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2015年6月22日 (月)

攻殻機動隊 新劇場版を観てきた

攻殻機動隊25thということで始まった新シリーズのARISEの後,6/20から『新劇場版』が封切りになりました.原作の初出が1989年だったなんて…思えば遠くに来たものです.

このブログを読んでいる大半の人には今更な話ですが,映像化は1995年に上映された『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』が最初で,2004年上映された『イノセンス』が2作目.これらは押井守監督.次にTVアニメシリーズとして神山健治監督で『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』,『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』の2シリーズ等があります.

そして黄瀬和哉監督の新しいシリーズとして『攻殻機動隊ARISE』が製作され,今回の『新劇場版』に繋がります.

少し分かりにくいのですが,ストーリーの時系列としては,『ARISE→新劇場版→これまでの攻殻機動隊の一連の作品』となっています.より正確に言うと,『ARISE』および『新劇場版』は『攻殻機動隊』が出来るまでのストーリーといった感じ.ちょっと特殊です.また,ARISEでは声優陣が一新されています.

そんなわけで,SAC 2nd GIGまでの攻殻機動隊を愛する者にとっては,『これは違う作品だ!』と,なるかもしれません.が,実際のトコロは観てから判断して下さい.攻殻のエッセンスはそのまま維持されてますから.

と,いうことで,とりあえず予告編.

 

封切り直後なので,今回もネタバレ抜きで行くことにします.

本作品は/も展開のテンポが早いです.登場人物の口から語られる内容も含め,単位時間当たりに得られる情報量がとにかく多く,滝のように流れこんで来ます.そして観ながら考える時間が十分にありません.情報の飽和攻撃を受けている感じ.

原作の漫画も似たような感じだけど紙ならマイペースで読めるし,自宅でビデオ鑑賞であれば,一時停止なり巻き戻しが出来ます.だけど映画はそうも行きません.中途半端に理解して/しようとして混乱すると,そこから先を楽しめなくなる可能性があります.なので,混乱し始めたら全部を理解することを諦め,流れに身を任せて雰囲気を楽しむというのも手です.

実のところ,ストーリーの骨子の部分はそれ程複雑な話ではないので,表面的な部分はその時々で追えていなくても何とかなります.

このような作品作りは,押井作品とは真逆な感じがしますな.

例えばイノセンスでは,状況があまり深く語られず,間が十分に取られているので考える時間も十分にあります.しかし,解釈の仕方が複雑過ぎて&難しくて訳分からん不思議な状態になったりすることが多い.むしろこの消化不良感の状態が心地良いと感じられたりもします.

そして神山版と言いますか,SAC,SAC 2nd GIGシリーズは難解さがあまりありません.

確かに謎解きの部分はあるのだけど,観ている人が置いてきぼりを食わないよう,きちんと必要十分な説明が入ります.とても丁寧な作品です.アクションシーンが痛快でテンポが良いので満足するのだけど,攻殻は難解(っぽく感じる雰囲気)な作品であるという目から見ると,少し物足りなく感じるかもしれません.私はとても好きなシリーズだけどね.

と,いうことで,新劇場版はこれまでの作品の中間と言うか,また違ったベクトルを示しているような気がします.

そして声優陣を一新した影響ですが,私はARISEを一通り観た後だったので,あまり違和感がありませんでした.ただし,SAC 2nd GIG後に(ARISEを飛ばして)新劇場版を観る場合は,ある程度心の準備が必要かも.それとストーリー的にARISEの続きなので,ARISEの知識がある程度必要になります.

ARISEを観ていない人は,まずは下に貼る動画を観てから劇場に行くのが吉です.特に『501機関』,『疑似記憶』と『ファイア・スターター』とは何かを知っておく必要があります.

あと一つだけネタバレをすると,本作品のエンディングでSACに繋がるようなシーンがあったので,『この作品だけ浮く』という感じにならなかった点も良かったかな.

***

それにしても驚いたのは,この作品が25周年ということです.全然古くささを感じないどころか,むしろ(骨子の部分が)最近の作品のように感じます.

SF作品の寿命は,現実が作品の内容を超え始めたときでしょう.そしてSFは作者が未来科学を予想して話を紡ぎ出すわけですが,時代が進んで『この話は非現実的.あり得ない』と,判断できるようにになった瞬間には『冷める』でしょう.

具体例を挙げると,世界初のSF映画と言われている1902年の『月旅行』.現代であれば,小学生でも腹を抱えて笑うような内容です(古典としては面白いんですけどね).

で,攻殻機動隊がSF作品として興味深い点は,昔は絵空事的な話しに思われていた作中の話が,次第に現実化して来ていること.それも恐ろしいと思えるくらいに.

前回のエントリーとかなり重複するので軽く触れる程度にしますが,現在研究されている内容としては,BMIや光学迷彩 etc,脳のプログラムや擬似記憶といったトピックでしょうか.

でもこれらは逆の見方も出来て,例えばHONDAのASIMO研究開発の動機は,鉄腕アトムだったという話は有名です.IT系やその筋の研究者と話をすると,コモンセンスとして攻殻機動隊ネタが出てくるので,寧ろ攻殻にインスパイアされてそっち方面に研究が進展している…と,言うと言い過ぎですかね(^^;

まぁそれはともかくとして,例えばMATRIXの監督のウォシァウスキー兄弟は攻殻機動隊を観たときに衝撃を受け,後に『僕らはこんな映画を実写で作りたかったんだ』と語ったことは有名ですし,この他にも様々なエピソードがあります.

アニメ作品をあまり観たことがない普通の人にも,未来社会の可能性の一つを垣間見る意味でも,是非劇場に足を運んで観て頂きたい映画です,ハイ.

***

攻殻機動隊は海外のファンも多く,ハリウッドで製作する実写版(2017年4月公開予定)でスカーレット・ヨハンソンが少佐役を演じることが公開されたのですが,『イメージと違う.アジア系の女優にしろ!』と,3万人を超える署名が集まったそうな.海外でも名前が挙がっているけど,菊地凛子が良いと思うな,うん.

実写版と言えば,先日パトレイバー 首都決戦を劇場で観ました.

アニメの劇場版(特に2作目)が凄まじく良い作品だったため,『なにやってんだよ,実写版なんて黒歴史を作るなよ』とか思いつつ観に行きました.ハッキリ言って作品のお通夜に行く感覚で,全く期待してませんでした.が,観てみたらメチャクチャ面白くて『流石,押井!』という感じでした.全体に漂うB級映画的雰囲気,そしてハリウッド的な『ロボットをガシャガシャ派手に動かしてりゃおもろいやろ』と対極なピンポイントな使い方,『え?ファッションモデルがこの動き!?』と,顎が外れる程驚いたシャープかつ激しいアクションシーン.感服致しました.

残念ながら上映は終了してしまったけど,機会があったら観てみて下さい.食わず嫌いは良くありません.

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最後にもう一言.攻殻機動隊の主題歌を歌われていたオリガ女史が,今年1月に亡くなりました.心よりご冥福をお祈り致します.

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