持ち歩きカメラとして使うミラーレス:NEX-C3
コンデジとしては未だに名機と言えるPowerShot S90ですが,デジタル一眼を使うようになってからは『画質がちょっと…』と,いう感じになって来ました.確かに『記録用』としては十分な画質だし,暗い所にも強いし,何よりも携帯性が抜群.常に持ち歩き,必要なときにサッと出してカシャッと撮れるというのはとても大きなメリット.しかし,一度良い物に目が慣れてしまうと…贅沢に慣れてはいかんですな.
とは言え,気合いを入れて撮るときはデジイチを持ち出すものの,その他のときは(特に必要が無くても持ち歩いている)コンデジという棲み分けが出来ていました.
そんなある日,とある超大規模な学会のポスターセッションで,デジカメをぶら下げて持ち歩いている人を大量に目撃.ちょっと前までは『コンデジを片手に…』という人が多かった覚えがあるのですが,その様相はガラリと変わってきたようです.そしてぶら下げているカメラはと言うと,ミラーレスが圧倒的に大多数.
EOS KissX5を購入する際に,ミラーレスにするか最後まで迷っていたのですが,決定的だったのはそのサイズ.ボディが小型軽量のミラーレストは言え,マトモなズームレンズを付けたら結局デジイチとあまり変わらない容積になってしまいます.大きさがあまり変わらないのであれば,様々な制限のあるミラーレスよりも…と,いうことで,そのときはデジイチを選択しました.
しかし,会場では多くの人がパンケーキレンズを付けていて小型軽量.そして実に使いこなしている感が.
と,いうことで,諸々触発されてミラーレスを導入することを検討開始.とは言え,私のデジカメ構成の中では中途半端な位置付けになる可能性もあるため,とりあえずヤフオクで安く購入しようと考えました.
そして実際に落札したのはSONYのNEX-C3D
(ホワイト).中古とは言え,購入後半年程の美品&使用感も殆ど無し.そして落札額も相場よりも安く,約3万円程で購入できました.実に良い買い物でした.
尤も,最近は後継機種が出た関係で新品でも4万を切っており,新品で購入してもお買得価格になって来ましたが.
機種選定に際しては,Panasonic製のマイクロフォーサーズも検討したのですが,小型かつレンズのバリエーションという意味では非常に大きな魅力を感じたものの,やはりCCDのサイズは大きい方が良いだろうということでNEXを選択.NEXはAPS-Cですので,EOS KissX5と(ほぼ)同じ.
そしてNEXは3系,5系,7系とあるのですが,3系を選択.5系が機能と価格のバランスで言うと一番美味しいのですが,とりあえずのお試し感覚での購入ということで,エントリークラスの3系をチョイス.これだけ安く入手出来たので,もっと本格的に使用/上の物が必要になった場合はボディだけ買い増ししても良いし.
このカメラ,既にレビューが溢れていますので解説は簡単に.
まずは本体とレンズ,フラッシュ.
ダブルレンズキットには,16mmF2.8のパンケーキレンズと,18-55mmF3.5-5.6のズームレンズが付いてきます.花形フードは1つのみ.
そして大きさはこんな感じ.ボディはとても薄いけれど,ズームレンズを付けるとゴツくなります.
横幅はこんな感じ.
背面の殆どを液晶が占めており,操作系は全て右側に集約されています.
なお,NEX-5N
やNEX-7
,そして後継機種のNEX-F3
は液晶がタッチパネルですが,C3はタッチパネルではありません.操作性が全然変わってくるので,タッチパネルの方がベター.おまけにNEXに搭載されているコントロールホイールは,隙間にゴミが入ってしまうと,4方向の何れかを押してるのにセンターボタン押下のような誤動作をします.
エアコンプレッサー等でホイールに挟まっている異物を吸い込み/吹き飛ばせれば良いのですが,上手く取れないときは,サービスステーション行きです.
