極小サイズのyPadのような雰囲気.デザインだけで無く実用的:『Brownie 半年手帳』
本Blogにおいてですが,ここ2ヶ月ほど,yPad関連のエントリー(オリジナル,Half)ヘのアクセスが急増しています.年末が近くなると手帳関係のエントリへのアクセスが増加するのですが,yPadに関しては毎年半端無いアクセスがあります.
# その一方で,無印の『ほぼほぼ日手帳』は残念なことになりました….楽しみにしてたのに.
yPadが示してくれた,アナログデバイスを使用したタスク管理のアプローチは,今年も風化すること無く,多くの人々を魅了し続けているようです.今年の新製品としては,yPad3やyPad half Sが発売になっています.これらは単なる日付を1年分スライドさせたという感じではなく,装丁等が使い易いように進化・改良が加えられています.
私はと言うと,yPadの方法論は導入したものの,yPadそのものの使用は停止中.サイズがネックになり,あまり持ち歩かなくなったからです.
手帳・ノートのようなアナログデバイスは,面積と情報量が比例関係にあります.そのため,単純に持ち運びしやすいように小型化したのでは,yPadの良さをスポイルしてしまう危険性が高い.yPadおよびhalfのアドバンテージは,『あのサイズ,あの縦横比』にあると思います.
年中パラレルワークでパンパンな状態であれば,おそらくオリジナルサイズのyPadのお世話になる必要があるでしょう.しかし,ある程度コントロール出来ている状態であれば,yPad halfでも少し大袈裟に感じる人が多いでしょう.
そんな状況で,『こんなの欲しいなぁ』と思っていたのが,yPad的アプローチの小さな手帳.そんな都合の良い物は無いと思っていたのだけど,ありました.それが『半年手帳 』です.
メーカーのページはこちらです.2009年から出ていたようですが,知りませんでした.
たまたま今年,とある文具屋で話題になっていたので試しに買ってみた次第.そして届いて開けてみてびっくり.これは素晴らしい手帳だ.
『デザイナーが作った』とのことなので,実際にモノを見るまでは,『どうせデザインに凝っているだけで,実用面は二の次なんでしょ?』なんて思ってました.でも,良い意味で裏切られました.正直(疑って)スマンかった.
で,カバーが革のタイプもあるのですが,私が購入したのはビニール製の表紙の半年手帳 白(プレーン).
お試しで購入という感じでしたので,失敗しても被害を最小限にという考えがあったからです.プレーンが約2千円,革カバーのは5千円と言われたら,革に行くのは躊躇しますよね.
そして結果的に少し後悔しています.革カバー(茶)にしておけば良かった…カバーだけでも売って欲しいなぁ.
本体+カバーはこれ.使い方を説明した小冊子が付いてきます.
なお,後ほど説明しますが,消費根実が『半年手帳』となっていることからも分かる通り,この手帳はニ分冊です.
ぺろっと表紙をめくるとこんな感じ.良くも悪くもビニールですなぁ….
もう一枚めくると,『1/6 2013』の印刷.
リフィルは変則的なイヤープランナーから入ります.
写真を見ると分かる通り,向かって下側に2013年,上側に2014年のカレンダーが印刷されており,その間を方眼が橋渡ししています.
レイアウトから言って,手帳を縦に使うことが推奨なのは想像できるのですが,一体どのような使い方が想定されているのでしょうか.
詳しくは小冊子に載っているのですが,メーカーのページにも詳しい説明があります.こちらを御覧ください.『書き込みカレンダー』という項がそれです.日付へのマークや『この日からこの日まで』のような帯はカレンダーの中に書き,そこから方眼の部分に線を引いて,予定の内容を書くという感じ.
ここで『なるほど~』と,感心したのは,2年分並んで印刷されていること.
考えてみると,毎年同じ月には同じようなイベントが入るので,横に並んでいると何かと便利です.『来年の予定をー』といったときに,何日が何曜日/休みかサッと分かると便利.
カレンダーを1年分にすれば,その分筆記エリアを拡大することが出来ます.でも敢えてしていない点が素晴らしい.
例えばシステム手帳系の方であれば,前年実績と比較するために,前年と今年の2年分のリフィルを入れておきますよね.それと同じような感じです(私だけ?).更には,半年手帳の場合は見開きで2年分が確認出来ます.
