インデックスを付けられるノート2種:「ウロコノート」と「inDex note」
MARK’Sのウロコノート
がISOTの2013日本文具大賞(デザイン部門)を受賞したという話を聞いたので,話のネタにと思って買ってみました.例によって,実際に購入したのはかなり前になるのですけどね….
手書きのための文房具は,スマホの台頭で売り上げが激減しているという話をよく聞きます.そして文具メーカー各社は知恵を絞っているのだけど,このノートは,デジタルとの融合という方面を模索するのでは無く,あくまで『紙である利点』を伸ばすという方向で考えられた製品です.
紙のノートの良さというのは,一覧性と速記性,フリーハンドで何でも書ける点,そしてダイレクトジャンプのし易さ等にあると個人的には思っています.で,このノートは最後の『ダイレクトジャンプのし易さ』を強化しています.
具体的に書くと,ノートで必要な場所を開く場合,栞を使ったり,『この辺りかな』という感じで見当を付けてパカッと開いたり,パラパラと頁をめくったり,インデックスを貼り付けておくのが一般的です.そして一番手間が少なくて確実なのは,栞とインデックス.そして複数のページを管理する必要がある場合は,インデックス一択になります.
で,今回紹介するのは,従来のインデックス付きノート/ノートにインデックスを付ける際に困っていた部分を,ちょっとした工夫と仕組みで解決したノートです.
まずはウロコノート
.
黒や白等,カラバリ展開しています.今回は一番ビビットなオレンジをチョイス.RHODIAよりも明るい派手なオレンジです.
A5サイズで800円也.ノートとしては,かなり強気な値付け.
包装から出すとこんな感じ.デザインに力を入れていることが分かります.
このノートのキモはこの部分.詳しくは後述.
半透明の帯は当然取れます.
下には『RE:FINED PRODUCT』の印刷.
表紙をめくると,見開き真っ黒なページから始まります.
『いきなり罫線が引かれたページが始まるノートとは違うんだぜ!!』と,訴えられているような印象.
そしてこのノートのキモは,この部分.切り欠きがあります.
ペラッとめくると,本体は方眼です.
ノートが180度開き,また,あまり厚みがないこともあって,開いた状態で書きやすいのもポイントです.
そして上部に,モノトーンの角丸四角が4つ印刷されているわけですが….
この部分にはそれぞれミシン目が入っており,ペリペリッと破って…
このように折り返すと,インデックスになるという仕組み.
ノート本体に切り欠きがあるため,インデックスの部分はこのように飛び出て見えます.なので,パッとノートを開ければ,直ぐにインデックスを辿って任意のページを開くことが出来ます.
また,インデックスが完全分離式になっているわけではないので,インデックスの位置を変更したい場合,再び元の位置に折り戻すだけでOKです.まぁ破ったミシン目は戻りませんけど.
そしてこのノートの良い所は,本体のみでインデックスが付けられ,他に物(インデックスシール等)を必要としない点.そして表紙が全体をカバーしているため,インデックス部分をプロテクト出来ている点.
普通のノートにインデックスを貼ったときにありがちな,鞄の中でインデックスが潰れたり破れたり,剥がれて何処かに行ってしまったり…という心配がありません.
機能的にはよく練られたノートですが,ノートとしての基本性能がダメでは話になりません.便利であろうとも,ノートはノートです.『書けてなんぼ』です.
と,いうことで,早速 万年筆(ペリカンM600 EF)+色雫で書いてみました.
紙の書き味や滲み等に問題は無く,普通に使えます.
が,裏抜けがこんな感じ.トラディショナルなBBインクを使い,国産EF万年筆で筆記という場合を除いて,万年筆は避けた方が良いかも.
使用シーンとしては,並列進行の複数プロジェクトを抱えたビジネスマンが,あれこれ整理しながら書くというシーンが想像されるのだけど,まぁこういった場合はボールペンやシャーペンを使うことが多いでしょうから,万年筆でインクの裏抜けがあっても問題にならないかも.
***
次なるノートはキングジム インデックスノート
です.
こちらもカラバリ,複数サイズのバリエーションがあります.リングノートタイプであるという点が,ウロコノートとの一番の違いかも.
こちらはアンダー500円なので,懐に優しいです.
表紙のシールにも書かれている通り,インデックスの使用をより快適にしたノートです.
商品名に微妙に駄洒落が….
聞くところによると,文房具の製品名に語呂合わせや駄洒落が多いのは,『親しみが湧くから』ということで積極的に使われているからだとか.親父ギャグな上司が,『次は○○とかどう?なーんちゃって』的な軽いノリで決められているわけでは無いようです(ですよね?).
使い方は表紙をめくった裏側に.
これは横罫.薄い青が基調とされています.
そして右側には色の濃淡で区別された丸角四角なエリアが.
アップで見るとこんな感じ.ミシン目が入っています.
ここをペリッと破り…
こんな感じで根元も破ると…
折り返すのでは無く,丸ごと取れます.不可逆です.後でのやり直しは利きません.なので,ちょっと勇気が要ります.
そしてこのノートでも,インデックスから表紙が飛び出すことが無いので,インデックスが保護されます.また,ページの頭出しは右手でパラパラとすることが多いと思われるので,位置的にも使い易いと思います.
この他,もっと細かく分類が出来たら…そのためにはもっとインデックスを小さい方が…と,思ったりもしたのですが,あまり小さ過ぎるとタイトルが書きにくいので,このくらいが丁度良いのかもしれませんね.
『切れるノート』ですか….親父ギャグな上司が,『次は○○とかどう?なーんちゃって』的な軽いノリでキャッチフレーズが決められているわけでは無い…ですよね?(←少し不安になって来た)
『9割の人が時系列でノートを取っている』というのはちょっと驚き.もっと多いと思っていました.
***
と,いうことで,インデックス機能を強化したノート2種の紹介でした.
人によってノートの使い方が大きく異なるので,『こんなノートを待っていた!!』的な人が多いのかもしれません.しかし,私がこれらノートを手に取った際に感じたのは,『インデックスで区分けしてしまうと,その区画を使い切ってしまったら,ノートを変えなくてはいけなくなる』という懸念です.
例えば20畳の部屋があり,そこを4畳ずつに区切って5部屋で使い始めたとします.そして何かの拍子に4畳が溢れてしまって5畳使う必要のある部屋が出てきたら,(分割した他の部屋に余裕があっても)もうその20畳の部屋は放棄し,別の部屋へ行かなくては…のような感じでしょうか.
電子的な物であれば,『ページ挿入』という感じで如何様にも伸縮可能ですので,このような問題は発生しません.ある意味,使い手の将来を見越した(インデックスを打つ位置,そしてどの程度余裕を持たせるか等の)縄張り技術が求められる製品と言えるでしょう.この点を解決するとしたら,通常のノートでは無理で,バインダー化するしかないかなぁと思います.
その一方で,メインノートでは無く,サブノート的に使うとしたら,結構便利かもしれないと思ったりもしました.
例えば並列進行の複数プロジェクトの会議記録用ノートして使うことを考えた場合,だいたいどのくらいの頻度で,各回どのくらいの枚数を消費するか見当が付くので,インデックスで分割しやすいでしょう.そして『○日に行った○○の会議の議事録確認して…』のようなときに,これほど心強いノートは無いでしょう.
時系列で書いてたら頭出しに時間がかかりますし,分冊して記録を取っていたら,『すんません.持って来ていないので,部屋に戻って取ってきます』みたいなことになる可能性もあります.
まとめると,使い方がかなり限定されるノートである一方,用途にハマると,これ以上に無い程,便利なノートと言えるでしょう.
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