当然と言えば当然ですが,ミラーレスの名前の由来通り,センサの前にミラーがありません.レンズの後ろが即,センサです.
上部はこのようになっており,
フラッシュは外付け.まぁ私はフラッシュを使うことが(ほぼ完全に)無いので,これはそのまま押入れに直行.
C3を選ぶメリットは,その安さとボディーの小型軽量さ.この薄さを御覧ください.薄いからと言って,掴みにくい程ではありません.
液晶は上下にチルト出来るので,撮影ポジションも自由自在です.
EOSのバリアングル液晶は一度左サイドに出さないと回転できないので,撮影時に横に飛び出して不便なときがあります.しかしNEXの方式は,そのような問題が無いので使い易い.
下側はこのような感じ.向かって左側のハンドグリップ部分はバッテリを収める部分.
そして中央部分にメディアスロットがあります.記録メディアとしてSDメモリが使えるのもメリット.SONY製だからと言って,メモリスティック系しか使えないってわけでないのが良い感じ.
パンケーキレンズを付けるとこんな感じ.
レンズの鏡胴の経が結構あるのに,肝心のレンズが小さい点が『うーん』という感じ.あまり重くなるとレンズヘビーになって使いにくくなるのは分かるのですが,画質的にはちょっと残念.
花形フードを付けるとこんな感じ.パンケーキレンズには少々大げさな感じで,サイズ的にバランスが悪いです.
そしてズームレンズを付けるとこんな感じ.途端にデカくなり,システムの主役がボディからレンズに移る感じ.
***
では次に,当初の目的に沿うために用意した,持ち歩き用のケースについて.
純正品のケースは一式を持ち運ぶのに便利なのですが,かなり大振りです.そこで出来るだけコンパクトに持ち運ぶため,ELECOM DGB-S011BK
を購入しました.
ソフトケースなのですが,使わないときには丸めてコンパクトに収められる等の特徴があります.
マチはこんな感じ.
パンケーキレンズを取り付けた状態で,スッと収まります.
そしてファスナーを開けてマチを広げると,
ズームレンズを付けた状態でも収まるようになります.
更には,パンケーキレンズを隙間に収めたりも.
しかしこの状態で持ち運ぶのは,取り出す際にレンズを落とす危険性があるので止めた方が良いですね.基本的には,レンズを取り付けたボディを収めるのみという感じの使い方でしょうね.
ケースの裏側には,取り外したレンズキャップを収めるポケットがあります.
ミラーレスのレンズは経が小さいため,キャップも小さい.そしてこれが取り外した際に手から滑り落ちやすい他,無くしやすいので非常に神経を使います.ミラーレス用のケースなら,このようなポケットは必須でしょう.
で,このケースには収まりが良いパンケーキレンズを付けっぱにしたボディを収めるとして,問題はズームレンズをどう持ち運ぶか.私の場合はあまり持ち歩くことは無いのですが,『もしかしたら使うかも…』という時用にレンズポーチを購入.
物はエツミ E-5157
.サイズはSSです.
18-55mmのズームレンズがスッポリきっちり収まります.
デザインや機能面で考えると,圧倒的にこちらのレンズケースの方が良いのですが,コストパフォーマンスで選んでみました.
でもコストの話をすると,もっと手頃な物があります.百均ではこのようなメッシュポーチが何種類も売られていますが,
このような感じに収まりまして,
ファスナーを閉めてもこんな感じ.移動時の収納袋としては,まぁ普通に使えます.
耐衝撃性にはあまり期待できませんが,引っ掻きキズ避けとしては充分に役立ちます.
本体の他に購入したのは,互換バッテリ.純正と比べて価格が非常に安く,それでていて性能もマズマズです.
そしてキャップ.モノはエツミ E-6345です.
コストダウンのためだと思いますが,C3Dのセットにはボディキャップが入っておらず,そしてレンズ2本に対し,レンズリアキャップは1つしか入っていません.
