« 着眼点が素晴らしい.とても便利なハンコ:フリクションスタンプ | トップページ | トラベラーズファクトリー エアポート@成田空港に行ってきた:マステその他諸々 »

2015年1月 6日 (火)

超極細な万年筆で快適生活:プラチナ万年筆 #3776 センチュリー UEF

ふと思い立ちまして, 新年を迎えるに当たって新しい万年室を購入しました.それも帰省前にオーダーし,配送先を実家に変更して大晦日に実家に届くというAmazon様々な手続きと進行で.(しかし不覚にも帰省後にダウンしてしまい,家に戻ってきてから開封することに…)

万年筆と言えば『ヌラヌラ』な書き味の愛好家が多いわけですが,ヌラヌラ感はインクフローに依る所が大きく,結果,ペン先が太めの方が圧倒的に有利です.その一方で日本は欧米と異なり,漢字を書くために細いペン先が好まれる場合が多く,結果としてインクフローが絞られ気味になり,『カリカリ』とした書き味になってしまう場合があります.

国内外の万年筆をお持ちの方であれば実感していると思いますが,同じ『極細(EF)』と銘打たれていても,国産の万年筆の方が細かったりします.なので,『国産の○○のEFはカリカリだけど,ペリカンのEFならヌラヌラだよ~』と,言われても,一概に比較できないわけです.

ただし,万年筆の書き味というのはインクフローだけで決まる物ではありませんし,ましてや太さだけで判断も出来ません.そのため,万年筆は店頭で試筆してみて『(試筆した)これ下さい!』をしないといけないというのはよく言われるところであります.

と,いうことで,前口上が長くなりましたが,前々から気になりつつ中々手を出していなかった,『超極細(UEF)』というペン先に手を出してみることにしました.『EF』よりも細く,そして国産です.

このペン先を持つ万年筆はというと,現在入手可能なのは(*)プラチナ万年筆製だけです.では,いざプラチナUEFロードへ.

(*)昔はPILOTも作っていましたが,現在は生産終了です.

195

調達したのは『プラチナ万年筆 #3776 センチュリー ブラック 超極細字(UEF) PNB-10000#1-9』『コンバーター 2個セット』『カートリッジインク ブルーブラック』です.

180

製品ラインナップが少し分かりにくいかもしれませんが,プラチナ万年筆には『#3776 センチュリー』というシリーズがあり,それぞれの軸に対して,ペン先のバリエーションがあります.ペン先は超極細/極細/細字/細軟/中字/太字/極太の7種類があります.

あと,このシリーズには『スリップシール機構』という仕組みが導入されており,多少放置していたとしても,インクが乾燥して書けなくなっている…という事故が起きにくくなっています.メーカーが公開しているデータでは,キャップをして2年間放置した際に,インク量が50%程度減っている程度で済んだとのこと(従来品は1ヶ月で急激に減り,4ヶ月で完全に乾燥).

万年筆は『毎日線1本でも書け』と言われることもあり,扱いが難しい筆記用具ということで敬遠される場合もあるのですが,そういう意味では画期的な機構ですね.

184

『#3776センチュリー』には,今回私が購入したトラディショナルな感じの『black in black』以外に,『Bourgogene 』,『Chartres Blue』というカラバリと言いますか軸があります.

後者2つは中がやや透けて見える感じになっているので,ちょっと変わったカジュアルな万年筆が欲しい人は検討してみると良いかも.

181

カートリッジインクはブルーブラックを購入.以前,プラチナ万年筆のBBのボトルインクを使用していたのですが,好みの色だったので今回もチョイス.

青系が好きな私としては,顔料系インクと言うことで『顔料インクのブルー』も試してみたいところですけどね.まぁそのうちに.

182

コンバーターも購入済みなので,以前レビューした色雫のインクも入れて使うことになると思います.

183

で,万年筆.

万年筆で1万円以下というと,エントリークラスのような感じがするのだけど(←万年筆に対する金銭感覚がズレてるかも),贈答用などにも使われるためか,しっかりした箱に入っています.

185

パカッと開けると箱の中も高級な雰囲気.保証書入り.

186

本体の他に黒のカートリッジインク1本付き.

187

そしてマニュアル.

188

間違い無く,『ブラックインブラック』の『UEF』です.

189

キャップとクリップはこんな感じでごく普通.天ビスもモンブランのような変わった装飾はありません.

190

胴軸もツルッとした感じの普通のデザインです.

191

金色のリングにはプラチナ万年筆製であること,そしてMade in Japanの刻印.

192

ほぼ同じデザインと言うことで,(ワタシ的 国産万年筆のメートル原器な)『セーラー 万年筆 プロフィット』との比較.下がプロフィットです.

シルエットがかなり違い,プラチナの方がやや太めです.また,写真では分かりにくいのですが,質感も異なります.プラチナの方がややプラスティッキーな感じ.

193

ペン芯側からペン先を見るとこんな感じ.

196

横から.

197

ペン先本体.

#3776,プラチナ万年筆製,14金ペン先,太さはUEF(超極細)ということが分かります.

ペン全体の大きさから比べると,横に大きなペン先だな…という印象.結構ゴツイです.

