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2010年10月 3日 (日)

Polaroid PoGo を使う(2) -印刷品質やラベルシールとの比較

P235

このエントリーの続きです.

今回は,ポラロイドPoGoの使用フィルムによる品質の差,ラベルシートとの比較等の話題を中心にまとめました.

『ほぼ日手帳』ではお馴染みですが,写真の手帳への貼り込みは,実に手軽に内容の充実度を高めてくれます.右の写真はMoleskineに貼り込んだ例ですが,特に旅行記や食べた物記録等を作る際に役立つ手法でしょう.

詳しくは本文にて.画像が多いので注意.

『ZINKフォトペーパー』を使用した製品全般に言えることですが,『出力結果が今ひとつ』という話をよく聞きます.また,Amazonのレビューでも,かなり辛辣なレビューが書かれています.このような話を聞き/読み,PoGoの導入を躊躇されている方が結構いるのではないかと思うのですが,実際の所はどうなのでしょうか.

その一方で,使用するフォトペーパーによって印刷の品質が変わり,良好な品質のフォトペーパーがあるという話も聞きます.

まずはこの辺りを検証してみましょう.

用意したのは,ポラロイドの純正フォトペーパー,そしてタカラトミー xiao用のフォトペーパーの2種類です.Amazonのリンクで示すと,『Polaroid 純正 10枚*3セット入り(AZJ-03011B)』『タカラトミー XIAO用フォトペーパー10枚*3セット入り』です.Amazonでの価格はそれぞれ1100円 と1260円であり,ポラロイド純正の方が若干安価です.

本当は『DELL Wasabi用のフォトペーパー』も入手したかったのですが,今回はパス.ちなみにWasabi用は変則的な構成になっており,12枚*4セット入りです.1セット内に12枚入っており,通常より2枚多い.そして値段は1740円.

1枚辺りの価格は,ポラロイド/タカラトミー/DELLで,それぞれ37円/42円/36円.タカラトミーが頭一つ飛び抜けて高価です.

***

さて,ここからが本題ですが,今回購入した,ポラロイド純正タカラトミーXiao用のパッケージは下の写真のようになっています.ポラロイドは紙ケース,タカラトミーはビニールの袋入り.

P21

ポラロイドの方は,『サミット・グローバル・ジャパン株式会社』になっています.

P22

説明書きは一応一度は読んでおきましょう.

P23

つい先日購入したのですが,有効期限は2011年7月でした.概ね製造から1年という感じでしょうか.

感覚的には,かなり短いですな.まとめ買いは厳しいかもしれません.鮮度の良い物を購入するためには,商品の回転の速い店舗か,Amazonのような大手の通販を利用する方が安心出来るかもしれません.

P24

中には下の写真のように包装された,10枚1セットのフォトペーパーが3組入っています.注意書きはアイコンでも表記されていますが,

  • 10枚使い切ってから補充すること
  • 温度5度~32度,湿度20%~85%の場所で使用すること
  • 直射日光や炎天下の車内には置かないこと
  • 指紋を付けないこと
  • 曲げないこと.

の5つ.1つ目の注意は何のために書かれているのだろう.私はあまり守っていません.

P28

表面はこのような感じ.PoGoへの用紙のセットの仕方が書いてあります.裏面は日本仕様,表面はワールドワイド仕様です.

P29

次はタカラトミーのxiao 用ZINKフォトペーパー.

P25

説明書きはポラロイドと異なります.また,有効期限は裏面に書かれています.こちらも先日購入したのですが,2011年11月まで.やはり製造から約1年が有効期限のようです.3年近くあると安心なんだけどな.

P26

こちらも10枚1セットで,下の写真のような袋が3セット入っています.表面には,xaioへのセットの仕方が書いてあります.

P27

裏面には注意書き.しかし,こちらは『途中で補充するな』の注意書きは無し.

P210

中身は何れも下のような感じ.青い厚紙で出来た『ZINK Smart Sheet』が1枚,フォトペーパーが10枚入っています.フォトペーパーの裏面には『ZINK』の印刷.裏面はシールになっているため,この紙を剥がして手帳やノート等に貼ることが出来ます.

P211

ZINK Smart Sheetは,『キャリブレーションとクリーニング』のために使用されるとの説明があります.しかし,ここで注目すべき点は,ポラロイドとタカラトミーでは,バーコードの内容が異なること.特殊なバーコードのため,一般的なリーダーでは読むことが出来ませんが,印刷の品質に影響を与えるような,何らかの補正情報が記録されているのかもしれません.

このような物を見せられると,仕組みを解析してみたい…と,いう気持ちになりますよね.このような欲求は,エンジニアの基本属性かもしれません.『おー.これは面白いパズルが手に入った!』と,色々と試そうと思ったのですが,とりあえず今回は実験のみをすることにしました.

