高ズームカメラは『便利』じゃなくて『楽しい』:Canon PowerShot SX280HS
手持ちのデジカメをコンデジ,ミラーレス,一眼レフと3台体制にしてからかなり経ちます.
『同じような物を何台も…』と,思う方がおられるかと思いますが(例:うちの嫁 :-) ),実際には用途的にそれ程被らない状況です.
例えばコンデジはS90を使っているのですが,これはコンパクトで接写が効くが,望遠は厳しくて画質もソコソコ.そしてミラーレスはNEX C3を使っており,画質が綺麗&レンズ交換でオールラウンドで使えるけど,コンデジよりも嵩張る.また,私は意図的に倍率の高い望遠レンズ(例:SEL55210 やSEL18200LE )を購入しないようにしているので,望遠も弱い.
そしてデジイチはEOS KissX5 を使用しており,画質が良く,レンズを取り揃えてオールラウンドで使える体制を取っているけど,嵩張るために日常的に持ち歩くのは困難…という感じ.
ちょっとした旅行/出張の際にはS90とNEXという構成.そして気合いを入れて撮影をする場合は,NEXとEOSという感じで持って行きます.レンズはそのときの(想定される)撮影対象や荷物の許容量に合わせて変えているけど,基本的には『何でも対応出来るように全部持って行く』ではなく,かなり絞る方向で.EOSに関しては,このレンズのおかげでかなり助かっています.
が,最近,コンデジしか持って行けない程に『大幅に荷物を少なくする』必要に迫られるときがあったり,S90+NEXのセットを持っているときに望遠が求められることがあり,この穴を埋めることを決断.
コンデジの部分にCanon PowerShot SX280HS を投入する決意をした次第です.
当初購入の候補として挙げたのは,Canon PowerShot S110 とPanasonic LF1.
前者は現在使用しているS90の3世代新しい機種で,今は3万円を切っており値段も手頃.しかし性能は抜群でコストパフォーマンスも良し.(コンデジの画質としては)S90で満足しているので,あまり悩まずにこれにしようとも思ったのですが,8月辺りに後継機種のS200が出るので,(スペック的にはあまり変わらないとの噂もあるけど)きっと悔しくなるだろうと考えて止め.
次にPanasonic LF1 ですが,これは非常に魅力的で,数時間おきに価格と在庫状況をチェックする程だったのですが,極端な品薄と高値安定のために今回はパス.センサが1/1.7inchだったり,レンズがF2.0スタートで最大望遠でもF5.9という明るさ.そして望遠がS110よりも出来て35mm換算で28~200mm.ポケットに入る便利ズームレンズ付きの万能機という感じでひじょーに魅力的.価格が3万前後まで落ちてきていたら脊髄反射で買ってしまっただろうなぁ….今後も価格推移のウォッチは続けるつもり.
で,冒頭にも書いたように,手持ちのコンデジではズームが弱く,悲しい思いをしたこともあったため,これが強いタイプにしました.物はCanon Power Shot SX280HSなのですが,このコンパクトなサイズで光学20倍もズーム出来ます.35mm換算では25mm~500mm相当.ただしレンズがやや暗く,F3.5~F6.8.そしてセンサは1/2.3inch.S90から見たら,レンズの明るさ,センサ共に大幅ダウンです.
しかしその一方で,強力な5軸手振れ補正を搭載しており,高倍率ズーム時や薄暗い場所でも,シャッタースピード&ISO感度をかなりフォロー出来そう.また,センササイズは小さいけれど,画素数を(他社と比べて)抑え気味にしているため,画質が良いと好評価されています.
そうそう,私はビデオカメラとして未だにコレを使っているのですが,最近めっきり出動の機会が減りました.理由は広角が弱いことと,手振れ補正が弱いので,動きながら撮った物を観ると酔いそうになるんです.
そんなわけで,SX280HSは動画機能も最強に強まっており,ビデオカメラのリプレース的な役割にも期待.
そんなわけで,カチッと行きました.
Full-HDやIS(手振れ補正),WiFiのロゴが良い感じ.
本体および付属品一式.最近は本体を使用したUSB充電が多いのですが,バッテリチャージャーが付いて来ます.旅行前には予備バッテリの充電をすると思うので,ポイント高いです.
そうそう,書き忘れましたが,私の場合はバッテリがNB-6L という点もポイント高いです.
S90をはじめ,家族の使っているコンデジもこのバッテリパックを使っているため,家に6,7個転がっています.機種が変わってもバッテリも買い直す必要が無いのは有り難い.
本体正面のアップ.オーソドックスな『カメラ』という風貌.
付属のリストストラップが,S90のように編んだタイプで無い点も地味に良い点.編んだタイプだとケースのベルクロに引っかかり,ボロボロになりやすいんです.
裏面.Canonユーザであれば見慣れたボタン構成です.操作に迷うことは無いでしょう.
上部にはポップアップ式のフラッシュ,GPSアンテナ,WiFiアンテナ,シャッターボタン,ズームレバー,電源ボタンがあります.
電源ボタンのレイアウトが微妙に悪く感じます.ケースの形状によっては,カメラを取り出す際に意図せず電源が入り,レンズがレリーズされるかも.
そしてこれが35mm換算で25~500mmまで撮影出来る光学20倍のズームレンズ.
サイドのアップ.レンズの手前側に見える3つの穴はスピーカー.
