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2012年12月 3日 (月)

今観ておくべき映画:『009 RE:CYBORG』と『007 スカイフォール』

009は先月,007は今日観てきた.

似たようなタイトルの映画だけど,ご存じの通り,内容は全く別.009は石ノ森章太郎の漫画を元としたアニメ映画だし,007は『The name is Bond, James Bond.』な英国諜報機関MI-6のスパイ映画シリーズの最新作.

共に映画館で観ておかないと後悔しそうな映画でございました.

009』は1964年に連載が開始された石ノ森章太郎の漫画で,特殊な能力を持つサイボーグ化された9人の(正義の)戦いの話.何シリーズもの連載があり,アニメ化も何度かされ,とても多くのファンが居たけれど,完結編の完成前に著者が亡くなってしまった.

その後漫画では無いけれど,小説版の完結編が発行されました.生前,石ノ森章太郎が小野寺丈氏に語った今後の展開の構想を元に,完結させたという話.ファンにとって,作家の死去によって宙ぶらりんになる作品ほど切ない物はありません.そういう意味では,一応の完結を見たことは非常に嬉しく思います.

で,この小説ですが,今年発行された3冊は全て在庫切れになっていましたが,最近増刷がかかって供給が安定して来たようです.完結編の1冊目は『サイボーグ009 完結編  2012 009 conclusion GOD'S WAR I first』です.ファンなら読むべき.

そして今年上映された『009RE:CYBORG』は,オリジナルストーリーのフル3Dアニメ映画として作られています.作品の内容だけでなく,技術的にも大いに評価されるべき作品と言えるでしょう.そして監督は攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX精霊の守り人東のエデン等を手がけた神山健治

『これはもうハズレ要素皆無!!』と,いうことで,仕事帰りに何とかレイトショーに間に合う時間だったので,ヘロヘロになりながらも劇場に滑り込んで観ました.ただ残念ながら3Dの上映には間に合わず,2Dで観ました.残念無念.上映劇場までの距離が結構あるのが悩ましいのですが,3D版を改めて観に行こうかなぁと真面目に悩み中.2Dを見終わった後,『これ,3Dで観たらムチャクチャ凄かったんじゃ…』と,思ったし.

ネタバレ無しでこの作品の魅力を余すこと無く伝えるのは難しい所だけど,以下の2つの予告編を観れば,その完成度の高さが分かることでしょう.

予告その1.

予告その2.

映画の公式はこちら

絵が3D CG特有の不自然なポリゴンじゃないし,動きもスムーズ&自然で凄い.ストーリーに若干無茶があるけど,展開その物はテンポが良く,『次どうなるんだ-』と,グイグイ引き込まれる.そしてエンディング.嗚呼,続編出来ないかなぁ.

そして音楽がまた良い.映画音楽を多数手がけている川井憲次の手による物です.サントラも激しくプッシュしておきます.

***

次は『007 スカイフォール』について.

元々007シリーズは娯楽作品として素晴らしく,特に息をつかせぬアクションシーンの連続,少年の心を射貫く秘密兵器の数々,そしてボンドガールの色気といった具合に,面白要素が盛り沢山です.なので,映画館に行って着席し,目を開いれば,何も考えなくても2時間程のジェットコースターに乗ることが出来るわけです.

が,今回の『スカイフォール』は特別です.『007シリーズ50周年』ということで,記念作品として制作されています.私は極力前情報を入れず,『今までの路線を踏襲したハリウッドらしい娯楽作品なんだろうなぁ~』と想像しつつ劇場にバイクを飛ばして観に行ったわけですが,良い方向に裏切られました.この作品は特別でした.重厚さが全然違った.私のストライクゾーンド真ん中でした.

007シリーズの殆どの作品は,『100%悪な悪人がいて,任務の上でボンドが絡むことになり,ピンチの後にチャンス有りであの手この手でシバキ倒し,最後にボンドガールと裏山よろしくやる』ってワンパターンな流れでした.あ,ワンパターンって言葉の印象が良くないかもしれませんが,悪い意味ではありません.『王道のフォーマット』と言い換えても良いかもしれません.水戸黄門や吉本新喜劇みたいな…あ,こう書くと何だか褒めになってない気がする….

