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2009年7月26日 (日)

ムショメシ

昨年はミリメシ本が雨後のタケノコのごとく出版されていたけれど,一段落した模様.で,本屋で新しいオモロい本が出ていないか確認しつつフラフラとしていたときに見付けたのがこの本.手に取ってパラパラと中身を確認した後にそのままレジへ.

中身はというと,公開されている刑務所のメニュー表を元に,どのようなものが食べられているかを再現してみましたというもの.さすが三才ブックス.ミリメシブームにそのまま乗っからない所が良い感じ.目の付けどころが違う(笑)

多くの人にとって一生無縁の世界の話なんだろうけど,塀の中の話はそこそこニーズがあるようで,体験談等の書籍は何冊か出ています.しかしその大半は,どのような1日が送られているかや規則や施設設備その他に関するもの.おそらく食事に関してのみフォーカスを当てた本はこの本が初めてなんじゃないかな.

『臭いメシ』とか言われる一方,娑婆で食うに困って塀の中に戻るために再犯する人もいたりする.そのメニューに関しては断片的な情報を元に色々と想像を膨らませることは出来るのだけど,しょせんは想像.この本は写真付きで日々の食事を解説しているので,読めば/見れば『ふむふむー』となる.ビジュアルに訴える物はやはり強い.

1日の食費520円,必要カロリーや栄養バランス等もきちんと計算され,また,食事は獄中で数少ない楽しみであることもあって,満足度を上げるべく色々と工夫が凝らされている.そして正月やクリスマス等イベントがあるときにはメニューもそれ用にアレンジされるし,少年院とかの場合はスナックが出たりもする.

盛り付けや彩りは正直ちょっとアレなので,店屋物のように食欲をそそる感じの見栄えではないが(*1),食材は安全だし,栄養価も考えられた健康的な食事である.あ,いや,案外味も良いのかもしれない.食事が原因で,所内が常に殺伐としている…なんてのがあると相当やばそうだし.ただ,甘い物はかなり少なめで,獄中にいるときは甘味に対する渇望が相当強まるそうだ.

(*1)学校の給食を思い出した.再現の際に,雰囲気を出すためにわざとそうしているのかも.実際に確かめる術が無いので何とも言えないけど.

で,一般的な話としても,食事が偏ると心身共にどこかしら支障が出てくるし(*2),摂取した物は短期的なエネルギーとしてのみ消費されるわけではなく,体の一部となって長期的に影響を及ぼす.そう考えると,食事はなかなか疎かに出来ない.

サヴァランのように,『どんなものを食べているか言ってみたまえ.君がどんな人間であるかを言いあててみせよう』とまでは言わないけれど.

外食ばかりの独り身の場合は,なかなかそうも言ってられない場合もあると思うけど,食事の内容に少し気を付けるだけで,体調とかが良くなる場合もある.やはり自分のパフォーマンスを高い状態で維持するためには,何をどのように食べるかに気を配るべき.内容を少し練れば,LifeHackにすらなる分野だと思うんだけどな.

(*2)大抵の人は腹が減ると衝動的で短絡的で怒りっぽい人間になる(笑),低糖質ダイエット中は,頭の回転が遅くなった感じがするなんて話を聞きますな.子供の集中力と食事の関係という調査報告も出ていたような覚えがあるし,調べてみると色々と細かな研究がなされているかもしれない.

と,いうことで,知識欲が満たされると共に,色々なことを考えさせられる本であった.

獄中でどんな物が食べられているか興味があったり,近々塀のあちら側に落ちるかもしれない方は読んでみると良いかもしれない.

# あと,食事のときの食べ方を見ると,その人の育ちの善し悪しとかも大まかに判断できるように思う.元同僚も同じようなことを言っていたので,こういう所で(も)人を観察して判断している人は案外多いのかもしれない.食事の場というのは色々な物の縮図になっていて,食べ方でその人の過去,食べている物でその人の未来が分かるという感じなのかもしれない.

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