反対側のサイド.カバーの下にはHDMI端子等が収められています.
下部には三脚取り付け用の穴,そしてフラップ.
フラップを跳ね上げると,バッテリ,SDメモリカードスロットにアクセス出来ます.
今回も例のごとくTranscend SDHCカード 32GB Class10 を購入して使用.速くて安定していてその上安いんだもん(^^
このようにカチッと収め,フラップを閉じましょう.
液晶保護シートとしてコレ を使用.SX260HS用だけど問題なし.
きれいに貼れました.
まずは日付設定をして…
セキュリティ的な面を確認します.
GPS機能は位置情報を写真に手軽に埋め込める反面,セキュリティ的な面で不安があったので,この後『切』にしました.電池の持ちも伸ばしたいので,欲しいときに手動でONにしても良いかなと思います.
ちなみに屋外で衛星の捕捉に約1分程かかりました.かなり早い部類だと思います.
高望遠レンズなだけあって,かなりニュ~ッと出てきます.
S90(上)との大きさ比較.
数字的にはまぁ一回り大きくなっていますが,それ程気になりません.形状が少し変わった関係もあり,撮影時の握りやすさが改善されています.
***
では早速撮影を.見せてもらおうか,光学20倍の実力とやらを.
近場に適当な場所が無かったので,足を伸ばして見晴らしの良い公園に行ってみました.が,残念なことに曇天.晴れると素晴らしい景色なんだけどなぁ.
この状態で35mm換算で25mm.風景写真や集合写真には手頃な画角です.
で,この写真の丁度中心付近の遙か彼方にAEONがあるのですが…分かりますか?
同じ立ち位置で光学20倍ズームするとこんな感じです.AEONが見えてきました.また,壁面の看板もしっかりと見えて来ます.
更にデジタルズームを併用して40倍にするとこんな感じ.看板の字がしっかり読めます.デジタルズーム,侮り難し.
更にデジタルズームを効かせて80倍にするとこんな感じ.等倍にするとちょっと荒れた感じにも見えるのですが,薄曇りの環境下,高倍率でここまでキッチリ写るのって何気に凄いなぁと思ったりするわけです.
おまけにこの写真は手持ちで撮っているのですが,難なくAEONにズームし,ブレることなく撮影できました.
望遠鏡/双眼鏡を使用して20~80倍の高倍率で何かを見ようとすると,ズームした段階で対象物がフレームから外れ,仕方なしに倍率を落としてもう一度探し回る…なんてことがよくありますよね.そのことを考えると,このカメラのズームの使い勝手の良さは驚異的です.
画質も良いし,(周りが明る過ぎずに)液晶が見られる場所であれば,双眼鏡代わりにも使えるかも.
で,ふと耳を澄ますとジェット音が.
上を見上げると旅客機が飛んでいます.25mmで撮ると中央に『点』としか写らないのですが…(分かります? 画像をクリックして拡大して見て下さい)
20倍光学ズームするとこの状態.これなら敵味方識別も機種確認も可能です.
更にズームしてデジタルズームで40倍.晴天で明るければマーク等も見えたと思うのですが,曇天の下ではかなり厳しいですな.
また,流石に40倍~80倍で動く物を追い続けるのはかなり大変で,80倍は何度かトライしたのですがうまく撮れませんでした.
次に天体.
スーパームーンの時期を逃してしまったのですが,手持ちで月を撮ってみました.光学20倍でこんな感じ.
普通のコンデジであれば『点』としか写らないと思うけど(皆既月食の時にコンデジで撮影し,悔し涙を流した人は多いはず),しっかり写っています.
更にデジタルズーム.ちょっと荒れていますが,クレーターまでクッキリ見えます.
コンデジかつ手持ちでここまで撮れるって凄いなぁ…
***
以下,まとめ.
センサが1/2.3inchのため,画質に関して不安に思っていたのですが,流石はPowerShotシリーズです.1/1.7inchと同等とまでは言いませんが,ISOレベルを良好に保てるのであれば,『おお,結構綺麗じゃん』というレベルの実用的な写真が撮れます.
まだ使い始めて日が浅いので,『どや!』という写真をアップ出来ないのが歯痒い所ですが….
また,高倍率は非常に面白い.『便利』というよりも『面白く,そして楽しい』です.
風景画を撮ろうとしてフレームをあれこれ考えていたら,何故か無意味にズームして遊んでいた…なんてことが頻繁にあります.そして手振れ補正も強力.これは…写真を撮るための機械という以上に,旅行を楽しくするためのガジェットに化けるのではないだろうか.
旅行に行く際に,コレかコレを持って行くことが多いのですが,この手の物があると実に楽しいです.SX280HSを買わないまでも,荷物に余裕があるのであれば,夏の旅行に持って行くことをオススメ.
と,いうことで,2万円前半という価格帯のカメラということを考えると,想像を絶する満足度かつ実用度です.流石に1/1.7inchやAPS-C機と画質で勝負出来るものではありませんが,ユーザビリティや機能性を考えると,トータルでの戦闘力は相当な物です.WiFi機能も手軽かつ便利.出先であっても,FB等にiPhone/Android経由で綺麗な写真をサクサクとアップ出来ちゃいます.
この夏,旅先に連れて行くデジイチやミラーレスのサイドアームを考えている方は,是非検討対象に入れてみて下さい.
# Panasonic LF1も欲しいなぁ…(^^;
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