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2011年11月 7日 (月)

シングルバーナーを使って簡単に米を炊く:『不思議なめし袋』の活用

随分と間が開いてしまったけど,このエントリーの続き.シングルバーナーを作ってメシを作ってみましょうか.

メシと言えばコメ.日本人なら米でしょ.米を食べましょうよ.

幼少の頃にキャンプに行った経験がある人であれば,『焚き火で飯盒炊飯』をしたことのある人が多いと思います.ところが最近は,焚き火が禁止のキャンプ場があるのだとか.色々と面倒なことが増えて来ていますな.

そんなわけで,今回は(火を使ってはいけない所を除いて)どこで使用できる,『シングルバーナー』を用いて米を炊く方法に関して書いてみることにします.

一気に寒くなって来たため,『ちょっと行楽でキャンプに…』と,いう感じではなくなって来ていますが,オールシーズン使えるノウハウですし,停電時/災害時にも応用できる話なので,知っておいて損は無いかと思います.

経験者であれば御存知の通り,飯盒なりクッカー/コッヘルでの炊飯はコツがありまして,美味く炊くのが結構大変.そして使用する道具によっては焦げ付きやすいため,後片付け(洗い流し)もかなり手間.こんなこともあるため,『炊飯は面倒なのでアルファ米を…』という人も多いと思いますが,今回は秘密兵器を紹介.

当然ではありますが,バーナーだけでは調理はできませんので,まずは調理のための道具を用意してください.一般に『クッカー』と呼ばれるものを用意します.新規でクッカーを購入する場合は,その素材と容量に注意してください.

素材はステンレス,アルミ,チタンの3種類がありますが,それぞれ一長一短があります.例えば重さで言うとチタン製が圧倒的に軽量ですが,熱伝導率が悪いため,調理時に焦げやすい.そして何よりも高価.

と,いうことで,衝撃に弱く,若干重量増ではあるけれど,今回は廉価で扱い易いアルミ製のクッカーを投入することにします.モノは,snow peak トレック1400 SCS-009です.容量は比較的大きめの1400ccタイプです.

『一人でバイクに乗ってツーリング』という感じであれば,1000ccくらいの小型のソロクッカーの方が良いかもしれません.しかし,複数人分調理する必要があったり,運搬時の許容量が許すのであれば,大は小を兼ねます.例えば1400ccのタイプであれば,インスタントラーメンの麺を割らずに作れる大きさがあります(←結構重要w).

ちなみにチタンのタイプはこちら .アルミの305gに対してチタンは210gであり,2/3の重さに収まっています.そして値段は約二倍也(2,300円vs4,700円).懐具合と相談して購入する物を選んでください.

あ,もちろん家で普通に調理するのであれば,普通の鍋でもOKです.

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アウトドアな方には釈迦に説法ですが,クッカーは,少しでも運搬時の容量や重量を減らすべく様々な工夫が凝らされています.例えばこのクッカーも,中に様々な物を詰めることが出来るようになっています.

一般的な詰め方としては,110~250のOD(Out Door)ガス缶とバーナー,メスキット(食器兼調理器具)という感じ.

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そしてこの製品は,snow peaksから出ている同シリーズの一回り小型のクッカー,バーナー,ガスをきっちりと収納することが出来ます.その詰め方はまるで,マトリョーシカ人形のようなイメージです.

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クッカーの他にメッシュ収納ケースが同梱されています.衛生面を考えると,常に乾燥させておきたいところ.そんな意味でも,メッシュ素材の収納ケースは有り難いですな.

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蓋を開けるとこんな感じ.

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蓋はこのように折りたたみ式の柄が付いていて…

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フライパンになります.

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本体の方も,このように折りたたみ式の取っ手がついています.

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中には計量用の目盛(0.2/0.5/1.0リットル)が刻印されています.

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収納袋に収めるとこんな感じ.

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500のOD缶は微妙に入らないサイズ(無理に収めると,蓋が浮く)

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そしてこれが今回投入する秘密兵器.『ユニフレーム不思議なめし袋

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オモテ面には,『お米をとかずに20分間沸騰させるだけでごはんができます』の説明書き.

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裏面は使用方法の説明書き.

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中身はこんな感じ.ポリエステル製不織布である『めし袋』,竹串,そして米の計量用紙コップ.20袋入りで千円弱也.

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まずは米を計量します.付属の紙コップすり切りで2/3合(100g).どんぶり飯1杯分くらい.少し下の線までだと,茶碗一杯分の1/2合.

ここで重要なのは,普通の生米でOKなこと.研ぐ必要がなく,また,不洗米でなくてもOKです.

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これをザザッと『めし袋』に入れます.

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2/3合を入れるとこのくらいの位置.

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口を折りたたみ,既に開いている穴に通す形で,付属の竹串で封をします.

