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2013年11月25日 (月)

リフィル交換不要で一生使えるペン:メタルペン.beta, penとbeta, K

最近再び注目されているようなので,レビュー記事をポスト.

このペン,最近発売された物ではありません.私はたしか3年近く前に,廉価なロングタイプが発売された際に購入.メーカーのサイトはこちら.プロダクトデザインを主眼に置いた会社のようで,これらのペンは,ドイツで2008年と2010年にデザイン賞を取っているそうな.

このペンの凄い所は,タイトルにあるように,『リフィル交換が不要で書ける』という所と,巷で言われているのは,『半永久的使える』という所.実際には『半永久的』ってのは,語弊があって,後述する原理のために少しずつすり減るので,有限です.メーカーは『25年はインクレスで書けるよー』って言ってます.

構造的には『鉛筆のような形状に削り出した金属の棒』という感じで,デザイン的に大きなインパクトがあります.以下はメーカーの紹介動画.

と,このように,単なる奇をてらった置物ではなく,ペンとしてもきちんと機能するんです.

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まずは『beta pen』の方ですが,購入当時はこのようなパッケージに1本入りで売られていました.

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軸の部分と先端部とで少し光沢具合が異なりますが,普通の丸軸の鉛筆のような形状の『棒』のようなデザインです.

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軸の反対側の端はこのように斜めにスパッと切り落とされています.

で,この『beta pen』ですが,私が購入したのが出回り始めた最初の方の生産ロットのせいか,ちと難がありまして….

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先端のチップを,ある角度から横から見るとこんな感じなのですが…

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少し軸を回転させて横から見るとこんな感じ.先端部が若干中心軸から下にズレているのが分かると思います.

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さらに回すとこんな感じ.上の写真が一番分かりやすいと思うのですが,先端部のチップの製造不良ですな.

購入時の値段が微妙だった(捨てるには高いけど,クレームを入れて…とかのやり取りの手間が面倒に感じる価格だった)のと,少々複雑な所から購入した関係で,問い合わせするのが億劫になったため,最初に試し書きした以降は眠らせてあります.

『初期不良交換』ってレベルでは無いので,まぁ気が向いたら問い合わせて見ようかなぁ.

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これが封入されていた小冊子.

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ドイツ語で色々と書いてあります.

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商品紹介も少し書いてあるのですが,

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この『beta, pen』以外に『beta, key ring』,『beta, pocket pen』そして『beta, peg』の3種類のメタルペンがあります.結構以前から前者2つが文具好きの中では有名で,私もこれらを狙っていました.が,キャラ的に被るので(笑),『あるのは知ってるけど買って試してない』という状態でした.

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そして英語のマニュアルも入っていました.

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もう一方の『beta, key ring』は,略して『beta, k』と呼ばれることもあります.パッケージはこのような金属製の缶入り.こちらはbeta,penと比べて高級感があります.

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蓋を開けるとマニュアル.そしてその下の薄い一枚のウレタンのシートをめくると…

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ペンの形状にくり抜いたウレタンに包まれた美しいペン.外見はステンレス製のホイッスルっぽいですな.

ちょっとしたことではありますが,このようなパッケージングが文房具好きのハートを掴みます.

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ペン本体はこのような形状.キーリングと筒状のペン本体.

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ペン本体は,キーリングに繋がっているキャップ部にねじ込まれています.外すとこんな感じ.ペンはまるで弾丸のようでカッコイイ.

さて,では,実際に使ってみましょうかね.

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お詫びと訂正(^^;
 ×等にbeta, key ringは短い
 ○特にbeta, key ringは短い

書き味は鉛筆の2Hとか3Hとかいうレベルではなく,非常に固い鉛筆で書く感じです.

4Bや5Bのような柔らかい鉛筆だと,まるで水彩画の筆を走らせるように,芯の部分が溶けて紙に乗って行くような感覚に近いものがあるけど,全く異なります.固い棒を擦らせる感じ.でも,引っ掻いているようなカリカリ感はありません.

筆記用具で最高の書き味のを表現する際に使われる『ヌラヌラ』の対局で,お世辞にも,うっとりするような書き味ではありません.

また,RHODIAに書いてみた上の写真を見て頂くとで分かる通り,筆跡がかなり薄いです.これは力を思いっ切り入れ,筆圧を高めれば濃くなるのかというとそうでも無いので,辛いところです.その一方で,逆に筆圧が低すぎると殆ど見えないくらいに薄くなるので,可読性という意味ではかなり微妙なペンです.

