溜め込んだ動画を家の中でも外でも観る(2):AirVideoを使って再生
このエントリーの続きです.
今回は,LinuxBox内に溜め込んだ動画を,実際にiPhone/iPadで視聴してみます.
ではまず,iPhoneで観てみましょう.当然ながら,予めAirVideo(iTunesリンク)をインストールしておくことをお忘れ無く.
AirVideoを起動すると,登録されているサーバが一覧表示されます.下の画面は,LAN上のサーバ2台(192.168.x.x)と,インターネット経由でアクセス可能にしたサーバ1台が登録済みの画面.
当然ながら最初は空なので,サーバを登録する必要があります.LAN内であれば普通にIPアドレスを登録すればOK.外から家の中のサーバを見る場合 は,FQDN(fully-qualified domain name)で登録する必要があります(固定IPの場合は,それを登録しても良い).
なお,前回AirVideo Serverの設定でポート番号を変更した場合,設定したのと同じポート番号にしておくのをお忘れ無く.
そしてこの画面でサーバをタップすると,接続されます.AirVideo Serverでパスワードを設定した場合,パスワードの入力が促されます.
サーバに無事に接続された場合,次はフォルダを選択する画面に遷移します.
ここで一覧表示されるのは,Air Video Serverの「Shared Folder」で設定したフォルダです.(サーバ側で)必ずしもこのフォルダの直下にコンテンツを置く必要はありませんので,公開フォルダの下に分類用のフォルダを作成し,その下にコンテンツを分類して配置するのが良いでしょう.
なお,上の画面で表示されている括弧内の数字は,当該フォルダ直下にあるフォルダとファイルの総数です.
フォルダをタップすると,選択されたフォルダの下の階層に遷移します.そしてコンテンツが格納されているフォルダの場合は,サムネイルが表示されます.
このように,サムネイル,ファイル名,コンテンツの長さ,ファイルサイズが表示されます.
これらデータはキャッシュされますが,フォルダ内に大量のコンテンツがある場合,リフレッシュに時間がかかります.コンテンツを分類してフォルダ分けし,1つのフォルダ当たりのファイル数をある程度の抑えておいた方が良いでしょう.
ここで任意のコンテンツをタップして選択すると…
このような画面になります.
ここで『Play with Live Conversion』をタップすると,サーバ側でリアルタイムでトランスコードしつつ,ストリーミング再生を開始します.
ここで『Convert』をタップすると,トランスコードのキューに登録することが出来ます.トランスコードは順次実行されます.変換後のファイルを再生すると,あまりサーバに負荷をかけずにストリーム再生することが出来ます.
私の場合,このサーバでCore 2 Duo E8400を使用していますが,リアルタイムでトランスコードを実行しても,パフォーマンス的に全く問題ありません.Atomを使用した省電力サーバのような場合は,Convertのお世話になるかもしれませんが,通常のパフォーマンスのマシンの場合,あまり使う機会が無いでしょう.
※この画面は少し古いバージョンです.新しいバージョンでは,『Add to iTunes』というメニューが追加されています.
で,再生するとこんな感じ.画質も良いし,スムーズに動きます.
上記コンテンツは,以前ひめたろーさんにお薦めされた,『バンズ・ラビリンス』です.ひめさんの書かれていた通り,かなりブラックなファンタジーでございました….
単に『先頭から再生』という感じでは無く,再生位置をズリズリっと移動することも出来ます.そして再生を中断した場合,次回再生時にレジュームすることも出来ます.ただし,スライダーでの移動時は,ちょっと/かなりモタ付きます.
AirVideoで嬉しいのは,私が常用しているmkvコンテナに対応していること.そして音声多重や字幕にも対応していること.
そのため,英語・日本 語音声を詰め込んでおき,上の画面のように切り替えて再生することが出来ます.ただし,字幕は対応していない形式があるようで,私が常用している形式は選択出来ませんでした(『text subtitles』に対応し,『vobsub subtitles』には非対応?).