このセットを1つ購入しておけば,ダブルレンズキットに同梱されいてるレンズとボディを,全てキャップを付けて別々に保管することが出来るようになります.
そしてやっぱりレンズプロテクター
.今回は一番安いグレードの物を購入してみましたが,別段不具合はありませんでした.コーティング剤が違うらしいので,予算が許せば倍額のPRO1
を選んでも良いかも.なお,レンズキット用は経が49mmです.
写真にはプロテクターが3つ写っていますが,残りの1つについては次回のネタ.
パンケーキレンズはこんな感じですが,
プロテクターを付けるとこんな感じになります.
そしてフロントレンズキャップとフードを逆さまに付けるとこんな感じに.
ちょっと不恰好ですね….
***
ではEOS Kissx5と大きさを比較してみましょう.
パンケーキレンズを付けた状態ですと,やはり一回りも二回りも小さく感じます.
しかしズームレンズを付けると,まぁ一応ボディは小さく感じるものの,全体的には一回り小さいかな程度の差でしか感じません.
やはり持ち歩きカメラとして使用する場合はパンケーキ,もしくは単焦点の小型レンズを付けっぱにする感じでしょうかね.ズームレンズを付けた状態で普段の持ち歩き鞄に放り込んでおくのはちょっと辛いです.(使うのであれば良いのだけど,使わなかったときはバラストとしても許容範囲を超える)
***
都合2ヶ月近く使ってみましたが,これまた『使うのが楽しくてどうしましょう』という状態です.特に散歩カメラとして使うと秀逸で,撮影して楽しく,そして帰って撮ったものを確認するとその画質にうっとりという感じ.結果,私の環境では(一部用途を除いて)コンデジを完全に駆逐しました.
特に画質面ではコンデジと雲泥の差で,デジイチに迫るものがあります.デジイチに一歩及ばないのは,主にレンズの差かな.EOSの前にNEXを購入していたら,NEXだけで満足してしまい,EOSを購入しなかったかもしれません.
しかし,両方使って初めて分かるのですが,『デジイチの代わりにはならないなぁ』と実感する部分もあります.
例えば動きの早い物の撮影.これは光学ファインダーが無いとかなり厳しい.また,AFの仕組みが異なる(コントラストAF/位相差AF)こともあって,レスポンスが少々落ちる感じ.それにタイムラグもやや大きい感じが.これは必ずしもスポーツを撮影するような特殊なシチュエーションでのみ影響が出るだけでなく,動きまわる子供のベストショットを撮るような,日常的なシチュエーションでも影響を実感します.
また,AFの精度がちょっと『?』な部分があって,たまに外れていることがあります.そしてフォーカスを合わせる位置も,『そっちちゃう』というときが結構あります.このようなときはやはりタッチパネルの必要性を痛感.
その一方で,動画撮影ではミラーレスに軍配が上がります.例えば動くものを撮影しようとした場合,デジイチでAFを使うと『ジーコロジーコロ』レンズが騒音を発します.そしてAFを使用する場合はミラーを跳ね上げる必要があり,その際には液晶のライブビューがブラックアウトする.MFで全部やる場合は問題になりませんが,ビデオカメラ的に使う場合は(これらの状況がないので)圧倒的にミラーレスの方が便利.デジイチでもEOS Kiss X6iが新機軸を打ち出し,格段の進歩を遂げていますので,次第にその差が埋まってくるかもしれませんが.
そんなわけで,長短共にありますが,コンデジからの乗換えという面では,NEX-C3Dは非常に満足度が高いです.特に持ち歩きカメラにすると,その長所を遺憾なく発揮してくれます.実に素晴らしい.
それと最後に『噂』に関して.Canon製のミラーレスは7/24発表らしいとのこと.EFマウントアダプタも同時発売という話なので,既にCanon系のレンズ資産がある人には嬉しいかも.ただ,ボディに関しては『凄い!』という噂は聞かないので,トータルとしては少々微妙な感じになってしまうかもですが.
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