次はマンスリープランナー.2012年12月から2013年6月までの分が入っています.
こちらは日付と曜日が上と下に印刷されており,手帳を縦・横どちらにでも使えるようになっています.また,上側には日付,曜日,六曜,月の満ち欠けが書かれています.
全体が方眼になっており,中段の背景がグレーになっていて色分けされています.また,1週間毎に太線で区切られていたり,横にした時に左端にやや多めの余白,右端にも余白があります.
月毎の集計やガントチャートを書く人であれば身に染みてよく分かっていると思うけど,このレイアウトは最強です.実に使い易い.
1冊目は上半期分という位置付けですが,2013年7月~12月も縮小されて一応書けるようになっています.こちらは『書けないこともないよ』的なオマケと言いますか,もう一冊の手帳を持ち歩いていないときに,一時的に予定を書いておく&後で転記用という感じかな.
そして最も重要なウイークリー.変則的バーチカルなレイアウトです.2012/11/26~6/30まであるのですが,ここも縦・横どちらでも使えるようになっています.横にして使った時の時間軸は,8時から20時まで.しかし,印刷されている数字はあまり気にせず使うのが吉.縦にしたときは1日あたり6行の方眼になります.
このページでは,真ん中のグレーの帯がとても良いアクセントに感じます.
縦にしたときに,左,中央,右という3つのカテゴリに分けて使うことが出来ます.また,帯に意味を持たせずにフラットに使用したとしても,濃度がそれ濃くないので,目障りに感じません.
そしてノートとして使える方眼ページが続きます.
ここで下半期用の2冊目にバトンタッチ.
横から見るとこんな感じで,サイズ的には無印の文庫本ノート(薄型)をと同じ感じです.
2冊目もカレンダーから始まります.1冊目と同様に,2013年と2014年の2年分が印刷されています.
マンスリーは2013年6月から12月まで.
『おまけマンスリー』は2014年1月から6月まで.
ウイークリーは2013/6/27から2014/1/5まで.
この後方眼ノートが続き,巻末にパーソナルデータ
ちなみに白(プレーン)のセットの場合,カバーの外側のスリットにも物を挟めます.革カバーと比べ,これが殆ど唯一のアドバンテージかな.
で,改めて書きますが,この手帳の素晴らしい点の1つは,このように横にして使うだけでなく,
このように縦にして使うことも想定されたデザイン・内容になっていることです.
横にしてガントチャート,縦にして集計のような使い方がしやすいということです.実に素晴らしい.
そしてもう一つの良い点は,小型なこと.
2分冊になっているために使いにくい部分もありますが,その代わり薄くなります.そのため,下の写真のように無印の革カバーの外側ポケットにすっぽり.
***
まとめです.
yPadでは,複数かつ多数がパラレルで進行するプロジェクトの各項目を,いかに一覧性を維持したままで日付情報や他のタスクの進捗とリンクして管理するかとうことに関し,目から鱗な素晴らしい方法で解決を図っていました.ある意味,『至極尤も』な方法に落ち着いているだけのようにも見えますが,最初にそこに気付いて実践するのが凄いんです.これは『超整理法』にも言えること.
しかし,yPadにも弱点はあります.それは携帯性.前述の通り,アナログデバイスでは必要な情報量に応じた筆記面積が必要です.yPadが解決しようとしているタスクは,感覚的な管理では捌き切れない程の量ですので,自ずと筆記面積が大きくなります.
この問題を『ベター』な方法で解決したのがyPad half.筆記面積をある程度犠牲にし,小型化しています.しかし,手帳サイズとは行きません.例えるならば,iPadとiPad miniの関係.しかし多くの人が携帯しやすいサイズは,iPhone…もとい,手帳サイズなんですよね.
『半年手帳』のデザイナーがyPadを意識していたとは思わないのですが,結果的に同じ方法論と言いますか,魂は同じです.なので,yPadを見て『おお,これは凄い』と思われた方であれば,『半年手帳』にも感動すると思います.
特に,yPadを使っていて,『筆記エリアが多少狭くなっても,小さくて可搬性が高い物が欲しい』という人には打って付けの手帳です.
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