P217

元画像は3648x2736画素のデジカメ画像. PowerShot S90で撮影したもの.おそらく用途として多いであろう風景と料理の写真を選びました.ポートレートは被写体の問題があるので,(この用途にも結構使っているのですが)今回は非公開.流石に子供たちの写真をブログで晒すわけには行きませんし…

風景は京都タワー,料理はヒレステーキ(*)の画像を選択しました.

(*)京都伊勢丹に入っているモリタ屋のステーキは絶品です.在り来たりな表現ですが,舌の上で溶けるような舌触り.それでいて,雑味の無い肉の味わい.素晴らしいです.問題は値段が高めな事ですが,ランチタイムには少し割安で食べられます.ただし,ランチの安い方のコースはニュージーランド牛なので,少し高めの和牛の方を頼むのを忘れずに(味が全然違う).肉の多い1万円のコースを食べれば,更に満足度が高いです.満腹&満足できます.

次に示す写真は,それぞれ以下の表に示す並びで配置しています.2要因でそれぞれ2種類ありますので,合計4つの組み合わせになります.

フォトペーパー ZINK Smart Sheet
左から一番目 タカラトミー(Xaio用) タカラトミー(Xaio用)
左から二番目 タカラトミー(Xaio用) ポラロイド(PoGo用)
左から三番目 ポラロイド(PoGo用) ポラロイド(PoGo用)
左から四番目 ポラロイド(PoGo用) タカラトミー(Xaio用)

P221

上の写真をクリックして拡大すると,既にこの時点で既に違いがあることが分かると思います.

では,タカラトミーのフォトペーパーを使用したペアを拡大して見てみましょう.

P222

上記写真のように,ZINK Smart Sheetの影響は見られません.空の青がきちんと出ており,皿の色も,それ程違和感の無い(やや味のある発色)物になっています.

ただし,左のステーキの写真の方に,スジが沢山入っているのが見えると思います.これは,ZINKの宿命です.10枚毎と言わず,3~5枚毎にZINK Smart Sheetでクリーニングすることにより,スジの発生をある程度抑えることが出来ますが,完全ではありません.出たら出たで仕方がないとあきらめましょう.

では次に,ポラロイドのフォトペーパーを使用したペアを見てみましょう.

P223
ポラロイドのフォトペーパーの方も,ZINK Smartsheetの影響が見られません.『何となく』タカラトミーのシートを使った方が色の乗りが綺麗に見えますが,タカラトミーのフォトペーパーと同じ発色にはなりませんでした.シートの影響は,誤差の範囲内と言ってもよいでしょう.

主観評価になりますが,以上の実験の結果から,

  • フォトペーパーの印刷品質は,メーカーによって異なる
  • ZINK Smart Sheetのバーコードに,色の補正情報は記録されていない可能性がある.少なくとも,これで大きく品質が変わることはない.

ということが言えます.

そして印刷品質の良し悪しに関しては,今回採り上げた2種類の中では,タカラトミーの方が,圧倒的に綺麗(元画像に近い)でした.

下の写真は,左がタカラトミー,右がポラロイドのフォトペーパーを使用した印刷結果です.

P224

なお,タカラトミーのシートを使用した物にスジが入りまくったため(左下),ポラロイドのZINK Smart Sheetを使用した印刷を左中央に配置しました.

一見して分かる通り,タカラトミーの方が明るく,元の色に近い発色になっています.そしてポラロイドの方は,全体的にイエロー被りのような感じになっている他,全体的に少しく退色したようなクスミがあります.

この結果から,タカラトミーのフォトペーパー の方が綺麗に印刷出来たと結論付けますが,異論を挟む方は少ないでしょう.(ただし,今回統制出来なかった要因として,フォトペーパーの製造ロット要因があります.ロットによって印刷品質が変化している可能性を否定できません.)

しかし,普段プリンタの写真出力を見慣れている目から見ると,タカラトミーが絶対的に綺麗かというと…結構厳しいです.

P225

上の写真は,風景写真のアップ.空の部分を見ると,青いグラディエーションにムラが見え,粒状感があるのが分かります.また,ビルの窓の部分を見ると分かる通り,細かな部分が潰れてしまっています.

つまり,発色がそこそこ良くても,階調表現が苦手で,解像感があまり無いと言えます.また,前述の通り,強弱はあるものの,横方向のスジが高確率で入ります.

では,料理の写真の方はどうでしょうか.

P226

ステーキ(焼き方はもちろん『レア』!)の発色,艶,共に良好に見えますが,こちらも解像感があまり感じられません.そしてポラロイドのフォトシート程ではありませんが,全体的に退色したような感じにも見えます.よく言えば『味』ですが,一昔前のデジカメで撮影し,一昔前のプリンタで出力したような感じです.

