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2011年6月19日 (日)

電源ユニットを入れ替えて,Linuxサーバの消費電力を減らす

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3年目に突入したNECのExpress5800 S70(FL)ですが,24時間運転の365日運用で,今日も元気に動いています.1時間以上落ちたのは,子供が悪戯し,電源を物理的に落とされたときくらい.他に数回メンテで落としていますが,せいぜいそのくらい.実に安定していて良い感じ.

このサーバの使い方ですが,現在は録画サーバとして意外に,ファイルサーバ,外部から利用するための各種サービス用サーバとして使用しています.この他,たまに演算性能が求められるようなジョブを走らせるサーバとして使うこともあります.

そのようなわけで,低消費電力を志向したくはあるけれど,Intel のAtomAMDのFusionを乗せたサーバへ刷新するのはキツイ.とは言え,Core2DuoのE8400(3GHzのdual core)を乗せているため,イマドキのハイエンドCPUと比べたらピーク性能は雲泥の差ですし,アイドル状態の省電力性能も遥かに及ばない.まぁそんなわけで,『そろそろ刷新したらどうだろう』とかいう考えも浮かんでくるわけですが,折角安定していることだし,もう1~2年は様子を見ても良いかな…と.

ただ,24時間運転のマシンですし,消費電力の削れる部分は削ろうと思い立ち,今回はタイトルの通り,『80PLUS』対応の電源に入れ替えることにより,システム全体の消費電力を減らそうという寸法です.

いきなり電源ユニットの写真をトップに持ってきてはいますが,一番重要なのは,今どのくらいの電力を消費しているかを探ることです.そのためには,定番中の定番である,サンワサプライのワットチェッカー(TAP-TST7 またはTAP-TST5 ),もしくはワットモニター TAP-TST8 辺りを用意すると良いでしょう.とても簡単に消費電力が測れる他,消費電力の積分値,月額の電気代等も表示することが出来ます.少々値が張りますが,値段以上の物があります.

電気工事士の資格を持っているような人は,クランプメーターを使って計っても良いかもしれませんが,(あまり電気の知識の無い人に)安易に電源ケーブルの加工をお勧めするのは気が引けるので,今回は止めておきます(笑

で,外付けHDD,外付けRAID BOXを接続したLinuxサーバのシステムとしての商品電力は,実測したところ,ブート時に150~180[w],アイドル時に100~120[w],高負荷時に200[w]弱であることが分かりました.


で,少し余談ですが,電気周辺の話.

ご存知の通り,商用電力は交流で供給されます.そして大半の製品では,機器内では直流が必要なため,交流を直流に変換してから使用します.そしてこの部分で大きな損失が出ます.

交流による送電は,交流での送電を押すテスラと,直流送電を押すエジソンが争った結果,テスラが勝利した結果に端を発しています.では,世界では交流でしか送電されていないかというとそうではありません.wikipediaの直流送電のページを見ると分かる通り,日本国内でも国内の周波数変電施設等,一部で使用されています.

東電の電力不足が叫ばれた際に,頭に真っ先に浮かんだのはこの話でした.今回,50/60Hz問題や,このような緊急事態の際に,周波数変電施設の能力が不足不足することが広く認知されるようになりましたが,直流送電と共に,変電施設を分散して配置しておけば,かなりのリスク回避になるんじゃないだろうか.直流送電は万能ではありませんし,十分な信頼性や安全性を持たせるためには,かなりのコストがかかります.しかし,数年単位ではなく,十年単位の先を見据えて考える場合は,こういった物も検討に値すると思う.

あと,直流の話は,屋内に引き込んだ後の話にも関係してきます.

もう既に導入している所もあったように思うのですが,例えばデータセンターのような,多くの直流を使用する機器(サーバ/PCですな)を集めた所の場合,各々の機器が個別にAC-DC変換を行うよりも,大元でDC変換し,各機器では(電圧変換を行う)DC-DC変換を行ったほうが,損失が少ない.

もうちょっと身近な例を挙げると,家庭内のコンセントにUSB出力のあるアダプタを経由して諸々の機器を使用するよりも,大元で5[V]を作り,各ローゼットにUSBを出力を用意しておいた方が良いという話.(損失もあるだろうから,大本では高めの電圧のDCにし,各ローゼットでDC-DC変換して5Vを取り出した方が良いかも)

関連した国内の動きとしては,例えばNTTが2008年にこのような取り組みを行うことを発表していたり,Panasonicが2009年にこのような技術を紹介していたりします.リサイクルエネルギーの利用やピークシフトの為には,家庭/企業内に設置した蓄電池を利用した電力のバックアップが非常に有効だと考えられますが,そういう面からも,直流化は実に有用です.今の日本に求められているのはコレだと思うんだけどな…閑話休題.


