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2014年1月 4日 (土)

先日奈良で購入した印泥などを使ってみる

1月3日朝の有楽町駅近くの火災とその影響,実に凄まじかったですね.東京都内に如何に災害に弱い部分が存在しているかということや,一旦事件/事故が発生すると,それが如何に速やかに全国規模の事故に拡大するか/影響を及ぼすかということを示していたと思います.

都内の弱い部分がピンポイントでテロの標的になったら…ということだけではなく,同時多発的に発生する可能性のある自然災害に対する備えとしても,今回の一件を『大変だったけど何とかなった事例』として片付けるのではなく,今後の根本的な対策を取るための貴重な事例として活かして欲しいですね.でないと,火災によって被害を受けた方々だけでなく,ダイヤの乱れで阿鼻叫喚の真っ只中に叩き込まれた約40万人の人々の苦労が無駄になってしまう.

で,うちもその影響を受けた一家でして,朝一でニュースを見て,『こりゃアカン』と早々に見切りを付け,その場で京都に帰るのを翌日に変更.オンラインで予約をしたり変更したり出来るのは,こういうときに実に便利ですな.そして昼頃に駅前に用事があったので新幹線の改札口を見に行ったのですが,案の定大混乱でして,早々に決断して正解でした.が,不意に物欲を刺激する店舗密集地でフリーな時間が出来てしまったため,『自分へのご褒美♪』とか『自分へのお年玉♪』とかいう声が頭の中に響き,思わぬ散財に走ってしまったのは想定外でした….

まぁそれは兎も角として,少し時間が出来たので,先日奈良で購入した文具を使ってみた『その1』です.

いきなりの紹介ですが,これが古梅園で購入した『印泥』です.

普通の人にはあまり馴染みのない物だと思いますが,文字通り,捺印をするときに使用する泥です.

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6g入り.小さいです.説明書きは中国語です.

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マグネット式の蓋をパカっと開けるとこんな感じ.高級感があります.

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外箱に入っていた品質の合格証.

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印泥の殆どは中国製なのですが,これは上海の会社製です.

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で,印泥が入っているケースは陶器製.

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パコッと開けると,乾燥防止のためにラップされた(?)状態の印泥がこんにちは.

今回私が購入したのは,小容量かつ安いグレードの物です.

Th_img_4373

で,折角なので,一心堂で購入したメモ用紙を使ってみることにします.

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京都・奈良の街には,本格的な由緒正しき歴史ある和文具だけでなく,ポップにアレンジした,今風の和文具も沢山店頭に並んでいます.それも老舗に共に並べられていたりします.この柔軟性は凄いなぁ.

このメモ帳は後者に属するものですが,奈良で作られています.

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表紙.柔らかい表情の仏様が心を和ませてくれます.

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表紙をめくると,銀糸の輝きが美しい,琵琶を持った仏様の印刷されている用紙.

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次に厚手の横罫の紙.

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そして再び仏様の印刷された紙.なお,先の横罫の裏側は縦罫になっています.

Th_img_4379

で,次に古梅園で購入した,COCOIROや手紙ペンで使用できる毛筆リフィルを…

Th_img_4366

開封して…

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COCOIROの軸にセット.毛先が長めで柔らかいので,一般的な腰のある筆ペンではなく,筆を使っている感じになれます.

Th_img_4389

そして印泥を使うための印は,浜松の和雑貨の店で購入したこちらの印.手彫りです.

こちらでも手彫りの印を使用しましたが,字体こそ同じものの,今回の印はやや肉厚でドシッとしています.この違いは,手彫りならではの味ですね.

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文字は『隆』.

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印影はこんな感じです.

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このような説明書きが入っていると,少々安っぽく思えてしまうのですが…

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PL法だ何だかんだで注意書きをきちんとしておかないと,色々とリスクが高いんでしょうなぁ.

Th_img_4385

で,印の部分.

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横に『夢10』(?)と彫ってあります.

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と,いうことで,お約束ですが,新年のご挨拶をば.今年もよろしくお願いします.

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印泥での印影はこんな感じになりました.味が出ている…感じがします.

Th_img_4391

スタンプは当然のこと,印鑑を使用する場合も普通は朱肉に染み込ませたインクでペッタンすると思います.液体を表面に付け,それを転写するという感じですな.

一方印泥はと言うと,使い方は普通の朱肉と同じなのですが,やや粘度の高い泥を印鑑の表面に貼り付かせて盛り,それを紙に乗せるという感じになります.感触が全く違います.

朱肉の場合は全然印鑑をついている感覚が無く,インクが付いていようがいまいが紙に印をのせた時の感触に殆ど違いがありません.しかし印泥を使うと,細かな粒が印影に乗り,そして紙にミチミチと音を立てながら移っている感覚が伝わって来ます.『今,印をついてる』と実感出来ます.そして印影が擦れたり掠れたりせず,ドシッと鮮やかに映ります.

印泥は『印をつく』という動作を,単純な作業から全く異なったものに昇華させるためのスパイスと言えるかもしれません.少々メンテナンスに気を使う必要がありますが,和文具の趣味を拗らせ…もとい,高じて,手彫りの印などを持った暁には,是非一度使ってみて欲しい代物です.また,アナログな手紙やメモに,ワンポイントを入れたいという人にも,何がしかの印と共にお試し頂きたい所であります.

印泥の価格はピンきりなのですが,例えば呉竹の印泥辺りであれば廉価で品質が良く,入手性も良いでしょう.

ふたつほど上の写真を見て頂くと分かると思うのですが,多少(激しく?)字が汚かったとしても,印影/落款が存在することにより,キュッと全体的に締まって見えます.そして下手な字が『味』のように思えて来る不思議(笑).全体的な見栄えが良くなっていることが分かると思います.

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