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2010年11月28日 (日)

実に素晴らしいスケジュール&ジョブ管理方法 --- yPad

昨日はLIFEHACK PLANNER手帳についてポストしましたが,その中で,私が常々考えている,スケジュール&タスク管理の難しさ(ややこしさ)と,手帳を用いた管理の限界について少し触れました.

これを前振りと捉えた方は結構鋭い.今回紹介する『yPad』は,私が抱いている問題の解決法に関し,実に有効な示唆を与えてくれました.

ネーミングがアレなため,ネタ系/冗談系の製品に思われるかもしれません.しかしこのノート,スケジュール/プロジェクト管理の方法論に対し,とんでもなく素晴らしい含蓄深い物であります.

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表紙の殆どを帯が覆い隠しています.実にインパクトがあるレイアウト,デザイン,内容.思わず手に取ってしまう.『パッと開けばバーッとわかる。』というコピーがまた素晴らしい.

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帯裏面も,これまた思わず読んでしまう内容.そして『お?この絵,どこかで見たような…』と,思われた方が多いと思います.そう,『大人たばこ養成講座』等で有名な,寄藤文平氏がこの『yPad』の著者であります.

Ypad002

帯を外すと実にシンプルな表紙.無印のノートか,Moleskineのカイエを連想させます.

Ypad003

左上にさり気無く『yPad』の印刷.

Ypad004

帯の折り込みを読むと,著者の経歴の他,このyPad誕生の経緯がかかれています.

この経緯が『ナルホド』と唸らされるのですが,超絶的に多忙な氏のタスク管理を行うために生み出された方法論であり,10年の長きに渡ってチューニングされ続けてきた物だとのこと.このような実戦で鍛えられた方法論は,実に強い物が多いです.

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表紙をペラッとめくると黒い用紙に『yPad』がシルバーで印刷されています.

Ypad007

さらに2011年~2014年までの4年分のカレンダー.

普通は『白地に黒,土曜は青で日曜祝日は赤で印刷…』と,なりそうな物ですが,このような捻りの効いたデザインにしている辺り,氏のコダワリを感じます.神は細部に宿る.

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そして次に使い方の説明書.

Ypad010

合計5Pでまとめられていますが,上記写真で示した次の2Pが実に深い.yPadの具体的な使い方について分かりやすく,かつ,詳しく解説してあります.後述しますが,この方法論は目からウロコでした.ここで解説されているワークフローのチャート化等に関しては,本エントリーでは触れません.詳しく知りたい方は,実際に購入して読んでみてください.

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そしてここからがyPadの本体.

Ypad014

見開き2Pでスケジュール管理とジョブ管理の1セット.

Ypad017

左のページには,縦に日にち,横に時間という形でスケジュールが書けるようになっています.タイムラインは6時から24時まで.12時間制で数字が振られているのは,実は昼夜逆転している人でも使えるようにしているからかも…これは勘ぐり過ぎか(笑)

少し工夫が施してあるものの,デザイン的にはレフト型を拡張したような感じです.

Ypad018

ジョブのページは,縦に日にち,横にはジョブを21個並べられるようになっています.ここで『目からウロコ』に感じた点は,ガントチャートの時間軸を縦にして書くという点と,スケジュールページと見開きにまとめている点.それとエントリーでは触れませんが,ワークフローのチャート化も意識されていること.

このような体裁にすることにより,右のページで2week分のタスク管理の流れをまとめ,そして左のページで各日の具体的なスケジュールを時間軸に落とし込んで行くことが容易にできる.その結果,複数並行してこなさなければならないジョブを抱えている場合でも,全ての流れを俯瞰しつつ諸々管理出来るようになる.実に素晴らしい.

スケジュールからジョブに逆流させることも可能なので,トップダウンでの管理だけでなく,(本来はイレギュラーと言えるけど)ボトムアップでの予定変更も,容易に行うことが出来る.

ちなみに見開きで2週間分のスケジュールとジョブを管理できるようになっています.この2週間というのが実に微妙に良い点を突いている気がします.1週間だとジョブの管理単位として短いであろうし,1ヶ月だとこのサイズに収めるのは厳しい他,紙媒体でアナログで管理している場合は,計画変更があった際に柔軟に対応できない(要は書き直しが大変ということ)でしょう.

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スケジュール管理とジョブ管理ページの次のページは,ノートページが2P付きます.つまり,上記のスケージュル管理,ジョブ管理,ノート2Pの合計4Pで1セットの単位.

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ノートページは方眼です.罫線は薄い黄色で,見ているとクリエイティブな感性が刺激・覚醒されるような気になって来ます.

