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2013年9月16日 (月)

『1/72 VF-1A/S バルキリー 一条輝機』を購入して組んだわけですが…

今年はマクロス生誕30周年ということで,色々とイベントが行われています.

『マクロス』は絶大な人気を誇った作品なだけにシリーズ化されており,最初のテレビシリーズである『超時空要塞マクロス』から『マクロスF』(*1)まで,数多くの作品がリリースされています.その中でも,劇場版の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』とOVAの『マクロスプラス』が個人的には好きかな.必見です.

(*1)マクロスFが生誕25周年記念作品だったので,あれからもう5年も経ったのか…と,いう驚きが.

人気の面でガンダムと双璧を成していた作品だったように思うのですが,現在はガンダムよりもファンが少ないような印象がある一方で,コアなファンはもの凄くディープ(*2).そしてあの手この手でコンテンツ商売を盛り上げているバンダイ的にも,このターゲット向けの(?)新商品企画や営業に力が入っている感じ.

(*2)ガンダムの方は,ライトなファンの層が厚く,そして裾野が広い印象.

地上波ではあまり流れていないのだけど,先日BSではWOWOWで劇場版が放送されたほか,ハイビジョン版のテレビシリーズが一挙放送されたりしていました.

妹を連れて劇場に観に行ったなぁ…2回も観に行ったなぁ…なんてノスタルジーに浸りながら子供と観ていたわけですが,やはり30年前の映像をHD化するのは結構厳しい物があるかもなんて感じも少々….それにしても,手描きアニメであのクオリティってのは凄まじいですな.一部作画が乱れていたけど,それも味.

そんな中,出張帰りに立ち寄った閉店時刻間際のヨドバシカメラにて,レジ前に平積みしてあるのを見かけて衝動的に購入してしまったのが今回紹介するプラモデル.『1/72 VF-1A/S バルキリー 一条輝機』と『 1/72 VF-1 バルキリー用 ストライクパーツセット』です.

劇場版の機体を再現したもので,3形態に変形できるギミックと共に,素晴らしいパッケージ写真が私のハートを打ち抜きました.

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バンダイのプラモと言えば,接着剤不要で作り易く,塗装しなくても見栄えが素晴らしく良く,カスタマイズすると超絶クオリティになるガンプラがすぐに連想されます(→『MGのグフカスタム』のエントリー).

なので,このバルキリーもガンプラと同じような感じかな…と,思っていたら,塗装不要で接着剤も(ほぼ)不要という点しか共通点が無ありませんでした.完成時,達成感はありますが,ガンプラのような満足感はありません.

結論を先に書きますと,このプラモは,ごく一部のファンにしか受け入れられないでしょう.いや,ディープなファンにすら批判を浴びそうな感じ.でも,巷の模型雑誌などでは大絶賛だそうで….バンダイの営業力は凄いなぁ.

ただ誤解して欲しくないのは,設計図通りに作っても組み上がらないお粗末な設計であるとか,成形が滅茶苦茶でヤスリかけが必須だと言っているわけではありません.詳しくは後程まとめますが,正直言って,『よくGOだせたなぁ』と思います.ガンプラのシリーズなら,非難囂々でクレームの山だと思う….

***

ちなみに今回私が用意した(用意してあった)道具はこんな感じ.

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セメントプラモデルニッパーアートナイフフラットピンセット,そしてヤスリ です.この他塗装するのであれば各種塗料や筆,そして墨入れ用の道具が必要.適当な道具で作業を始めてはいけません.絶対後悔します.

このキットは,とにかく精巧なパーツの組み上げの連続になります.パーツをランナーから切り離した後,『バリ』だと思ってヤスリをかけたら,実はそれは填め合わせのためのコンマ何ミリの凸部分だったり.とにかく神経を使います.

プラモデルのブランクが長い人は,途中で挫折しそうになるかもしれません.精緻なパーツの組み上げの連続でテンションが下がってきたら,『愛・おぼえていますか』をかけてテンションを維持し,細かなデカールを貼り続ける作業に心が折れそうになったら,『天使の絵の具』でも聞いて昔を思い出して懐かしさで心を満たしましょう.

***

いきなり飛びますが,完成したバルキリー形態はこんな感じになります.

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塗装一切無しで,デカール(水転写とシールタイプの2つが同梱されている)を貼るだけでもこのクオリティ.中々です.

ではガウォーク形態に変形.

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これも中々です.そしてアームを引き出し,ガンポッドを持たせると…

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こんな感じ.重心がアレなので,何か踏ませないとひっくり返ってしまうのはご愛敬.このポーズ&スタイルも中々決まっています.

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最後にバトロイド形態.『3形態に変形出来る』という謳い文句に偽りはありませんでした.『一応』変形出来るし,見栄えもかなりのものです.

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バトロイド形態を後ろから見るとこんな感じ.

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ストラークパーツの方は,箱を開けて中身を見たときに,『え?』という声が思わず漏れてしまうほどの価格とのギャップに衝撃があるものの,まぁ一応パッケージに書かれている通りの物は出来ます.

完成した物を航空ショーのように並べると,こんな感じ.…写真を撮るときは,背景を考えないとダメですな.

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バルキリーに取り付けるとこんな感じ.うん,いいんじゃないでしょうか.もう少し重厚感が欲しいけど,劇場版で見たゴツイ感じが出ています.