198

ではカートリッジインクを挿してみましょう.

個人的には,長いタイプだけでなく,ペリカンのような短いカートリッジもラインナップしてもらえると嬉しい所です.1本物の場合,インクが切れた際に予備の手持ちが無いとゲームオーバーですが,胴軸に2本入るタイプだと,使用中のカートリッジを捨てて予備のに入れ替えて使え,そして後から予備の1本補充出来ます.

インクの総量で考えると損するのですが,安心感が違います.まぁ常に予備のカートリッジを持ち歩けば問題無いと言えば無いのですが.

199

金属製のボールで封がされています.

200

首軸に奥まで差し込みます.

UEFのせいか少々インクの吸い上げが悪かったので,少しカートリッジに圧力をかけてインクを送り出す必要がありました.

201

実際に筆記してみるとこんな感じ.

ペリカンとセーラーはどちらもEFなのに全然太さが異なるのが分かります.そしてプラチナのUEFがセーラのEFよりも細いことが分かります.

また,書き味的にはやはり『ヌラヌラ』系ではなく,『カリカリ』系ですが,針で引っ掻いているのとは異なり,適度な滑らかさ,そしてしなりと言いますか,弾力があります.

まだ私の癖に馴染ませていないので,書く方向によってペン先の引っかかり方が異なったりしますが,徐々に時間を掛けて慣らしていこうと思っています.

そして書き心地のもう一つの大きな要素である重心バランスですが,キャップを軸の後ろに付けて筆記すると,やや後ろの方になります.細字や中字の場合はこの方が良いのですが,超極細の場合は軸の前の方を持って細かく書くことが多くなると思うので,ちょっと困るかも.

そのため私は,筆記する際には外したキャップを軸の後ろにはめずに使っています.

204

今一度,ペン先の部分のアップ.

一見,鉄ペンでよく使用されているような,単なる鉄の打ち出しのペン先かと思うような形状です.しかしよく見ると,きちんとニブポイントがあり,削られて超極細の線が引けるように加工されているのが分かります.

213

比較用にペリカンM600(EF)のアップを見てみると,こちらはきちんとニブポイントが丸く付いているのが分かります.

209

*****

新年に入ってから,仕事で使用するメインのペンをこちらに変えてみたのですが,ノートの使用状況がガラリと変わりました.線が細いので,細かく緻密に書くことが出来るようになったからでしょうね.情報密度を高め,多くの情報をより詰め込めるようになりました.

これまで使用していた,やや線が太いペンの場合,『線が潰れてしまうから』ということで図表も大雑把な物しか書きませんでしたし,書く内容その物も大雑把になる傾向があり,概要のメモ的な感じになっている部分がありました.これがガラッと変わりました.

また一般に,多くの情報を狭いところに詰め込むと,どうしても見にくく/読みにくくなったりします.しかしこの万年筆の場合は,コントラストがハッキリする色のインクが入っていれば,線が細いために適度な隙間/空間が出来,読みやすさが維持されている…いや,むしろ読みやすくなっているような気がします.

と,言うことで,今の心境はというと…

 超極細ペン先万歳!#3776 センチュリー ブラックUEF万歳!! UEF !! UEF !!

です.

ではマイナス点は無いのかというとそうでもありません.やはり万年筆らしい書き味を期待すると違和感を感じるでしょう.また,クリップを上に向けて(ペンを上向きにして)何時間か持ち歩いた後に書き始めると,最初の書き出しが掠れる場合があります.インクフローが乏しいせいだと思いますが,修正液のように軽くカショカショ振ると復活します.ただし,一度インクが出始めたら掠れることは無いので,使っていて不便は感じません.

そんなわけで,もう一つの超極細ペン先が用意されているラインである,『プレジデント 極細字 ブラック』にも興味が…いかん.万年筆沼の入り口だ.

|

« 着眼点が素晴らしい.とても便利なハンコ:フリクションスタンプ | トップページ | トラベラーズファクトリー エアポート@成田空港に行ってきた:マステその他諸々 »

コメント

こんにちは。私も今日UEFゲット致しました。
箱出し無調整で不思議なくらい滑らかな書き味です。
ちょっと気持ち悪いくらいです。
ここ何年かで一番当たりのペンだったと喜んでおります。
この細さのペンポイントでこの書き味、驚異的です。
プラチナさんの底力を見せつけられたような気がしております。
当分他のメーカーのEFには手が伸びません。

投稿: 龍の尻尾 | 2015年7月 8日 (水) 18時49分

龍の尻尾さん,はじめまして.

あまりの偶然に驚いているのですが,実はもう1本UEFを購入し,そのレビューが本日の夜に公開される設定になっています(^^;

それにしてもこの価格でこの書き味,細さ.実に驚異的ですよね.

投稿: tadachi | 2015年7月 8日 (水) 19時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198640/60932256

この記事へのトラックバック一覧です: 超極細な万年筆で快適生活:プラチナ万年筆 #3776 センチュリー UEF:

« 着眼点が素晴らしい.とても便利なハンコ:フリクションスタンプ | トップページ | トラベラーズファクトリー エアポート@成田空港に行ってきた:マステその他諸々 »