では,調理を開始しましょうか.水をクッカーに入れてバーナーにかけます.水の量は多過ぎると吹きこぼれ,少なすぎると米が水を十分に吸えなくて固いままになります.『若干多めかな』くらいが丁度よい感じです.

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このストーブは屋外用.なので,今回は手っ取り早くベランダで調理開始.

本当は山の上でやりたいですな~.

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ガスストーブは風に弱いため,風対策されていないこのようなタイプのバーナーの場合,肌に心地良い程度のそよ風でも大敵です.バーナーによっては完全に火が消えますし,そこまで行かなくても,火力がかなり低下します.

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そこで今回登場するのは,所謂『風防』.例えばHIGHMOUNT ウインドスクリーンがお薦め.

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持ち運び用のケースに収められており,

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ケースから出すと,折り畳まれたファンネル本体が.これをパタパタ広げ,バーナー周りに風防を作るわけです.

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注意する点は,バーナー周りに隙間を作らずにタイトに覆ってしまわないようにすること.燃焼時の輻射熱がガス缶を激しく加熱した場合,事故に繋がる危険性があるので注意.

その一方で,外気温が低い場所で使用する場合,この輻射熱を逆に利用してガスの気化を促すという手が使えますな.(ガスストーブの場合,気化したガスを燃焼させるわけだが,ガスは気化する際に気化熱分の熱を奪う.液体ガスの温度が低下するとガスが気化しにくくなるため,火力が低下する.結果,寒冷地では長時間ガスストーブを連続利用しにくくなる)

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点火後,少し待つと…ポコポコと気泡が登って来ました.

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そしてもう少し待つと,グラグラと沸騰.ここで米を入れた『めし袋』を投入.

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繰り返し書きますが,生米が水を吸うので,水は少し多めに.しかし多すぎると吹きこぼれるので注意.様子を見つつ水を継ぎ足しながら作っても良いのですが,そうするとお湯の温度が低下するため,味に影響します.

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そして沸騰した状態で待つこと約20分…ドキドキ.

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火を止めます.

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お湯を捨てるとこんな感じ.袋の中で,米が水を吸ってパンパンに膨らんでいるのが分かります.

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お湯を捨て(/別の容器に移し),蓋をして蒸らしを5~10分します.何度か試した感じだと,長めの方が美味く出来上がりました.

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と,いうことで,完成.美味しそうな香りが漂います.紛れも無く米の飯です.日本人のソウルフードである,炊きたてのメシの香りです.

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竹串を取り,袋を開けるとこんな感じ.『米が水を吸って膨張&周りの袋が膨張をゆるやかに阻害』という戦いの結果,出来あった米には少し圧がかかっています.そのため,若干『おにぎり』を握るような感じのプレスした質感.

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袋に入れたまま食べるのは味気ないので,メスキットに盛って食しましょう.

で,味はというと…うまい!

無洗米使わないと糠臭くてマズイかと思いきや,糠は袋から出るが再び入って米に吸着しないようになっているとのことで,全然OK.そして米を炊かずに煮る調理法なので,リゾットのように,芯があるんじゃないか(*)と思いきや,こちらも無問題.と,言うか,普通に電気炊飯器で炊いたメシよりもウマイ.美味しい.最上級の賛辞を送りたい.

(*)リゾットの米のプチプチも美味いんだけど,あれはリゾットの味付けだから美味いんであって,日本食用の米に芯があったら美味しくないよね.

『めし袋』の特徴を改めてまとめると,

  • コンパクトな袋と竹串,そして生米と水を用意すれば良い
  • 米を研ぐ必要がなく,また,煮たお湯で次の『めし袋』を煮ても良いので,必要となる水を節約できる
  • 袋に入れたまま食べてもよいし,後片付けは袋を捨てるだけで良い.
  • 『めし袋』は燃えるゴミとして焼却できるほか,生ゴミ用の水切り袋としても利用できる
  • 生米,火,水があれば,普通に炊飯したようなご飯が食べられる
  • 高地で調理しても,芯が残らない(←山屋には結構良いかも)

という長所があります.

必要な物が少なく,作ったものが美味く,そして片付けが楽で出るゴミも少ないと言い換えることも出来ます.

携帯する荷物を少しでも減らしたいアウトドアスポーツ,そしてインフラや環境等に不安のある災害時下用に求められる特性を一通り備えていると言えます.

災害時用に,アルファ米や,(湯煎しても食べられる)『サトウのごはん』を備蓄している人が居ると思いますが,アルファ米はかなり割高で,『サトウのごはん』は賞味期限がそれ程長いわけではない.そんなわけで,『めし袋』を備蓄しておくと,First In First Outで常に一定量米が備蓄されているであろう家庭内の『米びつ内』が即,非常食倉庫化出来るのでお勧めです.

本当に良い製品です.考えた人は素晴らしい.そして感謝.

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