遊び心に溢れているけど実用的なLEDブックライト:Lightman &電子書籍に関して考えてみる
今回購入したのは,Lightman オレンジです.
カラバリ的には水色,グリーン,ピンク,オレンジ,ホワイトと5種類あるのだけど,表情が全て違います.私の場合は色で選んだと言うよりも,ニコニコ顔を選んだという感じです.
実に『ゆるい』イラストです.一歩間違うと雑貨屋に売っている安っぽいバチモン系のオーラを纏いそうな程の….
パッケージには使い方も書いてあります.上部の『ブックライト』の他,このように座らせて『テーブルライト』にも出来ます.
そしてポケットに入れてポケットライト(?)として使用出来る他,ライトを光らせずに『メガネスタンド』や『携帯スタンド』,『メモスタンド』としても使うことが出来ます.
裏側は説明書になっています.こちらは真面目に(?)書かれている感じ.
で,ふと気が付いてビックリしたのは,レイメイ藤井製って事.非常に堅い企業というイメージがあったので,このようなユルイ製品を出していたというのは驚き.
事件現場のマーキングではありません.本体です.
頭部裏側に電池ボックスと電源ボタンがあります.スイッチはパーツ単価が容易に想像できるオーソドックスなスライド式.
胸には夢と希望ではなく,社名を抱いています.
この製品の重要部分のほぼ全てが頭部に集中しているため,このような厚み.そして動体は薄いです.
そして足の部分.針金のような感じで弱い力で曲げることが出来,そして固定出来ます.
このくらい曲げても平気です.体の固い私には上がらない高さ….
ただ,重心が上にあるので,卓上に置く場合は三角座り的な感じでは無く,後ろ手で支えないと安定しないでしょう.
ピカッ.
直接見るのが憚られる程度に明るいです.
では,明るさを調べてみましょう.
用意したのは,上海問屋のデジタル 照度計です.仕事で使うような厳密な精度は求められないけれど,上海問屋って何気に廉価な測定器を多数扱っています.
このタイプを長らく使っていたのですが,小型なタイプが出たと言うことで,こちらにスイッチしました.
本体はこんな感じ.
裏側に電池の蓋があります.
電池は単四を2本.前のモデルは9Vの箱形電池(006P)だったので,とても使い易いです.
センサ部分の蓋を開け,電源を入れると計測開始.簡単で使い易い.説明書が無くてもOKな感じ.
この状態で106lux.比較的明るい街灯下と同じ明るさです.
ちなみに一連の写真は某ホテルにて,家族が寝静まった後で通路(部屋の外の廊下では無いですよ(^^;)に出てで撮影.ホテルって元々照明が暗いので,まぁこんな感じでしょか.
ちなみにこの照度計は,10,000lux以下なら誤差は4%.
何やら卑猥な絵のような感じがしますが,気にしないで下さい.
密着したときの明るさを測ってみます.
1,703luxとなりました.デパートの照明が2,000luxくらいなので,かなり明るい照明と言えましょう.
で,読書のときはLEDに密着しないので,少し離してみました.このくらいの距離で概ね254lux(何気に256にならなくて悔しい…).
読書の場合は300~750luxが必要と言われていたり,厚生労働省が策定した(新しい)『VDT作業における労働衛生管理のガイドライン』によると,『書類及びキーボード上は300lux以上』となっています.そのため,日常的な読書環境としては十分な明るさとは言えないのですが,『暗い中で一時的に読書をするという』という意味では,まぁ十分かもしれません.
ただし,日常的に暗い中で長時間読書をすると視力を悪くしますので,常用は危険です.
と,いうことで,早速これを使って本を読んでみましょう.今回読む本はソーシャル時代のハイブリッド読書術.倉下忠憲氏の著書です.
氏の書籍としては,シゴタノ!手帳術
もお薦め.
ブックライトとして使う際には,このようなスタイルで使います.見開き2Pの範囲を照らすことが出来ませんが,LEDの入った頭を捻って照射先を調整することが出来るので,固定式と比較して便利です.
ブックライトにはスポットライトのように照射する物もあるのですが,この手の物は非常に使いにくいです.そういう意味では,そこそこの範囲に光が広がるLightManは優秀.
あと,本体がやや大きいため,文庫本を読む際にこれを使うのは厳しいかもしれません.
そして携帯スタンドにする場合はこんな感じ.タブレットは無理ですが,iPhoneくらいの大きさ・重さの物であれば,実用的に使えます.
ちょっとした動画を観るときに使うと便利なんじゃないかな.
と,いうことで,ブックライトとして必要な基本スペックは十分満たしているのですが,単機能のブックライトとしてみると,結構大きいのでイマイチです.ブックライトとしてしか使わないのであれば,もっと小型軽量な製品もありますので,そちらにする方が良いでしょう.
