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2007年10月10日 (水)

食品の裏側

 誰もが毎日口にしている食品添加物の話.知っているようであまり知られていない(隠したがられている)世界の話.

 本書の著者は,食品添加物の専門商社の元セールスマン.自分が開発に関与した,クズ肉と食品添加物で出来た肉団子を「おいしい,おいしい」と,食べる自分の子供を見て衝撃を受け,これを切っ掛けに会社を辞めたそうだ.そして現在は,自然海塩である『最進の塩』を販売する会社に勤める傍ら,全国で食品添加物に関する講演をしているとのこと.

 本書は,食品添加物を作る側の人の書いた科学的な話中心の本ではなく,また,危険性をエキセントリックに書き立てるような市民団体が書いた本でもない.その中間的な,売る人と買う(使う)人という部分に関する話が中心.一時期凄まじく売れていたので,既に読んだことがある人は多いと思うし,この方が書かれた/インタビューを受けた記事を目にしたことがある人も多いと思う.

 内容はというと,どんな人が食品添加物を求めているか,何故求めているか,一体ソレは何なのか…といった切り口で,様々なエピソードを交えながら話が進められていく.

 「添加物の神様と呼ばれていた」とか,何百種類もの添加物を舌で判断できるとか,少々自画自賛な自慢げな話も多いのだが,文体が柔らかいせいか,読んでいてあまり気にならない.しかしその一方で,「業界でこの著者を知っている人は皆無だ」という話も聞くし,ある意味「怪しさ」も滲み出ているような気がする.


 まぁそういった意味では,『内容の正確性や真意に注意をしながら読むべき本』に当るとは思うのだけど,書かれている様々なエピソードは非常に面白い.耳当りが良いと言うか,あまり毒が無く,また,いかにもありがちな,「へぇ~」という感じの話が多い.真剣に考えると結構怖い話も書かれているのだが,文体のせいか,オドロオドロしい印象は受けない.

 なにかこう…町工場やセールスマンのおっちゃんと,居酒屋で世間話をしているような感じと申しましょうか…


 詳しい中身は読んでもらうとして,内容を要約すると以下のような感じかな.

  • 食品添加物 = 悪という捉え方は良くない.影の部分もあるが光の部分もある
  • 見た目,味,香り,保存性といったものを改善する用途で使われている
  • 捨てるしかないような食材でも,食品添加物を使うと あら不思議! 立派な食べ物に
  • 食品添加物にも安全性の高い物と低い物がある.使わざるを得ないときも,安全な物を選び,を安全な量で少なく使うべき

 こう並べて書くと,至極真っ当な話ばかりだし,あまり特異な内容でもないような印象が…

 なお,私の立ち位置としては,「安全が確保されているのであれば,その使用に対してそれほど神経質にならなくても良い.ただし,何が使われているか等の情報はきちんと公開されるべき」と,いう感じ.とは言え,日頃の食生活では,ジャンクフードや(おにぎり以外の)コンビニ弁当は極力避けるようにはしていますけど….

 あと,食紅の材料として利用される,サボテンに付く虫の話の話,先日採り上げた本にも載っていましたが,本書にも載っていました.私はこの話に「ゲゲッ」と来なかったのだけど,(イナゴの佃煮とか食べたことも見たことも無いような)最近の子供はかなり衝撃を受ける話なのかも.ビビらせるネタとしては定番なのかな.


 本書はあまり毒々しい話は載っていなかったのですが,もっとエグって欲しい向きには,宝島社の一連の本を読むことをお薦めします(ただし,煽られて過剰反応しないこと).実際に読むと,外食産業だけではなく,スーパーに並んでいる食材にも不信感が出てくるかもですが….

一応下の方にリンクを貼っておきます.表紙の拡大画像を見るだけでも楽しめるので,是非見てみてください.


 あと,健康に良いという宣伝文句で売られているモノも,「実際にはどうなんだろう…」と,いうものがあるので注意深くなった方が良い.

 例えば砂糖と違って工場で安価に大量生産出来るってことで売る方にとってはオイシイ 人工甘味料は,当初色々と危険性が言われていたような気がするけど,「カロリーゼロ」とか「ダイエット」とかいうキーワードの前にこういうネタは霞んでしまった.また,体に脂肪が付きにくいというウリの某オイルは発ガン促進作用の疑いを持たれているようだし,もっと身近な所では,「植物油だからヘルシー」とかいう売り文句だったマーガリンとかも,トランス型脂肪酸の毒性が海外では賑やかだ(日本ではあまり話題にならないのは何故?ちなみに私の所では随分前からバターに切り替え済み)


 「絶対安全な物を!」とか「自然な物のみを!」とか極端な生活をするのは非常にコストがかかるし,一般庶民には現実的ではない.「生きることは体に悪い」と,言っていた先生もいたけど,食べるという面でもムズカシイものですなぁ.

