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2014年3月 3日 (月)

細く・細かく・美しく書くためのシャープペンシル:ぺんてる オレンズ

2013年は.0.7mm以上の太い芯を使用したシャープペンシルが好評を博し,広く普及したように思います.

元々芯ホルダーというカテゴリがあり,文具マニアの中でも,年齢が高い層のコレクター以外には,あまり関心を持たれない分野がありました(あ,いや,非常に主観的な一般論ですよ :-)).これがグッと一般層までに降りてきて,更に裾野が広がった感じです.

昨今のフィーバーは,北星鉛筆の大人の鉛筆 が火を付けたように思うのですが,その後コクヨの1.3mm0.9mm等がグッとユーザーの裾野を広げ,今ではごく普通の文房具屋さんですら置かれる程になって来ています.製図用にユニホルダーが置かれている程度だった頃から比べると,隔世の感があります.

勿論,メカの構造が異なりますので,芯ホルダとシャープを混ぜて論ずるのはかなり強引なことであることは認識しています.しかし何れにしても,『芯折れを気にせずに書ける』や『ラフに引いても掠れずにきちんと書ける』,『物理的に残っていればきちんと書ける』という長所から,『太い芯』という物に対する見られ方が少し変わったような印象を受けています.

その一方で,日本のメーカーは,細い線に対する飽くなき追求も続けています.

元々日本語は漢字を使うこともあり,欧米のアルファベットと比較して,同一面積上に線を緻密に高密度で引く必要かあります.そんな背景があるからか,店頭には多種多様な普段使い用の非常に極細なペンが並んでいます.そして日本人の特性として,小型・精細・精密って方向性にゾクゾクする人は多いでしょう.

今回採り上げるのは,そんな方向性の一品です.先日ぺんてるから発売になった,0.2mmのシャープです.色んな意味で,凄いんです.

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冒頭に書いた通り,太い芯のシャープが流行っている理由の1つに,芯が折れにくいというメリットがあります.

シャープの芯径としては,0.3mmと0.5mmが一般的ですが,0.5mmの方が広く普及・使われています.これにはいくつか理由があるように思いますが,0.3mmは芯折れしやすいからという理由も挙げられるでしょう.大量の文章をガリガリと書く際に,頻繁にパキパキと芯が折れ,その度にカチカチとノックして芯送りしなければならないのは苦痛です.

そんなわけで,0.3mmよりも更に細い0.2mmのシャープが出ると聞き,正直『芯折れ大丈夫?』なんて思ったわけですが,『やはり実際に試してみないと!』と,思い,購入した次第.

調達したのは,orenzの軸2本とBとHBの替芯です.軸は5色のカラバリがあるのですが,無難な黒とカジュアルなスカイブルーをチョイス.

発売後,まだそれ程日が経っていないこともあり,若干品薄傾向が続いているようです.前記のAmazon以外にも,楽天でも購入出来るようです.近くの店舗で見付けられなかった場合は,通販を利用してみて下さい.

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パッケージには,本製品の一番の売りである『0.2』がデカデカと印刷されているわけですが,『不思議なほど芯が折れない』と,いうキャッチコピーが自信たっぷりに書かれています.なお,『芯が折れないわけでもない』とも読めるのは,日本語の面白い所(笑)

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『!』付きで,『ご使用前に必ず裏面をお読み下さい』のシール.

パッケージを開ける際に剥がさないといけないようになっています.まるでソフトの使用許諾書,もしくは薬の取り扱い説明書のように,『いいから早く使わせて』という気持ちの前に立ち塞がるように貼られています.

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で,裏面.何か貼ってあります.

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替えの消しゴム『クリーナーピン付き』がオマケで付いています.ちょっと得した気分.

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そしてこれが前述されている『きちんと読むべき』使用説明書.

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しっかりキッチリ書いてあります.

説明書が言わんとしていることは,要は『普通のシャープのように,芯を出して使ったらダメ』ってことです.

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本体はこんな感じ.ゴムを巻いたりなどセず,軸の凸凹で滑り止めとしていります.

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そしてロゴ.センスが良いです.

クリップは普通に剛性を利用したタイプ.

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キャップは普通な感じ.

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そしてこれがオマケの替えの消しゴム.

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下が本体に付いていた消しゴム.上がオマケ.

