回転するため,変に引っ掛かったり絡まったりしません.
強度も十分で,振り回しても(←やったらアカン)大丈夫そうです.
普段は手をフリーにしつつ撮影時はサッと取り出すためにネックストラップ,集中的に撮影する場合はリストストラップで脱落防止しつつ撮影というのが便利なスタイルですが,ストラップホールが一箇所しか無い場合は2つ付けるとケンカしますよね.
この製品を使うとネックストラップとリストストラップが共存でき,不要なとき/三脚を使うときにはサッとネックストラップを外せるので便利なんです.
もし紐の部分が邪魔になったら,このように手にグルグルと巻いて長いリストストラップ的に使用することも出来ます.
現在ケースはHAKUBA SDP-STS-BK を使用しているのですが,このネックストラップを付けたままの状態でも普通に収まります.
*****
では撮影.
まずは室内でマクロを使って小物撮影.5cmまで寄れるので普通に使う分には問題ありませんが,『もうちょと寄れればなぁ』と,思うときもあります.
カメラが届いたのは,IngressのイベントのSHONIN前日でした.そんなわけで,四条周辺をウロウロしていたらエージェントだらけでした.あぁ,参加したかったなぁ….
オートで撮影.影になる部分も綺麗に色が乗っており,明るい部分に引っ張られて全体的に暗く写るということがありませんでした.旅行時に晴天下で撮影する際に,失敗が少なそうです.
神社の境内の猫.コントラスト差が激しいシーンも,破綻せずに撮影出来てます.優秀なオートモードです.
桜のつぼみ.1inchセンサ,レンズがF1.8ということもあり,絞りを開くと背景が綺麗にボケます.
このときは寒い日が続いたせいで,まだ見頃ではありませんでした.SHONINのアフターパーティ会場の国際会館周り,満開だったらすごく綺麗だったと思うんですけどね….
暖色系の色の乗り方も綺麗です.
魚眼程くねくねと曲がるわけではありませんが,広角はやや樽形.もう少し補正しても良いのではという感じ.
夕焼けのグラデーションも綺麗に撮れます.安いコンデジのように塗り絵にはなりません.
春先にカメラを持ったらやはり桜ですよね.
屋外で撮影した花のアップ.
気分的にはもう少し寄りたいところだけど,マクロレンズ感覚で使わなければまぁ使えるかな.あと,広角も必要十分.
ただ,ズームは全然足りない感じ.普段使っている便利ズームの最大200mmとか250mmと同じ感覚では全然使えない.『もうちょっと寄りたい』ではなくて,『全然寄れない』という感覚.スペック上,RX100M2やG7Xではもう少し寄れるけど,ドングリの背比べ/焼け石に水と言った感じかもしれない.
今年は満開時期に連続して雨が降り,撮影に良いタイミングがありませんでした.来年は晴れたら良いな.
深夜かつ曇り空でもこれくらいに撮れます.肉眼ではほぼ見えない状態で,手持ちで撮影.色は流石に仕方が無い状態ですが,ブレも無く,真っ黒に潰れることもありませんでした.暗い所に強いですな.
夜景も普通に綺麗に撮れます.
久しぶりに行った山頭火.難波の山頭火が無くなっちゃったのは悲しいなぁ.
***
と,いうことで,
- 荷物を減らすため
- デジイチ・ミラーレスを気軽に振り回せないところで使うため
- スマホのカメラよりも綺麗に残すため
という目的でSONY RX100M3を購入したわけですが,当初の目的は概ね達せられました.
カールツアイスの明るいレンズ,1.0型 約2090万画素 Exmor R (裏面照射型)CMOSセンサー,BIONZ X(画像処理エンジン)の組み合わせにより,スマホや普通のコンデジとは別次元の写真を手軽に撮れます.コンディションが良ければ,APS-C機種と見分けが付かないくらいです.そしてボディはコンパクト.実に機動力が高まります.
その一方で,広角側でも5cmまでしか寄れないというマクロ,35mm換算で70mmまでしか寄れないズーム,そして高値安定の価格は不満.2~3cmまで寄れ,35mm換算で200mm,いや,135mmくらいまで寄れれば最強だったのだけどな.
また,RX100が4万を切り,高価格が最後の言い訳の砦だった大勢のファンの財布の紐を引きちぎった状況を見ると,RX100M3も5~6万くらいに価格が落ちてくれば,凄まじく買われて評価が上がると思う.RX100M4の出荷が開始されれば値が下がってくると思うので,それを待つというのも良い選択だと思う.『どうせなら新製品を』ということでRX100M4を狙う…という選択肢もあると思うけれど,4K動画を撮影したりしなければそれ程魅力的ではないような気もします.
Exmor RSセンサの性能が気になる所だけど,売りの一つは暗所の強さ.しかし初代のRX100ですら暗所の強さは相当な物だし,既に『実用上は既に十分』な域に達しているような気もします.そしてシャッタースピードの向上も,今の所激しい逆光等で困ったことは無いのでM3でも問題無い感じ.
最後にRX100シリーズの強味としている動画撮影性能を…と,思ったのだけど,私はデジカメで動画を撮影することはまず無いので割愛.
と,いうことで,『写真を綺麗に残したい』かつ,『ポケットに手軽に入れられる携帯性』を求めている人にとっては最有力候補であり,そして発売から1年近く時間が経って値段が下がってきた今こそ,買い時な感じがします.オススメ.
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