前書き(?)が長くなりましたが,話し戻って電源ユニットの交換に関して.
今回購入したのは,玄人志向KRPW-SS600W/85+ という電源です.600WのATX電源で,80PLUSのBRONZを取得.嬉しいのは6千円を切る低価格.電源コネクタがプラグインとなる玄人志向KRPW-P630W/85+ にも心惹かれましたが,この値段差ではちょっと微妙.

なお,80PLUESの詳細についてはこちらのページを参照してください.簡単に説明すると,80PLUSの各グレードに認定されているということは,『このような高変換効率を保証しますよ』ということです.つまり,基準を満たしていない電源と比較すると,システムとしての消費電力が低下すると共に,発熱量も低下しますので,省電力化と共に,冷却面でも有利になります.

ちなみに80PLUS BRONZEを取得した電源の価格を調べるとこのような感じなので,容量を少し落としたり,別の付加価値部分に目をつぶればもう少し廉価な製品もあります.ただ,安定性と静音性も考慮すると,この辺りの製品が丁度バランスが取れているんじゃないかな.少し前であれば,1万超えているのが普通だったと思うのだけど,安くなったものです.

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各出力.3.3V,5Vが24A.12Vが2系統あって共に24A,ピークは27A,-12Vは0.8A.+5Vsbは2.5A,ピーク3A.スピンアップ時のHDDだけでなく,CPUやビデオカードのような電力をバカ食いするデバイスも12Vを利用するので,その関係もあって,12Vは2系統合わせて552Wも供給できるようになっています.

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上記のスペックだけ見て購入する人も居るけど,意外と重要なのがこの配線長.ケースに取り付けたときに『ケーブル長が足りない!』とか,逆に『余り過ぎる!』のようなことが無いようにきちんと確認しましょう.特に前者のパターンに陥ると最悪です.

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各形状のコネクタ数とファンコン時のファン回転数.静音電源が一般的になって来ていますが,その実現のための重要な要素なのが,径の大きな冷却ファンを採用することと,普段はゆっくり回転させ,そして必要に応じて回転数を上げること.排熱に必要十分な回転数で回すのが肝.

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12Vの出力が合計46Aであること,80PLUS BRONZE認定取得済であること,『全てを高信頼105度コンデンサー』にしていること,長寿命のボールベアリング12cmcmファンを使用していることが特色として書かれています.よく読むと分かるのですが,日本製コンデンサは1次側にしか使用されていません.全てをmade in Japanのコンデンサにしたい場合は,かなり高めの製品になります.まぁここはコダワリと懐具合を天秤にかけて下さい.

コンデンサは,(その他の部品と比べて)熱や経年変化で寿命が短くなりやすい部品なので,その素性は気にした方が良いでしょう.安物電源の場合,やっすいコンデンサが使用されていることが多く,コンデンサの妊娠(内部の膨張)や破裂などでその一生を終えることが多いです.

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蓋を開けるとこんな感じ.パット見,20年くらい前の製品とあまり変わらないですな.

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本体,ケーブルの他,取り付けネジが付いてきます.

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裏側はこのようにパンチメタルになっています.

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下側(CPUの上に来る部分)には,このように12cmのファン.

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ここにも定格が書かれています.

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では,Express5800 S70(FL)の電源を換装してみましょう.

まずはこれまで使用していた電源の取り外します.エアフローを確保するために,あちこちにケーブルがケーブルタイで固定されています.慎重に取り外しましょう.

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そして今回の電源に乾燥する場合に気を付けないといけないのがこれ.SATAの電源コネクタの形状.私のように,ベイをフルで埋めている場合はL型が足りなくなります.L型SATA(×2)-4ピン電源分岐変換ケーブル のような変換ケーブルを用意しておいてください.

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とりあえず電源ユニットを取り付け,一通り配線するとこのような感じ.

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上記のような感じだとファンがケーブルを噛んだりしそう&エアフローが悪いので,ケーブルタイで固定.

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上の写真だと,HDDベイの横に壁が出来ているように見えますが,後ろ側は比較的隙間があります.この辺りは電源コネクタがプラグインとなる玄人志向KRPW-P630W/85+のような製品の方が,スッキリと配線が出来るでしょうね.

ちなみにこのマシンのCPUコアおよびHDDの温度変化等は,HotSaNICで常時監視しています.エアフローの悪化による温度上昇等を心配していたのですが,上昇しておらず,逆に若干下がっていました.安心.

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で,組み上げた後で早速消費電力をチェック.アイドル時は約110W弱に.

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高負荷時は140W弱に.

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と,いうことで,アイドル時に約10%,高負荷は30%程消費電力が低下していました.素晴らしい.30%は下がり過ぎのような気がするのですが,数値はこの値で安定していました.

なお一般に,電源の負荷率によって,電源の変換効率が変わってきます.例えば玄人志向のこちらのページにあるグラフを参照すると分り易いのですが,『大は小を兼ねる』とばかりに必要以上に大容量の電源を使用したり,逆に負荷がいっぱいいっぱいの状態で使用すると,効率は若干低下します.50%くらいの負荷が調度良いようです.

