MASTERキートン完全版
『MASTERキートン』の粗筋を簡単に説明すると,主人公のキートン(日英のハーフ)が,オックスフォード大時代に日本人と学生結婚.一女をもうけた後で離婚し,挫折感を味わう.そして自分を鍛えようと軍に入り,SASに入隊.フォークランド紛争その他実戦で活躍後,『MASTER』と呼ばれる程のサバイバルの教官になるが除隊.
除隊後はロイズの保険調査員(探偵)をしながら,昔からの夢である考古学を志す.しかし,様々なやっかいな仕事や事件に巻き込まれ…というストーリー.
『ヒーローが絶大な強さを発揮して,様々な強敵に打ち勝って活躍する』ってのとは違い,主人公は飄々とした実に頼りなさそうな感じ.マッチョで逞しい『軍人さん』って感じでは無く,どっちかと言うと,青瓢箪.でも,SASにいた頃の知識や経験を生かし,強く,しぶとく,様々な悩みや葛藤を抱えながら困難を乗り越えていく.最初から成功を約束されているわけでは無さそうな人が活躍する.そんな面白さがあるんです.
そして各話の話の展開がまた実に良く練られていて,『ドンパチやって…』って単純な話は皆無.全体を通してユーモアにもあふれているけど,シンミリとした感じになる話もある.そして読み始めると先が気になって,最後まで一気に読んでしまう.(裏の事情があり,前半と後半とではトーンが変わっているのが悲しく感じるけどね…)
そんな名作が何故絶版になっていたかと言うと,こんな事情.
名作が大人の事情で闇に葬られそうになっていたっていう事態は,実に悲しいことです.そしてこの問題をはね除け,復活した名作にエールを送りたい.
と,言うことで,既に12巻までAmazonで予約出来るようになっていたので,一気に行きました.
最終刊の12巻は2012年の7月に発売予定.鬼に笑われそうだ.
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