グルーガンを使って手軽にシーリングワックス
『シーリングワックス』って知ってますか?
『封蝋』とも呼ばれるのですが,中世を題材とした映画とかで手紙に封をするシーンを観たことがあるかもしれませんが,その際に使われるアレです.蝋をロウソクで溶かして封をする場所に垂らし,指輪でペタンと押して刻印を付ける感じのアレです.
現代は別にそんなことをしなくても,糊やテープを使えば手軽かつ確実に封が出来てしまうわけですが,そこを敢えてシーリングワックスを使うと『雰囲気』が出ます.メチャクチャ出ます.その代償として,郵便で送ると(厚みが1cmを超えてしまった場合は)定形外で追加料金がかかってしまう場合もあります.実用性という意味では,あまり良いことは無いでしょう.
しかしながら,蝋を垂らして判を押すという得も言われぬ儀式の楽しさ,そして物欲を激しく刺激するその存在感.文具好きであれば,一度は購入/導入を検討するでしょう.
私も購入に至るまでは悶々としていたわけですが,4年程前にこんなエントリーを書きました.
結果,一応の満足は得られたのですが,仕上げが思ったほど綺麗にならない点と,火を使わないといけないという点がやや不便.いや,実用性や便利さを捨てて使っているので,この言い方は本末転倒なわけですが,同じやるなら,そして結果が同じならば少しでも楽したいじゃないですか(笑)
見た目だけならヒサゴのシーリングシールのような物を使えば良いのですが,やはりその点は拘りたい.
そこで今回は,グルーガンで手軽に使う,シーリングワックスについて解説しましょう.
まず用意する物は,シーリングワックス用のスタンプです.これが無いと始まらない.私はシーリングスタンプ A033 肉球
を新規に調達.重厚さとは正反対のベクトルですが,見た瞬間,『欲しい!』と,思ったんですもん.
見て下さい.この肉球を.実に素晴らしい.
スタンプの印面だけでなく,ハンドル部分もシッカリしています.
この手のスタンプって昔は結構良い値段をしていたのですが,この価格でこの品質の物が手に入るなんて素晴らしい.
次にホットボンド用のスティック.手芸屋さんだけでなく,ダイソー等の百均でも買えます.
何色か出ているので,好みのものを選びましょう.
私は『シーリングワックスと言えば赤だよね』ということで,まずは赤をチョイス.
これは手芸屋さんで購入したのですが,ややプラスティッキーな発色の良い赤なので,シーリングワックスにはちょっと合わないかも.もう少し暗くくすんだ赤色のスティックが安く出てくれると嬉しいんですが….
今回使用したのは,『太陽電気産業』という会社の製品です.
グルーガンも手芸屋さんだけでなく,百均でも購入出来ます.
道具は高ければ良いというものではないのだけど,百均のが安いのにはそれなりの理由があります.ボンドのキレが良くなくて,ドロドロと糸を引くタイプもあるので注意.
先端部.
そしてワイヤーで出来たスタンド.
作業中に一時的に置く際には,こんな感じで置けます.安定が悪いですけどね.
そしてスティックをこんな感じで後ろから押し込みます.
トリガーを引くと溶けたボンドが先端から出て行きます.補充する場合は後ろから続けて次のスティックを挿します.
では早速,封をしてみましょう.
デロデロって感じで多めに盛りまして…
表面が少し硬くなる程度に少しだけ待ちます.早まるとスタンプに貼り付いて取れにくくなるので注意.
そして頃合いを見てスタンプを押し付けて力をかけます.
スタンプを取るとこの通り.綺麗に出来ました.
ホットボンドの場合,蝋がボロボロと欠けて形が崩れることが無いので,スタンプを押すときも離すときも気を付かなくて良い感じ.結構頑丈なので,郵送時に欠ける心配も無いでしょう.
シーリングワックスっぽい雰囲気が出ています.実に手軽で良い感じ.
次に,『ゴールド』のスティックを試してみましょうかね.
ていっ!
こんな感じになりました.ギラギラしていて何が何だか分かりませんね.これはちょっと奇を衒いすぎて失敗だったかも.
装飾用では無く,シーリングワックス用のゴールドのスティックを使うべきでした.
と,言うことで,『手軽にシーリングワックス(っぽい仕上がり)』という目的は達せられました.
本物の蝋を使う場合,ある程度練習して慣れておかないと綺麗に出来なかったのですが,これなら楽勝です.蝋(ボンド)の量を調整するのも簡単ですし,失敗する要因が少ないでしょう.
ただ今回紹介した『赤』は,少々明るすぎる感があります.そこで後日エルバン製
を購入して試してみました.エルバンもエルバン シーリングワックスガン
を出しており,それ用のリフィルとして多色売られています.
結果はかなり良好.流石エルバン.ただし,1スタンプに対してスティック1本では無いけれど,ペッタンペッタンやって行くと消費量が結構な物になるので,1パッケージ1600円オーバーであるエルバン製はコスト的にかなりキツイです.
あと,グルーガンで使用中のスティックの色を変更する場合,ボンドを多少多めに無駄打ちしないと綺麗に交換出来ません.無駄打ちをケチると色が混じって汚くなるので注意.
そんなわけで,『このグルーガンはこの色専用』みたいな形で何丁か持っておかないと,スティックを何色も持っていてもあまり便利に使えないかもしれませんね.
***
これからクリスマスシーズンに向け,『少し変わった何か』をしたい欲求に捕らわれた方は,是非このような方法でのシーリングワックスを体験してみて下さい.単に浸透印のスタンプを押すのとは異なります.仕上がりだけでは無く,作業その物も楽しめると思います.
私は…とりあえず子供達に見付からないように隠しておかないと.スティックがあっという間に枯渇しそうな感じです.あと,家紋のスタンプを特注したいなぁと模索中…でもオーダーメイドはとても高いですな.
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