とは言え,条件が悪い時であっても,通常のタイプの電源よりも遥かに高効率ですので,無印の電源をご利用中の場合は,換装する価値があります.ヘタをしたら,一ヶ月辺り千円単位で変わってくるかもしれません.

今年の夏は節電が求められることが多いので,このようなアプローチも検討してみるのが良いかと思います.


最後にケースファンの換装に関して.

一連の写真を見て気付いた人がいるかもしれませんが,ENERMAX クラスター9cm UCCL9というファンに換装してあります.

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風量13.23~38.30[CFM],運転音8~19[dB]也.10万時間の長寿命,ファン形状やフレームの構造の改善により,20~30%の風量アップがうたわれています.つまり,より冷えるし静かということですな.

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3pin->4pin変換アダプタも含め,中には必要な物が一式入っています.

004このスイッチは,LEDのON/OFFスイッチ.

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PWM4ぽんコネクタをPWMソケットに接続すると,BIOSからファンスピードの調整ができるようになります.右は3ピンコネクタ.

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M/Bのコネクタに挿します.

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ケースへは,同梱されているアイソレータ(振動防止ゴム)を使用して取り付け.

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CPUファンにも干渉しません.

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LEDをONにして通電.暗くするとこんな感じで光ります.

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ケースの外から遠目で見ても,稼働していることが確認できます.

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後ろからみるとこんな感じ.光るのが嫌な場合は,先のスイッチをOFFにしておいて下さい.

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いい感じです.換装により,静かになりました.温度変化の方は下がっているようにも見えますが,その差はかなり微妙な感じです.

ケーフファンの換装と共に,ついでにCPUクーラーも掃除してみました..たまにエアダスターで綺麗にしていたのだけど,M/Bから外し,ファンを取り外してみると….目詰まりしていて冷却性能絶賛低下中でした.

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夏を迎えるに当たり,『最近ケースを開けてないなぁ』という人は,諸々のメンテナンスをしておいた方が良いかもしれません.

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コメント

こんにちは、大変興味深く拝見させていただきました。
私もS70FL標準電源で使用中で、省電力化や静音化を考えておりましたので、上記で紹介された同じ電源を購入し、換装してみました。
すると、PCIに接続したPT2とi1334カードがどちらも認識しませんでした。
標準電源では、PCIスロットの下に3pinファン用のコネクタがあり、それ用のコード(白黒青)もありましたが、KRPW-SS600W/85+ではそれに代わる線が無いようでしたので、同コネクタには何もつなぎませんでした。
これがいけなかったのが分からず、ここには何もつながなくてもPCIスロットに影響はないのか、つなぐ必要があるならどのようにつなぐのかご教授いただくと大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。

投稿: 鯖ビギナー | 2011年8月13日 (土) 16時29分

返事が遅くなりました.

うちの鯖では,この電源ファン用の端子は接続していません.ここは単にファンの監視やコントロール用の物なので,起動時に(BIOSの設定によっては)『ファンが止まってるよ』という警告を出すことはあると思いますが,PCIカードの認識が出来なくなる原因にはならないように思います.

ちなみにうちでは,PCIにPT2とSATAのカードが挿してありますが,二枚とも問題なく動いています.

PCIカードが何かの拍子に斜めに刺さっていたり,4pinのケーブルをM/Bに挿していないなど,その他の点で不安定になるような要素は無いでしょうか?

一度元の電源に繋ぎ直して無事に動くかを確認し,電源ファンのコネクタをM/Bのコネクタから外して(&ファンの電源を別コネクタから取るようにして)みて,これが原因でPCIが不安定になるかを検証&切り分けてみるのも良いと思います.

後は…電源の初期不良でという可能性もありますが,諸々試してみないと何とも言えないですね…

投稿: tadachi | 2011年8月13日 (土) 18時29分

アドバイスをありがとうございました。
その後,元の電源につなぎなおしたら,PCIは無事作動し,電源ファン用の端子を抜いたところ,PCIに影響はありませんでした。
それで,購入した電源に再び交換したら,またPCIが認識しない状態となりました。
純正と購入の電源交換を何回か繰り返し,
そのうち,購入電源でPCIが認識してくれるようになりました。
結局はっきりした原因はわからず,
でも,PCIの挿し方がまずかったのでしょうかね。
PT2もi1334も復活しましたので,
しばらく様子を見てみます。
おかげさまで,静かになったのは容易に分かります。
私は,まだまだS70FLには頑張ってもらおうと思っているので,またおすすめカスタムがありましたらお教えください。
よろしくお願いいたします。
ちなみに,
cpu Celeron Dual-Core E3200
HDD データ保存用に1TB追加
メモリ 3G
ATI RadeonHD 4350
OS XPpro
で非常に軽快に動作しています。

投稿: 鯖ビギナー | 2011年8月18日 (木) 14時32分

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