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2009年3月 1日 (日)

下手に自分で組むよりお手軽&高機能:BUFFALO LT-H91LAN

先日のエントリーに書いたように,HDなビデオカメラを購入すると共に,BUFFALO LT-H91LANという物を購入した.

5年ほど前にこういう記事を書いたのだけど,MediaWizくらいから普及し始めたこの手の製品は,その後正しい方向に進化を続け続けていたのを実感した.

これ,マジで凄いわ.痒いところに手が届きまくり.ここ数年に購入したPCの周辺機器の中での満足度はトップクラスだ.

LT-H91LANの詳細はメーカーページを見てもらうとして,簡単にこの製品を説明すると,『ネットワーク経由で音楽や画像,動画を再生する,TVに接続可能なプレイヤー』ということになる.

昔はMediaWiz等のSybas系の機種で採用されていた,httpプロトコルを利用した独自の通信規格があり,これ用のフリーのサーバソフトであるwizdが一世を風靡した.私もこれに長年お世話になっており,スキンをcoolな画像に差し替え,DVDISOもサーバ側でハンドリングして利用可能にし,初代のLinkPlayerとMediaWizPlusをクライアントとして使用していた.

しかし,何分これらプレイヤーの大半で使用しているチップは,HDな動画に対応していなかったり,その後スタンダードとなるMP4系の対応が不十分であったりしたので,『もう一歩なんだけど…その一歩が険しい』という状態だった.

その後は皆さんご存知の,メーカー独自の通信規格ではない,『DLNA(Digital Living Network Alliance)』が主流になり,家電を中心に採用が相次いだ(DIGAも対応して欲しいなぁ うちのDIGAもファームアップで対応して欲しいなぁ(「2008年9月モデルからDLNA対応しているよ」とご指摘頂いたので,書き方訂正)).

それも単に,録画機で録画した番組を別の部屋のTVや別の録画機で再生したりファイルを移動したりする…のような家電製品間のみで利用されるのではなく,PlayStation3XBOX360のようなゲーム機が再生機として利用できたり,サーバとして,I/OのLAN Disk(※全部の機種が対応しているわけではない)や,BUFFALOのNASのようなごく一般的な家庭向けのNASがサーバとして利用できるようになっている.Linuxでも,MediaTombというソフトを入れてやれば,Disk内の動画を,例えばリビングのPlayStation3経由でテレビに表示したりすることが出来る.

***

と,まぁ,これだけでバラ色な未来が既に実現されたかに見えるわけだけど,そう単純なものではない.DLNAのサーバとクライアント間の相性があったり,サーバが動画をクライアントに向けて送る際にトランスコード(クライアントが再生できる形式に,サーバ側がリアルタイムで再エンコードして送出すること)する必要がある必要があってサーバ側の負荷が高かったり,そもそも全てのファイル形式/フォーマットにサーバ/クライアントが対応しているとは言い切れないため,何れか一方が原因で再生できないファイルもあったりした.

そんなわけで,これもまた『痒いところにもう少しで手が届くんだけど…』という状態であった.いや,人によっては,これで必要充分な場合もあるとは思うけど.

そんな私がネットワークマルチメディアプレイヤーに求めていたものをまとめると,

  • 多くの動画・音声フォーマットに対応すること
  • DVDISOも直接再生できること
  • サーバとの通信プロトコルとして,wizd形式やDLNAとかではなく,もっと一般的で単純・確実なものが利用できること
  • HD動画もグリグリ再生できること
  • 家電的に簡単に利用でき,メンテナンスも楽なこと

という条件.ある意味我侭である.同じ物を欲しがる人はそう沢山は居ないであろう.

私もそれはよく分かっているので,Mini-ITXのケースにファンレスATOMオンボードのM/Bを入れ,フラッシュからLinuxをbootするような家電チックなものを作らんとあかんなぁ.ソフトは自分でゴリゴリ書く部分も出てくるなぁなんて考えていた.

ただ,『HD動画もグリグリ動くこと』という条件はかなり厳しく,それなりのスペックのPCでないと,再生時にコマ落ちでカクカクになってしまう.ATOMでは厳しい.

前置きが長くなったけど,これら条件を全て満たしているのが今回紹介するBUFFALO LT-H91LANである.

例えば対応する映像フォーマットを見てみると,

[MPEG-1]:720x480,5.5Mbpsまで対応
[MPEG-2]:1440x1080,25Mbps,main profile@H14 まで対応
[H.264]:1920x1080,17Mbps,H.264/AVC main and high Level4.1 まで対応
[WMV9]:1920×1080,8Mbps,WMV HD まで対応
[MPEG-4]:720x480,5Mbpsまで対応
[Xvid]:720x480,3Mbpsまで対応

といった感じ.普通に使う場合は全く問題ない.音声や画像フォーマットも大抵のものに対応している.当然DivXやAVCHDも普通に再生できる.『.mts』がスルスル再生されたり,『.mp4』の音声切り替えもサクッと出来たのには感動した.

そしてDVDISOファイルも,ネットワーク越しにローカルのDVDプレイヤーから再生しているかのように再生できてしまう.この機能は超絶便利.そのようなわけで,容量大き目のNASを組み,手持ちのDVDを全てDVDISO化して突っ込んで,DVDチェンジャーのように利用しようかと本格的に考えている.

で,通信プロトコルに関しては,DLNAに対応すると共に,SMBにも対応している.そう.Windowsでファイル共有しているディスクを直接マウントできるんである.これなら特別なソフトはいらない.当然ながら,Linuxでsambaを使用して公開しているディスクもそのままマウントできる.

Lt1

図1:トップ画面

Lt3

図2:ディスク共有中のPCを選択

Lt3_2

図3:共有ディスク(共有名)を選択

Lt4

図4:必要な場合はログイン情報を入力

さらにだ.LT-H91LANにはUSBポートが2port付いていて,USBマスストレージクラスに対応したデバイス(USB HDDやUSBメモリ等)を接続することが出来る.そしてその中に保存してあるファイルの再生にも対応する.

さらにさらに,対応したHDビデオカメラをUSBで接続すると,別途接続したUSB HDDや,ネットワーク経由で接続されているNASにPCレスでデータをバックアップ出来たりもする.

Lt5

図5:カメラ内データをPCレスでバックアップ

さらにさらにさらに,上位機種になると,地デジの録画まで可能になっている.

『無いソフトは自分で作るぜ!』的な楽しみを奪われ,少し悔しい一面もあるけど,使っていて実に気持ちの良い製品である.

こういう製品はもっともっと一般に認知され,もっともっと一般に普及してほしいなぁ.

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