mSATAなSSDをUSB3.0接続の外付けHDD化する(2):Project MのUSB3.0MSATA-CASE
前回は少々入手性が悪い製品を紹介しましたが,今回はネット通販でもアキバでも潤沢に出回っている物を紹介.Project M第一弾で発売になった『USB3.0MSATA-CASE』です.
SSDMB同様,『mSATA接続のSSDをUSB3.0外付けドライブとして使用出来るようにする箱』です.
外観は質実剛健な感じです.では,実際の所はどんな感じか見てみましょう.
パッケージはこのような形で売られています.私はアークで購入しました.
『Project M』というのは森田氏の立ち上げたブランドで,求められているけれどニッチ過ぎて商品化されにくい物を出していくブランドとのこと(意訳).
まだメイド喫茶が無かった頃,日本橋のショップに沢山置かれていた『怪しげな商品』と同じ香りがします(^^
国内の正規代理店もあります.(ただ,エンドユーザに対するサポートのレスポンスはそんなに良くないかも…)
中身はこんな感じ.本体,USB3.0ケーブル,そしてポーチ(巾着袋).
大きさはiPhone5の半分弱といったところ.
厚さはほぼ同じくらい.
USB端子はUSB3.0 Micro Bです.
では,SSDを付けることにしましょう.
まずはネジを外して中から基板を取り出します.
基板は非常にシンプルな印象.
裏面にはこのようなパターンにレギュレータが….少し嫌な予感.
使用するmSATAなSSDとして,今回もCrucial 256GB CT256M4SSD3を用意.
まずは固定用のネジを外し…
mSATA SSDをソケットにはめ込み…
寝かせてネジ止めすれば完了.
基板とmSATA SSDにはこのくらいの隙間が空いています.
そしてケースに基板を戻すわけですが,レギュレータがケースに当たっていることが(スライドさせる際のガリガリした感触でも)確認出来ます.
このレギュレータは(USB経由で給電される)5Vから3.3Vを生成するためのものなのですが,このような設計になっているということは,消費電力が高く,発熱もかなりある可能性が.で,苦肉の策としてケースにレギュレータを接触させ,ケースに熱を逃がすことを考えてこのような構造になっている可能性が.
気を取り直して基板を奥まで挿し…
ネジ止めして完成.
ステータスLEDはUSB端子と同じ側にあり,緑色.
SSDMDとの大きさ比較.質感が全く異なりますが,大きさは概ね同じくらいです.
厚さもほぼ同じ(ピントが後ろに行ってますがご容赦を).
で,前回と同様に消費電力を測るとこんな感じ.ピークでUSB3.0の800mAを超えました.USB2.0の場合は完全アウト.
大抵の製品では若干マージンが取ってあるため,このくらいは誤差のレベルでしょう(iPhoneが1Aを要求するせいもあり,かなり寛容な物が増えてきた印象があります).しかしシビアな環境で使用した場合や,若干長めのUSBケーブルを利用した場合には,電流供給能力/電圧降下のために動作しなくなる可能性があります.
実際私の環境でも,デスクトップに接続した際には『認識->切断』を繰り返して安定せず,使用出来ませんでした.十分なドライブ能力のあるUSBポートを使用し,同梱されているケーブルを用いて接続した際には動作するでしょうが,少しでも危険要因がある場合は動作しない可能性があります.
Project Mの第二弾でこの製品が出てきた辺り,そのような事情もあるのかなと思ったりもします(ケーブル長が短いと,大電流を流した際の電圧降下が低く抑えられるため,安定しやすい).
そして前述のレギュレータの所で書いた通り,かなり発熱がありました.触れない程熱くはないのですが,激しく動かし続けたHDDよりも発熱します.高い消費電力は,そのまま熱として放出されている感じで,何とも勿体ない思いです.
では,SSDMBと比べてこの製品を選択する意味は無いのかというと,さにあらず.以下のようなメリットがあります.
- 入手性が良い
- 安い
- Macでも使える
特にMacユーザにとっては貴重なケースなんじゃないかな.
Mac Book Air 11inch (2012 Mid)に挿すだけで普通に使えました.
Macからはこのように見えます.
ではパフォーマンスはと言うと…
シーケンシャルリードが伸び悩んでます.SSDMBと比べると残念な結果.
しかし,ランダムアクセス系が高いこともあり,日常的な利用に際してはとても良いパフォーマンスをを示します.HDDを使っている人であれば,その速さが体感で分かるはず.
環境を選ぶ点,消費電力が大きい点等,若干問題が無いことはありませんが,ガジェッターとしては押さえておくべき製品と言えましょう.
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