色々と楽しませてくれそうなガジェット:mylo(COM-2)
SONYのmyloって知ってますか?
myloはmy life onlineの省略形とされている。コンセプト的には、インターネット端末ということだそうだ。Webブラウザ、skpeが出来るほか、音楽や動画プレイヤーとしても使える。そしてスライド式のフルキーボードが付いていて、カメラも付いている。
この手のツールの場合は大抵、住所録やスケジュール帳機能も付いているものだけど、そういったPIM機能は一切無い。非常に割り切った仕様だ。
その一方で、ネットワークへの接続手段は無線LANのみ。携帯やPHSを内蔵しているわけではなく、そしてCFやSD、USB等で接続する手段もない。これは割り切りすぎの感がある。そんなわけで、屋外では基本的にホットスポット等を渡り歩く感じになる。
myloとは、このような非常にピーキーな性格の手の平サイズの小さな端末なわけだけど、初代の com-1は大方の予想を裏切らず、日本では殆ど売れなかったようだ。
ソニスタ直販のみだったのだけど、しばらくしたら2台で1台分の価格で売られており、その後「モニター」と表して大々的なバラマキが始まった。発売直後に定価で購入した人は、さぞかし暴れたくなる心境を押さえつつ眺めていたことであろう…
日本国内であまり売れなかったのは仕方が無いだろう。高機能かつ自力でネットに接続できるSmart Phoneが出始めていた時分に、無線LANオンリー&QVGAで「Webも見られます」はなかろうに…。
(しかしアメリカではかなり売れていたらしい。ホットスポットがあちこちにあるのと、skypeで電話可能だというのが受けたためのようだ)
まぁそんなわけで、私は初代が発表されたときに、「形としては面白いけど…」と、思ったけども「機能的には中途半端だし」と、思い直してスルー。やはり一番引っかかったのはQVGA液晶という解像度。そして自分でソフトを組んで拡張できないという汎用性のなさ。
しかし、後継機は出ないのではないかとまで言われていたにも関わらず、2代目のmyloが発表され、日本国内では3月1日発売予定。今度はWVGA液晶を詰んでいたりするし、諸々大きく改良されている。そして何よりもユーザが自分で widget を開発できるという。
と、まぁ私を「押し止めていた」諸々の理由、最後の防波堤が音を立てて決壊したため、ポチッと予約しましたヨ。今度の2代目myloこと「com-2」は、ソニスタ以外の一般の店でも売られているので、入手性も良い。値段的にも、34,800円で10%ポイントが付くという店もアリ。
と、いうことで、新規勧誘(仲間増やし)を目的として、この手の平サイズの玩具用ソフトの開発に関して少し書いてみようと思う。
さて、まだ物が来ていないので、本体に関してアレコレ書けることは私にはまだ無い。発表から何日か経っているので、今更ニュースサイトとかを眺めて「まとめ」を書いてもあまり意味があるとは思えないし…。でも、RSSリーダーが入ってるとか、YouTubeは見られるけどニコニコはダメだとかは購入検討時に参考になったので一応書いておく。
それでは本題のmylo用ソフトの開発に関して。情報はmylo labsに徐々にアップされる予定になっていて、今も一部は公開されている。まずは現在アップされている唯一のドキュメントである、"mylo screen overview"を落として眺めてみよう。
p.6に"3. mylo screen/widget structure"として、ソフトの構造の簡単な説明がある。myloはOSとしてLinuxが動いているわけだけれど、mylo用のソフト開発という点に於いては、普通の linux 環境用のソフトを作るのとは異なっているのが分かる。
まずネイティブアプリの場合は、Linux上で直接動くか、Qt/Embededの上で動いている。そしてmyloではユーザーがwidgetというソフトが開発出来るようになっているわけだけど、これはネイティブアプリではない。widgetは「ブラウザ レンダリングエンジン」が最上層となっている幹(階層構造)の中で動くようになっている。
少し乱暴だけど分かりやすく書くと、myloのwidgetはWebブラウザ上で動作するアプリであり、IFrameの中で動作する、JavaScript,HTML,CSS等を利用して記述されたソフトだということだ。ただし、myloには諸々拡張されたJavaScriptライブラリが入っており、普通はネイティブアプリでないと操作出来ないようなことも、JavaScriptで行えるようになってたりする(「Extension.なんとか」という関数が用意されている。全容はまだ不明だけど、サンプル widget のソースを読むと、例えばローカルに設定値を保存する際には、"extension.saveFile(...)"という関数を使用している)。
その他、このドキュメントを見て面白いと思ったのは、この widget の動作環境は「ブラウザの上に単に乗っている」わけでないということ。mylo の Linux上にはhttpサーバ(apache)が動いていて、その上で CGI が動くようになっている。そしてその CGI は、mylo のネイティブアプリと通信出来る(「通信出来る」と言うよりも、「コントロール可能」といった感じ?)ようになっているようだ。
詳細に関しては今後公開されるであろうドキュメントの登場を待つ必要があるけれど、こういった特殊な構造を採ることにより、mylo は比較的手軽にソフトが開発可能&「SONYが許可している範囲内で」JavaScript/CGIでローレベルな操作が可能といった状況になっているようだ。
ホントはSNESでも動かしたろうかなぁという妄想があったことは内緒だ。
畳の上の水練になるけれど、いくつか公開されているWidgetを落として眺めてみよう。
落としたファイルの拡張子は"mylow"となっているけれど、ヘッダをダンプして見ると先頭にPK(0x50, 0x4b)とある。そう。Zip形式。拡張子を zip に変更して解凍ソフトで展開すると中身を見ることが出来る。
一般的な構成としては、"images",というフォルダ内に画像ファイル(png形式)、"code.js"という名前でJavaScriptのコード、"index.html"という名前で表示用HTML、"widgetPackage.xml"という名前で当該の widget の情報が書かれたXML、"style.css"という名前のスタイルシートが入っている。その他、XMLで書かれた「各種パラメータ設定用XMLファイル」がある場合もある。
極めてシンプルだ。一般的な組み込み系プログラミングのように、クロス開発環境を作って…のような面倒なことは必要ない。
と、いうことで、届くのが非常に楽しみである。ネット通販で予約したのだけど、確認したら店には2/29に届く予定になっていたので、発売日当日に手元に届きそうな気配だ。
あと、myloは内蔵1GBの他に、ストレージとしてメモリカードも使用できる。ただし、メモリースティックPro Duo。私の場合、最近は SDメモリ系で固めていることもあるので、 こういうモノ とか こういうモノ も併せて購入した。
変換アダプタは相性問題が発生する場合もあるけど、microSDHC 8GBの方は Advanced W-ZERO3[es]でも使えるので、無駄にはならないだろうと考えている(ただし、ドライバを入れ替える必要あり)。それにしても、microSDHCも安くなったね…
同好の士も若干おられるようなので、リンクを張って&TBしておきます。SONYも、「ソフトを作りたいな」という人を情報提供等様々な形でバックアップして欲しいなぁと切実に願う(ソフト開発用資料とかあったら是非欲しい…)。プログラムを組んでくれる人を味方に付けるのは重要なんじゃないかな。キラーアプリがそこから生まれるかもしれないしね。
リンク先:
US版のmyloWidgetダウンロード先 (mylo com-2 blog)
myloWidget (mylo com-2)
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