でも今回の作品は違います.ぼ~っと観ているだけでも確かに面白いのですが,色々と考え始めると重いです.007シリーズにしては珍しく,メッセージ性があります.多分,私より少し上の世代であれば,敏感にその辺りを察知し,自らの姿に重ね合わせて考え込むかもしれません.

ネタバレにならない程度に書くと,世代交代って所でしょうか.『老兵は死なず.ただ消え去るのみ』みたいな.劇中のボンドも確実に歳をとっている.そして…いや,この先は映画を観てから判断して下さい.シリーズ中の1作品という感じでは無く,マイルストーン,もしくはターニングポイントと言える作品だと私は感じました.

その他今回の作品で感じたのは,テクノロジーの描写が比較的マトモと言いますか,地に足が着いたものになっていること.従来は,ご都合主義な魔法的な物になっていることもあり,『それどんな仕組み?』とか,『あり得ないでしょ』的な突っ込みを入れたくなる(そして興醒めする)ことが多かったのですが,それが今回は少なかった.Googleも協力してるみたいなので,色々とアドバイスをもらってたのかな.『それ,やり過ぎ』みたいな(笑)

ただ,ボンドの愛銃のPPKのカスタムに,LEDが着いたのはちょっと頂けなかった.暗闇で戦闘に突入しようとした際に,発光してこっちの位置を教えるような兵器があるのかと小一時間.自分にだけステータスが分かれば良いのに,敵に教えてやる必要があるのかとと更に小一時間.あ,もしかしたら,Qがデバッグ用のLEDを外し忘れてたのかもしれない.

例えフィクションであったとしても,『あるかも/出来るかも』と一部思わせることが全体的なリアリティを出すためには必要ですね.詐欺をする際には,中途半端にリアルな情報を入れると逆にウソっぽくなって失敗するって話も聞いたことがあるけど.

で,予告編1.

そして予告2.

公式はこちら

007ファンなら映画館で観るべき映画です.マストです.『DVD/BDが出てから家で観るか~』なんて思ってはいけません.後悔します.

本編には関係ない話ですが,最近の映画はスタッフロール後に仕掛けがあることが多く,劇場内が明るくなるまで席を立てません.が,007はそんなことは無いので安心して下さい.ただ,少し時間があるのであれば,謝辞の所に『軍艦島』と漢字で入っているので,それを見てから席を立っても良いんじゃ無いかな.

***

ちょっと余談だけど,エンジニアなら観とけって映画に,WAR GAMESがあります.これも007と同じくMGMですな.内容的には『パソ通(TSS)的なダイアルアップの世界+冷戦+AI+SF』という感じなのだけど,特に今エンジニアをしている80年代を知る世代の人にとっては,感涙な作品だと思う.

これの続編に,WarGames:The Dead Code(リンク先は英wikipedia)という作品があります.残念ながら劇場公開されておらず,欧米ではオリジナルビデオとして販売されているけれど,日本では扱い無し.昔,WOWOWやスカパーで放送されたことがあったくらいかな…という程度の扱いの作品です.

全般的にB級作品感が漂っていて,変な所で考証が凝りまくっているくせに別の所で設定がメタメタな所など,技術畑に居る一部の映画マニア(そう,私のような人のことですヨ!!)に受けそうな作品です.

この中で,ハニーポットに引っかかってテロリスト認定を受けた主人公と,巻き込まれて同行することになったガールフレンドが政府の手から逃げ回るんですが,最近はどんな物もネットに繋がっていたりするし,防犯目的のカメラや個人追跡を可能にする様々な仕組みがあったりするので,色々と厄介なことになります.例えばRFIDベースのカード(PASMOみたいなもの)で交通機関を利用したり,携帯電話を持って歩くだけでも,かなりの精度での日常行動の監視や,その気になったときはトレーサビリティが期待できるんじゃ無いかと.これとエシュロンと組み合わせれば,大抵の諜報活動はPCの前に座っていれば出来るってのもあながちウソじゃ無いよなと思ってみたり.

でも,湾岸戦争勃発を米国が予め察知できなかった影には,CIAがネットワーク主体での諜報活動に注力しており,現地エージェントを使っての泥臭い部分を軽視していたためって話もあります.映画の中で,Qとボンドのやり取りがあるのですが,やっぱボンドのような人間が不要になることは未来永劫無さそうですな.

#日本も情報戦の分野ではもっとしっかりしないとイカンのじゃないかと思う今日この頃.

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