ようやくビジネス向けの『使える』フリクションが出た感じ:FRIXION BALL 2 Biz
今更解説するまでもありませんが,『消せるボールペン』ことフリクションは実に便利です.書いて消せるペンと言えば鉛筆/シャープがありましたが,消した際にカスが出ないのが良いですね.あと,多色展開.
しかしその一方で,多色展開の絡みのせいか,どうも女子校生を指向したような製品が多く,ビジネスマン向けの製品展開にはあまり力が入っていない感じがしていました.
実用本位という意味では,こちらのエントリーに書いたフリクションボール3
があります.しかしその高級版を目指した(?)フリクションボール3 ウッド
は,実際に見てみると,とてもチープな感じです(1本購入しましたが…後悔中).高級感という面では,こちらのエントリーに書いたピュアモルト 4&1
とは大違いです.
おそらく,メタリックパーツののギラギラ感が全てを台無しにしていると思うのですが,その後も『ビジネス向け』と称してシルバーギラギラなペンが出続けている所を見ると,私の感覚に合う製品が出るのは期待薄かなぁ…なんて思っていました.
そんな折り,ロフトで見かけたのがこのペンです.強気の価格だったため,一度スルーしましたが,辛抱たまらず出張時に二子玉川のロフトで購入(^^;
今回購入したのは,本体の他,リフィルとして0.38mm赤2本入のLFTRF40UF-2R
と0.5mm青2本入のLFTRF40EF-2L
です.
本体が3千円弱,リフィルも2本入りで400円もする上にBALL2 Biz専用品です.かなり強気な値付け.
本体はこのようなブリスターパックに入っています.カラーはブラック
,ダークブルー
,グレー
,ピンク
の4色展開.
フリクションは,学生/カジュアル/事務系向けの安いペンのイメージが強かったように思います.しかし,このカラーラインナップを見ても分かる通り,このラインは高級筆記用具を目指しているような気がします.
『ブラックとグレーだけ出して様子見…』ということをせず,4色一度に出したのはかなり腹をくくったチャレンジではないかと思います.フリクションというブランドを,高級筆記用具へもシフトできるかの試金石かもしれませんね.
裏側に説明書きがあるのですが,消去用ラバーを使用するには,ねじ込み式のキャップを外さないといけない…という点が,使い勝手的にマイナスポイントかなぁと思います.
とは言え,高級そうな軸から半透明の消去用ラバーが飛び出ているのはデザイン的にアンバランスなので,『分かっちゃいるけど,どうしようも無いんだよ…』という,苦渋の選択かもしれません.
リフィルは黒,青,赤の3色で,太さが0.38mmと0.5mmの2系統.
そしてリフィルにも少し問題を感じる部分が….
フリクションボール3と互換性を持たせてくれたら良かったのですが,専用品です.このリフィルを使用するのはBall2 Bizのみなので,このラインが仮にコケた場合,将来の供給に一抹の不安が….
また,フリクションはインクフローが良いために消費が激しいのですが,価格も高めになっている点も辛い所.
使用しないリフィルはこの袋に収納して保管せよとのこと.
これが私が一目惚れした『ダークブルー』の軸です.ダークブルーと言うよりも,少しパープルが入った落ち着いたメタリックなブルーという感じです.
以前,Watermanのカレンにも似たような色の万年筆軸があり,同じく一目惚れしたのですが,『買おう!』と決意したときには生産中止のために入手出来なくなっていたということがありまして….
本当に欲しいものは,手に入る時に購入しないとダメですな.
芯の切り替えは回転式です.B-Rとなっていますが,Black/RedでもBlue/RedでもOKという所が憎いなぁ.Black/Blueで使う人は少ないだろうし.
そしてこれが問題のラバーの部分.
キャップのまま擦るんではなくて,キャップを外してラバーで擦れとの注意書き.
フリクションのインクは,60度で無色になるよの注意書き.