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これら4P分で1セットですが,ジョブページの右下に,『NoX yPad』という印刷があります.Xの部分にセット数が書かれており,ページ数のような役割を果たします.

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本文の後,4Pに渡ってデザイン系で役立ちそうな情報が載っています.書体見分け表,紙寸法表,角丸見本,線幅見本,円のサイズ見本,定規,書体名称表,ファイブライン等.

これらのページは,正直言って,私には役に立ちそうもありません.『へぇ~』という感じで眺めています.

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裏には『BUNPEI GINZA』の印刷.

ちなみにサイズは,iPadと同じです.

*****

と,このような内容になっているのですが,注目すべき点は,前述の『目からウロコ』と描いた点.そして『日付』を書く欄が空欄になっていること.

後者に関して説明を加えると,予め日付が印刷されていた場合,その日しか使えなくなってしまいます.

このことは,お仕着せの手帳を使っている場合は当たり前に感じるかもしれません.しかし,考えてみてください.1日分として振られている欄を埋め尽くす程に様々なタスクがあった場合,どのように管理しますか?例えば『4/10』としてアサインされているのは,そのページのその部分だけです.ノートページにはみ出すのは良いけれど,折角定形のフォーマットにしているのに,一度崩れてしまったら管理上大変なことになりませんか?過去に,『○/○の追加情報はこのページで,△/△日の追加情報はこのノートページ』のような形になり,滅茶苦茶なことになったことはありませんか?

日付をあえて入れていない点が,yPadを柔軟に使えるようにしている1つのポイントであると私は考えています.例えば21個以上のジョブを抱えていた場合,前述の4Pを1セットとする塊を2セット使い,同じ2weeksを管理すれば良いのです.この他にも,実際に運用し始めた後で溢れてしまった場合,『NoX yPadも参照』と書き,そちらのセットで同じ期間を並行して管理すれば良いのです.

セットが別れると一覧性が損なわれ,俯瞰できなくなります.しかし,定形フォーマットが崩れることはありません.

…著者/出版社の本音としては,刷った分が2010/2011年中に売り切れ無くても,カレンダーは4年分印刷しているし,本文の方は日付を印刷してないから2014年までの4年間で売り切れば良いや…という考えもあるのかもしれませんが(笑)

まぁそれはそれとして,アナログ管理の場合は,デジタル管理のように動的に情報の挿入や入れ替えが出来ないという制限があります.その点を実用上問題ない程度に克服するためのソリューションとしては,とても有用な方法だと思います.(この他のソリューションとして考えられるのは,バインダータイプにすること)

それともう一つ,『おっ,これは…』と,唸らされた点は,管理単位を2weeksにしている点.仕事の内容により,この最適な単位は異なると思います.しかし,感覚的には,私の職種でも2weeksが丁度良いと思う.

大抵の手帳は1週間単位ですが,ガントチャートと連動させる場合,もっと長い方が都合が良いでしょう.2weeks~1monthくらいの単位で区切るのが良いかなと思います.まぁ携帯性を考えると,この製品以上のサイズは厳しいかなという気もしないではないですな.1monthくらいになると,やはりA3くらい必要なことが多いですし,こうなると蛇腹式にでもしないと厳しいと思います.

***

と,いうことで,yPadは実にインスピレーションを掻き立てる製品です.そして氏の経験に裏打ちされた様々な工夫も数多く散りばめられています.実に実用的なツールに仕上がっています.

もし,そのネーミングから『ネタ系ツールでしょ?』なんて思っている人が居たら,是非手にとってみてください.そして騙されたと思ってしばらく使ってみてください.きっと新鮮な驚きと充実感が得られると思います.

と,褒めてばかりも難なので,最後にyPadが不得意としそうな点を1つだけ挙げてみます.

LIFEHACK PLANNERをはじめ,多くの手帳では,『年間計画→月間計画→週計画』という形にトップダウンで詳細化が行えるようになっています.しかし,yPadでは,年間計画や月間計画という概念はありません.そのため,長い巻物を2週間という窓で覗いて見る形になってしまうため,半年や1年,はたまたもっと長いスパンの仕事を管理しようとした場合,全体の流れや状況を俯瞰しにくくなります.

この問題を解決する一つの方法は,2week分の1セット分のページを年間計画用に流用することです.

見開きで14日分書けるようになっていますので,1ヶ月分を1日として記入し,さらにスケジュールページの方に対しては,1日分を30分の欄に収めて記入すれば,年間計画も見開き2Pで管理することが可能になります.

ここでも,日付を印刷していないメリットを活かすことが出来ますね.考えれば考えるほど,実に柔軟に活用できるフォーマットです.ほんと,素晴らしいの一言に尽きます.

関連ポスト:サイズが半分になって機動力が向上したyPad:yPad half

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