おと・な・り
映画雑誌でロードショーを知り,映画館で観ようとしていたけれど予定が付かずに観れず.結局DVDが発売になったので,家で観ました.
オフィッシャルサイトはここ.
YouTubeに上がっている予告編はここ.
ね?映画らしい映画で何となく期待させられる感じでしょ?
DVDが届き,早速ワクテカして観始めたときには,最近のキリッとした画質でなく,昔のフィルムのような粒状感バリバリの物だったので,『自主制作映画のような感じを無理やり作り出す下手な演出か?』と,不安感がさっと頭を過ったのだけど,杞憂でした.
しばらく観たら引き込まれ,睡眠時間を削って最後まで観てしまい,そして暖かい気持ちで観終えることが出来た.
ストーリーはと言うと,
風景写真を撮りたいという夢を抱きながらも、友人で人気モデルのシンゴの撮影に忙しいカメラマンの聡。一方、フラワーデザイナーを目指して花屋のバイトを しながら、フランス留学を控えた七緒。同じアパートの隣同士ながら、一度も顔を合わせたことがないふたりは、ともに30歳で恋人なし。いつしかお互いに隣 から聞こえる生活音に安らぎを感じるようになる。音によって心を通わせる、ふたりの恋の行方は…。
というもの.文字で読むと薄っぺらな感じがするけど,実際の映画は全然深みが違う.宣伝文句に裏切られる映画って結構あるのにね.
緻密な人物描写,様々な伏線,交錯する人間関係,思わず『そう来るかー』と,思わず叫んでしまう意外なストーリー展開,これまで観たことの無いような話の練り方,思わず鳥肌が立ってしまう様な感動的なカタルシスを得られるシーン,電波な役で出てくる美月タン(笑) etc.楽しみ所満載で,また,アクションやCGの映像美を全面に押し出した洋画のような目で観る楽しみ方ではなく,心と頭で感じる映画でした.
脚本家のまなべゆきこ女史,只者ではない….そして監督の熊澤尚人氏の才能もにじみ出でる.
年末年始に家で観る映画を探している方には,是非お薦めしたい1本です.
この映画を観ていてつらつらと考えていたのは,元同僚のT女史のこと.数年前に脚本を書いて賞を取り,映画監督デビューもし,今年も作家・監督として活躍中のご様子.真面目に正しい方向に頑張れば,確実に夢は叶うものですね.影ながら応援しています.
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