ファイルサーバの更新計画
家庭内で複数台のマシンを使っている場合,まず問題になるのはデータ置き場.ファイルサーバ的なマシンが1台欲しくなる.昔であれば少し古くなったPCを,それ用に仕立てて使われることが多かったけれど,今なら廉価なNAS(Network Attached Storage)が売られているので,導入に対する敷居はコスト・労力共に低くなった.
そしてこれを導入し,便利に使い始めると問題になって来るのが,搭載ディスク容量.便利になればなるほど利用率が高まり,データが沢山(整理して)置かれるようになると,さらに便利に使えるようになるというスパイラルに入る.特に動画データを置きだすと爆発的に容量を食う.
そして最後に問題になるのは,そのデータの安全性とバックアップ.家庭/SOHO向けの廉価なNASと言えども,複数ディスク搭載型であれば,RAID機能が当然のように付いている(まぁ信頼性は値段相応だけど.会社の別の部署の人に『調子はどう?』と聞いてみたら,肝が冷えるような故障率を教えられた).
『とにかく容量が欲しいんだ』と,JBOD(Just a Bunch Of Disks)で使う人も居るかと思うけど,止めた方が良い.1台ディスクが死んだらアウトの場合が多いので,データをロストする確立は劇的に上がる.まして大容量なディスクアレイなら,失うデータも桁違いだ.
拙宅の場合,個人的には出来るだけPCの台数を減らしたいと考えているのだけど,嫁さんまで2台のマシン(Win+Linux)を使っていたり,子供が長時間占拠する場合もあったりで,まとまった台数を同時に使うことがある.そして同時利用可能なマシンも,Note型を含めると結構な台数になる.その殆どはWindowsマシン.全ては有線/無線でNWに繋がっている.
こうした環境の中,諸々のサーバとして使っているのはAsusのTerminator TUというマシン.CPUがPentium3-S/1.26[GHz]だったりするし,お世辞にもパワフルなマシンではない.そして今となっては省電力でもない.
いつから使っているのかな…と,調べてみたら6年選手だった.メンテのために,たま~に30分程止めるときもあるけど,それ以外は動き続けている.今のところこれといったトラブルも無く,馬車馬のように黙々と働き続けている.大したものだ.
そしてこのマシンには,IEEE1394経由で8本の250GBディスクを繋いでおり,SoftwareRAIDでRAID5アレイ化して使っている.このアレイもかれこれ3年ちょっと動き続けている.
このサーバの環境に特に不満は感じていないのだけど,そうは言ってもいつかはハード的に壊れるだろうし,一応そのときに備えて準備だけはしておこうかなぁとは考えていた.
で,先日ふと思い立って様子をチェックしてみたのだけど,
Personalities : [raid5]
read_ahead 1024 sectors
md0 : active raid5 sdb1[6] sdd1[5] sdc1[4] sdh1[3] sdf1[1] sde1[0] sdg1[2]
1465175424 blocks level 5, 32k chunk, algorithm 2 [7/7] [UUUUUUU]unused devices: <none>
あれ?ディスクが7台?
ログを見てみると,
SCSI device sda: 488397168 512-byte hdwr sectors (250059 MB)
sda:SCSI disk error : host 1 channel 0 id 0 lun 0 return code = 8000002
ふおぉぉぉぉ.
RAID5のアレイを組む際に,1台をホットスタンバイに設定してあったのだけど,いつの間にか『使用中の1台がクラッシュ→自動リペア』という流れで自動復旧し,現在まで動き続けていた模様.そしてこのような状態であることに,ずっと(数ヶ月~1年くらい?)気が付かなかった模様 orz
『定期的に確認すればいいや』ってことではなく,やはり何らかのアラートシステムを作っておかないと/動かしておかないと危ないね.安定稼動に入ると特に,稼動状況を確認しなくなったりする.
とりあえずRAID5なので,あと1台壊れてもデータは守られるわけだけど,精神衛生上あまりよろしくない.そして稼働時間も使用環境も同じディスク達ということから,今後立て続けに2台バタバタっと逝ってしまわないとも限らない.
ごく普通の対応としては,故障したディスクと交換する形で新品のディスクを1台繋げ,ホットスペアとして設定し,そのまま延命という手もある.だけどこの際なので,Terminator TUの代替としても使えるような形で,1台新たにマシンを組もうかなぁなんてことを具体的に考えはじめた.
数年前からTerminatorの新しいので組んでみようと思っていたのだけど,どうも魅力的なものが出て来ない(あちらのサイトが殆ど更新されて無いのはそういう理由もある).そのため,ショップで実際に見て一目惚れしてしまったOWL-PCCHS01(奥行きがTerminator同様短いし,ACアダプタ駆動だ.難点は価格.直輸入しようかなぁ…)を使い,M/Bは今度出るJ&WのこのM/Bとか,AlbatronのKI690-AM2とかで組むことを考えている.CPUはAthlon X2 4850eとか…いや,この手の用途にはオーバースペックか.まぁいずれにしても,ディスクは全てSATAで繋ぎ,SoftRAID化することを考えている.ディスクはもちろん全て1TBで.RAID5化して実容量3TBとして使う予定.
でも…将来を見越したら,もう少し余裕のあるケースに変更した方が良いかもしれないとも思っている.例えばRocketRAIDカードを普通のSATAカードとして使い,本数の多いRAIDアレイを組んだりとか.SoftRAIDで組んだとしても,後からディスクの台数を増やしたり,FileSystemのサイズを大きくしたりすることがかなり容易に出来る.とりあえず1TB*4で組んでおき,来年辺りに2TB*4を追加とか.うーむ.悩ましい.
この夏は,家のマシンのCPUパワーの底上げをすることも考えていたのだけど(何しろ家での私のメインマシンはTurion64.嫁さんのマシンより遅い…),ディスク容量の方を先に何とかすることになりそうだ.
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