本体に付いていた方が,消しゴムが長いのですが,クリーナーピンが付いていないことが分かります.これは…芯が割れて詰まった時に,ムズカシイことになりそうな予感.

また,オマケの方のクリーナーピンは,途中で四つ葉のような面白い編み方がされています.

おそらくピンを刺しただけの状態だと,テンションをかけた際に消しゴムを突き破り,指にブスリと行くから…ってことを考慮し,安全のためにこのようにしているのではないかと想像.やはり細いピンは針のような物ですしね.

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と,いうことで,ピンがある方が万が一の時に便利だと考え,オマケの方を実戦配備.

あと,元々軸内に3+1本の芯が入っていたので,試筆にはこれを使用.多分HB.

実に細いです.

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で,これが替芯.『細すぎ0.2』のラメ入りシールがギラギラしていて,とても目立ちます.

濃さはHBとBの二種類.

個人的にはコントラストがハッキリした方が好みなので,濃い方が好き.普段0.3mmや0.5mmのシャープでは,2Bとか4Bとかを主に使っています.

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シュタイン構造であり,滑らかに書けるのにギガ強いとのこと.メガとかギガとかテラとか付くと少々安っぽく感じるで,ちょっとこのコピーは如何なものかと….

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では,orenzの構造を見てみましょう.

まず,通常の状態は,パイプが出ていません.本体に収納されています.

ロットリング800シリーズでもパイプが収納できますが,この構造は,落とした時にパイプが破損したり中の芯が折れたりしなくなるので,大変助かります.

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ノックして芯送りするとパイプが伸び,更に芯送りするとパイプから芯が飛び出してきます.

通常のシャープであれば,この状態で筆記を開始します.しかしorenzはこの状態で筆記をしてはいけません

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前述のパッケージ裏の説明書にも書かれていた通り,芯はパイプに収まっている状態にしなければなりません.

下の写真のような状態で筆記を開始すると,パイプが適度に引込み,『書けるけれども芯が折れる程の長さは露出しない』という絶妙なバランスで書けます.

素晴らしい構造です.

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実際に書くとこんな感じで,実に細いです.細い線で字を書くと,太い線で書くよりも綺麗に見えたりするので,私のような悪筆かつ細かく書く人には打って付けのシャーペンと言えましょう.

また,最後の1行は0.3mmのシャープで書いた物ですが,0.1mmの差とは言え,しっかり分かります(芯は斜めに筆記面に接地しますので,実際の筆記される先の太さは芯径よりもかかり小さくなります.そのため,これらの先の太さの違いは,実際には0.1mm以下となります).

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と,いうことで,手帳等に図表や細かい字を書く際には,素晴らしく便利なシャープと言えましょう.シャープは鉛筆と同様,『イレーサーで消せる』という性質があります.そのため,書き換えの可能性がある用途に対して使えます.更にはフリクションだけでなく,その他の各種ペンと比較しても,耐候性の面(水濡れや熱,長期保存等)で大きなアドバンテージがあります.

そして芯が折れにくくするための構造に関しても,(一見不思議だけれども)トリッキーな方法を使用しているわけではないため,ペン自体の耐久性の面でもそれ程心配は無さそうです.

普段使いのシャープとして0.3mmを使用している場合は,スムーズに移行できると思います.また,『0.3mmを使いたいんだけど,芯がすぐにパキパキ折れるから…』と,嘆いている/躊躇している方にも,是非一度使ってみて欲しいと思います.0.7mmやそれ以上の芯経のシャープに匹敵するほど,芯が折れません.これはホントびっくり.一度使ったら手放せなくなりそう.

***

で,ちょっと余談ですが,最近のお気に入りだった0.3mmシャープはこちらです.

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ゼブラのカラーフライトです.

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これの良い点は,0.3mmシャープとしてはかなり手頃な値段であること,形状的にゴテゴテしていないこと(0.3mmは製図用が多いため,エッジのキツイ ローレット加工のものが多い),そしてこの消しゴムの機構です.

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キャップ部をグルグルと回すと収納/繰り出しが出来ます.このような構造になっているため,消字時にキャップを外してゴムを露出させ…ということをしなくても済みます.手間的にもキャップの紛失の心配も無いことから,実に使い勝手が良いです.

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orenzもこのような構造にしてくれたら素晴らしいんですけどね….なお,構造がちょっと特殊なため,この部分だけの他の軸への移植はムズカシイです.

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