不格好なので,読んだらシールは剥がしましょう.
ペン先はこのように繰り出されます.カラーの帯があるため,何色が繰り出されているのか見れば分かるようになっています.ただし,インク残量は,インクが有る/無しも含め,外からでは分かりません.
ペンのクリップはスプリング式ではなく,剛性を利用するタイプです.
そしてラーバのキャップの根本から出ていますが,キャップを外した状態でもクリップが外れない構造になっています.
キャップを外すとこんな感じ.
外した後で無くしそうだなぁ…良い手は無いかなぁ…常に外しておくのは見た目が悪いし,ラバーの破損もペンの修理扱いになるし….悩ましいです.
リフィル交換時は,ペンの軸を引っ張って(ネジ込み式に非ず),このように分解します.
リフィルは金属製の軸のため,一見4Cのように見えます.しかし一回り太く,互換性はありません.その分インク量が多いのでしょう.
また,リフィル先端近くの窓を見ることにより,残量は分かりませんが,インクの有無は分かるようになっています.まぁ書けなくなったらインクが切れたと見なしてサクッと交換すると思うので,有無よりも残量が知りたい所ではありあますが….
フリクションボール3と比較するとこんな感じです.黒,青,赤の3本を入れていても,(私の場合は)青と赤ばかり使っているので,2色にしてもあまり実害はありません.しかし,よく使う青を2本入れておいて,インクが切れた時のバックアップに…という使い方が出来ないのはマイナスかな.
その半面,軸はとてもスリムであり,適度な重量感で書き味もマズマズ.ボール3の方は,プラスチックのために体積は大きいけど軽い.そして見た目と言いますか,高級感は雲泥の差です.
写真下に並べてある通り,リフィルはほぼ同じサイズです.やはり互換性が欲しかったなぁと思います.ペン先を繰り出したとしても,リフィルの軸の部分までは見えないので,プラスチックの軸でも問題無いと思うんですよ.おまけにインク残量も見えるので,便利ですし.
剛性の問題があるのかもしれませんが,そこは何とか工夫して解決して欲しいなぁと.
と,いうことで,最近出先で普段使っている,メモ書き用の手帳(絶滅が噂されているダイスキン)にセットしてみることにします.
余談ですが,フリクションはインク消費が激しいので,常にリフィルの予備を数本,ポケットに入れて一緒に持ち運んでいます.なお,袋はミドリのクラフト エンベロープ(S).
うっ.これは合わない.やはりこの組み合わせの場合,ブラックが無難だったか….ペンホルダから取り出してしまえば全然違和感無いんですけどね.
そんなわけで,一目惚れしたペンを無事に入手でき,満足であります.
最近,仕事で使う,見た目がチープでなく,かつ,嫌味な高級を漂わせず,それでいて使い易くて知る人が見たら『ニヤリ』とするようなペンを探していました.
いつか書くかもしれませんが,PARKERの5thにこの役を担わせようと考えた時もあったのですが,良すぎるインクフローのために滲んだり盛大に裏抜けしたりしたりすることが多く,使いものにならないことが分かりました.リフィルも含めてかなり投資したのに….そんなわけで,このペンは現在埃を被っています.
私の中では,フリクションのペンに3千円出すのは少し抵抗がありましたが,高級ペンと比較したら凄まじく廉価な部類です.そして使い勝手は幾多のバトルプルーフ(笑)によって証明されているわけで,実は意外とこの手の用途に対してベストチョイスだったかもしれません.
文字通り,青い鳥は身近に居た…という感じでしょうか.
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コメント
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tadachi 様
コーチ万年筆の黒田です。
良い情報をありがとうございました。
私もフリクションボール3を使用してました。(今は万年筆が中心。コーチ、ラミーサファリなど。。。)
早速購入してみます。
それと・・・スコーピオンエアガンの記事も楽しく拝見させていただきました。
投稿: 黒田 | 2013年10月27日 (日) 11時16分