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コメント

はじめまして。

Asus Terminatorの情報を探して辿り着いて以降、
こちらの更新を楽しみに、ときどき覗かせていただい
ています。

仕事に追われる日々ですが、Amazonのように、芋づ
る式に商品を薦めてくれる(笑)サービスを利用するよ
うになってから、以前よりも読書が増えた私ですが、
(こちらのように)ブログ経由での発見、購入というル
ートも、もともとそのブロガーに惹かれて閲覧している
以上、購入してハズレということも少なく、とてもいい
仕組みだな、と思っています。

今回も、とても興味深い内容でした。

ちなみに・・・。

Terminatorは、「Tu」でセレロンを積んだモデルに、
OSでWin2000を入れて使っているのですが、最近、
Web上でワイド画面を前提に作られたコンテンツが多
くなり、仕方なく画面設定をXGAからSXGAにしたとこ
ろ、表示でもたつく感じが顕著になり、買い替えを意
識するようになりましたが、故障ではなく、製品が陳
腐化する速度が急速に速くなる昨今、本当にこれで
いいのか、と考える日々です。

では、失礼します。

投稿: との | 2007年10月11日 (木) 01時59分

とのさん はじめまして.

マーケッティング/営業関連の本を読むと,人は一つ購入することを決めるまでの壁は高いけど,一つ購入してしまった後は,ついでに…と,別のものを購入しやすいのだそうな(*).そういう意味では,Amazonのシステムはホントに良く出来てますね(笑).私もシステムに導かれるままに誘導され,気が付くとカゴに色々と入ってしまっています.毎月書籍を何冊購入したか集計しているのですが,今年の平均は50冊/月くらいでした….

なかなか読んだ本全てを紹介し切れていない面はあるのですが,ボチボチ書いていきますので,今後ともよろしくお願いします.


それと最近は本店の方を殆ど更新しておらず,技術系の話を読みたい方には心苦しい限りです.いつか書こうとしていたネタも,実質,死蔵状態になっているものが多くなって来ています….

で,これも半ば死蔵になりかけていたネタなのですが,Terminator TUのように,オンボードVGAを搭載しており,メインメモリとVRAMを共有するようなタイプの場合,画面表示を高解像度化したり リフレッシュレートを高めると,途端に速度が落ちることがあります.詳しい説明は省略しますが,ベースクロックの低い Celeron の場合はその影響が顕著に出やすいと思います.

この問題を解決するために,もしもPCI接続タイプの VGAカード が廉価に入手可能であれば,一度試してみるのも良いかもしれません.TUに使うとしたらあまり高速機能なものは必要ありませんので,「PCI接続・廉価・ファンレス・低発熱」を条件に選ぶと良いと思います.

かなり古いカードになりますが,私は GeForce2MX400PCI や RADEON90-PCI64C を利用していました(後者は今も現役).オンボードと比較して表示がクッキリすることもあり,お薦めですよ.

また,TU の比較的新しいBIOSでは,オンボードVGAを殺すことが出来ますので,VGAカードを挿した場合はこの機能を利用するようにしてみてください.2モニタにも出来ますが,この場合は前述の理由でパフォーマンスが落ちてしまいます.

TUを少しでも長く使うためのFYIでした.

(*)「車本体は散々値切るし悩み抜いた後に契約するけれど,契約後に(マット等の)オプションを薦めると大抵購入する」のような例で書かれていました.たしかに大物/本命を購入した後は,財布の口が緩みやすいかも.

投稿: tadachi | 2007年10月11日 (木) 12時04分

10 ハイビジョン特集
[S][字]証言記録・マニラ市街戦▽死者12万、太平洋戦争の悲劇▽焦土への1カ月

投稿: シマコ | 2007年10月11日 (木) 21時51分

ご丁寧な返信、ありがとうございます。

物を買うときの心理については、まさに仰るとおりですね。
最近、CMでベビーカーを例にした心理を説くシーンを見てなるほど
と感心したものですが、Amazonでも、この手の本が芋づる式に出
てきて、思わずクリックしてしまいそうになります(笑)。

ちなみに、私がAmazonを利用するのは月1回で、商品も5点までと
決めているので、tadachiさんが少し、羨ましく感じます。

実は、多趣味で大人買いを極めた時期がありますが、ある日、物で
溢れた部屋を前に自分を省みて、これ(買った品々)が自分に何をも
たらしてくれているのか?と疑念を抱くようになりました。

結局、集めた品々の殆どは処分し、身軽な暮らしを心掛ける日々で
す(建築家ル・コルビュジェが終の棲家に選んだ「湖畔の家」と、その
暮らしには得るものがあります)。

私が月に50冊購入できる立場なら・・・。
いいものは人に薦めたがるおせっかい気質なので、早々に私設の図
書館が出来てしまうでしょう・・・。
あぶない!あぶない!やっぱり私は月5点に絞り、ひっそりしておか
なければ(笑)。

※ビデオカードについても、とても参考になりました。
 自分の中でも「多分・・・」とは思っていたのですが、実は、画面表示
 のもたつきだけでなく、最近、何かしようとするたびに、PC画面にあ
 れがないこれがないと表示され、少し諦めモードになっていました。

 カードまで教えていただき、もう一度、ケースを開ける気分になってき
 ました。

 ありがとうございました。

投稿: との | 2007年10月12日 (金) 05時57分

とのさんは聡明な方だとお見受け出来ました。
…ところで、突然不躾に恐縮なのですが↓こういう世界は
http://yuriyuri.sakura.ne.jp/sonohanabiranikutidukewo.html
どう思われるでしょうか?

投稿: シマコ | 2007年10月12日 (金) 21時54分

シマコさんへ。

せっかくご紹介いただいたのですが、私は、現実社会の女性に振り
回されていますので、おなかイッパイという感じです(笑)。

////////////////////////////////////////////////////

tadachiさんへ。

コメント欄を延ばしてしまってすみません・・・。

投稿: との | 2007年10月14日 (日) 06時27分

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