しかし,ワンツール・マルチユースなツールと見た場合,評価が変わります.
形状が変えられますので,創意工夫次第で使い方が広がります.
例えば『ちょっと灯りが欲しい』というときに懐中電灯的に使ったり,適当な形に変形させて設置し,両手をフリーにして作業出来る物って結構重宝します.また,気になる携帯性に関しても,薄いために意外と隙間にスット入って嵩張りません.
ぱっと見でキワモノ系のオーラがあったのですが,意外と実用品でした.
***
で,読書繋がりでちょっと余談.
出版不況が叫ばれる状態が何年も続いているわけですが,この辺りの報告等を読むと,販売数の減少を単価のアップでカバーしようとしている現状が見えます.
某出版社では,『コミックで稼ぎ,(単体で見ると赤字でも)良質な書籍を出版する』という方針だと聞いたことがあったのですが,このような資料を読むと,もうその仕組みも成り立たなくなりつつあるようです.そのため,『良質な書籍を出そうにも大幅な赤字→他でカバー仕切れない→定価を上げる→余計売れなくなる→コストがかかる良質な書籍の出版が減る』という悪いスパイラルに入っているように思います.
そして新刊点数が高い状態を維持していますが,コストと時間をかけずに中身の薄い寿命の短いコンテンツを数だけ出す…という感じの流れになっている気がします.テレビ番組がつまらなくなったのと同じような流れですね.
ちょっと偏った書籍の話になりますが,昨年購入した艦これ白書
は実に酷かった.『艦隊コレクション』が爆発的にヒットしたということで出版が決まったようですが,バイト的な人達が適当にググって資料を集め,文言を少しアレンジして体裁を整え,やっつけ仕事でハイ出来上がりという感じの本でした.誤植や事実誤認,そもそも帝国海軍の軍艦に関して少しでも知識を持っている人に聞けば常識であることすら押さえていない酷い状態でした.
Amaで予約出来なくてファミマでとか色々と苦労して入手したのに公式本がこの体たらくですよ.もう少しコストと時間をかけ,丸編集部なり中の人なりに考証してもらったら良かったのに…ってヒートアップすると終わらないので,この本の話はここまで.
30代以下の1割が本を全く読まないとか,私にとっては衝撃以外の何物でも無い話も聞くわけですが,更に人口推移のグラフと書籍の販売部数の推移を並べて見ていると,悲しくなりますね.
昔であれば読書をする若年層が次々と供給されてるし,人口も増加するので右肩上がりだったのに,人口は減るわ若年層はあまり本を読まないわで右肩下がりというのが想像出来ます.また,不況で収入減のため,書籍の定価上層も相まって,本を購入する層が本を買えないってのもダブルパンチとしてあるのかもしれません.
そこでなんですが,書籍コンテンツとしての質と量の積分値を維持するために,
- 電子書籍化して低価格化を進める→本を買う世代が購入できる&買わない世代も安ければお試しで購入し,読書習慣がつくかもしれない.
- 周辺コストを減らし,コンテンツに対して集中投資→電子出版であれば,印刷が不要ですし流通に大きなコストがかからないので,リソースをコンテンツの作成に回せる
- 良質なコンテンツを生み出すために,これまで出版に関係なかった人達の電子出版を推進→あちこちのブログを読んでいて思うのだけど,素晴らしい才能を持った人が沢山埋もれている.良質なコンテンツを,腰を据えてじっくり育てられる人が一定の割合で居るように思う.
というのが出来ると,文化としての『書』は息を吹き返すのでは無いかと思ったり.
何だか電子書籍万歳な感じになってしまったけど,懸念もあります.
自分一人でバリバリ書ける人も居るけど,良い本を作るためには,優秀な編集者が必要な場合もあります.主観的ですが,割合的には,1:9くらいで後者の方が圧倒的に多いと思う.そして品質があまりよろしくない書籍が氾濫すると,アタリショックのようなことが起きる危険性も.
ランキングやリコメンドシステムが有効に働けば,杞憂かもしれませんけどね.
なお現在は,電子書籍の割合は8%だそうです.一足先に電子化の波が到来した音楽コンテンツの方はこのような状態であり,少々混沌とした状況ではありますが,ダウンロード販売は相変わらず大きいレートで上昇し続けています.
…終わらない話になりそうなので,今回はこのくらいで.
***
それはそうと,倉下氏の書籍で思い出したのですが,先日グランフロント大阪で行われた『梅棹忠夫と21世紀の「知的生産の技術」シンポジウム』には参加したかったなぁ….残念ながら予定が付かなくて行けなかったのですが,プログラムと講演者名を見ただけで(今すぐ行きたくて)腰が浮く感じでした.
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