再生するコンテンツの作成方法ですが,DVDからの変換は,HandBreakで音声も字幕も含めて変換してやるのが楽かな.それとPT2等で録画した物は,TMPGEncで1280x720にエンコードするようにいています.
以上で基本的な操作の説明は終わりです.
その他確認しておいた方が良い設定は,ストリーミング時の品質設定.『Global Settings』から入れます.
まず真っ先に確認&設定すべきなのは,ビットレート.『Local WiFi』,『Remote WiFi』,そして『3G』の3つのプロファイルを持て,それぞれの接続の際のビットレートを設定出来ます.
当然数値を大きくすれば綺麗になるのですが,大きくし過ぎると帯域が逼迫した際に止まるようになります.トレードオフになりますが,少し安全サイドに倒し気味が良い感じです.
例えば3Gの場合,個人的には384kbpsくらいがベストかなと思います(参考:ワンセグは最大416kbps).
最大で5120kbpsまで設定出来ますが,1~1.5Mbps程度あれば,画質的には全く問題無いレベルで視聴することが出来ます.WiFiの場合はその辺りにしておきましょう.
家で観る際には,家庭内LANの無線LAN.(有線が来ている)ホテルで観る際には,ポケットルータのWiFi経由で観ると快適です.うちの子供達は,自宅であろうと旅先のホテルであろうと,シームレスに同じように視聴できるのが当然のように思っているようです.が,その裏では,おとんがこういう環境を作ってるんだよ.白鳥は水面下で激しく足を動かしてるんだよ :-)
『iPhoneの小さい画面でチマチマ観たくない』なんて人は,こんな周辺機器(←Apple純正と異なり,コンポジット出力があるので,HDMI端子の無いTVに繋ぐときに有り難い)を使って,TVに繋いでみて下さい.AirVideoはTV出力に対応していますので,iPhone/初代iPadでも,TVに映し出すことが出来ます.
再生中,iPhone側はこのような画面になります.
この手の商品の難点は,電池を結構食うことかな.でも,液晶TVの大画面で観られるので,補って余り有り.
○iPadの場合
TVに繋ぐほどではないけど,iPadくらいのサイズで観たいと思う人も多いと思います.ハイ.当然iPadでも動きますよ.
iPadの場合は画面サイズに余裕があるため,UIもゆったりとしています.
サーバを選んで階層を掘っていくのはiPhoneのときと同じですが,画面に余裕があるため,左側に一覧,右側にプレビューという表示も出来ます.そして一番上には,掘ってきた階層がパンくずのように並びます.
設定も同じような感じです.縦横の最大サイズも設定できます.
LocalWifiを1.5Mbpsに設定してみましょう.
こんな感じで,右のプレビュー画面内で再生できます.
LAN経由なので,引っかかりも無くヌルヌル動きます.私の環境の場合,ホテルからのアクセスでも大抵1.5Mbps以上は出るので,Remote Wifiでも同じ設定で動かすことが多いです.
iPadで観るときは,やっぱ最大化.ナビゲートバー等も隠すことが出来ますので,綺麗な液晶を搭載したネットワーク・メディアプレイヤーのような感じで使うことが出来ます.
***
と,いうことで,実に快適な環境です.
1年ほど前からこの環境(それ以前は,WinマシンでAirVideo Serverを動かしていた)のですが,もう手放せません.一番評価している点は,『モバイルデバイス用に,予め別形式へトランスコードしなくて良いこと』です.『これはPC用,これはiPhone/iPad用』のように,解像度やcodecを変更してエンコードするってのは手間も時間もかかるし,格納先のディスクも無駄に取るので,やはり避けたい所です.次点は,『ネットワーク経由で全て完結すること』です.ネットワークが繋がる所でしか使えないというアキレス腱がありますが,ローカルファイルとしてコピーするよりも遙かに快適です.
AirVideoは,実に理想的な環境を私に与えてくれました.ありがとう.多分この環境は,今後何年も運用し続けると思います.
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