Gladinet Cloud Desktopを使用して,クラウドのストレージサービスを便利に使う
今回のエントリーは,サービスそのものではなく,サービスを便利に利用するためのソフトの話.
複数のオンラインストレージサービスを利用していたり,自分/会社が管理しているような,汎用のサービス(例:WebDAV等)を利用している人向けの話です.ただし今回は,Windows向けの話.Mac向けの話はまた次回以降にでも.
用意するのは,Gladinet Cloud Desktopというソフト.ココからダウンロード出来,無料で利用出来ます.ソフトの詳しい説明はこちら.
では,行ってみましょう.
このソフトを使用すると,オンラインストレージサービスを,ネットワークドライブのように使用することが出来ます.
以下の画面を見てもらうと分かる通り,マイコンピュータ以下に『My Gladinet Drive』というドライブが出来ています.私の環境では,Sドライブにアタッチされました.
利用するサービスの設定を行う事により,登録したサービスがフォルダとして見えるようになります.
対応しているサービスは,
- Amazon S3
- AT&T Synaptic Storage
- Box.net
- Caringo CAStor
- Dunkel Storage
- EMC Atmos Online/Storage
- EMCCIS Atmos
- FTP
- Google Docs/Picasa, etc
- Mezeo Personal Cloud
- Nirvanix Storage
- OpenStack Storage
- Peer1 CloudOne
- Rackspace Cloud Files
- ServerExpress Storage
- WebDav
- Windows Azure
- Windows Live SkyDrive
等.『これでもか!』というくらいに,様々なサービスに対応しています.
大抵の人はGoogle系とWindows Live SkyDrive,リッチメン/仕事人はAmazon S3,自分で色々とやる人はWebDAVやftpも利用するかな.
ちなみに殆どの機能は無料のStarter Editionでも利用出来ますが,Professional Editionを購入することを強くお薦めします.家庭向けのライセンスで$39.99,商用は$59.99です(ちなみに家庭向けの場合,複数台にインストール可能なライセンスになります).
Pro版にすると,機能制限が解除されます.
一度に転送するファイル数の制限(無料版は1000まで)が解除されるのが,特に有り難いかな.安定運用後にこの制限を超えることは殆ど無いと思いますが,クラウドへデータを移行する最初の頃は,ちょくちょく引っかかることがあるでしょう.
また,良いソフトには気前良くお金を払い,開発費に宛ててもらってより良い物を作ってもらいましょう.
参考ページ: 各ソフト/エディションの機能比較
Gladinet Cloud Desktopは,ローカルの任意のフォルダをクラウド上のデータと同期するソフトではありません.NASをマウントし,ファイルを利用する都度DL/UPを行うというイメージです(ただし,ローカルディスク上のキャッシュに収まっている間は,キャッシュとのやり取りになります).
つまり,ローカルディスク上で,キャッシュの最大容量(変更可)以上の容量は食わないということになります.その一方で,ネットワークが遅いと,使い勝手が極めて悪くなります. まぁこれを言っても仕方が無いですけど.
ちなみに私はと言うと,今の所Google Docs,Google Picasa, Windows Live SkyDrive(無料で25GB)を(このソフトから)利用出来るようにしています. Googleのサービスはこちらで書いたように,200GBを約5千円/年で契約し,容量を追加しています.
実際の使い方は至って簡単です.前述のように登録したサービスに対応したフォルダが作成されますので,後はローカルディスクと同様に操作出来ます.
例えばここにファイルをコピーすると,バックグラウンドでアップロードが始まります.進捗は以下のようなダイアログが表示されますので,そこで確認することが出来ます.
ここでは同時に5ファイルをアップロードしていますが,これは設定によって変更することが出来ます.
帯域を絞ることも出来ますので,利用環境に合わせて設定しましょう.
同時に複数のタスクをバックグラウンドで走らせることも出来ます.クラウドへのコピー中に,更に別のファイル群をコピーした場合は,2つのタスクが同時に走ることになります.タスクの進行状況等は,Gladinet Manager ConsoleのTaskManager->Dashboardで見ることが出来ます.
ファイルのアップロード中,アップロード完了等のステータスは,各ファイルのアイコンでも確認することが出来ます.
雲のマークが付いているファイルは,クラウド上にのみ存在している(ローカルにキャッシュされていないという意味も含む)ことを意味しています.矢印の付いているファイルは,現在アップ中のファイルです.
大量のデータを一気にアップしてみたり等試してみたのですが,安定して使えています.普通のドライブとして見える事も相まって,とても便利です.
その他使用してみて気が付いたことを列挙すると,
- 倉庫代わりとして使う場合はとても便利
- 使用頻度の高いファイルを複数台で共有する用途には不向き.この手の用途はDropboxやSugarSyncに任せ,併用した方が良い
- Google Picasaの連携は不安定.消したはずのファイルが消えていなかったりした.Webアルバム表示は出来ないけど,倉庫にバックアップする感覚であれば,Google Docsを使うべし.こちらは安定して使えている
- ftpのフロントエンドとしても便利に使える.しかし,NW速度やftpサーバからのレスポンスが遅いと,explorerが重くなってストレスが溜まる.LAN上のサーバは別として,オマケ的機能と考えた方が良いかも.
辺りかな.
とにかく便利すぎて涙が出るソフトです.PC magazineでThe best free software of 2010を受賞したのも伊達では無いです.
***
以下,このソフトを使用して,Google系のサービスを使用する人向けの情報.
Google Docsへのコピーは凄まじく速いです.アップで40Mbps近く安定して出ました.ダウンは数Mbpsくらいしか出なかったけど.
以下は,コピー中の状況をモニタした結果.このペースで無頓着にアップし続けると,転送量が凄まじいことになり,プロバイダから帯域を絞られるかもしれないので要注意です.
Google docsの機能として,例えばexcelのファイルはGoogle docsの形式に変換する機能があります.倉庫代わりに使用する場合,この機能は不要…と,言いますか,勝手に変換されると困るので,設定で落としておきましょう.
最後に,Googleのストレージ上に保存しているファイルの総容量の見方について.
普通にGoogleアカウント設定ページで見ただけでは,GmailとPicasaの使用量しか見ることが出来ません.つまり,Google Docsでの使用量はカウントされていません.
Google Docsも使用している場合,Googleドキュメントの設定画面で確認しましょう.
意外な落とし穴ですので,気を付けて下さい.
昔はアカウントのページで総容量が見られたような気がするのだけど,仕様が変わったのかなぁ…
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