コントラストが低すぎるので,日常使い用のペンとしては使いにくいと思います.

また,beta,kの方は,軸が非常に短いため,指でつまんで書く形態になります.そのため,筆圧をかけつつ書くのは結構シンドイので,大量に字/線を書くのには向かないでしょう.

そして鉛筆や水性ペンと異なり,書いた物は普通の消しゴムで擦るくらいでは消えず,また,水に濡らしたりしても流れたりしません.紙の表面にきっちり固着している感じで,インクのような『浸透』とはまた違いますが,砂消しのような物で削り落とさないと消えません.

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携帯性は抜群です.

長さはペン部分が約5cm,リングおよびキャップ部が5.5cmといった感じです.

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キャップに収納すると,全長8cmの長さに.

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こちらはbeta,kの方のマニュアルの英文部分.

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更に試し書きしてみての感想ですが,beta,k は漢字のような緻密な線がある物を書くのには向きません.どちらかというとアルファベットを大らかに書いたり,図や絵をスケッチをするような使い方に向くと思います.

後述する銀筆の場合,鉛筆では描けないような精細な線を引けることもメリットの1つとして挙げられているため,beta kのペン先を針のように細く削れば,あるいは漢字もOKな物になるかもしれませんが….

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(beta,k の購入当時は常用していたので)Moleskineに書いてみるたのですが,こちらはまぁ何とか見られる程度には使えるかなぁという感じ.いや,味が出てかなり良いかも.ただし,私のような悪筆な人の場合,beta,kを使うと更に字が汚くなって読みにくくなるかもしれないので注意.

***

さて,このメタルペンですが,『金属でどのように筆記するの?原理は?』という点は誰しも気になる所でしょう.

原理は至極単純で,ペン先が擦れ,金属粉が紙へ転写されるだけです.鉛筆と同じ.しかしその削れる量が極めて少ないので殆ど減らず,『人の一生分くらいなら使える』と言われる所以です.しかし,ペン先は金属が削れるに従って次第に丸くなって来ます.筆記線が太くなってきた場合は,紙やすりで削ってシャープにすることが出来ます.

一応歴史的な事なことに言及すると,鉛筆の登場以前に使われていた『Metal point』をモデルにした製品とのことです.『Metal point』は16世紀には絵画のデッサン用に盛んに使われており,例えばモナリザのモデルになったと言われている,レオナルド・ダ・ビンチ作のイザベラ・デステの肖像も銀筆を使って描かれていたとか.

なお,銀筆は『silver point』と呼ばれるもので,今回紹介したペンとは素材が異なり,銀をペン先に使用したペンになります.その他にも素材によって色々と違いがあり,単に紙に描けるというだけでなく,転写された金属が大気中の成分と化学反応を起こして時間と共に色が変わる,まるでトラディショナルなブルーブラックインクのような物もあります.こちらのページに素晴らしくまとめられていますので,是非ご一読を.

それと『ペン先は鉛じゃ?』との憶測があるようですが,筆記感から考えると,それ程高い純度ではないようです.ただし,ショップの説明で,"Warning: Not intended for children (due to small amounts of lead in the tip)"という注意書きがあり,また,Amazonの商品紹介には,『鉛が含まれている』『口に入れるな』『子供に渡すな』と,書かれていますので,取り扱いには一定の注意が必要です.

***

以下,まとめです.

日常使い用のペンとして見た場合,使い易いとは言えず,どちらかと言うと非実用的な感じで,使いにくさから来るマゾプレイに打ち震えることになるかもしれません.しかし見ているだけで惚れ惚れするようななデザインで,リフィル不要かつインクの寿命を気にする必要もなく,そしてシンプルな原理で故障知らず(*).緊急時に頼りになる存在ですし,モノ好きな人に対する話のネタとしては最強の携帯ガジェットと言えるでしょう.

(*)アート系を除くと,『小学生には使われるけど,過去の文房具』的な位置付けに見られることもあるけど,『シンプルな原理で故障知らず』という面では,普通の鉛筆も捨てがたい.マクナブもそう言ってた.この秀逸なコピペも内容的には納得出来ます.

昔は一部のセレクトショップ/物好きな人を対象としたショップでしか購入できなかったけど,今はAmazonでも普通に購入できるようになっています(Beta, KBeta, Pen).

遊びで購入するには少々高めの玩具ですが,話のネタとして,そして鉛筆の先祖に思いを馳せながら使ってみるって意味では,手元に置いておいて損は無いガジェットだと思います.文具好きの方でしたら是非.

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