****

と,いうことで,次にCanon PIXUS iP4300を使用し,ラベルシートに印刷してみました.ZINK フォトペーパーは裏面がシールになっていますので,『手帳/ノートへの貼り付け』という用途を想定して,あえてラベルシートを使用しての比較です.

まず用意したのは,エーワン MYプリシール 光沢紙タイプ はがきサイズ 角型6面 12シート(72片) 29603.一度に数枚印刷するだけの場合,ハガキサイズで1枚辺り6枚印刷できるというのは手頃です.

P212

その他,サンワサプライ製のコレコレコレを用意しました.まとまった量の印刷を行う場合は,A4のシートの方が便利でしょう.また,サイズも多様で,マットか光沢かも選択でき,再剥離タイプのような特種な物も選べます.

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名刺サイズの光沢タイプに印刷した物と比較すると,次のようになります.上がタカラトミーのZINKフォトペーパ(以下,PoGo出力),下がプリンタで印刷した物です.

P227

発色の傾向やサイズが異なるほか,フレーミングも異なるのが分かると思います.PoGoで印刷した場合,上下左右がある程度トリミングされて印刷されます.集合写真の場合は注意が必要です.

少し拡大してみましょう.

P228

P229

上がPoGo出力,下がプリンタ出力です.

空の色や粒状感を見て頂ければ,説明は不要ですよね.デジカメの出力をそのまま印刷出来ていると言えるのは,プリンタの方です.色合い,解像度感共に文句無しです.

次にステーキの写真を比較すると,以下のような感じ.こちらも同じ印象を受けます.

P230

次に,『つやなし』と比較してみましょう.左がプリンタで表面がマットなラベルシートへ印刷したもの,右がPoGo出力です.

P231

写真は写真用の光沢紙に印刷した方が綺麗に見えますが,マットなシートに印刷しても,最近は問題無いですな

ハガキサイズのシートに印刷した物は,次のようになりました.

P233

やや白っぽく見えますが,これは撮影の仕方に依るものです.シートによる差は殆ど無く,プリンタの性能によって印刷品質が変わるという感じでしょうか.なお,プリンタで出力したラベルは,表面を擦ると印刷面が削れてしまいますので,耐久性はZINKフォトペーパーに軍配が上がりそうです.

***

では,手帳に貼り込むとどんな感じになるのでしょうか.Moleskineに貼り込んでみた例が下の写真.乱筆はご愛嬌.

P234

左のページが40x30mmサイズ,右のページが名刺サイズです.4:3の写真を印刷する場合,名刺サイズは右側に2cm程余白が出ますので,この部分を切り落とした後に貼り込んでいます.

40x30mmの方は,1ページに沢山並べるのには便利ですが,ややこぢんまりして迫力不足な感じ.一方名刺サイズは大きすぎる感じで,一応1ページに2枚貼れますが,コメント等を書くペースが無くなってしまいます.フォトアルバムにするには良いのでしょうが,説明もしっかり書きたい場合は,1ページ1枚くらいの量が適当でしょう.

P235_2

上の写真は,左がPoGo出力,右がプリンタ出力です.Moleskineに貼り込むと,PoGo出力の方際立っています.実に良い『味』が出てきます.その一方で,プリンタ出力の方は,レトロな感じのノートに貼り込んでしまうと,精細かつカチッとした出力が,逆に仇になってしまう感じ.まぁこの辺りは個人の好みもあると思いますが….

そのようなわけで,『タカラトミーのフォトペーパー』を使用した際のPoGo出力が実に良い味を出しており,個人的にとても気に入りました.ただし,ポートレートや,精細かつ正確な記録を撮りたい場合は,やはりプリンタ+ラベルシートが向いているでしょう(ポートレートは,少々顔色が悪く写るので,コンディションの良い元画像でないと厳しいと思います).

PoGoは,外で使えるという機動性もありますし,WindowsやMacからも使用することが出来ます.懐が許せば,トイデジカメ的な『ゆるい感覚』で,Polaroid PoGoCZJ-10011B を使ってみるというのも良いかもしれません.楽しいですよ.

参考になるページ:

***

最後にラベルシートに関してです.今回使用したエーワン製のシートは,顔料系・染料系インク両対応です.しかしサンワサプライ製のシートは,顔料系インクには非対応でした.この辺り,購入時には注意が必要です.

また,エーワンの場合は,とても便利な印刷用ソフトがフリーで公開されていますが,サンワサプライが無料で公開しているテンプレートは,かなり手直ししする必要がありました.単に余白がズレているだけであれば楽だったのですが,比率も結構直しました.プリンタの設定が原因かもしれませんが,注意を換気する意味で,一応書いておきます.

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