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2007年4月24日 (火)

知的ストレッチ入門

 

知的ストレッチ入門: 日垣 隆(著)

 風邪で1日中伏せっていた休みの日,これまで何度も出張の度に持ち出しながらも,ページをめくる機会の訪れていなかった本書をようやく読み始め,読了した.平易な文体で書かれており,ぼーっとして少々理解力の落ちている状態でもスルスル読めた.

 帯にも書かれているのだが,本書は21世紀版の「知的生産の技術」(*)を目指しているそうで,この本を読むことにより,知的生産能力は100倍になるのだそうだ.

(*)梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」があまりに偉大すぎるためであろうか.どの本もあまりに意識し過ぎているような気がする.

 で,本書の要点は実は帯に箇条書きで書かれており,それをさらっと読むだけでも,内容をある程度理解/予想/把握できると思う.書かれているうちの3点ほど挙げ,本書の内容の私なりの解釈を並記すると,以下のような感じだ.

    1ヶ月で100冊の本が読める
    →重要な部分でない所は読み飛ばせ.最後まで丁寧に読む必要は無い
    仕事を後回しにしないコツ
    →その場その場で集中的にやってしまうことの習慣化
    アウトプットを前提にする
    →アウトプットを前提としないインプットは無駄

 『余計なことは考えなくて良いから,我を信じてそれを実践せよ』に近い宗教掛かったHowTo物は違和感がある.しかしその一方で,漠然とした話ばかりだと掴み所がななく,読了後にモヤモヤ感が残る.1)最終的に何らかの方法論として具体化.2)そこに至るまでの思考手順・内容の論理的な記述.3)他にも転用できる方法/考え方として定義・提案(一般化).の1)~3)が満たされていると理想的なのだが…

 本書の読了後,(私の場合は)ややモヤモヤ感が残った.読んでいて「知りたい!」と,思った部分を微妙にはぐらかされる感覚もあったし…

 第2章~第3章辺りから急に内容と言いますか…カラーが変わっているような印象を受け,一貫性が無くなっている所に違和感があった.また,時事問題をからめて説明を試みている部分が散見されますが,いくつかはその必要性に疑問を感じた.郵政民営化や解散総選挙の話は急速に風化(**)した話になるであろうから,「21世紀の『知的生産の技術』」を目指す意味では時事ネタは少なくする方が良かったのではなかろうか…とか読んでいて思いました.

(**)意味/意義が希薄になるという意味ではなく,時と共に身近な話題として感じられなくなるということ.逆にある程度以上時間が経っている(かつ,残っている)話に関しては,時と共に重みが付いていくように思う.

 本書の冒頭に,まずは『書斎』,そして『自分専用の机』が必要との話が出て来る.確かに文筆業の方の場合はそうなのかもしれないけど,この手の切り出し方は(王道かもしれないけど)食傷気味.最近はフリーアドレスオフィスとかもあるし,従来は机の上に広げざるを得なかった資料もどんどん電子化可能だ.こういった状況の変化に伴う,いつでもどこでものユビキタス書斎のような,どちらかと言うと理工系的アプローチの話が読んでみたいな…とか最近は思っている.米国では社屋を構えずにコーヒーショップを根城にして活動するベンチャーもあるとのことなので,そういった人たちのワークスタイルにも興味があるなぁ.

 本書を読み,得られたものは,第一章の具体的な方法論の話と,「アウトプットを意識して情報を取捨選択」という辺りかな.その他はごくごく当たり前のことが書かれている感じ(これはこれでとても重要なことである.真理に近いものは単純かつ当たり前のことが多い)に思われ,あえて日垣氏が書かなくても…と,思いつつページをめくることが多かった.

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