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前から見るとこんな感じ.

と,まぁ,一応完成し,塗装をしていないにも関わらず,見栄えもまずまずです.マクロスファンなら,これだけで ご飯三杯は行けるでしょう.

では,このキットの何が問題なのでしょうか.以下,解説して行きます.

***

このキットで感じた問題点は,以下の3点です.

  • 構造が複雑すぎ,また,無理がある
  • ディテールアップをデカールに頼りすぎ
  • 組み上げたときのバランスが悪すぎる

では,具体的に見てみましょう.

まずバルキリー形態からガウォーク形態への変形をしてみましょう.

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バルキリーをひっくり返し,エンジン部分のパーツをずらしてロックを二ヶ所外し,足を伸ばしてからロックを戻し,そして90度曲げます…って読んでもよく分からないですね.単純に『くねっ』と足が曲がるわけではないという点だけ理解頂けたら良いです.

キットを買った人は,身を以て変形の煩雑さを知ることになるであろう….

# ガンポッドのデカールが逆さまだって?め,目の錯覚じゃないかなぁ(震え声)

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例えばガンポッドを持たせるためには,アームおよびアクチュエーターをセットアップする必要があるのですが,アーム部分と本体の接合がイマイチで,少し触ると/触れると『ポロッ』と肩の関節に当たる部分から外れます.

変形時はこれが実に頻繁に起きます.気の短い人であれば,そのままキットを壁に叩き付け,粉々に破壊するレベルだと思う.

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説明用にアーム部分を取り外しています.まずはこれを….

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写真左右方向に引っ張り,少し肘の関節部分を伸ばします.上の写真と比べると,2-3mm伸びているのが分かると思うのですが,変形時にはこんなレベルの作業を多々強いられるんです…

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で,肘関節を曲げまして…

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蓋を開け…

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回転して収納されているアクチュエーターの部分を取り出します.

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取り出し終わったら蓋をします.

指は親指と人差し指の2本が独立して動きます.

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人差し指,中指~小指の各パーツは,このように軸の部分の填め合わせで固定する構造になっています.

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凹部分の直径は,Lightning端子の電極の幅と同じくらいです.

こんなサイズの填め合わせで組み上げている部分が多いので,少しテンションがかかるとポロポロ外れるパーツの多いことと言ったら….

例えば説明書通りにアクチュエーターを開き,ガンポッドを掴ませ,引き金に人差し指をかけようとすると,何度やっても填め合わせが外れて手がバラバラになります.平気で15分くらいは悪戦苦闘することになるでしょう.

私はマスキングテープで仮固定してから行いましたが,そうでもしないと組み上がる気がしませんでした.

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次にデカールの話ですが,ストライクパーツの方は1mm以下のデカールだらけです.シール貼るだけで1-2時間くらいかかってしまう勢いです.

結果的にデカールでそれっぽさは出ていますが,大作りなパーツのモナカ割りを組み立てるだけという構造では無く,もっと工夫したパーツ,精細なモールドで何とかディテールアップしてもらえないものかなぁと.

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そして最後に組み上げたときのバランスの悪さですが,バトロイド形態のデザイン的な痩せ加減は半端なく格好悪いです.とくに横から胴体を覗いたときのスカスカ感は絶望的です.

***

と,いうことで,私はバルキリー形態のままで固定することにしました.まだ接着まではしていないのですが,どうしようかなぁ….

多分,普通の人が,バルキリーからバトロイドまで変形させようとすると,パーツがポロポロ脱落したりはじけ飛んだり破裂したり等で,余裕で30分~1時間くらいはかかってしまうと思います.

変形する玩具って,飾って愛でるよりも,変形して遊ぶことが多いと思います.が,このキットでは絶望的にそういう遊びは無理です.

こんな中途半端な物であれば,いっそのこと『アルミダイカスト製の静物のバルキリー/バトロイド/ガウォーク 各形態別売り』とかの方が,個人的には嬉しかったかも.

マクロスにはディープなマニアが付いているので,多少高くても金に糸目をつけずにコンプするする人はいるでしょう.なので,ファンの裾野を広げるための廉価かつ見栄えのする戦略的商品と共に,高価だけど超絶高品質商品を出せば売れると思うんだけどなぁ.

*****

と,いうことで,このキットは『落第点』だと思います.個人的には,5年後に35thモデルとして,もう一度再設計したキットをリリースして欲しいところ.今月中にロイ・フォッカー機 も出すみたいですが,おそらくパッケージとデカールを変えただけだと思う.マネージャーは何を考えているのかなぁ.

ただ,フォローではありませんが,バルキリーおよびガウォーク形態は飾っておく分には結構イケルので,この価格に納得出来,かつ,静物として割り切りの出来るマニアな人にはオススメです.

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ちなみに上の写真は,キットに含まれていた『リン・ミンメイ』です.まだ塗装していないので,見栄え的にアレですけどね.

このポージングは映画での1シーンなのだけど,スッと伸ばした人差し指まで精密に再現されています.一昔前の,プラモデルが男の子のホビーとして一大勢力であった時代から考えると,凄まじい技術の進化ですな.

と,いうことで,ウォーターラインシリーズの艦船プラモに話を繋げたい所だけど,現在『罪プラ(積みプラ)』中….

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